艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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重雷装巡洋艦メイン。

キャラ崩壊、他作ネタ含みます。


艦これSS二百六十三話

 

 ○○鎮守府、一○○○ーー

 

 訓練海域ーー

 

北上「いやぁ、清々しく晴れてるね〜♪」

大井「そうですね、北上さん♪」

 

 本日の海上訓練とは別に珍しく自主的に訓練をしにきた北上と大井は木曾や他の者達が海上訓練をしている隣で、のほほんと過ごしていた。

 

木曾「お前らはそのまま回避行動の訓練を続けててくれ。ちょっと姉貴達に話があるから」

電「了解なのです♪」

雷「行ってらっしゃい♪」

 

暁「響、どっちが早く出来るか勝負しましょ♪」

響「ん、了解」フフ

 

 それを見た木曾は他の者達の集中力の妨げに繋がると思い、二人の方へ話をしに向かった。妨げに繋がることもそうだが、木曾としては実の姉達が原因になるのを避けたかったのだ。

 

木曾「姉貴達、ちょっといいか?」

 

北上「およ? どったの木曾っち?」

大井「お姉ちゃん達に甘えたくなった?」

 

 木曾が考えていることとは見当外れなことを言う二人に、木曾は首を横に振って本題を切り出した。

 

木曾「あのよ……姉貴達に言いたくないんだが、訓練しないなら他所に行ってくれないか? 駆逐艦の奴等が二人に気を取られたら訓練にならないんだ」

北上「あ〜、アタシ達さっきからボーッとしてからね〜」クスクス

大井「ごめんなさい♪ でももう始めるから心配しないで♪」

木曾「始めるって……何も用意してないじゃないか」

 

 木曾が指摘した通り、二人はただ艤装を付けているだけで周りにはフラッグも無ければ、的も無かった。しかもその艤装も背中部分の艤装は解除してあり、主砲と魚雷発射管しか装備していなかった。

 何も用意していないのに二人は一体何の訓練のするのか木曾は全く想像出来なかった。

 すると二人は『大丈夫♪』と言った感じで含み笑いをして、北上は左、大井は右へとゆっくりお互いの距離を開けた。

 

木曾(二人で差しでやり合うのか?)

 

 木曾は間合いの取り方で二人が一対一で演習をするのかと考えた。

 しかし、

 

北上「大井っち〜、いい〜?」ノシ

大井「いつでもいいですよ、北上さん♪」ノシ

 

 二人は笑顔で距離を詰めた。

 

木曾(物理的な接近戦訓練なのか?)

 

 木曾は気になってそのまま二人の行動を見ることにした。

 

北上「行くよ〜♪」

大井「はい♪」

 

 二人はそのまま接近、すぐ近くになると二人は速度を落とし、両手を繋いでその場で時計回りに半回転。二人の立ち位置が逆転する形になった。

 すると二人は手を繋いだまま手の輪の中に体を入れて反転し、お互いに背中を大きく反らせる。反らせた後は北上が右手、大井が左手を放して方っぽの手は繋いだまま、また体を反転させて向き合う。

 そしてここからまた時計回りに回転するのだが、今度は大井が北上の腰に手を回し、遠心力を使って真上に北上の体をポーンっと投げ込み、北上は空中で一回転して下で待つ大井の背中にお腹から着地。そして二人はその状態のまま両手を大きく広げ、その状態で海面を滑るように移動した。

 

木曾(…………なんだこれ?)

 

 誰が見ても木曾と同じ感想を持つだろう。二人がした訓練は戦闘訓練には全く見えず、ただのアクロバティックなダンスの練習にしか見なかったのだから。

 

木曾(でもあの動きは何処かで見た覚えがあるようなないような……)

 

 微かな既視感に苛まれながら木曾は二人の動きを何で見たのか『う〜ん』と腕組みをして考えた。そんなことをしていると演技を終えた二人が木曾の元へと戻って来た。

 

北上「いや〜、やってみると案外出来るもんだね〜♪ 楽しかった〜♪」

大井「大成功でしたね、北上さん♪」

木曾「…………」ウーン

北上「おりょ? どうしたの木曾っち?」

大井「きっと私達の動きに感動して言葉が出ないんですよ、北上さん♪」

木曾「あ〜! 駄目だ! 思い出せない!」

 

 全く思い出せない木曾は二人に構わずモヤモヤした気持ちを爆発さ、頭をガシガシと掻いた。

 

北上「どうした木曾っち〜? 何か悩み事〜? そんなに頭掻いちゃうとえぐれちゃうよ?」

大井「そんなに悩んでどうしたの?」ナデナデ

木曾「いや、悩みじゃねぇよ。今姉貴達がやったやつをどっかで見たんだが、それが思い出せなくてモヤモヤしてるんだ。あと撫でないでくれ」←でも手を払おうとしない

 

