艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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重巡洋艦メイン。

キャラ崩壊、他作ネタ、独自設定含みます。


艦これSS二百九十四話

 

 ○○鎮守府、一○○○ーー

 

 重巡洋艦寮、物干し場ーー

 

鳥海「はい、摩耶。これで最後よ」

摩耶「あいよ♪」

 

 摩耶と鳥海は自分達や姉達のベッドシーツを干していた。

 今日は高雄と愛宕が他の者達と一緒に海上訓練へ赴いているため、この機会に部屋の衣替えすることにしたのだ。

 

鳥海「冬物も洗った方がいいかな〜?」

摩耶「洗って圧縮袋に入れたんだから大丈夫だろ。まぁ、出して変な感じだったら洗うしかねぇけどな」ニガワライ

鳥海「じゃあ取り敢えず部屋に戻って出してみよっか」

 

 鳥海がそう言うと、摩耶は「ちょっと待った!」と手をかざした。

 摩耶の行動に鳥海が首を傾げると摩耶は特大サイズの袋を指差した。それを見た鳥海は「あ〜」と苦笑いを浮かべて頷いた。

 

 摩耶が持って来た大きな大きな袋。その中身は、

 

摩耶「こんな所に閉じ込めて悪かったな。ほら、日向ぼっこの時間だぞ〜♪」エヘヘ

 

 摩耶のぬいぐるみこれくしょんの数々だった。ライオン、トラ、クマ、シロクマ、ヒョウアザラシ、シャチなどなど、大きなぬいぐるみから中くらいのぬいぐるみまで様々なぬいぐるみが次々と袋から出てくる。

 そして摩耶の趣味なのか、どの動物のぬいぐるみもことごとく肉食動物である。

 

鳥海(改めて見ると、かなり多くなったな〜……)

 

 鳥海がそんな風に思っているとはつゆ知らず、摩耶は一体一体に声をかけながら、物干し場に摩耶が自腹で設置したぬいぐるみ達専用の日向ぼっこスペース(物干し台)へ並べていく。

 

摩耶「暗くなる前にはちゃんと迎えに来っからな♪」

 

鳥海(本当、ぬいぐるみに対する愛情が深くて可愛いな〜)

 

 摩耶の一挙手一投足に鳥海はほんわか気分をもらいながらその光景を眺めた。

 

「あれ? 摩耶さん、ぬいぐるみの天日干し?」

 

摩耶「ん?」

鳥海「あら、こんにちは」ニコッ

 

 近くを通り掛かって摩耶へ声をかけたのは朧だった。

 朧は鳥海に挨拶を返すと摩耶は、

 

摩耶「よっ♪ 天日干しなんて言うなよな。今日は天気がいいからこいつらを日向ぼっこさせてるんだからよ」ニヒヒ

 

 と言ってあくまでもこれは『日向ぼっこ』だと主張した。

 それを聞いた朧はポカン顔をしたが、摩耶の後ろで苦笑いを浮かべて両手を合わせる鳥海を見て、朧は『なるほど』と頷いた。

 

朧「まぁ……きっと喜んでくれてるね、うん」

摩耶「あったり前だろ♪」ニパッ

朧(笑顔が眩しいな〜)ホホエマー

 

 摩耶の女の子らしさ加減にほっこりしながらいると、鳥海が口を開いた。

 

鳥海「朧ちゃん、今日は一人?」

朧「あ、うん。曙と潮は遠征で漣は出撃中。んでアタシは静養日。だからさっきまで自分の艤装を整備してて、今戻って来たとこ」ニコッ

摩耶「お前は真面目だからな〜。アタシなんていっつも工廠妖精さんに頼っちまうよ」ニガワライ

朧「ああいう細かい作業結構好きなんだよね♪ プラモとか作るの好きだし♪」

鳥海「プラモデルか〜……私は作ったことないな〜」

朧「結構楽しいよ♪ マスキングとかカラーリングとかスミ入れとかしてると楽しくて時間忘れるもん♪」

摩耶「何か色んな単語が出て来て分かんねぇけど、すげぇ細けぇ作業をするのだけは分かった」

 

 摩耶がそう言うと朧は「そうでもないよ〜?」と言って笑顔を見せる。そんな摩耶に対し鳥海は苦笑いを浮かべて素朴な疑問をぶつけた。

 

鳥海「朧ちゃんはこれまでにどんなプラモデル作ったの?」

 

 すると朧は目を輝かせた。

 

朧「じゃあ見に来る!? 名前だけじゃイメージ出来そうにない物とかもあるから!」キラキラ

鳥海「え」

  (スイッチ入っちゃった……)

 

 鳥海がどうしようかと考えていると、

 

