○○鎮守府、昼ーー
軽巡洋艦寮の一室ーー
神通「午前の訓練も終わって、部屋に帰ってきたのは良いものの……」ハァ
部屋に入るなり深いため息を溢すのは、川内型軽巡洋艦、二番艦の次女、神通。
物腰が低く礼儀正しいが戦場や訓練場では鬼神とまで称される程の実力者。
川内「スースー」Zzz
神通「もうお昼なのに、姉さんはどうしてまだ寝てるのかしら……」ハァ
規則正しい寝息を刻むのは、川内型軽巡洋艦、一番艦の長女、川内。
元気ハツラツ、夜戦となれば誰よりも戦果をあげる実力者。
ガラガラーー
那珂「たっだいま~! 今日のお仕事終わったよ~!」キラッ☆
部屋に入るなり元気な笑顔を見せるのは、川内型軽巡洋艦、三番艦の末っ子、那珂。
戦場でもどこでも歌って踊って艦隊を鼓舞するウz……可愛い、自sy……艦隊のアイドル。
川内「んん……スースー」Zzz
那珂「もうお昼なのに川内お姉ちゃんまだ寝てる~! 一緒にお昼食べようねって言ったのに~!」イラッ☆
神通「仕方ありません、那珂ちゃん」
那珂「そうだね、神通お姉ちゃん!」
二人はアイコンタクトして、川内の眠るベッドの左右に展開。
神通「(じっ)」ツー
那珂「(コクリ)」カー
二人『秘技・死者の目覚め!』
神通「ああぁぁーーーーーーー!」シャウト
那珂「ああぁぁーーーーーーー!」デスヴォイス
川内「……い、いぎゃ~~~~~!」ダンマツマ
秘技を受け両耳を押さえて床をのたうち回る川内。
起きたのを見て、秘技を止める妹達。
神通「おはようございます、姉さん」ニコッ
那珂「おっはよう! 川内お姉ちゃん!」キラッ☆
川内「あ、あぁ……お、おはよう……」グッタリ
神通「ホラホラ、お顔を洗って、歯を磨いて」テキ
那珂「服も着替えて、髪型も整えて」パキ
艦娘仕度中ーー
川内「ん~~」ノビー
神通「姉さん、また夜更かししましたね?」
那珂「夜更かしはお肌に悪いんだよ?」
川内「はいはい。分かった分かった」
神通「……分かってないから言ってるんです」ボスオーラ
川内「アッハイ」
那珂「とりあえず、お昼行こうよ! 那珂ちゃん、お腹空いた~」
神通「そうね、お昼にしましょう」
川内「そそそそうだね」ガクブル
神通「姉さん、そんなに寒いんですか?」ニコニコ
那珂「変な川内お姉ちゃん!」キャハ
そうして、三姉妹仲良く食堂へ向かった。
廊下ーー
那珂「あ、あれ提督じゃない?」
川内「本当だ。提督もお昼かな?」
神通「……////」カミノケトトノエ
那珂「てーいとーくー!」
提督「? ……おぉ、川内三姉妹か。どうした?」
川内「提督もこれから食堂行くの?」
提督「あぁ、今日は少し遅れてな。これから行くところだ」
神通「また沢山お仕事を抱えてるんですか? 声をかけてくだされば、お手伝いしますのに……」
提督「いや、これは私が確認しなくてはならない仕事でな。気持ちだけ受け取っておくよ」ナデナデ
神通「……////」ポー
那珂「あ~! 神通お姉ちゃんだけズルい! 那珂ちゃんにも~!」
川内「なんならついでに私も~♪」
提督「あはは、分かった分かった」ナデナデ
二人『ふへへ~♪』
そんなこんなで川内三姉妹とお昼を共にすることになった。
食堂ーー
提督「今日の定食は……」
本日の定食
A鶏の唐揚げ定食
B肉じゃが定食
Cハンバーグ定食
提督「Bにするか」
神通「私はCにします」
那珂「那珂ちゃんはオムライス~♪」
川内「私は……Aかな」
それぞれ厨房に注文し、お盆を持って空いているテーブルに着く。
神通「お水持ってきますね」
那珂「あ、私はお茶~!」
川内「はい、提督」つ箸
提督「あぁ、ありがとう。ほら、こっちも」つおしぼり
みんな席に着き、手を合わせる。
提督「頂きます」
三人『いただきまーす!』
わいわいーー
川内「那珂、マヨネーズ取って」
那珂「ふぁい」つマヨネーズ
神通「提督、私のハンバーグ一口味見してみますか?」
提督「良いのか?」
神通「(コクリ)」ニコ
提督「なら、私の肉じゃがも少しあげよう……ほら、口を開けなさい」
神通「ふぇ!?//// ぁ、あ~ん……ん////」
提督「どうだ、美味いだろう? 私が作った訳じゃないがな」ニコ
神通「は、はひ////」
(味どころの騒ぎじゃないよぉ////)
那珂「んふふ。なら、神通お姉ちゃんも提督に『あ〜ん』ってしてあげなきゃね♪」ニヨニヨ
