艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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駆逐艦メイン。

キャラ崩壊、他作ネタ、ネタ含みます。


艦これSS二百九十二話

 

 ○○鎮守府、一三○○ーー

 

 中庭ーー

 

提督「すぅ〜……はぁ〜……」

 

 提督は本日も食後の一服をベンチに座って嗜んでいた。

 地元の秋刀魚漁業シーズンも終わったことにより、夜間の任務も平常運転に戻ったので、一部の艦娘を除いてみんな通常任務に専念している。

 

 煙草の煙を空に吹きかけながら、晩秋の空を眺めていると、

 

「きゃ〜!」

 

 何者かの声が聞こえてきた。提督は何事かと思い、急いで悲鳴がした方へ視線を向け、愛刀に手を掛けたが、

 

島風「きゃ〜♪」

初風「…………」ボウゼン

天津風「…………は?」

時津風「きゃ〜!」←迫真の演技

 

日向「ふははは♪」

 

 みんなが仲良く遊んでいるだけだった。

 提督は安心して刀から手を離し、その温かい光景を眺めた。

 

日向「捕まえたぞ〜!」ガシッ

時津風「あぁっ!」

日向「私の名前は瑞雲伯爵夫人! 今日からお前は私と一緒に瑞雲の広告塔になるのだ〜!」

時津風「いやぁ〜! 誰か助けて〜!」

 

 何とも強引な理屈である。

 すると、

 

「待て〜ぃっ!」

 

 何者かの声が響き渡ると木の影から、

 

陽炎「やっと会えた!」

不知火「ご指導ご鞭撻!」

黒潮「よろしゅうな♪」

陽炎「人も知らず!」

不知火「世も知らず!」

黒潮「フラグへし折る二十四分間!」

陽・不・黒『旗折戦隊、YAGGY! あ、参上〜!!』

 

 見事な決めポーズが決まり、陽炎達が現れた。

 

日向「ふははは! たった三人で何が出来ると言うのだ! お前達もコイツと同じく瑞雲の広告塔にしてくれるわ!」

 

「待て待て〜!」

 

 そこへまたザッと五人の人影が現れた。

 

大鳳「暴れてドッカン……」

陸奥「轟け第三砲塔……」

グラーフ「煌めきの火花……」

アクィラ「ヒラヒラ炎上……」

三隈「揺らめく意識……」

 

大鳳「出撃したら自分が爆ぜるかもしれない……」

五人『不幸戦隊フコウナンジャー、抜錨〜』

 

 これまた見事な決めポーズで参上した五人組だが、口上セリフがかなり不吉で、顔色も悪いことこの上ない。

 

日向「何人来ようとも同じこtーー」

 

「ちょっと待ってくださ〜い!」

 

 更にまた人影が現れた。そして今度は六人組である。

 

雪風「コーウン一号!」

アイオワ「コーウン二号♪」

青葉「コーウン三号!」

初霜「コーウン四号////」

時雨「コーウン五号!」

瑞鶴「コーウン六号////」

 

雪風「幸運のイマジネーション!」

六人『幸運戦隊!! シアワセジャー、全速前進!!』

 

 更に更にまた見事な決めポーズが決まった。何名か赤面しているのを除いて……。

 

雪風「さぁ、早く逃げてください!」

時津風「ありがtーー」

大鳳「早く逃げて! 超逃げて〜!」クワッ

時津風「は、はいいぃ!」ピューン

 

日向「ふふふ……ははは、は〜はっはっは! どれだけ増えてもみんなどうせ瑞雲の素晴らしさに平伏すんだ!」

陽炎「確かに……とてつもない信仰力!」

不知火「でも我々が力を合わせれば大丈夫!」

黒潮「守りたい世界があるからな〜♪」

 

 そう意気込むYAGGYだったが、

 

大鳳「ちょっと、なんでここに我々の天敵が居るわけ!?」

アイオワ「何を言っているのかしら?」クスッ

青葉「無闇に不幸を撒き散らす貴女達こそ、我々の天敵です!」キリッ

三隈「そんな〜! 胸にグサッと来ましたわ〜!」オヨヨ

陸奥「幸運なら何を言っても幸運だとは思わないことね!」

時雨「天に愛されているのがどちらか分からないのは、可哀想なことだね」ニコニコ

 

