艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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来ましたよ! の談。

キャラ崩壊、他作ネタ、ネタ、独自設定含みます。

いつもより長めです。


艦これSS三百十八話

 

 ○○鎮守府、○九○○ーー

 

 執務室ーー

 

 本日の執務室にはまた新しく着任した艦娘が提督へ着任の挨拶をしていた。

 今回も大本営の事情で少し早めの着任である。

 

朝風「おはよう! 朝風よ。神風型駆逐艦二番艦、朝風。司令官? 早く覚えなさい! いい?」

提督「うむ、よろしく頼むよ」ニコッ

 

 神風型駆逐艦の二番艦・朝風

 元気よくハキハキした艦娘で、威勢も良い真っ直ぐな娘だ。

 

山風「あたし……白露型駆逐艦……その八番艦。山風、です」

提督「山風もよく着任してくれた。よろしく頼む」ニコッ

山風「そんなに愛想良くしなくていいよ……別に」プイッ

 

 白露型駆逐艦の八番艦・山風

 オドオドしているものの、その瞳はジッと相手を見つめている。オドオドしてしまっているのは、きっと新しい環境に慣れていないからだろう。

 

提督「はは、これは手厳しいな。早く君から信頼されるよう努力するよ」ナデナデ

山風「やめてよ……放っておいて……////」アゥ

提督「おぉ、これはすまなかった。しかし、これからは同じ鎮守府の仲間として共に過ごすのだ。何かあったら私でも姉妹でも心置き無く頼りなさい」ナデナデ

山風「……分かった……////」

  (また撫で撫で……司令官の手、温かい……なんだか安心する////)

 

 山風はぽけぇっと提督の撫で撫でを受けていると、隣でそれを見ていた朝風も「私には無いわけ!?」と頭を突き出した。

 提督は「おぉ、これはすまん」と謝った上で朝風の頭も優しく撫でると、山風同様、朝風もぽけぇっと提督のマジックハンドの虜になるのだった。

 

海風(いいなぁ、山風。海風も提督に……って何を考えてるの海風!////)ブンブン

江風(後で江風も撫でてくれっかな〜……)ユビクワエ

涼風(後であたいもしてもらお♡♪)ヘヘッ

神風(朝風ったら、あんなに司令官に甘えて……まったく)ハァ

春風(朝風お姉様も嬉しそうですね〜♪ (わたくし)も後で司令官様から撫で撫でをして頂けるかしら♡)ニコニコ

 

 二人の案内役としてその場に居合わせている者達は、朝風と山風の蕩けた顔を眺めながらそれぞれ考えていた。

 

提督「よし。では二人共に姉妹だけでなく、他の者達とも積もる話があるだろう。私からは以上だ。これから鎮守府を見学し、その後はここに慣れるよう好きに過ごしてほしい」ニコッ

 

 提督の言葉に朝風は「は〜い♪」と返すが、山風は「あ……」と何処か引き止めるような声をあげた。

 

提督「? 何かあるかな、山風?」

山風「あ、あの……その……な、何でもない、です……////」プシュー

 

 山風はまだ提督に撫で撫でされたかったが言えなかったのだ。

 

提督「遠慮は要らんぞ?」ナデナデ

山風「あ……う、うん……また今度、言い、ます////」エヘヘ

 

 結果的に提督に撫で撫でされた山風は嬉しそうに頷くのだった。

 

 それから提督は神風達に「後はよろしくな」と笑顔で頼み、一人ひとりの頭を優しく撫でるのだった。

 提督からの撫で撫でを受けた神風は「はい♪」と元気に返し、残りのLOVE勢は『は〜い♡』と揃って締りのない返事をするのだった。

 

 

 駆逐艦寮前ーー

 

朝風「うわぁ、ここが私達、駆逐艦の寮なのね〜♪」キョロキョロ

山風「お、おっきい……」ウワー

 

神風「取り敢えずは各自の荷解きが先よね♪」

海風「えぇ、ここで一先ずは別れ、荷解きが終わったらこの場にまた集まりましょう」ニコッ

 

朝風「また後でね、山風♪ 新参者同士、仲良くいきましょ♪」ニコッ

山風「か、構わないで、いいよ……」ウゥ

朝風「何言ってんのよ♪ 私達はもう戦友で友達でしょ♪ 水臭いこと言わないの♪ ほら、あの朝日のように笑顔笑顔♪」フフフ

 

 そう言って朝風は「ほら、に〜♪」と笑顔を見せた。

 対する山風はオドオドしながらもニッコリと自然な笑顔を見せ、朝風はそんな山風に「やれば出来るじゃない♪」と言って彼女と握手を交わすのだった。

 

