艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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ライバル出現!? どうする艦娘達!

キャラ崩壊含みます。
今回はちょい長めです。


艦これSS四十八話

 

 ○○鎮守府、一○○○ーー

 

 鎮守府近辺の街ーー

 

 仕事で早朝から街に来ていた私は、仕事を終えた後の一服をしに街の公園内にある喫煙所へやって来た。

 

 日差しはあるが風が冷たい為、殆ど人の姿が見えなかった。

 

提督(一服して早く帰ろう……)

 

 煙草をくわえ、ライターを出そうとした時、手がかじかんでいたのか誤ってライターを落としてしまった。

 

 サッーー

 

提督「?」

 

 ライターを落とした途端、垣根から小さな影が現れ私のライターをくわえた。

 

 その正体は赤い毛色の犬だった。

 特徴からして秋田犬だろう子犬なので断言が出来ないが、毛のもふもふ具合からして秋田犬に近いだろう。

 

 その犬はライターをくわえ、私の側まで近寄って来た。

 

子犬「わんっ」

提督「随分人懐っこいな……拾ってくれてありがとう」ナデナデ

子犬「くぅ〜ん」

提督「」キュン

 

 私は余りの可愛さに思わず抱きしめてしまった。

 

 子犬も嫌がる素振りも見せず、大人しく抱かれている。

 

提督「?」

 

 首の辺りに変な凹みを見つけた。

 おそらく首輪の跡だろう。

 

提督「ということは迷い犬か……」ナデナデ

 

 私は透かさず子犬を抱えたまま、近くの交番へ迷い犬の捜索届けが来ていないか確認に行った。

 

 提督交番で確認中ーー

 

提督「分かりました。では、お願いします」ペコ

 

 迷い犬の捜索届けは来ていないらしい。しかし、これから来るかもしれないということで、子犬の写真を撮り飼い主の捜索を頼んだ。

 そして子犬は私の鎮守府で保護することになった。

 

 

 執務室ーー

 

提督「ーーと言う訳で、飼い主が見つかるまでの間この子犬を保護することになった。この事を皆に通達してくれ」

加賀(本日の秘書艦)「分かりました……それで質問があるのだけれど……」

提督「どうした?」

加賀「どうしてその子犬は提督の膝の上にあたかも当然の様に鎮座しているのかしら?」

提督「さぁな……下ろしてもまた飛び乗ってしまうんだ。まぁ、子犬だし仕事に支障はないから大丈夫だ」ニコニコ

加賀「そう……それなら良いのだけれど……。では、みんなに通達して来ます」ペコリ

 

 パタンーー

 

加賀(私の勘が確かならあれは雌犬ね……ぽっと出の雌犬が提督の膝の上に鎮座するなんて)ネタマシイ

 

 そしてその子犬を保護しているという事はすぐさま広まった。

 

 そして提督はその時はまだ知りもしなかった。まさかこれがあんなことになろうとは……。

 

 

 昼、一二○○ーー

 

 食堂ーー

 

赤城「では提督は執務室で昼食を?」モッチャモッチャ

加賀「えぇ、子犬が側を離れない上に提督もその子犬が心配だからと……」パクパク

瑞鶴「提督さんらしいわね」フフ

翔鶴「早く見てみたいわね」ニコッ

龍驤「子犬はかわええからなぁ」ニヒヒ

千代田「お目目はクリクリかなぁ〜」ポワーン

千歳「子供の動物って癒されるわよね」フフ

 

大和「子犬の分際で大和の提督の寵愛を受けるなど、万死に値しますね」ハイライトオフ

長門「これは由々しき問題だな。後『大和の』ではない……」ハイライトオフ

金剛「提督に愛されるには子犬になれば良いんデスネ!」ピカーン

榛名「榛名、早速犬耳と尻尾をご用意します!」フンス

武蔵「落ち着け……馬鹿共……」ハァ

陸奥「子犬なら仕方ないじゃない。首輪してたなら飼い主だってすぐ見つかるわよ」

霧島「それに金剛お姉さま、今は接近禁止命令中なのをお忘れなく」

比叡「榛名もそんなことしないでね?」ニガワライ

 

愛宕「でも、それまで提督を独り占めっていけないわよ〜」ハイライトオフ

高雄「貴女も落ち着きなさい」ハァ

摩耶「早く見てみたいなぁ〜」ポワーン

鳥海「ふふ、摩耶は子犬とか可愛い動物好きだものね」フフ

 