 既に統率力は壊滅的である。そもそも統率力そのものが取れていたかすら微妙なところではあるが、それはツッコんだら負けだと思う。

 

 ーー。

 

島風「みんなアドリブで凄いね♪」

初風「初霜と瑞鶴さんは穴があったら入りたそうにしてるけどね」ニガワライ

天津風「というか、このカオスな状況どうすんのよ?」

時津風「まぁ何とかなるんじゃない?」クスクス

提督「喧嘩にならないことだけを祈る」

ニム「どうなるのかな〜?」ワクワク

 

 エキストラ的役割だったみんなは島風が提督の左太腿に座り、時津風は提督の右太腿。提督の左右に初風、天津風という具合で座っている。

 更には本日秘書艦のニムも酒保への買い物から帰って来ていて、面白そうにその光景を眺めていた。

 

提督「そもそもこれはどういう遊びなんだ?」

初風「私はいきなり連れて来られて今に至るわ」

天津風「私も同じく……」

時津風「これね〜、劇だよ♪」

島風「うん♪ 学生の人達が文化祭って言うのでこういうことをやるって雑誌に書いてあったの♪」

ニム「あ〜♪ それでみんなでやってるんだ♪」

 

初風「よく協力してくれたわよね」

天津風「まぁみんな基本的にノリ良いしね」ニガワライ

島風「シナリオは秋雲ちゃんに頼んだの♪」

時津風「シナリオ通りに進んでないけどね〜♪」

ニム「いいのかな〜?」ニガワライ

提督「まぁ見守ろう。何かしらオチを付けてくれるだろうからな」

 

 提督の言葉にみんなは『は〜い♪』と返事をして、取り敢えずまた事の成り行きを見守った。

 

 ーー。

 

日向「こらこら、喧嘩するな。お前達は私を協力して止めるのが役目だろう?」

 

 悪役が揉める正義役達に割って入って仲裁に入った。

 

大鳳「でも……」

アイオワ「諸悪の根源は潰さなきゃ」キリッ

日向「その物騒な発想を止めろ……」ニガワライ

 

瑞鶴「もう帰りたい……////」

初霜「私もです////」

時雨「楽しまなきゃ損だよ♪」

アクィラ「そうそう♪ 笑うモンには福が入るってことわざもあるから♪」

グラーフ「かどだ、門」

アクィラ「そうそう、それ♪」

雪風「どうしましょうか?」

 

 他のみんなも演技なのか素なのか分からない状態である。

 

日向「はぁ〜、仕方ない。なら、この特別な瑞雲をお前達にあげよう」

陸奥「特別な……」

青葉「瑞雲……」

日向「そうだ。これを持っていれば全てが解決する。瑞雲の名の元に皆が心を一つにする、これだ」キリッ

みんな『おぉ〜!』キラキラ

 

 正義とは何だったのか……悪とは何だったのか……いや、全ては瑞雲の前では役に過ぎない。

 そう、瑞雲だけが我々の心のありどころ、即ち真のジャスティスなのだ!

 

みんな『瑞雲! 瑞雲!』

 

陽炎「取り込まれてどうすんのよ!?」

不知火「目を覚ましてください!」

黒潮「もうええ加減にしてや!」

 

全員『どうもありがとうございました〜♪』

 

 まるで漫才やコントの終わり方だったが、みんなはそれなりに満足しているようだった。

 その後、提督に見られているのを知ったLOVE勢は恥ずかしさのあまりその場から逃げるように去って行ったというーー。




今回はYAGGYを中心としたレンジャーネタにしました!
球磨、阿武隈、筑摩、熊野、三隈でベアレンジャー
球磨、多摩、雪風、時津風、夕立でアニマルンジャー
などなど考えましたが今回はあのメンバーにしました♪

元ネタは
YAGGY=ハ○ケンジャー
フコウナンジャー=ニン○ンジャー
シアワセジャー=ト○キュウジャー
です!

そして今日は陽炎ちゃん、ニムちゃんの竣工日なので二人共登場させました!
二人共おめでとう♪

では今回も読んで頂きありがとうございました☆

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