川内「だよね〜。そうしなきゃ不公平だよね〜」ニヤニヤ
神通「……////」イアツ
二人『(ただただ可愛いのみ)』ニンマリ
神通「で、では、て、てて、提督……あ〜ん////」
提督「あぁ、すまないな……あむ……うん、デミグラスソースと合っていてこちらも美味いな」ニコ
神通「そ、そうですか////」デレェ
二人『』ニマニマ
ーー。
提督「そういえば、那珂」
那珂「ん、どーしたの提督?」クビカシゲ
提督「いや、大した話ではないのだが、どうしてオムライスにしたんだ?」
神通「あぁ、それはですね。那珂ちゃんはオムライスが大好きだからですよ」クスッ
川内「そうなんだよね~♪ 確か着任した時の歓迎会で、提督が手作りのオムライスをご馳走した時かrーー」
那珂「わーわー! 言っちゃダメ~!////」カオマッカ
提督「私のあの見てくれの悪いオムライスが……?」クビカシゲ
那珂「だ、だって……那珂ちゃん、島風ちゃんや雪風ちゃんと間違ってここに着任しちゃったのに……提督は笑顔で迎えてくれたから……」モジモジ
提督「そうだったのか……確かに那珂の着任は誤算だったが、こうして来てくれたことに何も問題なんてない。君に会えたことを心から喜んだよ」ナデナデ
那珂「っ!?////」プシュー
神通(羨ましい……)ジトー
川内「提督は相変わらず天然だなぁ」ニヒヒ
提督「む、むぅ?」
それからも楽しく昼食を食べ、三姉妹はお品書きとにらめっこし出した。
川内「アイスクリームにするか、プリンにするか……」ナヤムー
那珂「オムライス食べちゃったから、デザートは……」カロリー
神通「どれにしようかな?」ワクワク
提督(女の子には女の子の悩みがあるのだな……)ホホエマー
川内「那珂、一緒にこのプリンパフェ半分しない?」
那珂「え?」
川内「半分なら一人前食べるより大丈夫でしょ?」
那珂「そ、そうだよね! うん! 食べよ食べよ♪」
神通(ふふ、姉さんらしいなぁ)ニコニコ
提督「なら、私は神通とこのモンブランパフェと言うのを半分子しよう」
神通「ファッ!?」
提督「おや、神通はこのパフェは苦手だったかな?」
神通「そ、そそ、そんなことありませんよ!////」カオマッカ
二人『…………』ニヤニヤ
神通「~~~~////」
ーー。
間宮「は~い、プリンパフェとモンブランパフェです。ごゆっくりどうぞ~」ニコ
三姉妹『おお~!』キラヅケカンリョウ
提督「では、頂こうか」
三姉妹『はい♪』
那珂「川内お姉ちゃん、ここのアイス食べるね!」
川内「半分残してよね。私はこっちのプリン半分食べるから」
姉妹らしくて実に微笑ましい光景である。
提督「ん? スプーンが一つしかないな。先に食べていなさい。私はスプーンをもらってくるから」
神通「え、あ、あの////」
那珂「スプーンが一つしかなかったのかもよ? だから、二人で一つのスプーンで食べた方が良いよ~!」ニマニマ
川内「そうだよね~。その方が洗い物増えなくて済むし~」ニヨニヨ
提督「……それもそうだな。すまないが神通、それで良いかな?」
神通「は、はひ////」プシュー
提督「では、最初の一口は神通にあげよう。ほら、口を開けなさい」
神通「ぁ、あ~ん……おいひぃでふ////」ニマー
提督「ははは、それは良かった。あむ……うむ、美味いな」
仲良くパフェを食べるのもたまには良いものだな。神通の顔が真っ赤なのは少々心配だが……。
するとふと川内が私に訊いてきた。
川内「提督って甘党なの?」
提督「いや、普通……かな? 甘い物も辛い物もあれば食べる。でも、無いなら無いで困ることもないな」
那珂「那珂ちゃんは甘い物無いと死んじゃう~! 女の子の半分はお砂糖で出来てるんだから!」
神通「那珂ちゃんは私の作るクッキーを喜んで食べてくれるものね」ニコ
那珂「うん♪ だって美味しいもん♪」
川内「あぁ、確かに美味いもんね~。私はあのマーブルクッキーが好き」
那珂「那珂ちゃんはスタンダードなバタークッキー♪」
神通「ふふ、なら午後は訓練も無いから作ってあげようか?」
二人『やった~!』バンザーイ
提督「仲が良くて実に結構」ニッコリ
そんなやり取りをしながら、私は三姉妹と和やかなお昼を過ごせたーー。
今回は軽巡洋艦で書きました!
読んでくれて本当にありがとうございました!