艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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重巡洋艦メイン。

キャラ崩壊、他作ネタ、ネタ、独自設定含みます。

いつもより長いです。


艦これSS二百五十五話

 

 ○○鎮守府、一三○○ーー

 

 食堂ーー

 

青葉「ここの席、空いてますか?」

 

神風「あ、はい。空いてますよ♪」

雲龍「いらっしゃい」ニコッ

瑞鶴「今日も四人揃っての第六戦隊じゃない♪」

 

古鷹「特撮のヒーローみたいに言わないでくださいよ」ニガワライ

加古「あたしは好きだけどな、そう呼ばれるの♪」ヘヘ

衣笠「でも特撮ヒーローなら五人でしょ」ニガワライ

青葉「四人だとセンターが空いてしまいますからね〜」フフフ

 

那珂「センターが空いてる!?」ガタッ

神通「那珂ちゃんには関係ないお話よ」グイッ

那珂「(´・ω・`)」ショボン

川内「ん〜?」モグモグ

 

 別のテーブルで反応した艦隊のアイドル(笑)は置いといて……。

 

 第六戦隊は昨晩から降り続く長雨の中で任務をこなし、やっと昼食の時間が取れた。

 今日は雨のせいか、はたまた時間のせいか食堂は空いていたが、四人は敢えて珍しい組み合わせのテーブルに座った。

 

衣笠「珍しい組み合わせだね〜、みんなの姉妹は任務とか?」

 

瑞鶴「そんな感じ。姉妹だけじゃなくてみんなと連携出来なきゃ意味ないから」

神風「私は先程遠征から帰って来たので、春風とは入れ違いになりました」ニガワライ

雲龍「私はーー」

加古「寝坊だろ? 同志よ」ニッ

雲龍「照れるぜ」ニッコリ

加古「流石は同志♪」

 

 加古と雲龍は互いの拳を突き合い、開いた手を叩き合い、互いを抱きしめた。周りからしたらなんだか分からない阿吽の呼吸だった。

 

 そしてみんなで昼食を食べていると、神風が青葉に訊ねた。

 

神風「青葉さん、その大きな手提げはどうしたんですか?」

青葉「あ〜、これですか? 酒保でお取り寄せしていた座布団です♪ 明石さんから届いたと連絡があったので入渠後すぐに取りに行ったので!」つ座布団

瑞鶴「あんたってそういうの好きよね〜」クスクス

 

 青葉が手提げから取り出した座布団はハンバーガーを模した物だった。座ると生地が押し広がってチーズを模した部分が出て来るというユニークなデザインだった。青葉はこうしたユニークな物が好きなのだ。

 

雲龍「その青葉の妹である衣笠も大きな手提げを持ってるわね……それもユニーク品?」

衣笠「そうだよ♪ 酒保で見つけて一目惚れしちゃって……////」テヘ

神風「可愛いです」キラキラ

 

 衣笠が取り出したのは子どものゴマフアザラシ(75㎝サイズ)のぬいぐるみだった。

 

加古「お〜……これはいいモフ加減……」モッフモッフ

古鷹「これは買っちゃうね〜」モッフッフー

瑞鶴「二人は知らなかったの?」

加古「あたしらは入渠が青葉達より長引いたから、酒保には行ってないんだよ〜」スリスリ

神風「////」ソワソワ

衣笠「神風ちゃんもどう?」ニッコリ

神風「あ、ありがとうございます…………はわぁ〜、モフモフ〜////」モッフモッフ

雲龍「いい手触りね」モッフッフー

 

 みんなは衣笠のぬいぐるみをギュッと抱きしめたり、触ってみながら、そのモフモフ具合に感動した。

 

瑞鶴「加古にとっては枕ね」ニガワライ

加古「流石に枕にはしねぇよ〜……トドくらいならするけど」

雲龍(まんま布団になるような気がするわ……)

古鷹「でもこれのどこがユニーク品なの?」

加古「このモフ加減じゃねぇの?」モフモフッ

 

 すっかりぬいぐるみのモフモフ具合に魅了され、ずっとモフモフしている加古。そんな加古に衣笠は「貸して♪」と含み笑いをしながら言うと、加古は「ほい」とぬいぐるみを衣笠に返した。

