艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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駆逐艦メイン。

キャラ崩壊、独自設定含みます。


艦これSS二百九十話

 

 ○○鎮守府、一二三○ーー

 

 食堂ーー

 

初霜「ご馳走様」

子日「ご馳走様でした〜♪」

 

初春「む、やけに食べるのが早かったのぅ」

若葉「何か約束でもあるのか?」

子日「ううん、なんか今日はお腹減ってたの♪」

初霜「は、はい。訓練しましたし……」アハハ...

春・若『ふ〜ん』

子日「あ、初霜ちゃん、酒保に行こ!」

初霜「あ、うん♪」

 

 二人はそう言うと食器を戻し、初春達に「またね」と言って足早に食堂を後にした。

 

初春「何やら怪しいのぅ……」モグモグ

若葉「子日はいつも通りだったが、初霜は若干の動揺が見えたからな」モッモッ

 

 そう言いつつも二人はゆっくりと昼食を食べ、食休みもしてから子日達が向かった酒保へ手掛かりを探しに向かった。

 

 

 明石酒保、一三○○ーー

 

 カランカランーー

 

明石「いらっしゃいませ〜♪」

初春「邪魔するぞ」

若葉「」キョロキョロ

 

明石「何か買い忘れた物でも?」

 

 明石の問いに初春達は首を傾げた。

 

初春「どういうことじゃ?」

明石「え? ちょっと前に子日ちゃん達がお買い物して行ったから。その買い忘れかな〜って」

若葉「子日達は何処に行ったか分かるか?」

明石「さぁ〜、何処かまでは……ただ急いではいたかしら」ウーン

若葉「何をそんなに急いでいるんだ?」

初春「ふむ……これと言って浮かばぬが、何にせよここで買い物をしたのは確かじゃな」

若葉「二人が何を買ったか教えてもらえないか?」

明石「え〜っと……ツナ缶を買って行ったわね」

 

 すると若葉がハッとした。それに初春が「何か浮かんだのかえ?」と訊ねると、

 

若葉「きっと足りなかったからツナマヨご飯を食べる気だ!」キリッ

初春「………………」ポカーン

明石「」ニガワライ

 

 一瞬時が止まった。

 

初春「特に浮かばないのぅ」スルー

明石「ごめんね。力になれなくて」

初春「良い良い。わらわ達が勝手に探っておるだけじゃからな」フフフ

若葉(スルーは酷いぞ……だが、悪くない////)ゾクッ 

 

 すると酒保のドアの鐘が鳴った。

 入って来たのは提督と本日の秘書艦であるビスマルクだった。ビスマルクは提督の左腕をガッチリホールドしていて、いかにも付いてきた感がある。

 

提督「やぁ、みんな」ニコッ

ビスマルク「Guten tag(こんにちは)♪」

 

明石「いらっしゃいませ♪」

若葉「やぁ、提督、ビス子」ケイレイ

初春「うむ////」←突然の提督の登場に赤面

 

提督「いつものを頼む」

明石「あ、は〜い♪ 少々お待ちください♪」

 

 明石はそう言って倉庫の方へ向かった。提督は休憩時間を使って煙草を買いに来たのだ。

 

若葉「初春、どうする? 我々ももう行くか?」

初春「行くにしてもあてが無かろう……」ウーン

 

ビスマルク「浮かない顔をして、あなた達はどうしたの?」

提督「何か悩み事か?」

 

 初春達の様子を見て、透かさず提督とビスマルクが声をかけると、初春達は事の経緯を説明した。

 

提督「なるほど、子日と初霜が……」

ビスマルク「どうして食堂で問い詰めなかったの?」

初春「問い詰める必要は無いと判断しからじゃ。あの二人に限って危ないことはせぬ」

若葉「ただ何をしてるのか気になってな……」

ビスマルク「何なら偵察機でも飛ばしましょうか? 丁度今装備してるわよ?」スチャ

 

 そのビスマルクの提案に初春達は喜んで頷いた。ビスマルクは提督から許可を得て、酒保の窓から偵察機を飛ばした。

 

ビスマルク「少ししたら戻って来るわ」

初春「では暫し待つかの」

若葉「」ワクワク

 

明石「取り敢えず五カートンですね♪ おまけでジッポライターの消耗品もお付けします♪」

提督「いつもありがとう」ニコッ

明石「いえいえ♪」

 

 そうこうしていると偵察機がフワフワと帰って来た。

 偵察機妖精の報告によると子日達は工廠裏にいることが分かり、初春達は提督達にお礼を言ってすぐに工廠裏へと向かった。

 

ビスマルク「工廠裏で何をしてるのかしら?」

提督「さぁ、何だろうな」

明石(提督、何か知ってるのかしら?)

