艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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重巡洋艦メイン。

独自設定、ネタ含みます。


艦これSS三百十一話

 

 ○○鎮守府、○九○○ーー

 

 重巡洋艦寮、妙高型姉妹部屋ーー

 

足柄「ん〜……作戦中でもちゃんとお休みをくれるのって嬉しいわね〜」クター

 

 足柄は座椅子にもたれ掛かってお休みを満喫していた。

 

妙高「皆さんには悪い気もしますけど、休息も大切ですからね」ハフー

 

 いつもは苦言を呈す妙高も今日ばかりは足柄に賛同し、ゆっくりとお茶をすすっている。

 

那智「私達は本土沖でかなり活躍の場をもらえたからな。充実した後の休息は心地良いものだ」

 

 那智は趣味の読書をしながら休息を楽しみ、

 

羽黒「皆さんのお役に立てて嬉しかったですね♪」

 

 羽黒はクマのぬいぐるみを抱っこしながら穏やかに時を過ごしている。

 

 妙高型姉妹は那智が言ったように、今中規模作戦の本土沖で活躍。

妙高・羽黒。那智・足柄と交代で第一艦隊の主力を担った。

 そして今遂行中である前段作戦の最終作戦となる『艦隊作戦第三法』では、第六戦隊と航空機動部隊を中心とした編成で優勢に作戦を遂行中である。

 

足柄「っくちゅっ!」

 

 すると足柄が妙に可愛らしいくしゃみをした。

 

妙高「あら、大丈夫?」

足柄「うん、平気平気」ノシ

羽黒「ブランケット貸しましょうか?」

足柄「大丈夫だって」ニガワライ

妙高「風邪には注意してね? 作戦中でもあるんだから」

 

 妙高の言葉に足柄はまたも苦笑いを浮かべて「は〜い」と間延びした返事をすると、妙高は「やっぱり心配だわ」と言って足柄の膝に紫色のフワモコブランケットを掛けた。

 足柄は妙高に「大袈裟ね〜」と言うが、対する妙高は「大袈裟なくらいでいいの」と言って甲斐甲斐しく足柄にお節介を焼いた。これは妙高の長女しての性なのかもしれない。

 

那智「最近は冷え込みがキツくなってきたからな……鎮守府内でもブランケットを持ってたり、上着を羽織ってる者も増えた」

羽黒「その点ウォースパイトさんはまだまだ平気そうでしたよね。後は長門さんとか武蔵さんやなんかも」ニガワライ

足柄「ウォースパイトさんとかはもっと寒さの厳しいお国柄だからね〜。でもビスマルクさんやプリンツ達みたいに日本の気候に慣れた人達は上着を羽織ってたわね」

妙高「アイオワさんは元々暑い地域から来てるから、もうコートを着てたわね」ニガワライ

那智「元々寒そうな制服だからな。他にも寒そうな制服の者達は多いが……」

 

 那智の言葉で寒そうな制服の者達を妙高達は揃って思い浮かべた。

 そしてそれを考えると『自分達の制服は普通で良かった』と心底思った。

 

 コンコンーー

 

 そんな話をしていると、部屋のドアをノックされる音がした。

 それに対して透かさず妙高が「は〜い」と返事をして、部屋のドアを開けると、

 

ザラ「Buon pomeriggio(こんにちは)」ペコリ

ポーラ「Ciao-Ciao♪」ノシ

プリンツ「Guten tag(こんにちは)♪」ニコッ

 

 プリンツ達、海外重巡洋艦達が揃っていた。

 

 妙高はプリンツ達を快く部屋へ招き入れると、プリンツ達は礼儀正しく『お邪魔します』と言って部屋へ入った。

 

妙高「好きな場所に座ってて。今お茶を淹れて来るから」ニコッ

プリンツ「お構いなく」ニコッ

那智「はは、プリンツも大分日本語が上達したな」

足柄「今でもたまに不思議な単語が出て来るけどね」クスクス

プリンツ「それは言わないでくださいよぅ////」ムゥ

羽黒「」ウフフ

プリンツ「笑わないでよ〜////」ポカポカ

羽黒「はわわ、ご、ごめんなさい」ニガワライ

 

 それからプリンツとザラは羽黒の側に座り、ポーラは何故か足柄の膝を枕に寝転がった。

 

ザラ「もぉ〜、ポーラ!」メッ

ポーラ「うぇ〜」ヤンヤン

足柄「あはは、私は平気だから」

ザラ「足柄さんがそう言うなら……」

那智「はは、すっかり味をしめたな」クスクス

 

 那智の言葉にザラは『やれやれ』と言うように両手を上げた。

その一方でどういう訳なのか分からない羽黒とプリンツが、小首を傾げてその状況を見ていると、足柄がポーラの頭をポフポフと撫でながら口を開いた。

 

