艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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駆逐艦メイン。

キャラ崩壊、他作ネタ含みます。
少しシリアスなシーンもあります。


艦これSS四十七話

 

 ここはどこ?

 

 冷たい、暗い、何も見えない……

 

 あれは……?

 

 大和、矢矧……それに大淀に足柄と霰?

 

 !?

 

 みんな傷だらけじゃない!

 一体何があったのよ!

 あのクズは何してるのよ!?

 

提督『霞……』

霞「今まで何してたのよ!? このクzーー」

提督『すまない、霞……』

霞「その手に持ってるのは何……? まさか短刀じゃないわよね!?」

提督『すまない……霞……』グッ

霞「待って……お願い! いやぁぁぁぁーーーー!!!!」

 

 っ!?

 

 また違う場所?

 

『おい、あいつだろ?』

『あぁ、提督を死に追いやった無責任艦』

『あいつが悪いのによ』

『あいつがーー』

『あの艦がーー』

 

 止めて……止めて止めて止めて!

 

 もう止めてよーーーー!!!!

 

 パチッーー

 

霞「ここは……」キョロキョロ

 

 どう見ても執務室よね?

 

霞「夢、か……」

 

 過去のあたしが見せる夢……艦娘となった今でもたまに夢で思い知らされる。

 

霞「司令官……」グス

 

 何で、どうして、こんな夢見るのよ……

 

霞「司令官……」キョロキョロ

 

 居ない、どこに居るの?

 司令官……司令官!!

 

 ガチャーー

 

霞「っ!?」ビクッ

提督「おぉ、霞。起きていたのか」ニコッ

霞「」ポロポロ

提督「!? 霞、何故泣いているんだ!」ガシッ

霞「こ、これは……」メソラシ

提督「嫌な事でもあったのか?」

霞「そ、そんなんじゃ……」ウツムキ

提督「そうか……無理に話さなくても良い。大丈夫だ」ギュッ

霞「あ……」キュッ

 (温かくて優しくて大きくて……安心する匂い……)

提督「」セナカポンポン

霞「」ギュー

提督「霞、お前は一人じゃない。私や朝潮達や艦隊のみんなが居る……大丈夫だ」ナデナデ

霞「分かってるわよ……このクズ……」ギュー

提督「あぁ……」セナカポンポン

 

 その日の夜ーー

 

 朝雲・山雲・霰・霞の寮室ーー

 

朝雲「ねぇ、あの子どうしたの?」

山雲「お布団にうずくまって出てこないねぇ」

霰「今日は霞が秘書艦だったんだけど、お昼寝した時に怖い夢を見たらしくて、それを司令官に慰めてもらったことの羞恥心が今になって襲って来た……って感じ」

霞「にゃうにゃうにゃう〜〜////」バタバタ

 

朝雲「ま、霞ならその内出てくるでしょ。それより私と山雲は明日早朝から遠征任務あるから、もう寝るわよ?」

山雲「おやすみ〜、霰ちゃん、霞ちゃん」ニコニコ

霰「霰も寝る……」

朝雲「じゃあ、電気消すわね。おやすみ、みんな」ニコッ

 

 パチンーー

 

 艦娘就寝ーー

 

霞(全然寝れない……)

 

 ちょっとトイレ行くついでに頭冷そう……

 

霰(トイレかな……?)

朝雲(心配して損したわ……)ヤレヤレ

山雲「」スヤァ

 

 廊下ーー

 

霞「ふぅ、少し落ち着いたわ……ん?」

 (執務室、まだ電気ついてる……)

 

 また人に相談もしないで一人で抱え込んでるのね、これだからあのクズ司令官は……

 

霞「見てらんないったら……」クスッ

 

 駆逐艦寮共同厨房ーー

 

霞「短時間でご飯を炊くならフライパンよね♪」

 

 艦娘炊飯中ーー

 

 焼き海苔は少し炙って芳ばしく……

 

 サッサッーー

 

霞「司令官は焼きタラコが好きなのよね……」フフ

 

 もう夜も遅いから、焼きタラコは減塩の物でご飯に付ける塩も少なめ……

 

 ニギニギーー

 

霞「あとは……」

 

 半熟ゆで卵とキュウリの浅漬け。

 

 

 艦娘移動中ーー

 

 執務室前ーー

 

 コンコンーー

 

提督『開いている、入りなさい』

 

 ガチャーー

 

霞「失礼するわ。またこんな遅くまで仕事して……どうしようもないクズなんだから……」フンッ

提督「心配をかけて悪いな」ニカッ

霞「司令官の心配なんてしてないわよ。夜中まで仕事して凡ミスされたらあたし達が迷惑するから、それが心配なのよ////」プイッ

提督「はは、霞にはいつも諌めてもらっているな……いつも感謝している。私が慢心しないのはお前のお陰だ」ニコニコ

霞「部下に注意されてニコニコしてるなんて、本当にクズなんだから!////」

 (そんな笑顔されたら心がピョンピョンするでしょ!////)

 

 コトーー

 

霞「これ夜食……今日はや、優しくしてくれたから、その……お礼……////」モジモジ

提督「助かるよ、霞のおにぎりは美味しいからな」ニコニコ

霞「そっ////」プイッ

 (嬉しい嬉しい嬉しい〜!!////)キャー

 

提督「お、中身は焼きタラコだな。美味い……」パクパク

霞「もっと落ち着いて食べなさい。ほら、お茶」コト

提督「ありがとう」パクパク

霞「////」デヘヘ

 

 

提督「ご馳走さま」人

霞「お粗末さま」ニコニコ

提督「さて、もう少し作戦内容を詰めるか……」

霞「あんまり無理しないでね……司令官が倒れたrーー」

提督「大丈夫だ。私は倒れん。艦隊の為にもな」ナデナデ

霞「ふ、ふん! 倒れたら倒れたで魚雷ぶち込むからね! じゃあ、おやすみ!」

提督「夜食ありがとう。おやすみ」ニコッ

 

 パタンーー

 

提督『私は倒れん。艦隊の為にもな』ニカッ

霞「ふふ……」

 (何よ、カッコつけて////)

 

 パタパターー

 

霞「司令官が倒れたらあたしが嫌なのよ、このクズ♡」ニコニコ

 

 それから霞は前より少しだけ提督のことを『クズ』と呼ぶ回数が減ったという。

 




霞ちゃんメインのお話にしました!
霞ちゃんの史実はかなり悲しい事が多いから、お話の中だけでも幸せになってほしいです。

次回も頑張って書き上げます!
読んで頂き本当にありがとうございました!

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