艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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戦艦メイン。

キャラ崩壊、真面目なシーン、独自設定、独自解釈含みます。

※今回は神風特攻隊について書いている箇所があります。苦手な方はブラウザバックをお願い致します。


艦これSS二百七十七話

 

 ○○鎮守府、一○○○ーー

 

 執務室ーー

 

提督「」カキカキ

ウォスパ(本日秘書艦)「〜♡」ニコニコ

 

 穏やかな天候の元、本日も変わらず執務をこなす提督。そしてその仕事風景をLOVE勢に電撃加入したウォースパイトは秘書机に座って眺めていた。

 

ウォスパ(今日もアドミラルは凛々しくて素敵♡)

 

 すると、

 

金剛「ヘーイ、テイトク〜!」ババーン

 

 金剛がノックも無くドアを開け、勢い良く姿を現した。

 

提督「む、どうした金剛?」

金剛「ウォースパイトに呼ばれて参上したデ〜ス♪」

 

 そう、金剛はウォースパイトが呼んでいたのだ。

 

ウォスパ「Hello, 金剛」ニコッ

金剛「Hello〜」ウインク

ウォスパ「It's ten o'clock now♪ アドミラル。十時のティータイムにしましょう♪」

 

 ウォースパイトにそう言われた提督は『分かった』と言うように笑顔で頷き、ペンを置いた。

 それを見たウォースパイトは金剛と一緒に金剛が持参したティーセットで紅茶を準備し始める。

 

金剛「テイトクはソファーで待っててくだサーイ♪」

提督「分かった。頼むよ」ニカッ

金剛「イエッサー♡」デレデレ

 

 提督の爽やか笑顔の前に金剛は思わず顔を緩め、上機嫌で紅茶を淹れた。

 

 暫くして金剛が提督の前に紅茶の入ったティーカップを置いた。提督は笑顔で金剛とウォースパイトにお礼を言うと二人は「どういたしまして♡」と満面の笑みで返した。

 金剛とウォースパイトも自分達が飲むティーカップをテーブルに置き、金剛は提督の右隣、左隣はウォースパイトと言う形で座り、午前中の優雅なティータイムが始まった。

 

金剛「今回はアッサムなのでお好みでミルクを入れてクダサイ♪」

ウォスパ「勿論straightでも美味しいわよ」ニッコリ

提督「ふむ……では金剛の言う通りにするか。金剛、ミルクを頼む」つカップ

金剛「了解ネ〜♡」

ウォスパ「用意したmilkは低温殺菌された物だから、今回のteaには最も合ったmilkなのよ」フフ

提督「なるほどな……」

 

 そうしている間に金剛がミルクティーにして提督にまたティーカップを渡すと、見事なミルクティーが出来上がっていた。

 提督はお礼を言ってミルクティーを一口、口へ含んだ。

 

提督「うむ……美味しい」

金剛「良かったデ〜ス♡」

提督「もっと気の利いた褒め言葉が言えればいいんだがな」ニガワライ

ウォスパ「気軽でいいのよ……それに、美味しいって最高の褒め言葉よ♡」ニコニコ

提督「そう言ってくれるとありがたい……本当に美味しいよ」ニカッ

金・ウ『〜♡』ハニャーン

 

 こうして提督達は美味しいミルクティーを飲み、休息をとるのだった。

 

 

 一○三○ーー

 

金剛「では、失礼するネ♪」キラキラ

ウォスパ「えぇ、またね♪」キラキラ

提督「何から何までありがとうな」ニッコリ

 

 ティータイムを終えると、キラキラした金剛はティーセットを持って退室した。

 

提督「…………ウォースパイト。私はこれから約束事があるから埠頭へ向かう。留守を頼む」

ウォスパ「今朝言ってた事ね。分かったわ」ニコッ

提督「うむ……ではな」

 

 そして提督も用事のため退室。ウォースパイトは書類整理をしながら留守番となった。

 

 

 一一○○ーー

 

 コンコンーー

 

 提督が席を外してから暫くして、執務室のドアがノックされた。

 

ウォスパ「どうぞ」

 

 透かさずウォースパイトがドアに向かって返事すると、

 

 ガチャーー

 

暁「失礼するわね!」

響「遠征の報告書を提出に来た」

 

 暁と響が報告書を持って姿を見せた。

 

