艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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天使のみ。

独自設定、独自世界観、他作ネタ含みます。

ちょい長めです。


艦これSS八十三話

 

 ○○鎮守府、一六○○ーー

 

 鎮守府内、中庭ーー

 

 日が暮れ、辺りが暗くなり始めた頃、睦月と文月は中庭で誰かを待っていた。

 

睦月E.桜色マフラー

 

文月E.チョコ色マフラー

   白のネコ耳付きイヤーマフ

   チョコ色ミトン

 

 

文月「ねぇねぇ、睦月ちゃん」

睦月「な〜に〜、文月ちゃん」

文月「寒くないの〜?」

睦月「平気だよ〜。睦月だもん♪」

文月「すごいなぁ♪ さすが睦月ちゃんだねぇ♪」

 

電「お待たせなのです〜」ノシ

五月雨「来たましたよ〜」ノシ

睦月「あ、来た来た〜」ノシ

文月「お〜い♪」ノシ

 

 そこへ電と五月雨がやって来ました。

 どうやら何処かへ出掛ける様子。

 

電E.黄色ネックウォーマー

  クリーム色あぜ編ロングニットガウンコート

 

五月雨E.青のアンゴラニット帽(耳あてポンポン付き)

    ファー付きグレーロングポンチョ

 

電「睦月ちゃん、寒くないのですか?」

睦月「寒くないよ〜♪」

文月「だって睦月ちゃんだもん♪」

五月雨「そうなんだ〜♪」

電「」ニガワライ

睦月「それより早く行こうよ。もう待ってるんじゃないかな?」

五月雨「大変! なら早く行こ!」

文月「慌てるとコケちゃうよ〜」

電「みんなで手を繋いで行くのです!」

睦月「にゃしにゃし〜♪」

 

 

 こうして彼女達は微笑ましく鎮守府そばにある林へ向かった。

 

 そこの林はそこまで深くはないが街灯も無く、持ってきた懐中電灯の光が獣道を照らしていた。

 

電「懐中電灯を持ってきて正解だったのです♪」

五月雨「今日は新月だもんね〜」

睦月「お月様もお休みだね〜♪」

文月「太陽さんは毎晩お休みがあるのに、月さんはお休み少ないから、ゆっくり休んでほしいよね〜」

電「そろそろ着くのです〜」

 

 暫く獣道に沿って歩いていくと、林が無くなり、ちょっとした池が広がる場所に出ました。

 

睦月「と~ちゃ〜く♪」ニャシー

文月「どこに居るかな〜?」キョロキョロ

五月雨「お〜い! 来たよ〜!」

電「ご飯持ってきたのです〜!」

 

 ガサガサーー

 

 彼女達が辺りへ声を掛けると、林の中から小さな少女が猫を抱えて姿を現した。

 

 その少女は、腰まである薄い茶色の長い髪を先っぽのほうで一つにまとめ、真紅の瞳を持ち、その頭の左右から身長とは不釣り合いに長くねじれた角が二本生えていた。

 服装は白のノースリーブに紫のロングスカート。頭に大きな赤いリボンを付け、左側の角にも青いリボンの様なものを巻いている。また紫の瓢箪を持ち、三角、丸、四角の分銅を腰などから鎖で吊るしていた。

 

少女「お、こいつの面倒を見てくれていたのは君達なの?」

 

電「な、なのです」

文月「節分の時に私達の鎮守府に迷い込んできたの〜」

五月雨「鎮守府では飼えないので、ここへ連れてきて面倒を見てました」

睦月「あなたがその子の飼い主?」

 

少女「そうだよ〜。いやぁ、節分の時に色々大変だったからさぁ〜。きっとびっくりしてこっちに逃げて来ちゃったんだろうね」ナデナデ

猫「にゃ〜ん」ゴロゴロ

 

電「飼い主さんなら良かったのです〜♪」

文月「ちゃんと首輪してあげなきゃダメだよ〜?」

睦月「提督が飼い猫だって断言しなかったら野良猫になってたにゃし!」

五月雨「今度は逃げないようにしてあげてくださいね♪」

少女「首輪……? あのレプリカとか言う奴が自分のメイドに付けてたやつかな……でも、あれって人間に付けるんじゃ……」ブツブツ

全員『???』クビカシゲ

 

少女「まぁとにかく助かったよ! 何かお礼しなきゃいけないね〜」アタマポリポリ

電「そんな、気にしないくていいのです〜!」ハワワ

五月雨「その子がちゃんとご家族の元へ帰れるのであれば、それで十分です」ニコリ

睦月「ちょっと寂しいけど、家族のとこに居るのが一番だもんね♪」

少女「正直者は好きだけど、何かないの? 私の気が済まないんだよ〜」

 

