艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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航空戦艦メイン。

キャラ崩壊、独自設定含みます。


艦これSS二百七十四話

 

 ○○鎮守府、○九○○ーー

 

 戦艦寮、談話室ーー

 

伊勢「ん〜……秋って感じで過ごしやすくなったわね〜」ノビー

 

 すっかり秋めいた鎮守府。訓練も任務もお休みの伊勢型姉妹は談話室の窓から空を眺めつつ、羽を伸ばしていた。

 

日向「そうだな……涼しいから瑞雲の整備にも快適だ」

伊勢「ソーネー」

  (日向はブレないな〜……お姉さんはあなたの将来が心配です……)

 

 秋らしさなんて何のその。エブリデイ・瑞雲。エブリタイム・瑞雲。日向はどこまで行っても日向であることを改めて思い知った伊勢は乾いた返事しか出来なかった。

 

 ガラガラーー

 

伊勢「?」チラッ

日向「あぁ、二人も休みなのか?」

 

 談話室のドアが開くと、扶桑型姉妹が入って来た。

 二人は日向の質問に『そうよ』と言うように笑顔を返すと、伊勢達の居るテーブルの正面に座った。

 

山城「秋っていいわよね♪」キラキラ

日向「ん? あぁ、そうだな。瑞雲の整備にも快適な季節だからな」

山城「あんたは相変わらず瑞雲瑞雲してるわね」サワヤカエガオ

 

 いつもなら『また始まった』と言うように顔をしかめる山城なのだが、今日は違った。何処かキラキラしていて笑顔もいつもより明るいのだ。

 

伊勢「何かあったの?」

 

 伊勢は目の前に座る扶桑に訊いてみた。

 

扶桑「えぇ、先程執務室でね」ニコッ

伊勢「へぇ〜、山城だから提督のことよね?」

 

 伊勢がそう訊ねると扶桑は笑顔で頷いた。

 

日向「提督に何を言われたんだ?」

山城「え? 聞きたい? 聞いちゃう? なら話してあげるわ」キラキラキラキラ

日向「う、うむ……」

伊勢(うわ、あの日向が引き気味だ……)

扶桑(今日の山城は押せ押せね)ニコニコ

 

 山城のテンションの高さに日向は圧倒されつつ、先程の執務室での出来事を嬉しそうに語り始めた山城の話に耳を傾けた。

 

山城「さっき扶桑姉様と昨日の戦果報告書を提督に提出して来たの。そしたら提督が笑顔で受け取ってくれて、『よく頑張ったな』って言ってれて〜♡」キャッ

伊勢「へぇ〜、良かったじゃん♪」

日向(いつも通りの台詞だと思うが……恋する乙女はなんでも嬉しいんだろうな……)

 

山城「それだけじゃなくて、今日私達がお休みだって話題になって、その時に『扶桑や山城にはいつも世話になっているから、ゆっくり過ごしてくれ』って頭を撫で撫でしてくれたの〜♡」テシテシ

日向「そ、そうなのか……」イタイ

伊勢(うわぁ……テンション高いな〜。分かるけど////)

 

山城「更に続きがあってね! この頃は秋で過ごしやすいって話になって、提督が『秋のこの落ち着いてた感じは、私はどこか二人に似ていると思う。紅葉とか二人に合うと思うよ、私は』って〜♡」デレデレ

扶桑「嬉しいわよね」ニコニコ

伊勢「いいな〜♪」

日向「良かったな」ニガワライ

 

 山城のハイテンションのマシンガントークはそれからも続いた。至近弾を受ける日向はしどろもどろになっていたが、山城のお花畑オーラ満開の空気と自分から訊いた手前、水を差すことが出来ず、ただひたすら頷いていた。

 

 ガラガラーー

 

清霜「失礼しま〜す♪」

朝霜「邪魔すんぞ〜♪」

早霜「失礼します」ペコリ

霰「失礼します」ケイレイ

霞「お邪魔するわ……」

陽炎「こんにちは〜♪」

不知火「失礼します」キリッ

 

 そんな中、駆逐艦の者達が談話室へ入って来た。

 

扶桑「あら……何か御用?」ニコッ

清霜「御用だ〜御用だ〜♪」ギューッ

扶桑「きゃ〜、お止めになって〜♪」ギューッ

 

 何やらじゃれ出した扶桑と清霜はさて置き、朝霜が伊勢達に笑顔で切り出した。

 

朝霜「これからきのこ狩りに裏山に行くんだ♪ 暇なら誰かついて来てよ♪」

陽炎「ちょっと、あくまでついでだからね。本来は裏山の掃除よ」ニガワライ

朝霜「わぁってるって〜♪ で、手伝ってくれる人募集なんだけど?」ニカッ

伊勢「いいじゃない♪ 行く行く♪」

日向「掃除ついでにきのこ狩りか……秋らしいな。私も同行しよう」

山城「私も行くわ♪ 秋は私の季節だもの♪」

 

