艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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給糧艦と軽空母メイン。

ちょっと真面目なシーンが入ります。


艦これSS三十四話

 

 ○○鎮守府、一四○○ーー

 

 食堂ーー

 

伊良湖「ふぅ~、ラッシュ終わりましたね~」

間宮「そうね。少し休憩しましょうか」ニコッ

鳳翔「ではお茶を淹れますね」スッ

伊良湖「あ、すみません。いつも手伝ってもらってるのに……」

間宮「いつもありがとうございます」

鳳翔「いえいえ、夕方まで私は暇ですから」ニコニコ

 

 ガチャーー

 

提督「お邪魔する……今少し良いかな?」

間宮「あら提督さん? 今からお昼ですか?」

提督「いや、食事ではない……ちょっと話があってな」

伊良湖「私達にですか?」クビカシゲ

鳳翔「では私は席を外しますね」

提督「いや、鳳翔も居てくれ」

三人『???』クビカシゲ

 

 ……。

 …………。

 

間宮「それでお話と言うのは……?」

提督「あ、あぁ……それなんだが……」キョロキョロ

伊良湖「提督さんにしては歯切れが悪いですね。先程から落ち着きもありませんし……」

鳳翔「今は私達だけですから、遠慮せずに話してください」ニコッ

提督「うむ……こ、これを渡そうと思ってな……」つ箱

 

 私は三人に一つずつ丁寧にラッピングした箱を手渡した。

 みんなはその箱を受け取りつつ、その箱を不思議そうに見つめる。

 

提督「……開けてくれ」

間宮「は、はい……」カサッ

伊良湖「わかりました……」カサッ

鳳翔「何でしょう?」カサッ

 

三人『っ!?』

 

提督「どうかな?」

 

間宮「割烹着……ですね?」マジマジ

伊良湖「七宝柄で可愛いです……」シミジミ

鳳翔「提督、これは……?」クビカシゲ

提督「三人へ私からのプレゼントだ」

三人『えっ!?』

 

 そう、私は三人へのプレゼントとして三人には必需品である割烹着を贈った。

 因みに間宮さんは桜色。伊良湖さんは緑。鳳翔には山吹色にした。

 

間宮「お気持ちは嬉しいのですが、何故いきなり?」

伊良湖「」コクコク

鳳翔「私も気になります……」

 

提督「明日はクリスマスだろ? だが三人は明日のパーティーでは、ずっと厨房に籠って私達への料理で忙しいと思ってな。ちゃんと日頃の感謝も込めて手渡したかったんだ。結果前日になってしまったのだが……」

 

 申し訳ないやら恥ずかしいやらで目を逸らしていると、三人の笑い声が聞こえた。

 

提督「?」チラッ

間宮「ありがとうございます。これからも美味しい料理を心を込めて作らせて頂きます」ニコッ

伊良湖「とっても嬉しいです! これからも頑張ります!」キラキラ

鳳翔「これまで以上に美味しい料理を作りますね」ニコニコ

提督「喜んでもらえたなら良かった……これからもよろしく頼む。では、私は執務室へ戻る」スッ

三人『ありがとうございました』ペコリ

 

 ……。

 …………。

 

間宮「まさかこんな素敵な贈り物をして頂けるなんて……」ニコニコ

伊良湖「私、感動しちゃいました……」ポォ

鳳翔「明日はとびっきり美味しいお料理を作らなくてはいけませんね」ニコニコ

 

間宮「あら? これは……」

伊良湖「どうしました?」

鳳翔「?」クビカシゲ

間宮「いえ……ここの左胸辺りに小さくお花の刺繍が……」

伊良湖「あ、本当です! 小さくて気付きませんでした!」

鳳翔「私のにもありますね……可愛らしいです」ニコッ

伊良湖「あれ? 三人共別々のお花の刺繍なんですね」

間宮「あら、本当だわ……」

鳳翔「でもどれも綺麗に刺繍がされていますね」ニコニコ

 

食堂妖精a「それは提督さんが自ら刺繍したらしいです」

食堂妖精b「工廠妖精さんに聞きながら毎晩コツコツやっていたらしいです」

食堂妖精c「因みにその花は皆さんの進水日……誕生日の花です」

三人『』

 

 間宮:十月二十六日。キンモクセイ

 伊良湖:二月十四日。フリージア

 鳳翔:十一月十三日。レモンバーベナ

 

伊良湖「これを提督さんが……?」ジワッ

間宮「っ」ポロポロ

鳳翔「提督らしいですね……」ホロリ

 

間宮「大変だったでしょうに……ぐすっ」ニコッ

伊良湖「提督さん……」クスン

鳳翔「嬉しいですね……ふふっ」クシクシ

 

間宮「これは気合いを入れ直さなくていけませんね!」

伊良湖「はい! より一層美味しいお料理を!」

鳳翔「提督の為に!」

三人『おぉーー!』

 

 三人は一生この宝物を大切にし、最高の料理を常に作ろうと誓った。

 

 その後の料理の腕がぐんと上がったというーー。




短いですが終わりです!
読んでくれて本当にありがとうございました!

クリスマスなので少しロマンチックな話にしましたが、難しいですね……。

読者の皆様、良いクリスマスとイブを!

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