艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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駆逐艦メイン。

キャラ崩壊、ネタ、独自設定含みます。


艦これSS三百十二話

 

 ○○鎮守府、一一○○ーー

 

 明石酒保ーー

 

 カランカランーー

 

提督「邪魔するよ」

海風(本日秘書艦)「お邪魔します」ペコリ

 

明石「いらっしゃいませ♪ ごゆっくり見て行ってくださいね〜♪」

 

提督「あぁ、いつもありがとう」ニコッ

海風「お疲れ様です」ペコリ

 

明石「いいえ〜♪」

 

 前段作戦を終えた鎮守府では、本日の出撃任務は行わずに静養日となった。

 そして提督は今日まで溜まった書類を片付けていたが、インクが切れてしまったため、休憩ついでに酒保へとやって来た。

 

提督「海風も何か買う物があればカゴに入れなさい」

海風「い、いえ、海風は特には」

提督「遠慮する必要はないぞ? 自分が食べたいお菓子でも、姉妹と食べたいお菓子でも、はたまた飲み物や雑貨だっていい」

海風「し、しかし……」

提督「今日は秘書艦をしてくれているからな。その褒美だと思え」ニコッ

 

 提督は「な?」と言いながら海風の頭を優しく撫でると、海風は「では……////」と言ってカゴの中に紙パックのココアを入れた。

 

提督「冷えているのでいいのか?」

海風「はい……冷たい方が好きなので////」

提督「そうかそうか。他には無いのか?」

海風「ほ、他と申されましても……これ以上は……あぅ////」

 

 提督の気遣いに海風が「あうあう////」としていると、

 

「海風が困ってるでしょ、提督さん」

 

 そう声をかける者が居た。

 

 提督が振り向くと、そこには瑞鶴が苦笑いを浮かべて立っていて、その隣には翔鶴が笑顔で提督達に「こんにちは」と挨拶した。

 

提督「やぁ、二人共。こんにちは」ニコッ

海風「こんにちは」ペコリ

 

 二人が翔鶴達に挨拶をすると、二人は笑顔を返した。

 

瑞鶴「提督さん、心遣いはいいけど、それで相手を困らせちゃダメじゃない」フフ

 

 瑞鶴はそう言って提督の肩をポンッと叩くと、提督は「確かにそれはいけないな」と反省し、海風に謝った。

 しかし海風は顔を真っ赤にして「大丈夫ですから!////」と逆に気を遣わせてしまい、提督は「ぬぅ」と困ったような声を出した。

 

瑞鶴「あはは、提督さんって本当に優しいわね」クスクス

翔鶴「提督らしい」クスクス

 

 翔鶴達がそう言って笑うと、提督達もそれにつられてクスクスと笑った。

 

 一頻り笑った後で、提督は翔鶴達にも「笑顔をくれたお礼に、何か買うなら奢らせてくれ」と申し出ると、瑞鶴は「やった♪」と喜び、翔鶴は「ありがとうございます」とお礼を言った。

 

 そして二人がある商品を手に提督達の元へ戻って来た。

 

瑞鶴「んじゃ、私はこれ♪」

翔鶴「私はこちらを」ニコッ

 

 二人が持って来たのはインスタント食品の『間宮の夜店焼きそば・ソース』と『伊良湖の夜店焼きそば・塩』だった。

 

提督「ほう、今日のお昼にでも食べるかな?」

翔鶴「はい♪ 実は先程、赤城さんが加賀さんにインスタント食品の件でまた怒られてまして……その話を聞いていたら、私達もつい……」フフフ

瑞鶴「そそ♪ なんかたまに食べたくなるのよね、インスタントの焼きそば♪」

海風「江風や涼風もたまに食べてますよ」クスッ

 

 海風がそう言うと翔鶴達は『やっぱり食べるよね♪』と言うように笑った。

 

提督「それにしても姉妹で別々の味を選ぶというのは、また面白いな」

瑞鶴「別々な味だけど、私達の場合はちょっと違うのよ♪」フフン

 

 何処か得意気に言う瑞鶴に提督と海風が首を傾げると、翔鶴が説明を始めた。

 