 

衣笠「この子のお腹にご注目〜♪」

青葉「きゃ〜、ご主人様のえっち〜! みんなの前で恥ずかしいことさせる気でしょ! あのエロ同人誌みたいに!(裏声)」

衣笠「その発想の方がえっちじゃない……ここ見て、ここ!」

 

 青葉の渾身のボケに衣笠はツッコミを入れ、ぬいぐるみの首元を指で指した。

 

古鷹「? チャックの取っ手が付いてるね……」

加古「えぇ〜、まさか解体出来ちまうってやつか〜?」

神風「こんなに可愛いのに……」ガクブル

衣笠「そんなグロテスクなのじゃないよ! そんなのなら私、買わないもん!」プンプン

加古「お〜、悪い悪い」ニガワライ

神風「良かった……」ホッ

 

 衣笠は「とにかく!」と言って付いていたファスナーを開けると、ぬいぐるみの中からフワモコのブランケットが出て来た。ブランケットの大きさもかなりあり、衣笠だけならすっぽりと覆える大きさだった。更にそのブランケットの中央には大きく子どもアザラシの絵が描かれている可愛いデザインだった。

 

加古「お〜……これまたモフモフ……」ギューッ

雲龍「いい仕事してるわね……」モフモフッ

神風「はわぁ〜♪」モッフモッフ

瑞鶴「可愛いわね〜♪」

古鷹「大きくていいね〜♪」

 

 加古と雲龍、神風は早速ブランケットにしがみつきモフモフ具合にご満悦の様子だった。瑞鶴と古鷹もデザインに感動した様子。

 

青葉「ぬいぐるみだったのが少し痩せちゃいましたが、枕にもなるんですよね〜、これ」ポフポフ

加古「衣笠〜、これ酒保で買ったんだよな?」

衣笠「そうだよ♪」

雲龍「でもお高いんでしょ〜?」

瑞鶴「何キャラなのよ、あんた」ニガワライ

衣笠「衣笠さん的には結構お買い得だったわよ♪ 四九八○円でこの満足感だから♪」

 

 それを聞いた加古は即座に古鷹の方を向いて、

 

加古「古鷹〜!」キラキラ

 

 眩しいくらい瞳を輝かせて古鷹を見た。

 これが加古流の『あたしもほしい!』という訴えなのだ。

 

古鷹「後でね」クスクス

加古「え〜、今でしょ!?」

古鷹「またこの雨の中を歩くの!? ご飯もまだなのに!?」

加古「雨の方が客足も少なくて品切れになってないかもだろ!?」ガシッ

古鷹「え、ちょ、加古ぉぉぉ〜っ!?」

 

 こうして古鷹は加古によって連れて行かれてしまった。それでもちゃんとドアは閉めて行った古鷹であった。

 

瑞鶴「加古って結構行動力高いのね」

青葉「それだけこのモフモフに魅了されたんでしょうね〜」ウンウン

 

 残された青葉達は皆共に苦笑しつつ、古鷹と加古の食べ終わってない料理にラップをして、食堂の冷蔵庫に保管してもらった。『帰ったら食べる』と加古から衣笠の通信機(スマホ)に連絡があったから。

 

瑞鶴「そう言えばあんた達が来てからずっと気になってたんだけど……」

 

 昼食を再開した時、瑞鶴が衣笠の方を見ながらそう切り出した。衣笠は『何?』と言った感じに瑞鶴を見た。

 

瑞鶴「どうしてツインテールにしてるの?」

 

 瑞鶴はこれがずっと気になっていた。しかし話の流れでずっとツッコミを入れられずにいたのだ。

 

衣笠「あ、これ? たまには前の髪型もいいかなって思ってこの後は任務も無いし♪ 懐かしいでしょ? 雲龍さんと神風ちゃんは見たこと無いかもしれないけど」

瑞鶴「確かに懐かしいわね〜……リボンしてるのが新しいってくらい」クスッ

衣笠「でしょ♪」

雲龍「何かに似てるわね……」

衣笠「そう?」

 

 雲龍は衣笠の髪型を凝視した。そんな雲龍の行動に衣笠は小首を傾げる。

 