 

 その後、提督とビスマルクも酒保を後にし、仕事に戻るのだった。

 

 

 工廠裏ーー

 

初霜「んふふ、寝ちゃったね♪」

子日「いっぱい食べたからね〜♪」ナデナデ

 

 工廠の裏、それも表からは見え難い物陰で子日達は隠れるように身を寄せ合っていた。

 そして子日の膝の上には猫が丸くなって規則正しい呼吸を刻んでいた。見た目は黒と茶の錆び色で大きさも十分で完全に大人の猫である。

 定期的にここへ日向ぼっこや餌を探しにやって来るので、一部の艦娘達の間では「サビちゃん」や「サッちゃん」と呼ばれ親しまれている。

 

初霜「初春姉さん達にお教えしなくても良かったんですか?」

子日「だって初春ちゃんも若葉ちゃんも猫大好きだから、絶対に無理やり触ろうとしてこの子嫌がっちゃうもん……」

初霜「流石に嫌がることはしないと思いますけど」ニガワライ

子日「でも絶対とは言えなじゃん。それでこの子がもう来なくなちゃったら嫌だもん」ナデナデ

初霜「気持ちは分かりますけdーー」

 

 すると初霜の表情が強張った。それを見た子日が初霜が見ている方を見ると、

 

初春「随分勝手なことを言いよるのぅ、子日よ」ニコニコ

若葉「猫は好きだが、無理やりは触らないぞ。引っ掻かれるのも悪くはないが」ウデクミ

 

 初春と若葉がそれぞれ立っていた。

 

子日「あ、あれぇ?」ニコニコ

初春「信用が無いのぅ。少しばかり傷付いだぞい」ニガワライ

若葉「仲間外れいくない」ムムッ

子・霜『ごめんなさぁい……』

 

 そして子日と初霜は初春達にサビのことを詳しく教え、初春と若葉はここに来るまでの経緯を説明した。

 

初春「まったく、変にコソコソしおって」ナデナデ

若葉「次からはちゃんと言ってくれ」ナデナデ

子日「うん……ごめんね?」ニコニコ

初霜「次からはちゃんと言いますね」ニコッ

サビ「にゃ〜……」

 

子日「あ、起きた♪ おはよ〜、サッちゃん」ニコッ

若葉「こいつは錆びだからメスか?」

初霜「サッちゃんは珍しく男の子です♪」

初春「なのにサッちゃんとは……」ニガワライ

子日「可愛いからいいの♪ ね?」ナデナデ

サビ「〜♪」ゴロゴロ

 

初春「人懐っこいのぅ」ニヨニヨ

若葉「一匹狼ならぬ一匹猫だな」クスクス

子日「猫の世界だとモテないのかな〜?」

初霜「単に特定の子がいないだけかもしれませんよ?」

若葉「つまりタラシなのか」ムフムフ

初春「何故お主はそういう方向へ持っていくのじゃ?」ニガワライ

若葉「その方がなんか楽しいから」キリッ

初霜「加減してね」ニガワライ

子日「ここではモテモテだから居心地良かったりしてね」クスクス

若葉「あり得るな」ウンウン

初春「餌をもらえるからじゃろ」ニガワライ

 

 その後も初春達はサビがその場を去るまで触れ合い続けた。その最中、摩耶や龍田といった面々も来て、サビはある意味ハーレムだったーー。




今日は初霜ちゃんの進水日なので初霜ちゃん達メインのお話にしました♪
おめでとう、初霜ちゃん!

ではでは、今回も読んで頂き本当にありがとうございました♪

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