艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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戦艦メイン。

キャラ崩壊含みます。


艦これSS九話

 

 ○○鎮守府、一四○○ーー

 

 戦艦寮の一室ーー

 

二人『はぁ~』トオイメ

 

 二人の艦娘は座敷に座り、揃ってため息を溢し、窓の外を見ていた。

 

武蔵「すまないな、陸奥」

陸奥「それは言いっこ無しよ。こっちだって申し訳ない気持ちしかないもの……」

 

二人『はぁ~』ソラハアンナニアオイノニ

 

陸奥「我が姉ながら困った人だわ……」

武蔵「それは私の姉にも言えることだな……」

 

 そう先程から盛大にため息を溢すのは武蔵と陸奥、それぞれの姉である大和と長門なのだ。

 

 四人共、今日は非番なのだ。

 

長門「大和……私達は提督に要らない娘扱いされているのだろうか?」

大和「長門……分かるわ、その気持ち。でも、仕方ないわ。私達は大型戦艦なのだから……」

 

 二人は作戦となれば獅子奮迅の活躍を見せるが、非番となると提督の役に立てないとしてネガティブ思考になるのだ。

 

陸奥「姉さん、私達が要らないならもうとっくに何処かの鎮守府に異動してるわよ」

武蔵「そうだぞ、姉さん。提督は私達にちゃんと休息をくれているんだ。そんな言い方をしたら提督が悲しむぞ?」

 

 姉達の言葉に見かねて、二人は自分達の姉にそう言うものの、二人は再び窓から空を見つめてため息を溢した。

 

妹ズ『(我が姉ながらめんどくさい……)』

 

 トントンーー

 

 すると突然ドアがノックされ、武蔵と陸奥が返事をする。

 

 ガラガラーー

 

提督「お、四人共揃っているな」

姉ズ『て、提督!?』

 

 提督の顔を見た瞬間、目にハイライトが戻る二人。

 

陸奥「あら、提督じゃない。一体どうsーー」

長門「ど、どうしたのだ、提督!? 何か問題でもあったのか!?」

大和「大和、いつでも出撃出来ます!」

武蔵「落ち着けっ、この恥さらし共っ!」ゴチン

姉ズ『』オウフ

提督「……出直した方が良いか?」

陸奥「大丈夫よ。いつもの事だから」

武蔵「その通りだ。……で、私達に何か用事か?」

 

提督「いや、大したことじゃない。これからちょっとした用事で街に行くんだ。もし時間があるなら、良かったら一緒に行かないか? 用事はすぐ済むからその後で日頃の任務の労いとしてお茶でもご馳走しようかtーー」

姉ズ『是非ご一緒させていただきます!』ズズイ

提督「あ、あぁ、それなら行こう。各自準備もあるだろうから仕度ができ次第、鎮守府の門の前に来てくれ」

 

 パタンーー

 

長門「街に提督と……」ポー

大和「デートだなんて……」ホゥ

陸奥「いや、付き添いしてお茶でしょ?」

武蔵「放っておけ。気に掛けるだけ無駄だ」

 

 艦娘仕度中ーー

 

武蔵「しかし、提督もタイミングが良いな」

陸奥「そうね。あれだけ気遣い出来るのに、鈍感なのが不思議だわ」

武蔵「気付いては居るが、素知らぬ振りをしているだけかもしれないぞ? 私は姉さんとは違ってまっすぐ好意を伝えているからな」

陸奥「あら、それは私も一緒よ? 火遊びなんかじゃ済まさないんだから♪」

 

長門「私はお前達が羨ましい……」

大和「右に同じよ……」

武蔵「好きなら好きと、そう言うだけじゃないか」

陸奥「そうそう。想いは伝えなきゃ伝わらないわよ。勿論、みんなとの規約に違反しない程度にね」ニコッ

姉ズ『だって、面と向かって言うのは恥ずかしい……』モジモジ

妹ズ『(あぁ、マジでめんどくさいな……)』アタマカカエ

 

 

 正門前ーー

 

 そして門の前に着くと、提督は煙草を吸って門の前に立っていた。

 

◆長門eyes

提督『待ってたよ、長門。さぁ、おいで』キラーン

 

◆大和eyes

提督『君を待つのも楽しい時間さ。さ、手を』キラキラ

 