雲龍「セーラー服+ツインテール+滅紫(めっし)色のリボン……そして髪色からして完全にら○すたのか○みんっぽいわ」

衣笠「そ、そうかな〜?」

神風「あ、でもセーラー服+ツインテール+悪と戦う美少女っていうのもありますよ♪」

瑞鶴「あ〜、あれね」

衣笠「えぇ〜!?」

 

青葉「ほう、それは盲点でした。取り敢えず懐かしいので一枚いいですか?」スッ

衣笠「なんか納得いかないけど……まぁ、写真撮るくらいならいいよ?」

青葉「じゃあせっかくですし、某セーラー戦士みたいなポーズで♪ ほら、立って立って♪」

衣笠「えぇ〜何それ〜、やだよ〜」

 

 姉の無茶振りに衣笠は真っ向から反対した。

 

青葉「いいじゃないですか〜♪ ほらほら〜、月に代わってお仕置きよ♪」ビシッ

衣笠「もぉ〜……こう……?」スッ

青葉「違います! 右手はこう! 左手がこうです! あ〜、それぞれの手の角度はこう!」ビシシッ

衣笠「細かいよ〜」ニガワライ

青葉「そんなんでセーラー戦士になれると思ってるんですか!? 他のセーラー戦士から笑われますよ!?」

衣笠「他に誰が居るのよ……」

 

雲龍「なんかスイッチ入っちゃったわね」ニガワライ

神風「ど、どうしましょう?」

瑞鶴「いつものことだからいいんじゃない?」

衣笠「無責任だよ〜!」

 

 衣笠はそう言いつつも青葉に倣ってお馴染みのポーズをし、更には決め顔もバッチリだった。日頃から青葉のモデルとして撮影され続けて来た衣笠にとって、これはもう癖になっているのだ。そんな衣笠を撮影した青葉だったが、撮った写真を凝視し始めた。

 

衣笠「まだ何か違うの?」

青葉「髪色と髪の長さが似非っぽいです。やはりこれは阿武隈さんや皐月さんにやってもらった方が映えますね〜」シミジミ

瑞鶴「鬼ね、あんた……」ニガワライ

 

衣笠「やらせるだけやらせてといて……」プルプル

神風「あわわ、衣笠さん!」

雲龍「耳たぶにあるツボを押すとリラックス出来るわよ」プニプニ

 

 そんな衣笠だったが、

 

青葉「次は加古さんの髪を下ろして、赤い某セーラー戦士の変身完了ポーズで『ハイヒールでお仕置きよ!』って言ってもらいましょう♪」

 

 青葉は気にせず次のモデルのことで頭がいっぱいだった。

 

衣笠(ま、いつものことだしいっか……)ニガワライ

 

 衣笠も『あ〜、自分の姉はこういう性格だった』と思い、楽しそうにしている青葉を前に憤りは消えていった。

 

 その数分後、古鷹と加古が帰って来た。疲労困憊の古鷹とは対象的に満面の笑みの加古はシャチのどデカぬいぐるみを抱えていた。(衣笠のぬいぐるみと同じシリーズのシャチVer)

 

 そしてーー

 

加古「火星に代わって折檻よ♪」キリッ

青葉「ナイスですね〜♪」パシャパシャ

 

衣笠「加古ちゃんノリノリだね〜」ニガワライ

古鷹「加古はそのアニメ大好きだから」アハハ...

瑞鶴「艦娘戦士セーラーウォーシップって感じ?」

雲龍「セーラー服の人はみんななれるわね」クスクス

神風「本物の特撮ヒーローになれますね♪」

 

 こうして雨の中でも楽しく過ごす艦娘達であったーー。




今日は神風ちゃん、青葉さん、雲龍さんの進水日に加え、瑞鶴さんの竣工日です♪
みんなおめでとう!
第六戦隊をメインに日常的な回にしました!

因みに青葉さんが加古さん言わせようとしていた台詞はセーラー○ーン原作での台詞で、加古さんが言っていた台詞はアニメ版の台詞です♪

今回は妙に長くなってしまいましたが、読んで頂き本当にありがとうございました!

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