足柄「本土沖の任務が成功した夜に姉妹で鳳翔さんの所で祝杯をあげたでしょ?」

羽黒「はい。そうしたらプリンツちゃん達も来たんですよね」ニコッ

プリンツ「ね〜♪」ニコニコ

 

那智「姉さんと羽黒達が先に寮へ戻った後にな、ポーラは酔ったまま座敷で寝てしまったんだ」フフ

足柄「それも私の膝枕でね」クスクス

ザラ「本当に申し訳ありませんでした」フカブカ

 

 ザラが謝ると足柄は「いいのいいの」と軽く手を振って笑顔を見せた。

 

足柄「んで、その時の膝枕が心地良かったみたいでね〜。それでこうなのよ」ポフポフ

ポーラ「フカフカで最高〜」スリスリ

 

 ポーラのご満悦な表情に羽黒やプリンツは微笑ましく眺めたが、ザラだけはまだ申し訳ない気持ちが抜けずに複雑な表情を浮かべていた。

 

妙高「インスタントだけど珈琲をどうぞ♪ お砂糖とミルクはお好みで♪」

 

 珈琲を淹れてきた妙高がテーブルへ珈琲の入ったカップと、お砂糖とミルクの入ったカップを並べると、プリンツ達はそれぞれの言葉でお礼を言って自分好みにお砂糖等を入れた。

 

那智「それで、三人は私達に何か用か?」

ザラ「あ、忘れてました。ご相談があるんです!」

 

 那智の質問にザラがそう言うと、ザラは妙高達に相談内容を話した。

 

ザラ「コタツを出してもいいでしょうか!?」

 

 その言葉に妙高達は揃って頭にはてなマークを浮かべていると、足柄が口を開いた。

 

足柄「早い人は十一月の初めから出してるし、出したっていいんじゃない? 利根型姉妹の部屋も最上型姉妹の部屋ももう出してあるわよ?」

ザラ「じゃあ出してもいいんですね!?」キラキラ

 

 ザラが改めてそう訊くと妙高達は揃って首を縦に振った。

 するとザラは「やった〜!」とその場で万歳した。

 

プリンツ「ね〜、だから大丈夫だって言ったでしょ〜?」

ザラ「でも勝手に出したらいけないと思うじゃない!」

羽黒「そんなに気にしなくていいよ」ニガワライ

ザラ「でも〜!」

ポーラ「ザラ姉様は考え過ぎなんだよ〜」アハハ

ザラ「ポーラは何も考えなさ過ぎなの!」シャー!

 

那智「そう言えば私達も出してないな……」ウーン

妙高「お休み中だし、私達の部屋も後で出しましょうか」ニコッ

足柄「いいわね♪ なら私は後でみかん買って来るわ♪」

ポーラ「早くコタ〜ツ体験した〜い♪」

羽黒「あ、そっか。ポーラちゃんは初めてなんだね」

ポーラ「うん♪ だから楽しみなの〜♪」

妙高「ならお客様の前で申し訳ないけれど、準備は簡単だからこたつ出しましょうか」ニコッ

 

 妙高がそう提案すると、那智達やプリンツ達は揃って頷き、プリンツ達は珈琲を飲み干してお手伝いするのだったーー。




 おまけーー

 その後ーー

 こたつを実装した妙高達の部屋では早速こたつという魔物に取り込まれた者が居た。

ポーラ「(。✧Д✧)」オォー!
ザラ「ポーラ……」アタマカカエ

 それはこたつを初めて体験したポーラだった。

妙高「ふふ、気に入ったみたいね♪」
ポーラ「ザラ姉様! コタ〜ツって最高ね!」キラキラ
プリンツ「私達の部屋でも後で出そうね」クスクス
ポーラ「うん!」

足柄「でも流石に全員で入るのは無理だけどね〜」ニガワライ
那智「まあいいじゃないか。それよりみかん取ってくれ」
羽黒「あ、私取ります♪」つみかん
那智「ありがとう♪」ウケトリ

妙高「皆さん達もどうぞ♪」つみかん
ザラ「ありがとうございます」ウケトリ
プリンツ「ありがとうございま〜す♪」ウケトリ
ポーラ「コタ〜ツにミカン……日本って本当に凄い国だと改めて思いました〜♪」キラキラ
足柄「大袈裟よ」ニガワライ
ザラ「大袈裟じゃありませんよ! すっごい文化です!」キラキラ
プリンツ「(。✧ω✧)」コクコク
那智「まあ、喜んでもらえたなら良かったよ」クスクス

 そしてプリンツ達もいざ自分達の部屋に戻ってこたつを出そうとするも、ポーラがなかなか出ようとせず、結局お昼まで妙高達の部屋に居ることとなったーー。

ーーーーーー

今日は那智さんの竣工日なので妙高型姉妹をメインにした日常回にしました!
おめでとう、那智さん!

ではでは此度も読んで頂き本当にありがとうございました☆

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