艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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艦娘との絆。

ちょっと真面目なシーン、キャラ崩壊、独自設定含みます。


艦これSS三百十三話

 

 ○○鎮守府、一六○○ーー

 

 埠頭ーー

 

提督「皆、よくぞやってくれた。この作戦を成功させることが出来たのはとても大きい。皆の働きに心から感謝する!」

 

 埠頭に整列した各艦隊は提督の言葉に笑顔で『はっ!』と返し、敬礼をした。

 

 当鎮守府は後段作戦『MS諸島北部・シャングリラ捜索追撃・艦隊前進配備』の攻略に成功し、それだけ艦娘達の練度や連携が高くなったことを証明した。

 

摩耶「へへ〜ん♪ この摩耶様に掛かればザッとこんなもんよ♪」

提督「あぁ、本当にありがとう。対空戦術は本当に見事だった」ナデナデ

 

 提督はそう言って摩耶の頭を撫でると、摩耶は「へへ♡」と嬉しそうに笑った。

 

提督「アイオワ、ビスマルクも共に砲撃戦で見事な働きをしてくれた。本当にありがとう」ナデナデ

アイオワ「That’s all right……どういたしまして♪」ピース

ビスマルク「これくらいどうってことないわ……だからいいのよ?♡ もっと撫でても♡」ドヤァ

 

 今作戦の主力を担ったビスマルクとアイオワにも提督は感謝を述べると、アイオワはにこやかに返し、ビスマルクは相変わらず自信に溢れた表情で胸を張った。

 

提督「千歳も千代田と交代で軽空母としての役割をしっかりとこなしてくれた。本当に感謝している」ナデナデ

千歳「ふふ、中破しちゃったけど提督のお役に立てて嬉しいわ♡」ニコニコ

千代田「私で決められなかったのは悔しいけど、ちゃんと評価してもらえて嬉しいわ♡」ニコッ

 

 この作戦では軽空母の二人も交代で編成に加わり、途中の敵潜水艦部隊の牽制やボス戦での航空戦と大きく貢献してくれた。

 提督に褒められる二人は、まるで飼い主に甘える犬のように提督からの撫で撫でを嬉しそうに受けていた。

 

提督「雲龍型姉妹も制空権を取るのに毎回本当に頑張ってくれた。心から感謝する」ナデナデ

雲龍「ん……もっと撫でて♡」アタマグリグリ

天城「提督のお役に立てて嬉しいです♡」ウフフ

葛城「ま、私達姉妹が居れば制空権は絶対よね♪」フフン

 

 雲龍型姉妹は今作戦において二名ずつ第一艦隊へ編成され、航空戦で艦隊を優位にさせ、常に作戦の要として戦ってくれた。

 LOVE勢の姉二人は提督から幸せそうに撫でられ、末っ子の葛城は胸を張って頭を撫でられていた。

 

 それから提督は道中・決戦と第一艦隊の支援をしてくれたみんなにも同様に感謝の言葉を伝え、みんなをドックや補給室へ向かわせた。

 

 

 一六三○ーー

 

 執務室ーー

 

 提督が執務室に戻ると本日秘書艦の大和が出迎え、今作戦の全結果が記された書類を渡した。

 

提督「留守を守ってくれてありがとう。そして書類もな」ニカッ

大和「いえいえ、それが本日の大和のお仕事ですから♡」デヘヘ

 

 締りのない顔で提督にそう返した大和は、提督がいつもの席に着席するとお茶の準備をし、透かさず提督へお茶の入った湯呑を差し出した。

 

提督「ありがとう、大和」ニコッ

大和「いえいえ〜♡」デレデレ

 

 提督は大和が淹れてくれたお茶をすすりながら、今作戦の結果表に目を通した。

 そしてそれを見た提督は小さく息を吐いた。

 提督のそんな些細な行動に大和が「どうかされましたか?」と訊ねると、提督は「いや……」と少しだけ苦笑いを浮かべて書類を持って席を立った。

 

 席を立った提督はMS諸島北部のマップが貼られたホワイトボードの前に行き、大和に説明を始めた。

 

提督「私は最初、O・P・S・Q・Vのボス戦まで四戦する進路を取っただろう?」

大和「はい。確かその時は駆逐艦二隻、軽巡洋艦一隻、軽空母二隻、戦艦一隻の編成でしたね」

 

提督「そうだ。最短ルートでボス戦まで行けることからこの進路を選択したが、制空権を取るのが厳しく、耐久、火力共に不足し、三回の出撃の内、全てで皆が中破から大破という結果を出してしまった」

大和「提督……」

 