利根「犬……犬か……」フムフム

筑摩「姉さんも落ち着いてね……」

衣笠「提督は犬が好き……」メモメモ

古鷹「今度明石さんに犬のコスプレグッズ仕入れてもらわなきゃ」フンス

青葉「面白いことになりそうですね」グフフ

加古(食べたら昼寝しなきゃなぁ)パクパク

 

五十鈴「聞いたわね……?」チラッ

名・由・阿『』コクコク

長良「子犬なんだし、あんま気にしない方が……」

鬼怒「そうだよ〜、相手は砲撃すれば消し飛ぶんだし」

長良「待って鬼怒」

五・名・由・阿『それだ!』カチャ

長良「艤装しまって!」

 

不知火「司令に雌犬が……」ワナワナ

陽炎「まあまあ、大丈夫だって〜」ドオドオ

時津風「早く一緒に遊びたいなぁ」ウズウズ

雪風「かけっこ出来ますね」ニパッ

島風「かけっこなら私が一番♪」

白露「一番ならあたし〜♪」

海風「海風も負けません」

夕立「夕立も遊ぶっぽい!」

卯月「うーちゃんも遊ぶぴょん♪」

野分「子犬と遊ぶなら野分も!」

舞風「子犬と一緒にダンスしたい!」

時雨(みんな午後の訓練忘れてるね……)モグモグ

村雨(気にしない方が良いわ……)パクパク

黒潮(せやな……)モグモグ

 

 こうして子犬の話題で艦娘達は盛り上がっていた。

 

 一四○○ーー

 

 執務室ーー

 

 コンコンーー

 

提督「入りなさい」

大和「失礼します」ガチャ

長門「失礼する」パタン

提督「どうした二人と……も!?」

 

 何故犬耳を付けて居るんだ?

 それと何故着ている服はバニーガールなんだ?

 ドッグガールなのか? ご丁寧に尻尾も犬っぽい。

 

武蔵「」ガツン

陸奥「」ガンッ

武・陸『愚姉が失礼しました』ペコ

 

 ズルズルーー

 

提督「なんだったんだ?」

 

 コンコンーー

 

提督「入りなさい」

愛宕「パンパカパーン♪」ガチャ

摩耶「うぃーっす」パタン

提督「どうした二人と……もぉ!!?」

摩耶「子犬に会いに来たぜ〜」キラキラ

愛宕「提督の寵愛を受けに来ました〜♪」ギュッ

 

 愛宕にいきなり抱きつかれてしまった……。

 

摩耶「うわぁ、モフモフ〜。可愛い〜♡」モフモフ

愛宕「提督の香り好き〜♪」スンスン

高雄「」バコーン

愛宕「」チーン

高雄「愚妹が失礼しました」ペコ

摩耶「んじゃな、提督、ワンちゃん♪」ノシ

 

 ズルズルーー

 

提督「」コンワク

 

 コンコンーー

 

提督「……は、入りなさい」

五十鈴「ハァーイ提督♪」

名取「こんにちは~」ペコリ

由良「来ちゃった♡」ポッ

鬼怒「ヤッホー♪」

阿武隈「こ、こんにちは~」オズオズ

 

提督「みんなも子犬を見に?」

  (今度は何もないか……)ホッ

五十鈴「そうよ♪」

名取「殲滅する敵を見る為に」ニコッ

由良「20.3cm連装砲なら余裕ね♡」

鬼怒「余裕余裕〜♪」

阿武隈「恨まないでね……」スチャ

提督「ま、待ちたまえ!」

長良「」スパパパパパン

提督(ガトリング砲……だと!?)

長良「大丈夫、玉はゴム弾ですから……ごめんなさい、司令官」ペコ

 

 五十鈴達は妖精さんに運ばれて行った……。

 

 それからも色んな娘が訪れ、色んな娘が止めに入った。

 

 加賀と赤城の爆撃機による奇襲、時津風や夕立達との壮絶なる鬼ごっこ、利根、衣笠、古鷹の際どい犬のコスプレ襲撃等等、とにかく騒がしかったが、夕方になると子犬は無事に飼い主へ引き渡された。

 

 その夜、鎮守府のドックは朝まで入渠待ちの艦娘達でごった返していた。

 

提督(資材が……)チーン




ドタバタ回にしてみました!

出ていない艦娘についてはご了承を。

読んでくれて本当にありがとうございました!

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