艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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提督と第一艦隊。


艦これSS四十四話

 

 大本営新年会会場ーー

 

 大本営が主催する全鎮守府の提督とその第一艦隊を招いた新年会へやって来た。

 

 同期の仲間や海軍学校時代の恩師と久々の再会に、私は思わず笑みがこぼれた。

 

友提督「おぉ、久しいな! 聞いてるぞ~、タ級とかの砲弾を日本刀でぶった切ってるそうじゃないか!」

提督「はは、仲間を守る為ならあれくらいなんてことないさ」

 

上官「お前は訓練生の頃から身体技能はずば抜けていたからな。上官として鼻が高いよ」ポンポン

提督「止してください。今の私があるのは仲間と上官の訓練のお陰ですから」

 

 

扶桑「提督嬉しそうに歓談なさってますね♪」

夕立「とってもニコニコしてるっぽい!」

赤城「提督のあんな笑顔はなかなか見れませんからね」

愛宕「ですね~。なんだか妬けちゃうわ♪」

山城「貴女でもそんな事あるのね。意外だわ」

高雄「愛宕は意外とヤキモチ焼きさんなのよね」ニコニコ

愛宕「い、良いでしょ、別に……////」カァ

扶桑「新年早々良いものが見れたわ」クスクス

夕立「愛宕さん可愛い♪」

愛宕「せめて『ぽい』を付けて////」ウツムキ

提督「どうした愛宕。そんなゆでダコのような顔をして」

 

愛宕「あ、あぁ~、な、何でも無いの! ねっ!?////」

高雄「はい……ただ愛宕が可愛いって話をしてたんです」ニコニコ

提督「それは私も同感だな」ニコッ

愛宕「ぁぅぁぅぁぅ~~////」プシュー

扶桑「……提督、これからのご予定は?」

提督「新年会は名前だけでただの宴会だからな。私はお酒はそんなに飲めないから、後は帰るだけさ」

 

 

??「あら、○○鎮守府の提督さんじゃないですか!」

 

 声をかけて来たのはよく演習を申し込んでくる隣の街の鎮守府の提督だった。

 私の後輩にあたり、やり手の美人女提督として人気があるようだ。

 

提督「あぁ、□□鎮守府の提督さんか。どうも、今年も宜しくお願いするよ」ペコ

□提督「いえいえ、こちらこそ宜しくお願い致します~♪」ギュッ

艦隊『』ピクッ

 

□提督「こちらが提督さんの自慢の娘達かしら?」

提督「あぁ、自慢の娘達だ。勿論我が鎮守府に着任している娘達は皆私の自慢だ」

□提督「ではそろそろ良い縁談を何方かとしなくてはなりませんね……例えば、わ・た・しとか。どうです?」ギュッ

艦隊『』ンダトコラ

 

□提督「」ドヤァ

艦隊『』カチーン

提督「君はいつもその話を持ち出すな……」アハハ

□提督「あら、私は提督さんにしかこんな事言いませんよ~♪」ギュッ

艦隊『』ショス

提督「これはこれは……ありがたいな」アハハ

 

□提督「提督さん、今度私の鎮守府に来てくださいな♪ サービスし・ま・す・か・ら」ウインク

提督「ははは、君には敵わないな~」

□提督「私は本気ですから」キュッ

提督「そ、そうか……」タジタジ

 

 艦娘センサー発令ーー

 

艦隊『』カッ

愛宕「提督ぅ~。そろそろ鎮守府へ戻りませんか?」グイッ

山城「そうです! もう挨拶もしましたし、みんなが待ってますので」グイッ

□提督「あら、そんなに急ぐ必要が?」ギロッ

高雄「えぇ、明日の出撃について詰めなくてはいけない話し合いがありますので」ニコニコ

提督「ん? そんなこtーー」

扶・赤『そ う で す よ ね!!』アツリョク

提督「あ、あぁ、そう、だったな……」

  (何だこのプレッシャーは!?)

 

□提督「それは残念ですわ。では提督さん、また演習を申し込むと思いますので、その時お会いしましょ♪」ホッペチュッ

提督「っ!?」

□提督「ではまた」ナゲキッス

 

 

提督「やれやれ」ハハ

愛宕「やれやれじゃないですよ!」

山城「早く消毒を!」

赤城「清めの塩も撒きましょう!」

扶桑「早く提督をお守りしなくては!」

夕立「あの人危険」ガルルルルル

高雄「ふふ、次にあそこと殺る時は誤って相手指揮官へ砲撃しないようにしましょう」フフフフ

提督「物騒なことは止してくれよ?」

 

愛宕「そもそも提督が隙を見せるからこんな事になるんですよ!」フキフキ

山城「そうです!」フキフキ

提督「アルコールが強すぎて痛いんだが……」

夕立「」ギュー

提督「夕立、そんなに腕にしがみつかないでくれ……痛い」

高雄「」ギュー

提督「後ろから抱き締めないでくれ、みんなに見られているじゃないか……」

扶桑「提督に変な虫がつかないようにするためです。辛抱してください」

赤城「周囲に索敵機を飛ばします!」

提督「それは止めなさい」アセアセ

 

 それから会場を出るまで第一艦隊は私から離れようとしなかった。

 

 

 帰り道ーー

 

提督「みんな、もう帰り道なのだからそろそろ離してもらえないか?」

愛宕「嫌です~」ギュー

山城「提督が隙だらけなので」

扶桑「私達がこうしてガードしてるんです」

高雄「帰るまではずっとこの陣形を保ちます」

夕立「夕立は提督さんの背中を守ってるっぽい!」ギュー

赤城「提督は私達が守りますよ」キリッ

 

 バスを降りてからずっと↓である。

 

    扶夕高

    山提愛

     赤

 

提督(歩き辛い……)

愛宕(提督の匂い……////)ドキドキ

山城(新年から幸せだわ////)ドキドキ

赤城(提督に背中を預けるのはいつも安心しますね)ホッコリ

夕立(提督さんの背中、大きくて温かくて安心する~♪)スリスリ

扶桑(こうして提督の後ろから歩いていると……)

  「ふふふ~~////」ニヤニヤ

高雄(良き夫と妻……なんて////)ニマー

提督(なんだか空気が変わったな……)

 

 こうしてなんだかご機嫌を取り戻した第一艦隊と私は、この状態を保ったまま鎮守府へと帰還した。

 

 帰った時に他の鎮守府のみんなから凄い視線を集めたが、第一艦隊は上機嫌だったーー。




読んで頂き本当にありがとうございました!

次も宜しくお願い致します!

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