艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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軽巡洋艦メイン。

キャラ崩壊、独自設定含みます。


艦これSS二百九十三話

 

 ○○鎮守府、一四○○ーー

 

 工廠、改造室ーー

 

提督「…………」

 

 提督は改造室のドア前で、ある艦娘の改造終了を待っていた。

 それは、

 

鬼怒「提督、改造終わったよ♪ 軽巡鬼怒、いっちょやったりますよ!」

 

 鬼怒だった。

 改二への改造が大本営から発表され、提督はすぐに鬼怒の改造を実行した。

 鬼怒本人の見た目は変わらないが、阿武隈の改二と同じく服装や艤装が大幅に変更されている。表情にも改二からか益々自信と元気さがうかがえるようになった。

 服装はベージュのカーディガンの上に黒いセーラー服を着用。セーラー服のカラー部分は灰色で、赤いラインが入っており、スカートもこれと同色で同じく赤いラインが入り。またスカートの下には黒のスパッツを着用している。 加えて赤いリボンが胸元に追加されている。

 

工廠妖精α「どうでしょうか?」

工廠妖精β「こちらが詳細資料となります」つ資料

工廠妖精γ「またいい改造を施してしまった」ホクホク

 

 鬼怒の後に改造室から出て来た工廠妖精達は提督に資料を渡し、提督の反応を待った。対する鬼怒も提督がどういう反応をするのか楽しみに待っている。

 

鬼怒(カッコイイとかカワイイとか言ってくれるかな〜♪)ワクワク

 

 資料を読んだ提督は「ふむ……」と前置きして、

 

提督「実にいい改造だ。妖精さん達、感謝する」

 

 と妖精達に言葉をかけた。

 

鬼怒(あるぇ???)

 

 真っ先に提督が褒めてくれなかったことに、鬼怒は困惑した。何故なら阿武隈の時、提督は『おぉ〜、立派になったな♪』とニコニコしていたからだ。

 

鬼怒(もしかして提督って鬼怒に興味無い!!!?)

 

 終わった。愛する提督、心から慕う提督が自分に興味が無ければ、この恋も、これからの出番も全てが終わってしまう……。

 

 放心状態で小刻みに震える鬼怒を提督は不思議に思いながらも声をかけた。

 

提督「鬼怒…………おい、鬼怒」ペチペチ

 

 名前を呼んでも返事をさない提督は、鬼怒の頬を軽く叩いて鬼怒を呼んだ。

 

鬼怒「ひゃ、ひゃい!」ピシッ

 

 鬼怒は思わず素っ頓狂な声をあげ、何故か気を付けをして敬礼までした。

 

鬼怒(うへぇ〜、何やってるの鬼怒! こんなワケワカメな行動取ったら余計に提督が引いちゃうよぉぉぉ!)

提督「……鬼怒」

 

 目をグルグルとさせながら困惑気味の鬼怒に提督は優しく声をかけ、そして鬼怒の頭へポンッと手を乗せた。

 

鬼怒「て、提督?」

提督「改二への改造おめでとう。新たな鬼怒の力に頼らせてもらう」ニコッ

鬼怒「!!!?♡////」ズッキューーン

 

 提督のLOVE勢殺し『爽やかスマイルレールガン(金剛命名)』が炸裂。更には優しいふんわり手つきの艦娘殺しの撫で撫で付きだ。直撃を受けた鬼怒は頬を赤らめて俯いてしまった。

 

提督「これからも期待しているよ、鬼怒」ナデナデ

鬼怒「う、うん……任せて♡」エヘヘ

 

 鬼怒はもう蕩けた顔で返事をすることしか出来なかった。そして鬼怒は眩しいくらいキラキラと輝きを放っていて、工廠妖精達は思わずサングラスを着用する程だった。

 

鬼怒「ね、ねぇ、提督……////」モジモジ

提督「ん、何かな?」

鬼怒「今の……改二の鬼怒ってどうかな?////」ドキドキ

提督「ふむ……」ジーッ

鬼怒「////」ドキドキドキドキ

提督「前よりも素敵になったな」ニカッ

鬼怒「はうぁ!!!?♡////」

 

 こうかはばつぐんだ!