文月「じゃあ、その子のご飯持ってきたから、最後にあげてもいい〜?」

少女「そんなことで良いの?」

電「なのです♪」

睦月「お別れ会と家族にまた出会えたお祝いするにゃし〜♪」

少女「本当に良い子達だな〜」ホッコリ

 

五月雨「温かいお茶は持ってきたので、あなたもどうぞ」ニコッ

少女「お茶か〜……私はこっちを飲むよ」つ瓢箪

電「瓢箪、なのです?」

少女「ただの瓢箪じゃないぞ〜。この中には美味しい酒が沢山入ってるんだ♪」

五月雨「お酒飲めるんですね♪」

少女「私はこう見えても長生きしてるからね〜」

睦月「へぇ〜、睦月達と背丈とか変わらないのに凄いね〜! 長生きだから角があるの?」

少女「角は関係ないよ。私鬼だから」

文月「可愛い鬼さんだぁ〜」キラキラ

少女「可愛いって……」ニガワライ

 

五月雨「鬼さんって本当にいたんですね〜!」

少女「()()()の世界には沢山いるけどね〜」

電「あっち?」

少女「こっちの話♪ とにかく乾杯しようよ♪」

全員『はーい♪』

 

 そして彼女達と自分を鬼と言う少女は猫に餌を与えつつ、酒盛り(?)を始めた。

 

少女「へぇ、じゃあこの世界では君達が人々を守ってるんだ〜」ゴクゴク

電「電達だけじゃないのです」

睦月「睦月達の鎮守府のみんなと、他にも沢山の鎮守府で日々、海の平和を守ってるんだよ!」エッヘン

少女「それは凄いね〜。私はこの世界に干渉出来ないから手伝ってはあげられないけど、応援はするね」ゴクゴク

五月雨「ありがとうございます」ニコリ

文月「頑張ってみんなを守るね〜♪」フミィ

 

少女「じゃあ、そんな君達に激励だ。ちょっとこの酒を飲ませてあげる」つ盃

電「え、でもそれは……」

少女「あ、この酒? 大丈夫大丈夫〜、話を聞いた感じ、君達は人であって人間とは違うんでしょう? この酒は人間にはあんまり飲ませられないけど、君達なら多分大丈夫だよ〜」

睦月「じゃあ、少しだけ……」

少女「うん♪ あ、一口で良いからね?」

 

睦月「こくっ……にゃしし〜、一口なのに凄いね、これ!」

少女「だから人間にはあんまり飲ませられないだよ〜。はい、次♪」

文月「んっ……強いね〜」フミィ

少女「」ニコニコ

 

五月雨「いただきますね……あ、これは強いけど良いお酒ですね」ニコリ

少女「分かってるね〜♪ 嬉しいな〜♪ んじゃ、最後はお嬢ちゃん」つ盃

電「なのです……はわわ〜、これ強過ぎるのです〜!」

少女「あはは♪ ぶっ倒れないだけすごいって♪」ゴクゴク

 

 しかし、少しすると艦娘達は一人、また一人と酔いが回り、その場で眠ってしまった。

 

少女「ありゃりゃ……まぁ仕方ないか〜」ニガワライ

 

 少女はそう言うと無数に分身を出し、艦娘達を鎮守府のそばまで運び出した。

 

電「なの、です……」スースー

睦月「にゃし〜」ムニャムニャ

五月雨「」スヤァ

文月「」クークー

 

少女「ここならすぐ見つかるかな……」ヨッ

 

 少女はまた一人の少女に戻り、眠る艦娘達を眺める。

 

少女「またいつか会おうね。猫もちゃんと連れて来るから……」ニコリ

 

 そう言い残して、少女は身体を翻したがーー。

 

少女「あ、忘れてた……これ、私との友達の印だからね」コト

 

 先程一緒に飲んだ盃を電の手に握らせ、少女は一人ずつ艦娘達の頭を優しく撫で、猫を抱えて暗闇の中へと消えていったーー。

 

 

 その後、電達はそれぞれの姉妹達が運び入れ、起きた時には、みんなから心配させた罰として姉妹達からひどく怒られたそうな。

 

 電達は盃をくれた自分を鬼と言う少女との思い出を胸に、これからも頑張ろうと誓うのであったーー。




分からない人には分からないネタで申し訳ありません。

なんかふと浮かんだので書き上げてみました!
お酒は二十歳になってからですが、電ちゃん達は艦娘なので大丈夫という解釈でお願いします。

読んで頂き本当にありがとうございました!

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