艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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みんなでそれぞれ準備するよ!

独自設定含みます。

登場人物が多いため少し長いです。


艦これSS七十七話

 

 ○○鎮守府、一○○○ーー

 

 第二会議室にてーー

 

長門「みんな集まったか?」

陸奥「えーっと……うん、みんな居るわ」

長門「では明日の打ち合わせを始める」

全員『了解』

 

 ここに集まった艦娘達は明日の節分で鬼役をする者達である。

 打ち合わせとは言ったがそこまで真面目な空気は無く、みんなお茶を飲みつつ長門の声に耳を傾けていた。

 

長門「やる事は去年と同じだが、去年居なかった者も居るから、軽く説明をする」

ローマ「そうしてくれると助かるわ」

雲龍「お願いするわ」

天城「よろしくお願いします」

葛城「楽しみだなぁ♪」

リットリオ「日本にはキスの日があるなんて素敵ね♪」

プリンツ「それは接吻のことですよっ////」

ビスマルク「そもそもキスの日なら鬼なんていらないでしょう?」

ろ「鬼に襲われてるお姫様を助けてキスするんだよ〜!」

リベ「わぁ、素敵〜♪」

妙高「二人共、そうじゃないからね」ニガワライ

羽黒(そんなお伽話だったら素敵〜)ポォ

 

龍鳳「(どうして羽黒さんはあんなにニコニコしてるんでしょうか?)」ヒソ

足柄「(そっとしといてあげて)」ヒソヒソ

那智「」コクコク

 

長門「こほん……では説明するが、まずは海外艦に節分の大まかな説明をする。節分は鬼に向かって豆をぶつけ、魔を払い、悪いものを追い出して、素晴らしい春を迎える為の昔からある風習だ」

ローマ「」フムフム

リットリオ「へぇ〜。それでキスはいつするの?」

天城「接吻から離れてください」アセアセ

雲龍「……長門、続けて」ニガワライ

 

長門「あ、あぁ……それでここの鎮守府でも豆を撒くんだが、ここではただ豆を鬼に向かってぶつけるだけじゃない」

葛城「?」クビカシゲ

ビスマルク「どういうことかしら?」

プリンツ「」コクコク

 

長門「ここの鎮守府では、良い鬼の役をしてもらう者も居るんだ」

リベ「良い鬼さん?」

ろ「ろーちゃん知ってる〜! 鬼さんの中にも良い鬼さんがいるんだよね〜!」

陸奥「そうよ〜。悪さをする鬼だけじゃなく、人に良いことをしてくれる鬼も日本のお話に沢山出てくるの。だから、そんな鬼の役もあるのよ〜」ニコニコ

ローマ「具体的にはそれはどうするの?」

長門「それはこれから説明する」

 

長門「まず悪い鬼役だが、豆をぶつけられたら逃げ回ってもらう。良い鬼役は豆をぶつけられたらその場でうずくまり泣いて自分は良い鬼だということを説明し、納得を得たら食堂の中へ入れてもらう」

陸奥「その時は『鬼は内ー!』って言われるからね♪」

 

長門「そして悪い鬼役はある程度逃げ回ったら、そこでもう悪さはしませんとその場で謝り、許しを得て食堂の中へ入れてもらう」

陸奥「全員が食堂に集まったら最後にみんなで『福は内ー!』と言って豆を撒いて回って終わりよ♪」

長門「今の説明で分からない箇所はあったか?」

 

 シーーン

 

長門「大丈夫みたいだな。では明日の予定の確認だがこの豆撒きは一八○○から始めるから、通常任務がある者達のことも考慮して、鬼役の集合時刻は鎮守府の正門に一七四○とする」

全員『了解』

長門「それでは続いて鬼の面とビニール製の金棒を配る。その際にそれぞれが明日演じる良い鬼と悪い鬼の配役が書かれた紙も渡すから、確認するように」

陸奥「因みにどっちの鬼になるかは開封してからのお楽しみよ♪」

全員『は〜い』

 

 それぞれに配布中ーー

 

配役:良い鬼   悪い鬼

 

   大和    武蔵

   陸奥    長門

   金剛    比叡

   榛名    霧島

   リットリオ ローマ

   プリンツ  ビスマルク

   雲龍    葛城

   天城    妙高

   龍鳳    那智

   羽黒    足柄

   阿武隈   鬼怒

   神通    川内

   リベッチオ 天龍

   呂500    朝霜

 

 

長門「それぞれ回ったな? では明日は頼むぞ」

全員『了解!』

 

