艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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駆逐艦のみ。

キャラ崩壊、他作ネタ、ネタ含みます。


艦これSS二百五十六話

 

 ○○鎮守府、一五○○ーー

 

 中庭ーー

 

提督「すぅ〜……はぁ〜……」

 

 提督はベンチに腰掛けて休憩時間の一服を嗜んでいた。

 空を見るといわし雲が秋の青空を飾っていた。

 

提督(風も穏やかで良い日和だな……)

 

 そう思いつつ提督は残り少なくなった煙草を吸い、その煙を肺には入れず口に溜め、そのまま口を平仮名の『ほ』の形にし、人差し指でトントンと頬を軽く叩いた。

 すると叩く毎に、煙草の煙が輪っかとなって宙を舞った。

 

提督(ふむ……久々にやったが案外出来るものだな……)ポッポッ

 

「すご〜い!」

「提督が遊んでるなんて珍しいわね」

 

提督「?」クルッ

 

 声がした方へ提督が振り向くと、そこには巻雲と風雲が立っていた。

 

提督「やぁ、二人共」ニコッ

 

巻雲「こんにちはです、司令官さま!」ニパッ

風雲「やっほ〜、提督♪」

 

 提督の挨拶に二人は笑顔で返し、提督の側までやって来た。

 それを見た提督は煙草の火を消した。

 

風雲「あれ、消しちゃうの?」

巻雲「巻雲達は気にしませんよ?」

提督「丁度吸い終えたところだったからな。気を遣わせてすまない」

風雲「謝らなくてもいいわよ」クスッ

巻雲「お隣失礼します♪」

提督「あぁどうぞ。風雲も座りなさい」

風雲「ん、ありがと♪」

 

 こうして提督の右に巻雲、左に風雲といった感じで座ることになった。

 

風雲「ん〜……今日は晴れて過ごしやすいわね〜……」ノビー

提督「そうだな。穏やかで良いものだ」

巻雲「いわし雲も綺麗です〜」ニコニコ

提督「秋らしい雲だな」

 

「秋らしい雲といえば、代表的な人物が居るよね〜♪」

 

巻・風『出た……』ニガワライ

提督「あはは」

 

 またも不意に背後から声がしたが、三人は振り返らずともその正体が分かった。

 

秋雲「もぉ〜、人を那珂ちゃんみたいに言わないでよ〜。これでも秋雲レア度高いよ〜? 風雲には負けるけど」ニシシ

 

 そう言いながら三人の前に姿を現したのは秋雲だった。そしてその手にはお馴染みのスケッチブックと筆記用具が入っている手提げを持っていたが、方っぽの手には真新しいビニール袋を持っていた。

 

提督「買い物は済んだのか?」

秋雲「ん〜、バッチリ♪」

風雲「あ〜、今日は秋雲が秘書艦だったわね」

巻雲「ちゃんと司令官さまの補佐出来てます? イラストばっかり描いてません?」

提督「ちゃんと手伝ってくれている。合間合間でイラストを描いてる様子は見かけたがな」ナデナデ

秋雲「時間は有効活用しないとね♪」ヘヘ

 

 秋雲は巻雲の隣に座ると持っていたビニール袋の中からペットボトルを取り出した。

 

秋雲「秋はやっぱドクター○ッパーだよね〜♪」

巻雲「秋雲はいつもそうじゃないですか〜」ニガワライ

風雲「私はドク○って苦手〜」ニガワライ

秋雲「この美味しさが分からないとか……残念だね〜」

風雲「マウンテン○ューなら飲めるもん!」

秋雲「あれゲロ甘じゃん……」

巻雲「みんな大好きフ○ンタが一番です!」

秋雲「ま〜、安定はしてるね〜」

提督「ペ○シのシソは個人的に好きだったが……」

秋・巻・風『あれは飲み物じゃなかったマル』キッパリ

提督「むむむ……」

 

「あらあら、提督と秋雲さんもお揃いだったんですね♪」

 

 飲み物の話をしていると今度は後ろからではなく、右手側から声をかけられた。

 そこにはにこやか笑顔の夕雲が何やら包を持って四人の元へ歩み寄って来ていた。これで四代目・第十駆逐隊が勢揃いした。

 

巻雲「夕雲姉様〜♪」ノシ

風雲「来た来た♪」

 

夕雲「うふふ、お待たせ♪ 提督、秋雲さん、こんにちは♪」ペコリ

 

