艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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駆逐艦のみ。

独自設定、他ネタ含みます。


艦これSS六十九話

 

 ○○鎮守府、一三○○ーー

 

 駆逐艦寮、秋月姉妹部屋ーー

 

照月「ねぇ、秋月姉……」(毛布包まり)

秋月「何、照月?」(毛布包まり)

照月「そろそろ照月達の部屋もこたつ使おうよ〜」

秋月「却下」ソクトウ

照月「えぇ〜、この前雪まで降ったんだよ〜」

秋月「雪が降ったからこたつ出すの?」

照月「いや、そうじゃなくてさ……」

秋月「こうして長10cm砲ちゃんと毛布に包まってれば温かいじゃない」

 

照月「でもみんなこたつ使ってるんだよ〜?」

秋月「みんなはみんな。私達は私達よ」

照月「そりゃあ、私達は着任するのが遅かったから、遠慮するってのは分かるけど……」

秋月「分かるけど、何?」

照月「やっぱりこたつ使いたいよ〜! せっかく各部屋にあるんだよ〜!?」

秋月「どうしてもって時は談話室行けばいいでしょう?」

照月「自分の部屋でも使いたいの〜!」

 

秋月「仕方ないわね〜」ヨイショ

照月「出してくれるの!?」

秋月「これ以上駄々こねられるよりはマシだからね」

照月「照月も手伝うよ〜♪」

 

 ……。

 …………。

 

照月「ねぇ、秋月姉……」(毛布包まり)

秋月「何? まだ不満なの? ちゃんとこたつ出したでしょう?」(毛布包まり)

照月「押入れからでしょっ!?」ビシッ

秋月「あれを見て暖を取るのよ」

照月「ただの生殺しだよっ!」

秋月「いい? 昔の人はね、鰻屋さんの匂いでご飯を食べてたのよ? 昔の人を見習いなさい」

照月「見習うレベルが違いすぎるよ! しかもそれは落語の話!」

 

 コンコンーー

 

秋月「はい、どうぞ〜!」

 

 カラカラーー

 

時雨「やぁ」ヒョコ

白露「やほ〜♪ ってこの部屋寒っ!?」

村雨「は~い♪」ニコッ

 

秋月「あれ? 皆さんどうしたんですか?」

照月「こんにちは〜。どうぞ座って〜」サムイケド

 

白露「いやぁ、隣の部屋から凄い声が聞こえてたから……」ストン

時雨「様子を見に来たんだよ」ニコッ

村雨「ケンカでもしてるの?」シツレイシマース

 

秋月「いえ、ケンカではありませんよ。照月のワgーー」

照月「聞いてよ、みんな〜! 秋月姉がこたつ使っちゃダメって言うんだよ〜!?」

 

白露「えぇ!? 真冬なのに!?」

時雨「使っちゃダメって言うことは壊れてるわけじゃないんだね?」

村雨「でもそこに出てるみたいだけど……」ユビサシ

 

照月「あれは今出したんだけど、使わないで眺めて暖を取るって言うの〜!」

白露「うわ〜……」

時雨「流石に厳しいんじゃないかな?」

秋月「でも……私達は着任するのが遅かった。言わば下っ端です。その私達が皆さんと同じようにしていては失礼かと……」

村雨「気にし過ぎよ〜。でも、どっかの姉はこたつで寝て風邪引いたから、そこは注意してね」チラッ

時雨「そうだね。しかも十一月からこたつ出してたって姉も居るし」チラッ

白露「そうだよ! だから使って良いんだよ!」ヒラキナオリ

 

秋月「う~ん……」

照月「秋月姉〜……」

秋月「分かりました。皆さんがそう仰るのでしたらこたつをその箱から出そうと思います」

照月「出すだけじゃなくて使おうね!」

秋月「う~ん……」

 

白露「まだ悩んでる……」

時雨「どっかの姉もこれくらい考えてくれれば良いのにね」ジー

村雨「仕方ないわよ〜。一番の事しか頭にない姉って有名な人らしいから」ジー

白露「うわ〜ん! ごめんなさい〜!」

時雨「姉さんの事とは言ってないのに、何で謝るんだい? まぁ、それは置いておいて、秋月達どうする?」

村雨「う~ん……秋月ちゃんは自分達までこたつを使うと、鎮守府に迷惑がかかるって思ってるの?」

秋月「う……」メソラシ

白露「図星だね!」ビシッ

 

時雨「各寮の電気は太陽光発電、風力発電、ジャイロ式波力発電のシステムで殆ど自家発電してるから光熱費の心配しなくても大丈夫だよ?」

照月「すごっ!?」

村雨「これを聞いてもまだ使い辛い?」

秋月「うぅ……」ウツムキ

照月「」ヤレヤレ

 

時雨「ならあれはどうかな?」

村雨「あれね♪」

秋月「え?」

照月「?」クビカシゲ

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

時雨「完成したね♪」

村雨「秋月ちゃん、照月ちゃんどう?」

白露「凄い! めっちゃ温かいよ!」

時・村『姉さんは少し黙ろうね』ハイライトオフ

白露「は、はひ……」ガクブル

 

秋月「あ、温かいです」ホワァ

照月「わぁ〜、ぽかぽかのぬくぬく〜♪」フニャーン

 

時雨「ふふ、断熱シートとこたつ布団二枚で熱が逃げるのを防いで……」

村雨「二つの湯たんぽで電気いらずのエコこたつの完成〜♪」

 

照月「幸せ〜♪」ヌクヌク

秋月「ありがとうございます。もっと早く相談すれば良かったです」ニガワライ

時雨「ふふ、お役に立てたみたいで良かった」ニコッ

村雨「下っ端とかそういうの気にしないで、仲良くしましょうね♪ せっかく同じ鎮守府に居るんだもの♪」

秋月「ありがとうございます」ニコッ

白露「あ、あたし達の部屋からみかん持ってくるよ〜!」

村雨「なら私はお茶淹れるわね♪」

 

秋月「あ、お茶でしたら私が……」

時雨「気にしない気にしない」ニコニコ

照月「たまにはみんなに甘えようよ」ニパッ

秋月「……そう、ね。ありがとうございます」ニコッ

白・村『いえいえ〜♪』

 

 彼女達はそうしてエコこたつをまったりと堪能した。

 

 しかし、出撃から帰ってきた夕立の乱入により、そのまったりとした時間が消え去るまでそんなに時間はかからなかった。




読んで頂きありがとうございました!

寒くても節約しつつ暖を取るというお話にしました!

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