朝風「それじゃ、今度こそまた後でね♪ 次会う時はちゃんと最初から笑顔見せてよね〜♪」ノシ

 

 朝風は山風達に手を振ってズンズンと寮へ入って行くが、

 

神風「あぁ、ちょっと、朝風! 貴女、自分の部屋分かってるの〜!?」

朝風「あ、知らな〜い! 教えて〜!」

春風「うふふ、みんなで行きましょう」クスクス

 

 と神風達と賑やかに自分の部屋へと向かっていった。

 

海風「ふふ、早速お友達が出来て良かったわね、山風」ニッコリ

山風「うん////」コクリ

江風「ンじゃ、江風達も部屋に行こうぜ♪」ミギテギュッ

山風「ひゃう!?」

涼風「みんな待ってるからな♪」ヒダリテギュッ

山風「ぴぃっ!?」

海風「」ニガワライ

 

 それから山風は江風と涼風に引きずられるようにして自分がこれから過ごすこととなる、海風と江風の部屋へ連れて行かれるのだった。

 

 

 神風・朝風・春風部屋ーー

 

朝風「うわぁ、ベッドだ〜♪」ダイブ

神風「もぉ、埃が舞っちゃうから止めなさいよ〜」ニガワライ

春風「朝風お姉様は真ん中のベッドでよろしいですか?」

朝風「私はどのベッドでもいいわよ♪ てっきり二段ベッドかハンモックかと思ってたから♪」

神風「あ〜、確かに私も最初はそう思ってたわ」ニガワライ

 

春風「(わたくし)もですわ……でも、司令官様のお心遣いで寮の一部屋一部屋を広く設計してくださり、このように眠れるのです」ニッコリ

朝風「へぇ〜、着任する前にあの司令官の資料は読んだけど、資料通りのいい人ね♪ 見た目はちょっと怖かったけど、オーラがとても優しいって言うか♪」

神風「他の鎮守府はどうか分からないけど、私達の司令官はとても優しいわよ♪ 甘い物とかよくご馳走してくれるし♪」

春風「司令官様はとてもお心優しい方ですわ♡ (わたくし)達一人ひとりを本当に良く見てくださって、常に真心や誠意を持って接してくださいます♡」

朝風「春風、アンタ、春風って名前だけあって春の風が吹いてるわね」ニガワライ

春風「は〜るで〜すよ〜♪」ウフフ

神風「ほらほら、お喋りはここまでにして荷解きしちゃいましょう。山風さん達を待たせちゃ悪いから」

 

 神風はそう言って手を叩くと、二人はにこやかに返事をして朝風の荷解きをするのだった。

 

 

 海風・山風・江風部屋ーー

 

白露「妹勢揃い♪」イヤッフー!

時雨「待ってたよ、山風」ニコニコ

村雨「着任おめでとう。これからよろしくね」ニコッ

夕立「着任のお祝いに素敵なパーティするっぽ〜い♪」ワッサワッサ

春雨「よろしくね、山風」ニッコリ

五月雨「困ったことがあったらいつでもこの私を頼ってね! これでもお姉ちゃんなんだから!」フンス

山風「あ……う、うん……よろし、く」オロオロ

 

涼風「五月雨はドジっ娘だから頼る時は計画的にな?」

五月雨「( ̄□ ̄;)!!」ガーン

江風「どうしてもって時に頼れよな?」

五月雨「(;_q)」クスン

山風「……頼りにする、ね?」ニッコリ

五月雨「。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。」パァー

海風(山風、何ていい子なの……)ホロリ

 

時雨「それじゃあ、荷解きしちゃおうか♪」

白露「だね♪ それが終わったらみんなで案内してあげよ♪」

夕立「朝風って娘にも早く会いたいっぽい♪」

村雨「また賑やかになるわね」クスクス

春雨「それでは荷解き開始〜♪」

全員『お〜♪』

山風「お、お〜……」

  (ここでなら、あたし、頑張れる……かな♪)フフフ

 

 その後荷解きを済ませた両名とその姉妹達は仲良く鎮守府を見て周り、それぞれ関わりのあった艦娘やこれから関わる艦娘に挨拶をするのだった。

 そして最後は提督の計らいで、みんなして食堂で間宮達の美味しい料理や甘味を味わうのだったーー。




前回に引き続き着任回にしました!

春風ちゃんは本家だと神風ちゃんだけお姉様呼びですが、ここでは朝風ちゃんもお姉様呼びさせます。ご了承お願い致します。

では今回も読んで頂き本当にありがとうございました!

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