艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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着任したよ! の談。

キャラ崩壊、独自設定含みます。


艦これSS三百十七話

 

 ○○鎮守府、○九○○ーー

 

 執務室ーー

 

提督「…………」

 

 提督は机に座り、手元の資料を確認していた。

 まだ中規模作戦期間中ではあるが、本日は新しく着任する者達が居るのだ。

 

 それは

 レキシントン級正規空母・二番艦・サラトガ

 コマンダン・テスト級水上機母艦・一番艦・コマンダン・テスト

 の海外艦娘の二名である。

 

 あちらの国や大本営の事情もあり、今回は中規模作戦期間中の着任となった。

 ただ期間中というだけで、任務を完遂した鎮守府ではもう通常時の艦隊運用に戻しているので、二名の着任には何ら問題は無い。

 

 コンコンーー

 

提督「入りなさい」

 

 ガチャーー

 

アイオワ「ハーイ、アドミラル♪ 新人を連れて来たわよ〜♪」

 

 二人を出迎えに向かわせたアイオワがそう言って姿を現すと、アイオワに続いて、着任予定の艦娘達が入室した。

 二人は提督の座る机の前に立つと、揃って綺麗な敬礼をした。

 そんな二人に提督も席から立って敬礼を返し、先に提督から自己紹介をした。その後に「一人ずつ自己紹介を頼む」と声をかける。

 すると提督から見て右側に立っていた艦娘は「はっ」と返事をして、一歩前に出た。

 

テスト「Bonjour(おはようございます)!  Enchantée(はじめまして). Je m'appelle Commandant Teste(私はコマンダン・テストと言います). 提督、どうぞよろしくお願い致します♪」ニコッ

提督「よろしく頼む」ニコッ

  (初のフランス艦娘か……表情は明るいし、素直そうだ。これならすぐに馴染むだろう)

テスト「あ、あの、そんなに見つめられると……////」

 

 提督がテストの瞳をジッと見つめていると、テストは耐え切れずに頬を赤く染めた。

 

提督「あぁ、すまん。私はいつも人の目を見てしまうものでな」アハハ

テスト「そ、そうですか……////」ハゥ

 

 すると、今度は隣から「私も自己紹介していいかしら?」と声がかかった。

 提督は「勿論」と返すと、その艦娘はテストのすぐ隣に立つとニッコリと笑ってから口を開いた。

 

サラトガ「Hello! 航空母艦、サラトガです♪ 提督、サラとお呼びくださいね。よろしくお願い致します!」ニコッ

提督「あぁ、よろしく頼むよ」ニコッ

  (アイオワ同様、気さくで話しかけやすい雰囲気だな。サラトガもすぐに打ち解けるだろう)

サラトガ(力強い瞳……見つめられてると目が離せない……////)カァー

 

 するとまたドアがノックされた。

 提督が返事をするとガチャっとドアが開き、瑞穂、秋津洲、長門、プリンツ、酒匂、龍驤、イク、ニムが現れた。

 

瑞穂「提督、瑞穂推参しました」ニコッ

秋津洲「新しい子の案内に来たよ〜♪」ノシ

龍驤「来たで〜、司令官」ニコッ

長門「失礼する」

プリンツ「失礼しま〜す♪」

酒匂「失礼しますっぴゃ〜♪」

ニム「き、来ました〜」ニガワライ

イク「イクも来たの〜!」ノシ

 

提督「あぁ、皆、二人をよろしく頼むよ」ニコッ

 

 提督の言葉にみんなはそれぞれ頷き、そしてお互いに自己紹介をし合った。

 

テスト「よろしくお願いします」ペコリ

秋津洲「よろしくなの♪ コマンダー・テストさん♪」

瑞穂「コマンダ()・テストさんですよ、秋津洲さん」フフ

秋津洲「あ……えへへ、間違えちゃったかも////」テヘペロ

テスト「うふふ、長い名前でごめんなさい」クスクス

瑞穂「寧ろ長い方がインパクトがあるので、皆さんに覚えてもらいやすいかと思いますよ」フフフ

秋津洲「私もさっきので覚えたよ〜!」ニコニコ

テスト「まぁ♪ それは嬉しいわ♪」

 

