艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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駆逐艦と遠足シリーズ、ラスト!


艦これSS三十二話

 

 ○○鎮守府、○七○○ーー

 

 門前ーー

 

 今回で駆逐艦の娘達を遠足に連れていく慰労企画を終える。

 最後は朝潮型姉妹だ。

 

 八名なのでグランドキャビンをレンタルし、これで向かうことにした。

 

朝潮「全員準備出来ました! 司令官、本日はよろしくお願いします!」ケイレイ

妹達『よろしくお願いしまーす!』ペコリ

提督「うむ、いい遠足にしよう」ニコッ

 

 そして私はみんなが乗り込むのを確認して、早速遠足地へと車を走らせた。

 

 

 

 江戸村テーマパークーー

 

朝潮「江戸村……」キラキラ

荒潮「江戸時代を模したテーマパークですって♪」

大潮「時代劇気分を味わえるんですね!」グッ

満潮「遊園地とか安直な場所を選ばなかったことは評価するわ」ソワソワ

霞「あとは中に入らないと分からないからね」ウズウズ

朝雲(ホントこの二人は素直じゃないわね……)

霰(嬉しくて仕方ないくせに……)

山雲「あ~、あそこで着物も貸し出してるって~」ユビサシ

提督「せっかくだ着物で江戸村を堪能しようじゃないか」ニコッ

姉妹『はい!』

 

 姉妹着替え中ーー

 

朝潮「どうですか、司令官!」クルリ

大潮「ど~ん!」キャッキャッ

満潮「ふんっ////」プイッ

荒潮「うふふ~♪」クルリ

朝雲「ちゃんと見てよね!」フンス

山雲「えへへ~♪」ピース

霰「……んちゃ////」モジモジ

霞「どうなのよ!?////」ビシッ

 

 みんな同じ白と黒の市松模様の着物だが、帯はそれぞれ違った色で姉妹らしさと個性を出した着付けとなっていた。

 

提督「うん……みんな良く似合っている……可愛いぞ」ニコニコ

 

朝潮「あ、ありがとうございます////」帯色→青色

大潮「嬉しいです!」帯色→藍色

満潮「ふ、ふんっ////」帯色→黄色

荒潮「嬉しいわぁ♪」帯色→赤色

朝雲「と、当然よね////」帯色→水色

山雲「やったぁ♪」帯色→黄緑色

霰「……////」帯色→灰色

霞「……クズ!////」帯色→緑色

 

提督「さ、行こうか」ニコッ

姉妹『はい♪』

 

 

 江戸村側の関所(入口)

 

門番「お主ら待たれよ! この先に向かうのであれば通行手形を見せよ!」バン

 

大潮「おぉ~!」キラキラ

霰「」カンドウ

提督「みんなこの人に手形を見せるんだ」

朝潮「先程、司令官に渡されたこれですね。どうぞ!」

 

 朝潮に習いみんなも手形を見せる。

 

門番「うむ、よくぞ参られた。通って良いぞ!」スッ

 

霞「良くやるわね……」

満潮「仕事だからでしょ……」

朝雲「あれでいくらになるのかしら?」

荒潮「雰囲気壊さないでよぉ」ニガワライ

山雲「」クスクス

 

 

 江戸村までのあぜ道ーー

 

朝潮「雰囲気がありますね」ルンルン

大潮「いきなり山賊が出たりしないですかね!?」ワクワク

満潮「んなもん出てきたらはっ倒すわよ」ギュッ

霞「魚雷ぶち込むわ」ギュッ

朝雲(そんなこと言いながら司令にしがみつくのね……)ニガワライ

霰(嬉しそうな顔してる……)フフ

山雲「二人共素直じゃないからねぁ~」ニコニコ

荒潮「そうよねぇ~♪」ニコニコ

 

 

 江戸村ーー

 

大潮「わぁ~~!」コウフン

霰「おぉ~……!」カンドウ

 

荒潮「本当に時代劇の世界ね~♪」

朝潮「凄い再現率ですね」キョロキョロ

満潮「迷子にならないでよね、大潮!」ギュー

霞「霰もね! あんたは時代劇マニアなんだから!」ギュー

提督(両腕が痛い……)

 

朝雲「でも結構広いわね」マップヒロゲ

山雲「どこも面白そう~♪」ニコニコ

 

 

 長州藩屋敷ーー

 

朝雲「すごいジオラマね~!」キラキラ

荒潮「なんであのお神輿にワンちゃんが乗ってるのかしら?」

朝潮「このジオラマは五代目将軍の徳川綱吉が発令した『生類憐れみの令』の当時の様子を表してるみたいですね」フムフム

 

満潮「行き過ぎた動物愛護法よね……」

霞「こんな風にしてればね……」

提督「実際は捨て子の保護政策だったんだ。しかし、当時の江戸では野良犬や飼い犬に関する問題が多くて、こうなってしまったらしい」

 