 こうして鬼役をする艦娘達は明日の打ち合わせを終え、明日に備えた。

 

 

 その頃、大広間ではーー

 

高雄「はーい。では明日行われる豆撒きに関して、皆さんにご説明します」

愛宕「当日は一八○○までに食堂に集合。駆逐艦のみんなはそれぞれ配られた豆を持って、正門からやって来る鬼に向かって豆をぶつけてね〜」

 

レーベ「楽しみだなぁ」ルンルン

マックス「私も鬼役が良かったな……」

高波「怖い鬼だったら泣いちゃうかも……」ブルブル

江風「みンな知ってる顔なンだから大丈夫だって」ニカッ

海風「でも川内さんと神通さんがいるのは怖いわね」

萩風「」ニガワライ

秋月「どんな節分になるのかしら♪」

照月「豆撒きだけって訳じゃなさそうだもんね〜」ワクワク

嵐「どんな鬼だろうと追っ払ってやるぜ♪」

風雲「あんまり強くぶつけて怒られないでね」ニガワライ

 

 それからも説明を受け、明日に向けて駆逐艦のみんなは明日の節分を心待ちにするのであった。

 

 

 その一方、倉庫ではーー

 

加賀「私達の役割は駆逐艦の娘達へ豆を配ります。今年はこの落花生なので間違えないように。量は一合枡一杯です」

赤城「落花生はこれからみんなで食堂へ運びます」

加賀「それと当日は軽巡の娘達と共に駆逐艦の娘達が撒いた落花生を拾い集める作業もしてもらいます」

赤城「本格的な片付けは後日になりますが、出来るだけ集めるようにしてください」

全員『は〜い』

 

瑞鶴「私も鬼役か外で豆撒くのやりたかったなぁ〜」

翔鶴「裏方も大切よ、瑞鶴。それに最後はみんなで撒くんだから良いじゃない」ニコリ

瑞鶴「それもそっか」ニコニコ

飛龍「鬼役は勘弁だったから、裏方がいいよ〜」ニガワライ

蒼龍「そうそう。みんな容赦ないから」ニガワライ

大鳳「もうあんなの懲り懲り……」ガクブル

翔・瑞『(一体何があったの!?)』

 

隼鷹「そういやあたしらってこの大豆いくつ食えばいいの? 去年は酒の肴にガッツリ食べたけど、本来は年の数だけ食べるんだろ?」

全員『』ピクッ

飛鷹(空気が変わった……)ゾクッ

鳳翔「みんな統一して二十粒です♪」シレッ

全員『!?』

隼鷹「いやぁ、流石に二十ってmーー」

鳳翔「二十粒です。提督がそう仰ってました」ニ"コ"リ"

隼鷹「アッハイ」ガクブル

 

 こうして着々と明日の準備は進んでいく。

 

 食堂ーー

 

那珂「間宮さーん、枡はどこに置くの〜?」

間宮「それは今加賀さん達が持ってくる落花生の隣に重ねてください」

 

龍田「木曾ちゃん反対側持ってくれない?」

木曾「おう、任せな」

北上「タッツー、こっちの机は?」

龍田「それは窓側へお願いね〜♪」

北上「オッケ〜♪ 大井っちそっち持って〜」

大井「は〜い♪」

 

摩耶「伊良湖さ〜ん。お酢なんだけどさ、言われた数なかったから、今から買い出し行ってくるよ」

鳥海「他に何か買ってくるものありますか?」

伊良湖「こっちは後はお酢だけだから、大丈夫。わざわざありがとう。気をつけて行ってきてね♪」

鈴谷「伊良湖ちゃ〜ん、海苔持ってきたよ〜!」

熊野「どちらへ置きますの?」

伊良湖「はいは〜い! 今行きますね〜!」パタパタ

 

 どこも明日の準備が着々と進み、みんな忙しくも楽しそうに準備をしていった。

 

 

 執務室ーー

 

提督「これが各領収書で、これが……」ペラペラカキカキ

大淀「提督、こちらは明日の段取りをまとめた栞です。ご確認お願いします」

提督「あぁ、分かった……。大淀、時間になったら今日の演習組を呼んでくれ」

大淀「分かりました。それが済みましたら資材の確認に行って参りますね」

提督「お願いするよ」

大淀「はい♪」

 

 今日も鎮守府は忙しくも平和ですーー。




読んで頂き本当にありがとうございました!

今回は節分準備の一幕を書き上げました。
鬼の配役、節分の本来のやり方はこちらで勝手に決めたので、そこはどうかご了承お願いします。

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