艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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寒い日の魔の手。の談。

キャラ崩壊、独自設定含みます。


艦これSS二百九十六話

 

 ○○鎮守府、一二○○ーー

 

 鎮守府本館内・廊下ーー

 

響「司令官の手は温かいな……いつまでも触っていたいくらいだ」ニギニギ

提督「ははは、こんな無骨な手でもそう言ってもらえて嬉しく思うよ」

響「あぁ♡」スリスリ

 

 提督と本日秘書艦の響はお昼休憩を使い、一緒に食堂へ向かっていた。

 響は提督の手を握りしめ、ルンルン気分である。

 

 そして二人が一階のフロアへ来ると、

 

暁「やっと来たのね! レディを待たせるなんて、ジェントルマンがすることじゃないわよ!」

雷「お腹空いたのは分かったから、そう責めないの」マッタク...

電「司令官さん、響お姉ちゃん、お疲れ様なのです♪」

 

 暁達が提督達を待っていた。今日は響が秘書艦なので、提督を加えた姉妹一緒の昼食にしようと予定していたのだ。

 

提督「待たせてすまないな。この通り許してほしい」ペコリ

暁「べ、別に頭を下げるまでしなくてもいいわよ」オロオロ

 

 すると、

 

 くぅ〜〜……

 

 暁の腹の虫が可愛らしい抗議をした。

 

暁「……////」

提督「本当にすまない。さぁ、早く食堂へ行こう」

 

 そう言って提督は暁の手を取ると、暁は嬉しそうに顔を緩めて「しっかりとリードしてよね////」と言った。

 そんな暁を三人の妹達はジトーッと睨んだが、暁自身は「早く早く♪」と逆に提督をリードしていた。

 

 

 食堂ーー

 

 みんなそれぞれ注文した料理を乗せたお盆を持って適当なテーブルに座る。

 

雷「お冷持ってくるわね♪」

電「電もお手伝いするのです♪」

 

響「司令官、お絞りは温かいやつでいいかい?」

提督「あぁ、温かい方で頼む」

暁「はい、司令官のお箸」つ箸

提督「ん、ありがとう」ウケトリ

 

 みんな甲斐甲斐しく提督へお冷などを渡し、提督はそれに笑顔でお礼を言いつつ、みんなが揃ったところで手を合わせて『頂きます』をした。

 

提督「今週からラーメンフェアとはありがたいな」

暁「寒い日のラーメンって美味しいわよね♪」ツルツル

響「あぁ、それに味やトッピングも豊富だからね」ツルツル

雷「赤城さんは全種類制覇するって意気込んでたわね♪」クスクス

電「大和さんは炒飯と餃子も頼んでいたのです」ニガワライ

 

 食堂では今週からラーメンフェアをしていて、醤油、塩、味噌、豚骨、豚骨醤油というメジャーな物から、魚介系、広東麺、湯麺、五目蕎麦、担々麺と本当に多くの種類が限定で注文出来る。しかもどのラーメンも麺の太さ、縮れ具合、固さが好みで頼める上、全品つけ麺にすることも可能である。

 

 すると提督達が座るテーブルに相席をお願いするグループが居た。それは長良と鬼怒、そして第十六駆逐隊の面々だった。

 提督達は快く頷き、長良達は笑顔でそれぞれ席に腰を下ろす。

 

長良「お邪魔しま〜す♪」

鬼怒「やっぱりみんなもラーメンなんだね♪」

提督「せっかくだからな」フフ

 

 長良達もみんな揃ってラーメンが乗ったお盆を持っていた。

 

雪風「電さんは何ラーメンですか?」

電「電は魚介系ラーメンです♪」

雪風「雪風と同じですね♪」

電「本当ですか? なんだか嬉しいのです♪」

 

 天使達はお互いに『ね〜♪』顔を見合わせ、にこやかにラーメンをすすった。

 

時津風「響ちゃん、つけ麺にしたんだね」

響「あぁ、私はあまり熱い物は得意じゃないからね」

時津風「あ〜、猫舌ってやつね♪」

響「暁程ではないけどね」フフフ

暁「ちょっと、どういう意味よ?」

響「そのままの意味さ」クスクス

暁「(# ゚Д゚)」ムキー!