摩耶「へぇ〜、面白そうじゃん♪ 衣替えだってそんなに時間掛かんねぇし、見るだけ見に行こうぜ♪」

 

 ノリノリの摩耶のひと押しで、鳥海は摩耶と朧にガッチリと両腕を掴まれた。

 

朧「あ、プラモデルは酒保の隣の倉庫にあるからね♪」

摩耶「よっしゃ♪ んじゃ、抜錨だ♪」

鳥海「」ニガワライ

 

 こうして鳥海は摩耶と朧に引きずられるように酒保の方へ向かうのだった。

 

 

 酒保隣の倉庫ーー

 

朧「ここだよ〜♪」

摩耶「うひゃ〜……」

鳥海「これ全部プラモデルなの……?」ウワー

 

 中へ入るとまるで展覧会のように数々のプラモデルがガラスケースに展示されていた。

 展示されている物の中には戦場や海上、上空を模したパノラマで臨場感ある展示をされている本格的な物もある。

 

摩耶「倉庫まるまる展示会場って感じだな〜」キョロキョロ

鳥海「ずっと酒保の在庫倉庫かと思ってたわ」キョロキョロ

 

 あまりのスケールに摩耶達は思わず辺りを見回している。

 そんな摩耶達に朧は笑顔でこの倉庫がこうなった経緯を簡単に説明した。

 

朧「ここは古くなって使わなくなった倉庫だったのを、アタシや他のプラモ好きのみんなで提督に使わせてもらえないか頼んだの♪」

 

朧「ダメ元で頼んだら『皆にも趣味があるからな。少しリフォームすればまだまだ使えるし、せっかくだから有効に使おう』ってリフォームして使用許可出してくれたんだ♪」

 

朧「その代わり、使用する私達がちゃんと管理する約束でね」ニコッ

 

 最後にそう付け加える朧だったが、摩耶達は飾られているプラモデルに興味津々で、後半くらいから説明は聞こえてなかった。

 

 朧はいつも頼りになる存在である二人の子どもっぽい姿に笑みを浮かべ、二人に展示しているプラモデルを案内した。

 

 

 ロボットゾーンーー

 

朧「ここのは基本的に夕張さんとか作ったやつだよ♪」

摩耶「ガ○ダムばっかかと思ったが、知らねぇロボットもかなりあるな」

鳥海「うわぁ、名シーンとかかなり細かく再現してる……」←ロボットアニメ好き

朧「」ニコニコ

 

 

 戦車ゾーンーー

 

朧「ここは戦車だよ♪ まるゆちゃんとはっちゃん、あとろーちゃん達が組み立てた作品が中心だね♪」

摩耶「三式中戦車チヌじゃんか! こっちは6号戦車「ティーガー」! M26重戦車「パーシング」もある!」

鳥海「わざとキズを付けてリアリティを出してるわね……こっちなんて発射した時の砲炎まで再現してあるわ……」

朧「まだまだあるよ♪」

 

 

 航空機ゾーンーー

 

朧「航空機ゾーンは瑞鳳さんとしおいちゃん達が作った物がメインだね。あと一部だけ日向さんだよ」ニガワライ

摩耶「どれもすげぇけど瑞雲だけやたら多いな……そしてその全部がクオリティ高ぇ」ニガワライ

鳥海「でも他にも九九艦爆を含めた各艦載機とか、晴嵐の他にも強風、紫雲、蒼空もある」

朧「取り敢えず次が最後だよ♪」

 

 

 艦艇ゾーンーー

 

朧「ここのは明石さんと武蔵さんや扶桑さんの作品が主に展示されてるよ。因みにアタシは自分のやつをここに飾ってる♪」

摩耶「朧が作ったのどれだ?」

朧「えっと、あ、これこれ♪」

鳥海「上手〜♪ 綾波型駆逐艦勢揃いね♪」

朧「うん♪ 朝霧に夕霧、天霧、狭霧も全部♪」

摩耶「どれもすげぇな〜……本当に動き出しそう……」

朧「明石さんが作ったのは全部実際に海に浮かべて操作出来るよ♪ しかも主砲も撃てるんだから♪」

鳥海「流石は明石さん……」ニガワライ

 

 こうして摩耶達は朧に様々な完成度の高いプラモデルを紹介してもらった。

 三人は扶桑と夕張が来るまで時間が経つのを忘れていて、摩耶達は苦笑いを浮かべ、朧はクスクスと笑うのだったーー。




今回はほのぼの系にしました!
個人的にプラモデルって作るのは好きなんですが、置き場所が無くて買えないんですよね〜w
とまあ私個人のお話は置いといて、今日は摩耶さん、朧ちゃんの進水日です♪
二人共おめでとう!
あとあの三笠も今日は進水日です♪
重ねてめでたいですね☆

では此度も読んで頂き本当にありがとうございました!

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