提督「資材の消費を気にした結果、皆を危険に晒したのだ、私は」

 

 そう言った提督に大和が意見しようとしたが、提督がそれを手で制した。

 大和はグッと堪えると、提督は更に続けた。

 

提督「結局、重い編成を組むことでO・P・R・S・Q・Vというボス戦まで五戦という進路を取り、道中の敵艦隊との交戦を安定化させることによって今作戦は成功した」

 

提督「唐突の攻略内容の変更に皆は何も言わず、黙々と私の指示に従ってくれた。その一方で最初に編成へ組み込み、結果的に外すことになった者達に申し訳ないという気持ちがあってね。皆にさっき会って「中破や大破をさせた挙句、編成から外してすまなかった」と謝ったら笑われたよ」

 

 提督がそう言うと、大和に「当然です」と言われた。そして提督は謝った時にみんなから言われた時のことを思い出し、苦笑いを浮かべて頭を掻いた。

 すると大和に「皆さんからなんと言われたか当ててあげましょう」と言われ、提督は「あぁ」と頷いて大和の言葉を待った。

 

大和「『提督はすぐに謝るんですね。気にし過ぎです。艦隊が任務を完遂出来るなら編成が変わって当然じゃないですか』と言うような言葉ではありませんでしたか?」

 

 大和の言葉に提督は「正解だ」と言ってまた頭を掻いた。

 

大和「編成から外されたからとやさぐれる娘なんて居ませんよ。皆さん、この大和も含め、海の平和のため、そして提督のために任務を完遂することを目標にしているのですから」

提督「はは、皆からも同じようなことを言われたよ……」

大和「でしょうね〜。提督はすぐに謝るお人ですから」フフフ

提督「返す言葉が無いな……」ニガワライ

大和「寧ろ『君達のお陰でいい攻略法を見い出せた。ありがとう』と言われた方が皆さん喜んでくれると思いますよ。と言うか、提督なんですよ? 『謝るよりお礼を言われた方が嬉しい』って教えたのは」クスッ

 

提督「あぁ、それも皆から言われた……本当に私は皆に支えられて居るんだと改めて実感させられたよ」

大和「それは大和達も同じです。提督が大和達の提督でなければ、こんな風に考えて行動することはなかったはずですから」ニコッ

提督「そう言われると何か照れるな……」アタマポリポリ

 

 提督がそう言うと大和は可笑しそうに笑った。

 それから提督は今作戦に参加した全員に夕食をご馳走し、みんなに心からの感謝を伝えた。

 

 そして残る最終作戦『 MS諸島北部・B環礁沖』を制覇すべく、作戦を練るのだったーー。




 おまけーー

 食堂、一八三○ーー

親潮「MS諸島北部の作戦に参加した皆さん、司令と楽しく夕食を食べてますね」フフフ
黒潮「相変わらず他のLOVE勢は睨んどるけどな〜」ニガワライ
陽炎「ここのテーブルにも複数名居るけどね」ニガワライ

不知火「」ジーッ
敷波「」ジーッ

浦波「敷波って本当に司令官が好きなんだね」
磯波「ホントホント」フフフ
綾波「でも素直になれない乙女心なんだよね〜♪」
敷波「……聞こえてるからね////」
綾波「聞こえるように言ってるからね〜」フフン
敷波「////」グヌヌ

不知火「不知火にも改二の力があれば……」クッ
陽炎「あんたは改二並の強さでしょうが」ニガワライ
親潮「不知火姉さんは色んな意味で規格外ですからね」アハハ...
黒潮「そこら辺どうなん? 改二の綾波はん」ニシシ
綾波「え……う〜ん、確かに不知火さんはお強いですよ? だからきっと次の作戦では編成に入るかと」ニコッ
不知火「(*´ω`*)」ニヘヘ
敷波「露骨にだらしない顔に」ニガワライ
浦波「あはは……」ニガワライ
黒潮(流石ちょろぬいやな〜♪)

磯波「私達は私達で遠征と警備を頑張ろうね♪」
陽炎「ま、やれることをやるしかないからね〜」
黒潮「警備も重要な任務やからな」ニコッ
親潮「頑張ります!」フンス
浦波「浦波は訓練も頑張ります!」フンス

 そして各自出来ることを頑張ろうと誓ったが、不知火だけはいつまでも提督の方を見てデレぬいだったーー。

ーーーーーー

今回はちょっと真面目な回にしました!
そして今日は千歳さん、浦波ちゃん、親潮ちゃんの進水日なので、少しですが本編とおまけに登場させました!
三人共おめでとう♪

ではでは今回も読んで頂き本当にありがとうございました!

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