山雲「もう少し分かりやすくすれば良かったのにね~」

大潮「そうですよね! 最初から『捨て子禁止』とかにすれば良かったんですよ!」

霰「でもこの法令で戦国時代から残っていた『人を切る』という行為が見直されたから、これで良かったんだと思う……」キラキラ

 

 

 小伝馬町牢屋敷ーー

 

朝潮「江戸時代の罪人を拘留する施設で当時の刑罰などについて、こちらもジオラマで展示がされていますね」

霰「……結構凄いね」マジマジ

大潮「罪人に情けは要らないってことですね」フムフム

 

朝雲「でも、ちょっとこれは……」ガクガク

山雲「残酷だね……」ブルブル

荒潮「ジオラマもリアルよねぇ~」マジマジ

 

満潮「ふ、ふんっ。罪人なんだからこれくらい当たり前よ!」ヒシッ

霞「そそそうよ! 自ら罪人になったんだから!」ヒシッ

提督(表情は恐怖に満ちているな)ナデナデ

 

 

 忍者怪怪亭ーー

 

大潮「この建物、実は凄い急斜面なんですね!」ググッ

霰「いわゆるトリックハウス……」ググッ

 

朝潮「足腰の良い訓練になりますね!」キラキラ

荒潮「楽しいわね~♪」スイスイ

 

朝雲「訓練狂めっ」ヨロヨロ

山雲「手すりがないと平行感覚が……」フラフラ

 

霞「こ、これくらいっ!」グッ

満潮「やってやるわよ!」グッ

提督「無理するなよ?」

満・霞『あんたはなんで平然としてられるのよ!』シャー

 

 

 昼食ーー

 

提督「江戸と言えば蕎麦だな」ニコニコ

満潮「嬉しそうね、子供みたいだから大人しく食べなさい」ニコニコ

霞「恥ずかしい思いするのはあたし達なんだからね!」ニコニコ

 

朝潮「でもこのとろろ蕎麦美味しい♪」ハフゥ

荒潮「お出汁が良いわぁ♪」ハフハフ

朝雲「かき揚げも美味しい~♪」ハムハム

山雲「~♪」モッキュモッキュ

大潮「OC~!」モグモグ

霰「おかわり……」キリッ

 

 江戸の味を堪能した私達は江戸村の散策を再開した。

 

 

 日本橋ーー

 

山雲「何か向こうから人が来るよぉ~」クビカシゲ

朝潮「花魁道中ですね……」マジマジ

霰「このまま見てみよう」グッ

 

大潮「素敵な着物ですね~!」オォ

荒潮「足捌きが素敵だわ~♪」ウットリ

朝雲「一種の芸術ね……」ウットリ

 

満潮「綺麗……」

霞「えぇ……」

提督「そうだな」ナデナデ

 

 

 江戸村内散策ーー

 

満潮「あれはやぐらかしら?」ユビサシ

霞「みたいね……火事の時に使うのよね」

荒潮「本当に火事になったら使うのかしら?」クビカシゲ

朝雲「流石にそこは消防車でしょ」ニガワライ

朝潮「縁起でもないこと言わないで!」カッ

提督「まあまあ」ナデナデ

 

山雲「あっちに絵馬があるよ~」ユビサシ

大潮「村人が書いたんでしょうか?」

霰「……『商売繁盛』、『作物豊作』……江戸らしい……」フムフム

 

 

 屋台ーー

 

霰「司令官」クイクイ

提督「? ……あぁ、おやつ時だからな。みんなで食べようか」

 

店員「へい、っらっしゃい! 何にしやす?」

朝潮「お団子とお茶を九人前ください」ニコ

荒潮「美人が大勢来たんだから少しおまけして~♪」ニコニコ

店員「かぁ~、抜け目の無いお嬢ちゃんだ。よし、ならただの団子じゃなくてわらび餅にしてやろうじゃないか!」

朝潮「あ、ありがとうございます!」ペコリ

 

満潮「ねぇ、あれ良いの?」

霞「お団子もわらび餅も同じ値段だから問題無いでしょ」

提督「荒潮みたいなお客さんが他にも居るからだろうな」ハハ

霰「これも江戸の町ならではの光景……」キラキラ

大潮「時代劇そのものです!」キラキラ

山雲「わらび餅~♪」モッキュモッキュ

朝雲「良かったわね♪」ハムハム

 

 

 そらからも江戸村を堪能した私達は最後に記念写真とお土産を買い、鎮守府へと帰っていった。

 

 今回の遠足を終えた朝潮型姉妹の間では時代劇や武家言葉が流行ったとかーー。




ラストの朝潮型終わりです♪
長かった駆逐艦と遠足シリーズはこれにて終わりです。
長い間ありがとうございました!

次回からは駆逐艦以外の艦娘達の日常も書いていきます。
よろしくお願い致します!

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