清霜「ねぇねぇ、扶桑さんも一緒に行こ〜」スリスリ

扶桑「は〜い、行きま〜す♪」ギューッ

 

早霜「案外早く決まったわね」クスクス

霞「任務としての掃除だから、重巡洋艦以上の人達と一緒にやらなきゃいけないからね」

不知火「不知火は司令の命令に従うのみ」キリリッ

霰「じゃあ、早速準備して行こう」ンチャ

 

 こうして扶桑達は霰達と共に準備をしてから鎮守府の裏山へ向かった。

 

 

 一○○○、裏山の入り口前ーー

 

陽炎「じゃあ……裏山の入り口から山頂までのゴミ拾いを開始するわよ♪」

清霜「きのこ狩りもね♪」ピョンピョン

扶桑「許可を出してくれた提督に感謝しましょう」ニコッ

 

 軍手とビニール袋、カゴを装備したみんなは行動を開始した。

 最初は山頂までの山道のゴミ拾いをし、下る時にきのこ探しをすることにした。その方が効率的だとみんなで意見を出し合った結果だ。

 山と言ってもそこまで高い山でもないため、ゴミ拾いは案外早く終わった。

 

伊勢「鎮守府管理下の裏山だけど案外ゴミって落ちてるのね〜」

早霜「カラスとかが運んで来るって青葉さんが言ってたわ」

不知火「確かに……ハンガーや布切れがその証拠ね」

霞「生きていくためには必要なのかもしれないけど、もう少し考えてほしいわね」ニガワライ

日向「だが酷い荒れ方でもないからな。これくらないならみんなで定期的に掃除するくらいで十分だろう」

 

 山頂に着いたみんなは燃えるゴミと燃えないゴミの袋を見ながら案外ゴミが多かったことに驚いていた。

 

朝霜「よ〜しっ♪ 今度はメインのきのこ狩りだ♪」

陽炎「きのこ狩りはおまけよ、おまけ」ニガワライ

扶桑「ふふ、どちらもメインでいいと思うわ」

清霜「ね〜♪」ニコニコ

 

山城「朝霜はきのこに詳しいの?」

霰「食べられるか食べられないかは間宮さん達にしてもらうから、まずは集めればいいの」ンチャ

山城「あ〜、そういう……」ナットク

日向「明らかに危険な物は取らずに知っている物を採取すれば問題無いだろう」

早霜「そうね……食用と似てる物はあるけど、それは間宮さん達に判断してもらえばいいものね」ニッコリ

伊勢「取り敢えず、山道とは別に日の当たらない獣道に行きましょう」ニコッ

 

 そしてみんなは山道に外れた獣道へ向かった。

 

 

 獣道ーー

 

清霜「うわぁ、こんなとこ初めて来た〜」キョロキョロ

霞「ここをずっと真っ直ぐ進めば鎮守府のすぐ隣にある小さな沼地に着くのよ」ニコッ

 

早霜「ジメジメしてるから結構生えてそうね」キョロキョロ

不知火「きのこには良い環境ですね」フムフム

山城「足元に気をつけてね」ニッコリ

 

日向「ん、早速見つけたぞ」

朝霜「うひゃ〜、白っ。食えんのこれ?」

霰「ハナビラタケだね。コリコリして美味しい」キラキラ

 

 早速ハナビラタケを見つけた日向はそれを採って、自分が背負っているカゴに入れた。

 

不知火「倒木にびっしりとナラタケが生えています」

陽炎「いいわね〜♪ これは多めに採りましょ♪」

伊勢「お、樹木にはヌメリスギタケがあるわね♪」

霰「伊勢さん、採って採って」キラキラ

伊勢「は〜い♪」ヒョイ

 

早霜「きのこじゃないけど山菜もあるわね」

朝霜「いいね〜♪ 採ろう採ろう♪」

霞「食べる分だけにしなさいよ?」

朝霜「あ〜い♪」

 

 その後もみんなは山菜や確実に食べられるきのこだけを狩りながら下山。

 お昼にはみんなで採ったきのこと山菜を使ったきのこ鍋を食べて、秋を満喫するのだったーー。




今回はデレデレしてる山城さんを書きたかったので、最初はあんな感じに書きました!
後半のきのこ狩りは秋っぽくていいかなと思い、簡単にですが書き上げました♪
きのこ狩りは危険も隣り合わせなのでやる際は色々とご注意を。

では今回も読んで頂きありがとうございました☆

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