秋雲「うぃ〜っす」ノシ

提督「こんにちは、夕雲。このままだと夕雲が座れないな……どれ、私は隣のベンチに移るから、夕雲はkーー」

夕雲「大丈夫です、提督♪」

提督「?」

秋・巻・風『あ』

 

 提督の言葉を遮った夕雲は依然としてにこやかなまま提督に『失礼します』と断ったうえで、提督の膝上に腰を下ろした。

 

提督「座り心地が悪くないか?」

夕雲「いえ、最っ高です♡」キラキラ

提督「そ、そうか……」ニガワライ

 

 夕雲のこれ以上ない最高のキラキラした笑顔に提督はそれしか返せなかった。他の三人も『あ〜あ』と言った感じに苦笑いを浮かべていた。

 

 そしてキラキラした夕雲は持っていた包を開けると、そこには香ばしく焼けたクッキーが包まれていた。

 夕雲が他の姉妹のために作り、元々休暇だった夕雲、巻雲、風雲は中庭でおやつにしようとしていたのだ。

 

夕雲「カボチャクッキーです♪ ここに持ってきた分は食べてしまっても大丈夫ですから、提督や秋雲さんもどうぞ♪」

秋雲「お〜♪ いっただっきや〜す♪」サクッ

風雲「もぉ、秋雲ったら」ニガワライ

巻雲「司令官さま、どうぞ♪」つクッキー

提督「ん、ありがとう。頂くよ、夕雲」ニカッ

夕雲「召し上がれ〜♡」キラキラ

 

秋雲「カボチャって言うと来月末はハロウィンだね〜……島風じゃないけど、時間の流れってはっや〜い」ケラケラ

風雲「あ〜、確かにもうそんな季節なのね〜」

巻雲「司令官さま〜、今年も仮装パーティしますか〜?」

提督「ふふ、ちゃんと行えるように調整済みだ」

夕雲「流石提督ですね〜♡」ウットリ

 

秋雲「でも十月って妙にイベント多いよね〜。今月号の商店街とか繁華街のパンフレットに広告沢山あったし」

風雲「うんうん。あと私達には関係ないけど、一般の学校では運動会とか文化祭なんかもあるって商店街で話題になってた」

提督「他にも合唱祭や学芸祭といったのもあるな」

夕雲「○○の秋ってよく言いますから、そのお陰かもしれませんね」クスクス

 

巻雲「ドイツ艦の皆さんはオクトーバーフェストで頭がいっぱいみたいです♪」

提督「そうみたいだな……ビスマルクに今年は鎮守府でも何かしてくれと、かなり前からせがまれたよ」

風雲「何かするの?」

秋雲「マジ? 教えて教えて〜♪」

提督「それは当日までのお楽しみだ」ウインク

夕雲「うっ♡」←ヒット

 

 提督から放たれたウインクの至近弾を受けた夕雲はそのあまりの魅力にハートを射抜かれた。

 

提督「ど、どうした、夕雲!?」

夕雲「ちょ〜っとお砂糖が強過ぎたみたいです♡////」ドキドキ

提督「そ、そうか。糖分の取り過ぎには注意してくれよ? 夕雲が倒れるようなことは考えたくないからな」ナデナデ

夕雲「はぐっ♡」パタリ←クリティカルヒット

提督「夕雲!?」

巻雲「夕雲姉様〜!」アワワ

夕雲「(⌒﹃⌒*)」←気絶中

 

秋雲「綺麗な顔してるだろ。嘘みたいだろ……喜んでるんだぜ、それで」キリッ

風雲「見れば分かるし、決め顔で言われても反応に困るわよ」ニガワライ

秋雲「ありゃ、ウケなかったか〜……ま、いいや、軽く描いとこ〜♪」カキカキ

 

 そんなこんなで少し慌ただしくなったが至って平和な昼下がりを過ごし、夕雲は暫くの間キラキラだったとか……。

 提督が夕雲を抱えている風景画を(少女漫画風に)描いた秋雲は後日、夕雲から特製バケツプリンが贈られたそうなーー。




今日は風雲ちゃんの進水日です♪
なので風雲ちゃんが所属した四代目の第十駆逐隊をメインに書きました!
本編とは関係ありませんが初雪ちゃんにとって苦い思い出がある日でもあります。

では今回も読んで頂き本当にありがとうございました!

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