◇現実

提督「お、来たな。では、車に乗りなさい」

陸奥「これ、提督の車? 綺麗ね~」

武蔵「白い車とは洒落ているな」

提督「六人乗りだ。これならみんな乗れるだろう?」

姉ズ『…………』ボケー

 

◆長門eyes

提督『長門と乗りたくてな』キラーン

 

◆大和eyes

提督『これで君を迎えたくてな』キラキラ

 

◇現実

提督「大和、長門……大丈夫か?」

姉ズ『……ぐはっ』トケツ

妹ズ『このバカ姉共め!』ガツン

姉ズ『』チーン

提督「お、おい、二人共大丈夫なのか?」

妹ズ『気 に し な い で』ハイライトキエール

提督「そ、そうか。では、すまないが二人を後ろの座席に運んでくれ」

武蔵「なら、私が運ぼう」

 

 

 艦娘運び中ーー

 

提督「では、武蔵か陸奥のどちらか助手席に座ってくれ」

武蔵「私は運転する姿を後部座席から見るのが好きだから、陸奥、お前が助手席に乗れ」コソ

陸奥「あら、それなら話が早いわ。ありがと、今度奢るわ」コソ

提督「???」

 

 

 艦娘乗り込み中ーー

 

提督「では、出発するぞ」

陸奥「えぇ」ヨコカラガンミ

武蔵「あぁ」ハイゴカラガンミ

 

 

 鎮守府付近の街ーー

 

 街のコインパーキングに車を停める。

 

提督「私は自分の用事を済ませるが、みんなはどうする?」

姉ズ『お供致します!』ズイ

妹ズ『愚姉の監視に同行します』スチャ

提督「あ、あぁ。分かったよ。つまらないかもしれないが、それでも良いなら付いてきなさい」

姉ズ『はい!』キラキラ

妹ズ『』ハイライトキエテール

 

 

 艦娘達&提督移動中ーー

 

 そして、私は用事がある店にみんなを連れていった。

 

 

 鍛冶屋ーー

 

武蔵「ほう、鍛冶屋か……」

陸奥「雰囲気あるわね~」

姉ズ『…………』ドキドキ

提督「では、中に入ろう」

 

 ガラガラーー

 

提督「失礼する」

店主「おう、来たな! 何だ……今日は女を侍らせてきたのか!」ガッハッハ

提督「彼女達は私の大切な部下であり戦友です。そんな言い方はしないでくださいよ」ニガワライ

店主「相変わらずお堅いな~。だから、未だに嫁さんも居ねぇんだよ」ヤレヤレ

提督「今はこんな時です。わざわざ私に嫁ぎたい人など居ませんよ。それより例の物は?」

姉ズ『(嫁ぎたい嫁ぎたい嫁ぎたい嫁ぎたい嫁ぎたい嫁ぎたい嫁ぎたい嫁ぎたい嫁ぎたい嫁ぎたい!)』アツイマナザシ

店主「……はいはい。んじゃ、これ……確かめてくれ。(あの姉ちゃんらは苦労するな……)」

 

 そう言って店主に手渡された刀。

 

提督「みんな離れていてくれ」

 

 カシャッ!

 ヒュン、ヒュン、シャッ、ブォン!

 カシャン……

 

陸奥(凄いお手前……流石ね)

武蔵(いつ見ても素晴らしい太刀筋だ)

長門(心のアルバムに永久保存不可避)ハナヂ

大和(ふ、ふつくしい……)ハナヂ

 

提督「うむ、相変わらず良い出来です。またお願いします」

店主「任せときな。あんたの頼みなら断らねぇさ。あんたらのお陰でこちとら安心して商売が出来るんだからな」

提督「その信頼に恥じぬよう努力します。代金はこれくらいでいいでしょうか?」

店主「ひい、ふう、みい……あ? ちったぁ多過ぎねぇか?」

提督「刀の仕上がりに満足しましたから。少しおまけを」ニコッ

店主「はっはっは! 相変わらず気前が良いねぇ! なら、次はもっと良い仕事をしなきゃならねぇな!」

提督「ははは、期待してます」

 

 それから店を後にした私達は、次の目的地へと足を運んだ。

 

 

 艦娘達&提督移動中ーー

 

 私がみんなを連れてきたのは、スイーツバイキングと言う二時間限定の食べ放題形式のお店だ。

 

 

 スイーツバイキングーー

 

陸奥「へぇ~。提督にしては可愛い所ね」

武蔵「色々な物があるな……」

長門「胸が熱いな……!」キラキラ

大和「推して参ります!」キラキラ

提督「前に来た時に見つけてな。ここなら存分に堪能出来るだろう?」

 