 既に打ち解けるた瑞穂達は和気藹々と話をしている。

 

長門「久しいな、サラトガ。歓迎するよ」ニッ

プリンツ「今度は仲間としてよろしくお願いしますね」ニコッ

酒匂「仲良くしてね〜♪」

サラトガ「みんな、ありがとう」ニコッ

 

 共にあの作戦を経験した者達同士、にこやかにそして力強く握手を交わす中、龍驤、ニム、イクの三人とサラトガは互いに何も言葉を発しないままだった。

 

アイオワ「み、みんな?」オロオロ

長門「これはあいつらの問題だ。何も言わずに居てやれ」カタポンッ

アイオワ「で、でも……」

プリンツ「大丈夫ですよ」ニコッ

酒匂「うんうん♪」

 

 心配するアイオワに長門達は「大丈夫」と優しく声をかけた。そんな長門達の言葉にアイオワはゆっくりと頷いてサラトガ達を見守るのだった。

 

サラトガ「…………」ウツムキ

ニム「…………」ニガワライ

イク「…………」ジーッ

 

 サラトガは俯き、イクはサラトガからニムを守るように抱きしめていた。

 そして龍驤が「やれやれ」と両手をあげ、サラトガの前に立ち、俯くサラトガを下から覗き込んだ。

 

龍驤「何や、自分? しっかりと前見ぃや」

サラトガ「で、でも……サラは……」

龍驤「あん時と違って、今は仲間として来たんやろ?」

サラトガ「う、うん……」

龍驤「なら前向けや。仲間の顔も見ずに戦友として握手なんか出来ひんやろ?」

 

 龍驤の言葉にサラトガがゆっくりと顔を上げると、龍驤は優しくサラトガに笑顔を送った。

 

龍驤「これからよろしく頼むで、サッちゃん」ニシシ

サラトガ「こちら……こそ……」ニコッ

 

 龍驤が差し出した手を、サラトガは笑いながら涙を流してギュッと握った。そして何度も何度も「ありがとう」と龍驤に日本語で精一杯の気持ちを伝えるのだった。

 

ニム「あ、あの〜、ニムも握手したいな〜……なんて」ニコッ

サラトガ「えぇ、勿論」ニコッ

イク「ニムをイジメたらイクが許さないの」ムスッ

ニム「お姉ちゃん!」

サラトガ「私はあの時のことは気にしてないわ。だから私は今ここにいるの」

 

 胸を張って答えるサラトガに、イクはまたジッとサラトガの目を見つめた。それに対してサラトガは、イクに信じてもらえるようにしっかりと自分もイクの目を見つめ返した。

 

イク「ん……信じるの♪ これからよろしくなのね♪」

サラトガ「えぇ、ありがとう」ニコッ

ニム「よろしくね〜♪」

サラトガ「こちらこそ」ニッコリ

 

 それからイク達もサラトガとしっかりと握手を交わした。

 その美しい光景を見た長門達は「うんうん」と頷き、提督は思わず目頭を熱くさせるのだった。

 

提督「……では皆、コマンダン・テストとサラトガの案内をよろしく頼む。案内が終わったら食堂で何か美味しいものを食べなさい。私の奢りだ」ニコッ

 

 するとみんなは提督に笑顔でお礼を言って執務室を後にした。

 そんなみんなを執務室の外にまで出て見送る提督に、みんなは手を振りながら仲良く廊下を歩いていくのだった。

 

提督「さて、私も皆に恥じないようしっかりと仕事をせねばな」

 

 提督はそう言って机に座り、本日の書類を片付けるのだったーー。




ちょっと早いですが、着任回を書きました!
みんな仲良くが一番ですよね♪

そして本編には出せませんでしたが、今日は伊八ことはっちゃん、夕雲ちゃん、伊良湖さんの竣工日です!
三人共おめでとう!

では今回も読んで頂き本当にありがとうございました☆

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