艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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戦艦のみ。

キャラ崩壊、独自設定含みます。


艦これSS三百十五話

 

 ○○鎮守府、一七五○ーー

 

 戦艦寮、共同厨房ーー

 

 本日の作戦も一先ずは終え、艦隊のみんなはそれぞれ明日に備えて休息の時を過ごしていた。

 後段作戦の最終作戦もいよいよ終盤に差し掛かり、上手く行けば明日には完遂出来るところまで来ている。

 しかし、みんなは気を緩めることはせず、心地良い緊張感を持ってそれぞれ過ごしていた。

 

霧島「榛名、味のチェックお願い♪」

榛名「あ、は〜い♪」

 

金剛「比叡、それは絶対に合わないカラ、入れちゃダメネ〜」ニガワライ

比叡「分かりました!」ケイレイ

 

 そしてそんな中、金剛型姉妹は厨房で夕飯を作っていた。

 双子の共鳴というのか、榛名と霧島は共に同じ物が食べたくなった。そして金剛と比叡にお願いして、こうして一緒に料理をしているのだ。

 

 味見をした榛名は「バッチリ♪」と指で丸を作って霧島の味付けを褒めると、霧島は得意気に笑った。

 

「ハーイ、金剛シスターズ♪」

 

 すると特徴的なカタコトで姉妹を呼ぶ者が居た。

 

金剛「ハーイ♪ 皆サ〜ン♪」ノシ

比叡「こんばんは♪」

榛名「あら皆さん♪ こんばんは♪」

霧島「お疲れ様です」ニコッ

 

 そこにはビスマルク、イタリア、ローマ、アイオワ、ウォースパイトの海外戦艦組が勢揃いしていた。

 みんなは金剛達にそれぞれ挨拶し、アイオワは金剛達一人ひとりにハグをすると、霧島が鍋を掻き混ぜながらみんなに訪ねた。

 

霧島「皆さんもお料理ですか?」

イタリア「ううん、食堂に行こうと思ってね♪」

ビスマルク「丁度それがこうしてみんなと重なったのよ」フフフ

 

 みんながビスマルクの言葉に顔を合わせて笑い合うと、金剛達も可笑しそうに笑った。

 

アイオワ「金剛達のディナーは……カリー?」

ウォスパ「Japanの艦娘はみんなcurryを作れるのね」

金剛「作れない方もいマスガ、大抵は作れマスネ♪」

ローマ「カレー粉を入れて野菜やお肉を煮込むシンプルな料理だけど、人によって作り方も様々よね」

 

 みんな金剛達のカレーに興味津々だったが、比叡が含み笑いをした。

 

比叡「皆さん、これはただのカレーじゃないんですよ〜♪」フッフッフー

ビスマルク「ただのカリーじゃないってどういうこと?」

イタリア「匂いは美味しそうなカリーだけど……?」クンクン

 

 他のみんなも匂いを嗅ぎながら小首を傾げた。

 そして比叡は「では♪」と言って霧島にアイコンタクトすると、霧島はニッコリと頷いて小皿にそのカレーを取り、ビスマルク達それぞれに差し出した。

 

 ビスマルク達は不思議にそのカレーを眺めた後で、カレーを口に含んだ。

 

ビスマルク「思ったより中の具がシンプルだわ」

イタリア「ん〜……玉ねぎだけじゃなくて、長ねぎも入ってるわね」

ローマ「カレーの風味の後から鰹出汁の風味が……?」

アイオワ「和風カリー?」

ウォスパ「これはこれでとても美味しいわね♪」

 

 みんなそれぞれの見解を述べると、比叡は「では正解をお教えします♪」と言ってビニール袋を厨房の台へドンッと置いた。

 その中には、

 

イタリア「……麺?」

ローマ「正確には蕎麦、ね」フムフム

 

 乾燥蕎麦の袋が入っていたのだ。

 

ウォスパ「まさか……蕎麦にカリーを!?」キョウガク

アイオワ「Wow♪ カリーうどんの蕎麦versionという訳ね!」

ビスマルク「あ〜、美味しいわよね。カリー南蛮」ニコッ

 

 ウォースパイトは衝撃を受け、アイオワは楽し気に笑い、一番日本に来て長いビスマルクだけは「うんうん」と頷いた。

 するとイタリアが「ん?」と小首を傾げた。そんなイタリアにローマが「どうしたの?」と訊ねると、

 

イタリア「カリー南蛮って何? カリー蕎麦と何か違うの?」

 

 と疑問に思ったことをそのままみんなに訊ねた。

 すると霧島がメガネをクイッと上げた。

 