翔鶴「少しお行儀が悪いお話になるんですけど、今回は別々の味を買って、姉妹で半分個する予定なんです」ニコッ

提督「なるほどな……一度で二度美味しいと言うやつか」フフフ

瑞鶴「そうなの♪ ラーメンとかだと伸びちゃうことがあるからあんまり出来ないけど、焼きそばならそうはならないからね♪」

海風「海風もたまに江風とします♪ 何だかお得な感じがするんですよね♪」

 

 すると翔鶴達は「そうそう♪」と海風の言葉に共感した。

 

 そんな話で盛り上がっていると、また酒保のドアベルが鳴った。

 

明石「いらっしゃいませ〜♪」

 

朝霜「おっす、明石さん♪」ノシ

清霜「こんにちは〜♪」ノシ

早霜「お邪魔します」ペコリ

 

 やって来たのは朝霜達で、朝霜達は提督達を見つけると真っ直ぐに提督の元へやって来た。そして早霜はちゃんと提督のすぐ横を陣取る。

 互いに挨拶を済ませると、朝霜は提督が持つカゴを見て「お!」と声をあげた。

 

朝霜「司令、インスタント焼きそば食うのか〜? いいもん食うじゃ〜ん♪」ウリウリ

瑞鶴「それは私達が食べるのよ♪ 提督さんの奢りで♪」

朝霜「マジかよ! 司令!」

提督「あぁ、分かってる。皆にも奢るよ」アハハ

 

 提督がそう言うと朝霜は「やり〜♪」と言って目的の棚へまっしぐら。

 

提督「早霜達も奢るぞ?」ニコッ

清霜「やった〜♪ ありがと、司令官♪」ギューッ

早霜「ありがとうございます、司令官♡」フフフ

 

 そして早霜達も目的の棚へと向かい、三人は揃ってある物を持って来た。

 それはカップ○ードルのノーマル、シーフード、カレーだった。

 

瑞鶴「あんたらもインスタント食品なのね」アハハ

翔鶴「みんな別々なのね」クスッ

海風「もしかして三人で分けて食べるの?」

 

 海風がそう質問すると、三人は首を横に振った。

 

朝霜「食べるっちゃ食べるけど、先ずは調べるんだ♪」

提督「調べる?」

清霜「あのねあのね♪ テレビでカップ○ードルの特集やってたんだけどね、そこで面白いこと言ってたの!」

早霜「何でも、違うのは味と具材だけじゃないんですって」フフ

翔鶴「あら、他にはどんな違いがあるのかしら?」

 

 翔鶴がそう言って小首を傾げると、朝霜が答えた。

 

朝霜「えっと、ノーマルとシーフードの麺は約二ミリだけど、カレーの方は約三ミリなんだって!」

瑞鶴「え、それ本当?」

海風「それは確かに調べたくなるわね」フムフム

早霜「スープと麺のバランスでその方が口に運んだ時に絶妙なバランスになるそうよ」

提督「ふむ……だからこれだけ長く親しまれているのかもしれないな」

 

 それから提督はみんなにそれぞれ奢り、みんなは提督にお礼を言って酒保を後にしたが、海風が何か落ち着かない様子だった。

 

提督「どうかしたか、海風?」

海風「あ、いえ……ただ、朝霜さん達が言っていたことが気になって……////」エヘヘ

提督「なら私達も調べてみるか」

海風「え、でも……////」

提督「私が調べたいんだ。付き合ってくれるかな?」ニコッ

 

 提督が海風にそう訊くと、海風は満面の笑みで「はい♪」と頷いた。

 こうして提督と海風は昼食時に執務室で共にカップ○ードルの麺を調べ、朝霜達の言っていた通りのことに感動しつつ、二人で仲良く分け合って残りを食べたーー。




今日は瑞鶴さんと海風ちゃんの進水日で朝霜ちゃんの竣工日なので、三人を登場させた日常回にしました!
三人共おめでとう☆

カップ麺ネタは前にも書きましたが、今回はちょっと違うネタなのでどうかご了承を。

では此度も読んで頂き本当にありがとうございました☆

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