ウォスパ「ご苦労様。私が預かっておくわ」ニコッ

暁「お願いするわね」ニッコリ

 

 暁がウォースパイトへ報告書を手渡すと、執務室内をキョロキョロと見渡していた響が口を開いた。

 

響「司令官は留守かい?」

ウォスパ「えぇ……今埠頭に居るわ」

暁「埠頭?」

響「出撃任務かな?」

 

 するとウォースパイトはゆっくりと首を横に振った。

 そして暁と響に『窓の外をご覧なさい』というように目配せをし、暁と響はウォースパイトが目配せした埠頭が一望出来る窓へと向かった。

 

暁「何かしら?」ヒョコ

響「まぁ見れば分かるさ」ヒョコ

 

 二人は少し背伸びをして窓から埠頭を確認すると、埠頭には提督が居たが、その後ろには翔鶴、瑞鶴といった五航戦の二人、伊勢、日向の四航戦の二人。更には、千歳、千代田、祥鳳、瑞鳳。最上型姉妹の四人と利根型姉妹の二人が海の方……というよりは少し空の方を向いて整列していた。

 

暁「みんなで黙祷するみたいね……」

響「ああして集まっているんだ。そうに違いない」

 

 そう言っている矢先、提督達は黙祷を捧げ始めた。

 

暁「そっか……今日は()()()だもんね」

響「私達もやろうか」

暁「えぇ」ニコッ

 

 響の提案に暁は笑顔で頷き、窓を開けて空へ黙祷を捧げた。

 

 暁が言った『あの日』とは一九四四年の今日のことである。

 この日、フィリピン・クラークフィールド基地のマバラカット飛行場を飛び立った四つの航空隊がいる。

 日本で最初の神風(しんぷう)特別攻撃隊だ。

 それぞれの隊名は『敷島隊』・『大和隊』・『朝日隊』・『山桜隊』で、隊名は本居(もとおり) 宣長(のりなが)が大和魂について(えい)じた、

 

『敷島の 大和心を 人問はば 朝日に匂ふ 山桜花』

 

訳:日本人である私の心とは、朝日に照り輝く山桜の美しさを知る、その麗しさに感動する、そのような心です

 

により、それぞれ隊名を選択し、敷島隊、大和隊、朝日隊、山桜隊と名付けられたのだ。

 

 そして爆弾を抱えた零式戦闘機二十四機で編成され、レイテ湾のアメリカ艦隊に向けて飛び立った日なのである。

 出撃時には多くの基地隊員に見送られ、飛行場を飛び立った。更に彼らのために護衛の戦闘機までつけられた。無事に誘導するのと戦果確認が任務だったという。

 

 しかし、この日は天候が悪く、航空母艦はおろか機動部隊すら見つけることが出来ずに帰還することとなった。それでも、二機の零戦が未帰還となった。

 

 埠頭に集まる提督達や暁達はその二名の英霊達に黙祷を捧げたのだ。

 

 暁、響は参加していない海戦であるが、日本の艦娘ならば全員がちゃんと学んでいる歴史である。

 ウォースパイトは暁と響の行動を見て、日本の心……大和魂を改めて強く感じ、自身も今は日本に住む者として、窓の側へ行き、空に祈りを捧げた。

 

 黙祷を終えた暁と響、そして祈りを終えたウォースパイトは互いに顔を合わせ、ニッコリと笑みを交わした。

 

暁「それじゃ、これで失礼するわね♪」ペコリ

響「秘書艦任務頑張ってね」ニッコリ

ウォスパ「Thank you」ニコッ

 

 そしてウォースパイトは提督が戻って来るまでの間、気を引き締めて書類整理の作業に戻るのだったーー。




今回は前書きに書きました通り、神風特攻隊のことについて少し触れました。
本文中の情報はWikipediaと『◆特攻作戦の崩壊 ◇ The Kamikaze :全軍特攻化と一億総特攻』という記事から得ました。
この日に亡くなられた隊員の方々に心からお祈りします。

神風特攻隊に関しては色々な記事、書物があるため、違った点などがあるかと思いますが、その際はどうかご了承を。
今も尚、賛否両論ある神風特攻隊ですが、右翼、左翼関係なく、私は神風特攻隊の隊員の方々に敬意と感謝を表したいと思います。

今回は後半が少し重いお話になりましたが、読んで頂き本当にありがとうございました。

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