霧島「違いは名前だけでカレー蕎麦でも通じますよ♪ ただ鴨南蛮やカレー南蛮といった南蛮は細ねぎではなく、長ねぎのことを言っているんですよ♪」

イタリア「おぉ〜、そんな理由が! 日本語って本当に色んな言葉があるわね!」キラキラ

ウォスパ「一つの言葉。すみませんの一つでも何通りもの意味があるものね」ウンウン

 

 そんな話をしていると『ぐぅ〜〜っ』と盛大なお腹の音が聞こえた。

 みんなはその音に顔を見合わせていると、アイオワが「お腹空いた〜」と自分のお腹を押さえた。

 

金剛「ンフフ、皆さんも良かったらワタシ達のカレー南蛮食べマスカ?」

アイオワ「食べる〜!」キラキラキラキラ

ウォスパ「え、でも私達の分あるの?」

比叡「私が気合入れて作り過ぎたので沢山あります!」フンス

霧島「味も私達の保証付きです」キリッ

榛名「お蕎麦は買ってくればいいので皆さんの分もちゃんとありますよ」ニコッ

 

 金剛達の言葉にパァッと顔を明るくさせたビスマルク達は、みんなで『ゴチになります!』と金剛達に手を合わせた。

 すると金剛は大鍋にあるカレーとみんなを見て、少し考える素振りを見せた。

 そんな金剛に比叡が「どうかしましたか?」と訊ねると、金剛は「うん」と頷いてから口を開いた。

 

金剛「せっかく大鍋が四つもあるカラ、戦艦寮の皆サンにご馳走した方がいいネ♪」

霧島「名案ですね。保存は出来ますが、やはり出来立てが一番なので」ニコッ

比叡「なら私、酒保でお蕎麦買い占めて来ます!」

榛名「私は寮の皆さんに声をかけてきます♪」

 

金剛「ヨロシクお願いシマ〜ス♪ ワタシはテイトクに大部屋の許可をもらって、テイトクもご招待シmーー」

 

 ガシッ!←複数名から肩や腕を掴まれる

 

榛名「お姉さま」ニコニコ

ビスマルク「アトミラールの所に行くなら私も行くわ」ニコニコ

ウォスパ「抜け駆けは禁止だったわよね」ニコニコ

イタリア「ここは平等よね〜」ニコニコ

ローマ「みんなで行った方がいいと思うの」ニコニコ

金剛「お、オ〜ケ〜……」ニガワライ

アイオワ(修羅場の予感!)キラキラ

 

 こうして霧島とアイオワに厨房を任せ、榛名は戦艦寮のみんなに声をかけに行き、比叡は酒保へ走った。

 そして残りの金剛を含めたビスマルク達は提督の元へと仲良く(?)向かうのだったーー。




 おまけーー

 その後ーー

 戦艦寮、大部屋ーー

金剛「テイトク〜、ワタシ達が作ったカレー南蛮はどうですか〜?♡」
提督「うむ、とても美味しいよ」ニカッ
榛名「おかわりもありますよ♡」
提督「あぁ、ありがとう」ニカッ
金・榛『〜♡』←恍惚ポーズ

大和「提督にあんなに……」グルル
長門「不平等だ……」ガルル
山城「妬ましいわ!」キシャー!
ビスマルク「結局こうなるのね……」グヌヌ
ウォスパ「作ってもらった側だから文句も言えないわ」ムムム
イタリア「悔しいわ」キィー!
ローマ「今回は見逃しましょ」メガネクイッ

 ↑嫉妬組

比叡「ひぇぇっ」ガクブル
霧島「大丈夫ですよ、比叡お姉さま」ニガワライ
陸奥「そうそう。ここで争ったらどうなるかみんな分かってるから」モグモグ
武蔵「にしてもこのカレー南蛮は美味いな」ズルズル
扶桑「お汁も美味しいわ♪」ニッコリ
日向「伊勢は提督の側に行かなくていいのか?」モッモッ
伊勢「わ、私はここから見てるだけでいい♡////」モグモグ
アイオワ「カレー南蛮って美味しいわね!」モグムシャ

 その後も物凄い火花を散らした夕食会だったが、何事もなく終えた。
 しかし嫉妬組はかなりの量をやけ食いしたそうなーー。

ーーーーーー

今日は霧島さんの進水日なので、金剛型姉妹をメインにしたほのぼの回にしました!
おめでとう、霧島さん!

そして今日はカレー南蛮の日ということでカレー南蛮もお話に取り入れました♪

では今回も読んで頂き本当にありがとうございました☆

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