艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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駆逐艦のみ。

キャラ崩壊、独自設定、若干のR-15含みます。

苦手な方はブラウザバックを!


艦これSS二百五十七話

 

 ○○鎮守府、一六○○ーー

 

 駆逐艦寮、談話室ーー

 

陽炎「ふぁ〜……暇ね〜……」

 

 先日、出撃任務に参加した陽炎は休養日で談話室に来ていた。共に任務へ参加した不知火は自主訓練に行ってしまい、更には他の妹達もそれぞれ任務や訓練、中には私用と赴いているため、陽炎は暇を持て余していた。

 

陽炎「ん〜……部屋に居てもすることないから談話室(ここ)に来たけど、誰もいないとは思わなかったわ〜」

 

 いつも誰かしらは居る談話室だが、今日はたまたま誰も居なかった。陽炎はすることも無いため、くた〜っと大の字に寝転んで天井を見上げた。

 普段は陽炎型大姉妹の長女として妹達にてんてこまいさせられている陽炎だが、いざ暇になってみると何処となく寂しさを感じた。

 

陽炎(何だかんだ言いながら私も妹達とワイワイするのが好きなのよね……)

 

 陽炎はそう思うとクスクスと笑った。

 

 ガラガラーー

 

陽炎「?」

 

 すると談話室のドアの開く音がした。その足音からして一人であることが分かった陽炎。

 そしてその足音はまっすぐに陽炎へ向かって来た。

 陽炎は敢えて足音の主を確かめようとはせず、そのまま天井を眺め続けた。

 

 そして足音が自分の頭のすぐ上で止まると、黒タイツに包まれたスラッとしたおみ足が見えた。

 

叢雲「ネームシップが大の字でだらしないんじゃない?」

 

 その正体は叢雲だった。叢雲は陽炎の頭の上に立って陽炎を見下ろしながら注意した。

 

陽炎(白か……)ジーッ

 

 そんな叢雲をチラッと見ると、角度的にスカートの中が見えてしまった。しかし陽炎としては妹達や他の艦娘達で下着は見慣れているので、そのままボーッと眺めていた。

 

叢雲「ちょ、何見てんのよ!?////」

陽炎「え〜、今更〜?」ニガワライ

 

 全く動こうとしない陽炎の目線に気付いた叢雲は顔を微かに紅潮させながら、急いで自身のスカートを押さえて覗かれないようにガードした。

 そんな叢雲を見て陽炎は思わず苦笑してしまった。

 

叢雲「今更でも何でも見られてるのにいい気はしないでしょ////」マッタク...

陽炎「いい気分になったらある意味ヤバいでしょ」

叢雲「揚げ足を取るにゃ!////」シャーッ

 

 叢雲は言葉を噛みながらも、陽炎にはまるで猫の威嚇のような唸り声をあげた。陽炎はそれを見て「ごめんごめん」と言いながら、起き上がってその場に座り直した。

 そして叢雲は『ふんっ』と鼻を鳴らしつつも、自分も陽炎の隣に腰を下ろした。

 

陽炎「んで、どうしてここに来たの? あんた達、さっき浦波の歓迎会をしてなかった?」

叢雲「なんで知っt……あぁ、声で分かるわね」ニガワライ

 

 自分で納得した叢雲に、陽炎は笑みだけを返した。

 

叢雲「歓迎会してたけどそれは終わって、吹雪や白雪と片付けをしてた間に他のみんなが寝ちゃってたの。それで私はちょっと気分転換にこっちに来たのよ」

陽炎「なるほどね〜……お疲れ」ニコッ

叢雲「ありがと」クスッ

陽炎「因みに私は暇だからここに居るのよ♪」

叢雲「胸を張って言うことじゃないでしょ」クスクス

 

 互いに笑い合うと、陽炎がまた次の話題を切り出した。

 

陽炎「そういえば、秋雲がまた新しい司令の画集を出すみたいだけど、叢雲も買うの?」

叢雲「えぇ、買うわよ」ソクトウ

 

 陽炎の質問に叢雲は『当然でしょ?』と言うようにキッパリと答えた。その回答の早さに陽炎は思わずまた苦笑してしまった。

 

陽炎「そんだけ好きなのにあんたの性格も難儀よね〜……うちの妹達にはツンデレは居ないけど」

叢雲「う、うるさいわね。仕方ないじゃない……司令官が側に居るとテンパって強く言っちゃうだもん//// あとツンデレって言うな」

陽炎「ツンデレはツンデレでしょ〜。ま、叢雲は曙、満潮、霞の三大ツンデレラとは大分マシだけどね〜」

叢雲「それ、三人には言わない方がいいわよ。言ったら最後、魚雷と共に海へ沈むことになるから」ニガワライ

陽炎「その時は司令に助けてもらうわ」クスクス

叢雲「あっそ」クスクス

 