 すると北上が『なるほど♪』と言った具合に両手をポンッと叩いた。

 

北上「今のはね〜、昨日観てたキング○イナーのオープニングで○イナー君とサ○ちゃんが唐突に踊り出すシーンのところを再現したんだよ〜♪」

大井「俗に言う『踊ってみた』みたいな感じね♪」

木曾「あ〜、そうか! キング○イナーか! なら納得だぜ♪ にしても完璧だったな!」キラキラ

北上「でしょでしょ♪ まぁ、アタシと大井っちが組めばパーペキよ♪」フフン

大井「私達だからこそ出来ることですよね、北上さん♪」

北・大・木『あっはっはっは♪』

 

木曾「って違ぁぁぁうっ!」ウガー

北上「えぇ〜、何が違うのさ〜?」

大井「そうよ。完璧って貴女も言ったじゃない」

木曾「完璧だったよ! 完璧だったさ!」

北上「じゃあ何も違くないじゃん」

 

 そう言うと北上は大井に「ね〜?」と同意を求めた。すると当然大井は満面の笑みで「ね〜♪」と返した。

 

木曾「そうじゃなくて! わざわざ海上訓練の海域で、んこと練習しに来るなって言ってんだよ!」

北上「えぇ〜、次の出撃で使えると思ったのに〜」

木曾「んなのどうやって戦場で使うんだよ!」

大井「さっき回転させた間に主砲なり魚雷なり射ち込む算段よ!」キリッ

木曾(駄目だ、もう手遅れだ……)アタマカカエ

 

北上「んじゃ、次は射ち込むのも込みで行こっか♪」

大井「はい、北上さん♪」

北上「あ、あとエヴ○ンゲリオンのユ○ゾンアタックも練習しよ〜♪」

大井「了解です♪」

 

 /ワイワイキャッキャ\

 

 その後も北上と大井はアニメから得た発想で新技の開発に励んだ。しかしユ○ゾンアタックの方は危険なため禁止令が出された。

 そしてその数日後、二人が敵のタ級(フラグシップ)をその新技で屠ったとの報告を聞かされた木曾が酷い頭痛に悩まされたのは、また別のお話ーー。




 おまけーー

 木曾が北上と大井と話をしていた間のことーー

暁「あの二人、また凄いことしてるのね〜」
響「でも合体技は憧れるね」キラキラ
雷「合体技ね〜……私と電は名前しか合体技無いもんね〜」
電「雷電は技でもなんでもないのです」ニガワライ

暁「…………あ、電、ちょっとこっち来て♪」
電「? はい」

 暁、電に何やら説明中。

響・雷『?』

暁「いい?」ニコニコ
電「危なくないですか?」ニガワライ
暁「大丈夫大丈夫♪ 私と電の練度なら余裕よ♪」
電「わ、分かったのです……」ゴクリ

暁「響〜、雷〜、的を用意して♪」
響「分かった」
雷「何するのかしら?」

 的を用意すると、暁はその的から少し距離を置いた位置に付き、電は更に離れた位置に付いた。
 響と雷はその場から少し離れた所で二人の様子を見ることにした。

暁「電〜! 手筈通りにね〜!」ノシ
電「な、なのです!」フンス

電「お、お姉様! アレを使うわ!」

暁「えぇ、良くってよ♪」

 電は暁の元へ掛けた。そして暁が持つ錨に勢い良く飛び乗ると、

暁「はぁぁぁぁっ!」ブンッ

 錨に乗った電を天高く放り投げた。

 すると電が前方伸身三回宙返り一回捻りを加えた後、

暁「スーパー!」
電「(イナズマ)〜!」
暁・電『キィィィック!』

 セリフを合わせて的へ思いっきりライダーキックをお見舞した。

響「Хорошо(素晴らしい)」パチパチ
雷「まさかの物理攻撃……」ニガワライ

電「出来たのです〜!」ピョンピョン
暁「やったわね、電♪ 本当なら一回捻りで良かったんだけど、それ以上なんだもん!」ピョンピョン

 大喜びの暁と電だったが、これも大変危険なため禁止令が出されて少し落ち込んでしまった。
 しかし提督からプリンアラモードをご馳走してもらって二人はすぐさま復活したとかーー。

 ーーーーーー

今回は大井さんの竣工日なので、北上&大井ペアの新技開発風景を書きました!
おめでとう、大井さん!
おまけと合わせてスパ□ボネタになりましたが、どうかご了承を。

ということで、今回も読んで頂き本当にありがとうございました♪

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