時津風「あははは♪」

天津風「まあまあ……私だって猫舌だけど、そんなに恥ずかしいと思わないわよ?」ニガワライ

暁「んんっ……そ、そうよね? そういうことを気にしてたら美味しい物も美味しくなくなっちゃうものね?」

 

 天津風のフォローに暁は満面の笑みで共感を得ようと力説した。しかしそれを隣で聞いている響に「レディならあれくらいでムキにならないと思うよ」とツッコまれ、暁はまたもプンスカしてしまうのだった。

 

初風「相変わらず、貴女達姉妹は仲がいいわね」フフフ

雷「まぁ、それが私達のいいところだからね♪」

初風「雷は……私と同じ醤油にしたのね」

雷「そうよ♪ 司令官が今日はお醤油だったから♪」

初風「あら、それは嬉しいことを聞いたわ♪」

雷「同じ物を食べるって嬉しいわよね〜♪」

初風「えぇ、分かるわ」ニコニコ

 

 みんなそれぞれ談笑しつつラーメンを味わう中、長良と鬼怒も提督とラーメンの話題で盛り上がっていた。

 

鬼怒「でさ〜、長良姉ったらニンニク増し増し増し増しにしようとするんだよ〜? せめて増し増しだよね〜?」

長良「だから〜、食べる前に牛乳飲んで、食後にはちゃんとお茶とリンゴ食べるって〜」ニガワライ

鬼怒「そうじゃなくて女子力! 女子力の方を気にしてよ!」

長良「私、好きな物を我慢するなら女子力なんていらないな〜」

鬼怒「えぇぇぇ〜」ガクゼン

提督「まあまあ、好きな物を食べるくらいいいじゃないか。何を食べるかは個人の自由なのだからな」ナデナデ

鬼怒「そうだけどさ〜」

 

 まだ納得がいっていない鬼怒に、長良は「じゃあ」と前置きをしてある提案をした。

 

長良「揚げ物ばっか食べてる足柄さんと今日はラーメンを汁物にして炒飯をおかずに丼飯を食べる赤城さん。この二人を女子力という視点から説得してくれれば、今後女子力を考えてあげるよ」

 

 それはかなり無理難題だった。

 そして、

 

加賀「是非とも説得してください」ヌッ

妙高「私からも一つお願い致します」ヌッ

 

 赤城と足柄の食生活に苦言を呈している二人が鬼怒に詰め寄った。しかもかなりの威圧感である。

 詰め寄られた鬼怒はオロオロとしているが、長良はそんなの気にせずにラーメンをすすっている。

 

鬼怒「て、提督〜……」

 

 鬼怒は『もうダメだ』とばかりに提督に助け舟を求めた。

 そんな鬼怒を見て、提督は「ふむ」と思考を巡らせた。

 

提督「足柄は揚げ物を好んで食べているが、それと同時にキャベツ等といった野菜とよく食べている」

 

提督「赤城の食べる量は前から変わらないし、ちゃんと訓練もしている。そして何より赤城は食べることが好きなのだから変に制限するのは可哀想だ」

 

提督「よって個人の自由を私は尊重したい。流石にこれはと思えば私から言っておくから、そう目くじらを立てないでやってほしい」

 

 そう言うと、加賀も妙高も渋々だが納得して席へ戻った。

 

鬼怒「押し付けって良くないね、うん」

長良「でしょ〜?」ニシシ

鬼怒「でもある程度の女子力の大切さは分かってよね」

長良「は〜い♪」

 

 こうして一件落着し、長良も鬼怒も再びラーメンを美味しく食べた。

 提督もみんなが美味しそうに食べるところを眺めながら、自分もまたラーメンへ箸を伸ばすのだったーー。




今回はラーメンネタで書きました♪
因み私は醤油が好きです♪

そして今日は鬼怒さんと時津風ちゃんの進水日なので、本編に登場させました☆
二人共おめでとう♪

ということで此度も読んで頂き本当にありがとうございました!

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