 六人掛けのテーブルに↓の様に座る。

 

通| 長 陸 提  

路|□テーブル□ 窓

側|  大 武   

 

 

店員「当店は二時間制のバイキング形式になります。お飲み物はドリンクコーナーからお好きなものをお選びください。お冷や、おしぼりはセルフサービスとなりまして、ドリンクコーナーの所からご自由にお取りください。お時間になりましたら、店員がお知らせに参ります。ごゆっくりどうぞ」ペコリ

 

提督「では、みんな好きな物を取ってきなさい」

陸奥「あら、お気遣いありがとう。じゃあ、お言葉に甘えて先に行くわね。ほら、姉sーー」

長門「陸奥、早く行くぞ!」グイグイ

大和「武蔵、私達も行くわよ!」グイグイ

武蔵「では、行ってくるぞ」ズルズル

 

 ーー。

 

陸奥→ちょん (並盛)

武蔵→どん  (大盛)

長門→どーん (特盛)

大和→どばーん(テラ盛)

 

長門「今お冷やとおしぼりを貰ってくる」

大和「私はみんなの飲み物取ってきます。提督は大和と同じもので良いですか? 大和は緑茶ですが」

提督「あぁ、同じもので頼むよ」

陸奥「大和さん、私はカフェオレ」

武蔵「姉さん、私は抹茶ラテ」

大和「はいはい♪」

 

陸奥「提督はスイーツ取ってこなくて良いの?」

提督「あぁ、今日は君達への贈り物だからね」

武蔵「なら、私が取ってきた物を少しやろう。どうせ、また取りに行くからな」

陸奥「それは名案ね。なら提督、私が食べさせてあげるわね♪」

提督「ははは、ありがとう」

 

 大和と長門も戻ってきたので、私達は手を合わせた。

 

提督「頂きます」

四人『いただきます!』

 

 ーー。

 

長門「うん! 美味い! やはりチョコレートケーキは至高だな!」ガツガツ

大和「王道のショートケーキも最高です!」ガツガツ

陸奥「あら、このチーズケーキ美味しい。はい、提督もどうぞ」アーン

提督「あぁ、ありがとう……うむ、良い味だな」

武蔵「こちらの抹茶プリンも良い味だぞ?」アーン

提督「おぉ、ありがとう……うん、確かに」

 

姉ズ『(羨ましい……)』モグモグ

提督「大和、口元に生クリームが付いているぞ」ヒョイ

大和「あ、お恥ずかしいです////」

提督「気にするな、これくらい可愛いものじゃないか」ペロッ

三人『(あ……)』

 

大和「…………////」プツン

提督「? どうした大tーー」

大和「提督! 大和は提督を食bーー」

武蔵「大人しくケーキを喰え!」バチコーン

大和「むぐ!? ……あ、これ美味しい~♪」ショウキモドール

陸奥「ナイスよ、武蔵」グッ

長門「あれをされたら私も大和みたいになっていた自信があるな……だが、羨ましい……」モグモグ

提督「???」コンワク

 

 それから二時間、たまに大和と長門が武蔵と陸奥に無理やり言葉を遮られてはいたが、楽しい一時を過ごせた。

 

 

 帰りの車内ーー

 

提督「いや、しかし……あの店の最高消費量記録を塗り替えてしまうとはな……」アハハ

武蔵「大型戦艦が四人も居たのだから当然だな」フフン

陸奥「でも、記録更新記念に写真を撮ってもらえたから、私は良い思い出になったわ♪」ニコ

長門「提督との写真……」ポー

大和「提督の隣に大和が……」ニヘラ

提督「みんな良い息抜きになったなら良かったよ。次の作戦の時は君達の働きに期待しているよ」

四人『はっ!』

 

 それから他愛ない話をしながら、夕日に染まる空の下を車でゆっくりと走り、鎮守府へと戻ったーー。

 

 

 帰宅後、戦艦寮、一室ーー

 

長門「えへへ~、提督とのデート楽しかった~♪」クネクネ

大和「提督とのお写真は宝物です~♪」モジモジ

妹ズ『(どっちにしてもウザいのには変わらないな)』ハァ

姉ズ『にへへへへへ~~♪////』キラヅケカンリョウ




読んでくれて本当にありがとうございました!
次もストックはあるので早めにあげたいと思います!

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