 

 鬼怒は自分の周りや目にまでハートマークを浮かべ、天にも登る気持ちで提督と改造室を後にした。勿論鬼怒は提督の左腕にしっかりと抱きついて。

 それを見送りながら工廠妖精達は口の中をジャリジャリさせるのだった。

 

 

 一方、鎮守府正面海域にてーー

 

阿武隈「」ソワソワ

名取「」クスクス

 

 遠征任務から資材を持って帰投中の第四艦隊。

 中でも単縦陣で先頭を行く阿武隈はどこか落ち着かない様子だった。

 

朧「阿武隈さん、どうしたのかな?」

 

 そんな阿武隈の様子を見て、編成メンバーの朧が自分の後ろにいる他のみんなへ声をかけた。

 

曙「鬼怒さんが改二の改造をするからでしょ?」

 

 すぐ後ろの曙が『何言ってんの』と言った感じで答えると、朧は「あ、そっか♪」と笑顔を見せた。

 

曙「姉妹が改二になって嬉しいのは分かるけど、もう少し落ち着いてほしいもんよね」ヤレヤレ

漣「ボノボノちゃんだってうっし〜が改二になる時は阿武隈さんみたいにソワソワしてたくsーー」

曙「今日は波が高いからもしかしたら間違えて主砲を味方にぶっ放しちゃうかもしれないわね♪」ニコニコ

漣「あ、あははは♪ 今日はいい天気だね〜♪」ガクブル

 

潮「楽しみですね♪」

名取「うん♪ 私も早く鬼怒ちゃんに会いたい♪」

 

 そんな話をしていると阿武隈が「鎮守府見えたよ!」と叫び、みんなは阿武隈や名取のために少しだけ速度を上げた。

 

 

 中庭、一四三○ーー

 

 第四艦隊が帰投を急いでいる間、鬼怒は中庭で長良達に改二姿を披露していた。

 

鬼怒「どうよどうよ〜♪ パナくなったっしょ!?」クルクル

 

五十鈴「分かったから落ち着きなさいな」クスクス

長良「阿武隈と同じ制服だね〜」オォー

由良「私も改二の許可が出たらこの制服になるかしら♪」フフ

 

 姉達の言葉に鬼怒のテンションは最高潮だ。調子がいいのは提督からもらった言葉もかなり影響しているが、やはり日頃から尊敬し慕っている姉達からの言葉も鬼怒にとってはとても嬉しいのだ。

 

鬼怒「へへ〜ん♪」

長良「でも阿武隈みたいに甲標的は装備出来ないんだね〜」

由良「その代わりに大発動艇が運用可能になったんじゃない? 対空値も向上したし」フフフ

五十鈴「ま、何にしろおめでたいことには変わらないわね♪」

 

 すると、

 

「鬼怒お姉ちゃ〜ん♪」

 

 阿武隈が笑顔で手を振って中庭へ登場した。その後ろからは名取がにこやかに歩いている。

 

鬼怒「あぶぅ、お帰り♪」ナデナデ

阿武隈「ただいま! 改二おめでとう♪」ギューッ

 

 抱きついてお祝いの言葉をくれる阿武隈に鬼怒はお礼を言って頭を撫でた。

 

名取「おめでとう、鬼怒ちゃん」ニコッ

鬼怒「ありがと、名取姉♪」ニパッ

 

 それから名取は阿武隈に「報告まだだよ」と言うと、阿武隈は「あ!」という反応をした。

 名取と阿武隈が報告へ執務室へ向かうことになると、長良達は『待ってるね』と笑顔で二人を送り出した。

 

長良「よ〜し♪ 二人が帰って来たら甘い物を食べに行こう♪」

五十鈴「いいわね♪ お祝いにご馳走するわ」ウインク

由良「私からも少しカンパさせてね♪」

鬼怒「やった〜♪」バンザーイ

 

 こうして鬼怒は姉妹達からお祝いされ、夕飯の時には改二記念として小さなパーティも開かれ、最高の一日を過ごすのだったーー。




鬼怒さん改二来ましたね♪
少しタイミングがズレましたが改二おめでとう!って感じの回にしました!
そして今日は曙ちゃんの進水日でもあります♪
重ねておめでとう☆

では此度も読んで頂き本当にありがとうございました!

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