 ガラガラーー

 

叢・陽『?』

 

 また二人で笑い合っていると再び談話室のドアが開いた。開いたドアからは初霜が入って来た。

 

 初霜は叢雲達を見つけると相変わらずの初霜スマイルを見せて、二人の元へテコテコと寄って来た。

 

初霜「お二人共、こんにちは♪」ニパッ

 

陽炎「やっほ〜、初霜エル♪」

叢雲「ど〜も、初しもふさん♪」

初霜「せめて統一してよ」ニガワライ

 

 初霜は二人の返しにツッコミを入れつつ、自分も二人の側に腰を下ろした。

 

初霜「何のお話をしていたの?」

陽炎「叢雲がツンデレって話をしてたの」

叢雲「ちょ!?」

初霜「なるほど〜♪」

叢雲「あんたも納得するな!」

初霜「あ、ごめんなさい」ニガワライ

叢雲「ま、別にいいけど……」

 

 謝る初霜に叢雲はばつが悪そうにそう返すと、陽炎と初霜に『流石ツンデレ』と返されて、墓穴を掘った形になってしまった。

 

叢雲「んんっ……初霜は訓練の帰り?」

初霜「ううん、さっきまで食堂で大和さんや矢矧さん達と一緒に磯風さんにお料理を教えてたの」ニコッ

陽炎「妹が世話になってるわね……」ニガワライ

叢雲「でもその磯風は?」

初霜「提督に味見をしてもらうってーー」

叢雲「司令官が危ない!」スッ

 

 初霜からそう聞かされた途端に叢雲は立ち上がったが、

 

陽炎「いやいや、ちゃんと料理出来る人達から教わったんだから大丈夫でしょ」ガシッ

 

 すぐに陽炎にスカートの裾を掴まれた。

 

初霜「私達もちゃんと味見しましたし、大和さんも太鼓判を押したから大丈夫よ。それに大和さんと霞さんも同行してるし」ニコッ

叢雲「本当〜……時間差で来るとかない?」

陽炎「フォローしたいけど出来ない……こんなお姉ちゃんでごめんね、磯風……」ウゥッ

初霜「大袈裟ですよ〜……」ニガワライ

 

陽炎「ま、初霜が一緒に料理してたならハツシモエル粒子が上手く作用して危険物を無効化してくれてるわよね」ウンウン

初霜「私、そんな変な物質出してません!////」

陽炎「あはは、冗談よ冗談♪」

初霜「むぅ〜……プンプン、です。もうっ////」プイッ

 

 初霜はご機嫌を損ねて陽炎から顔を背けたが、対する陽炎は『何、この可愛い生き物?』と言った感じでハツシモエル粒子による癒やし効果を受け、それを側で見ていた叢雲も同じ効果を受けたため、二人は自然と初霜の頭を撫でていた。

 

初霜「な、何なんですか〜、二人して〜!////」アワワ

叢・陽『愛いから撫でてる』ナデナデ

初霜「愛いって何ですか〜!////」

 

 顔を真っ赤にして猛抗議する初霜だったが、二人がとても優しく撫でてくるため、大天使初霜エルはその手を振り払えなかった。

 

 結局、初霜は吹雪達や磯風達といった者達が談話室に入って来るまで叢雲と陽炎から撫でられ、モフられ続けたとかーー。




今日は叢雲ちゃん、陽炎ちゃんの進水日、初霜ちゃんと本編には出しませんでしたが秋雲ちゃんの竣工日ということで、三人をメインに書きました!
みんなおめでとう!

ハツシモエル粒子
正式名称《Saint Hatsushimoel Particle》とは。

初霜ちゃんが無自覚に放出している聖なる物質のこと。
この粒子が一定値数以上あることで、その空間はとてつもない癒やし空間へと変化する。
更に近年の研究により、その空間にある邪悪な物や思念、または毒素といった物質を浄化する効果もあることが分かっている。
またこれと似た粒子として注目を集める代表的な物には、『シグレエル粒子』『フルタカエル粒子』等があり、その他にも発見数は年々増している。
※大嘘です。ごめんなさい。私のただの妄想です。

という変な茶番を入れましたが、今回も読んで頂き本当にありがとうございました!

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