艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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駆逐艦と遠足シリーズ。

今回は前編後編と分けます!
ご了解お願い致します。


艦これSS二十五話 前編

 

 ○○鎮守府、○六○○ーー

 

 駆逐艦寮共同厨房ーー

 

磯風「ふふふ……これで司令は磯風に骨抜きになる////」ニヤニヤ

 

 顔を恍惚とさせるのは陽炎型駆逐艦の十二番艦、磯風。

 料理(錬金術)が趣味でよく姉妹や大好きな提督に創作料理(暗黒物質)を振る舞うが、何故かみんな食べると喉に詰まらせて倒れてしまう(本当は気絶)。

 

浦風「待つんじゃ、磯風!」

浜風「みんなで作った方が提督に喜ばれます!」

谷風「だからもう一度谷風達と一から作ろう!」

 

 その手料理(禁忌)を阻止するべく参上したのは共に陽炎型駆逐艦の姉妹艦で十七駆逐隊の面々だ。

 

 浜風:陽炎型の十三番艦。

    何事にも実直で姉妹達からの信頼は絶大。

 

 谷風:陽炎型の十四番艦。

    勝ち気で明るく面倒見がよい艦娘。

 

磯風「む……そうか……確かにみんなで作った方が司令も喜ぶな。司令はみんなで何かを成し遂げると目一杯褒めてくれるからな!」ニマー

浦風「そうじゃそうじゃ。それでこそ我が妹じゃねぇ♪」

浜・谷『(提督に褒めてもらえる!)』グッ

 

初風「無事に作戦終了ね……時津風、本部(陽炎)に電文(ライン)を」

時津風「はいは~い♪」

雪風「これで雪風達やしれえも安全ですね♪」

天津風「そうね。じゃあ私は野分達を起こして来るわね」

 

 厨房の出入口から十七駆逐隊の様子を見ているのは、同じく陽炎型駆逐艦の姉妹で十六駆逐隊である。

 

 初風:陽炎型の七番艦。

    クールで掴み所が無いが提督の前だけでは甘える艦娘。

 

 時津風:陽炎型の十番艦。

     人懐っこい性格。よく雪風と提督を追いかけ回している。

 

初風「行ってらっしゃい。さ、私達も十七駆逐隊のお手伝いしましょ」

雪・時『は~い♪』

 

 

 同時刻、駆逐艦寮の一室ーー

 

天津風「みんな~、起きなさい~!」パンパン

嵐「ふぁ~……おはよ、天津姉~」コシコシ

野分「おはようございます……あふ……」ノビー

舞風「おはよう~」ムニャ

萩風「おはようございます」ノビー

秋雲「あぁ~……もう朝か~」グッタリ

 

 こちらも全員陽炎型駆逐艦の姉妹である。

 

 野分:陽炎型の十五番艦。

    真面目な性格だが、たまに子供っぽい所も見せる。

 

 嵐:陽炎型の十六番艦。

   陽炎型の中では一番の勇ましさと雄々しさを持つ。

 

 萩風:陽炎型の十七番艦。

    控え目で夜が苦手な艦娘。

 

 舞風:陽炎型の十八番艦。

    ダンスを踊るのが大好きな明るく元気で芯の強い艦娘。

 

 秋雲:陽炎型の十九番艦。

    ノリが良く絵描きが趣味で最近は提督の似顔絵が艦娘達に大好評。

 

天津風「うん。みんなおはよう♪ 身仕度が出来次第、食堂に集合よ。二度寝したらそのまま置いて行くから」ニコニコ

五人『はーい』

 

天津風「えーと、陽炎姉さん達はもう起きてるから、後は部屋に戻ってあの子の様子を見てこなきゃ……」

 

 

 駆逐艦寮の第十六駆逐隊の部屋ーー

 

天津風「おはよう~! 準備はd……」

島風「出来てるよ~!」キラキラ

 

 駆逐艦島風。艦隊型駆逐艦の最高峰を目指して開発された、高速で重雷装の駆逐艦。

 姉妹は居ないが陽炎型とは特に仲が良く、姉妹同然の様に過ごしている。

 

天津風「問題無いみたいね♪」

島風「だってみんなや提督と遠足だもん♪ いつもより早く目が覚めたけど、みんなはもっと早くてビックリしちゃった!」キラキラ

天津風「みんなで色々動かなきゃいけなかったからね。陽炎姉さん達は一足先に準備してあの人の手伝いに行ったわ。準備が出来てるなら私達は食堂に向かいましょう♪」

島風「うん♪」

 

 

 同時刻、食堂ーー

 

提督「準備は終わったな」

陽炎「えぇ♪ 今日は姉妹全員よろしくお願いするわね♪」

不知火「不知火達も出来る限りはお手伝いしますから」

黒潮「こんだけ大切にされとると、こっちも気合い入るわ~♪」

 

 陽炎:陽炎型の一番艦。

    明るくしっかり者で姉妹の頼れる長女。

 

 不知火:陽炎型の二番艦。

     物静かだが姉妹の中で人一倍忠誠心がある次女。

 

 黒潮:陽炎型の三番艦。

    ノリ良く姉妹を引っ張る元気な三女。

 

 本日は陽炎型姉妹と島風の十七名を引き連れて、遠足へと向かう。

 

 バスを予約し、食堂に集まって全員で朝食を食べてから出発する手筈だ。

 昼食は陽炎型姉妹達が作ってくれると言うことで、朝食は私と陽炎達で用意したのだ。

 

提督「今日は大所帯だからな。三人には悪いがよろしく頼むよ。勿論、遠足を楽しむことも忘れずにな」ナデナデ

陽炎「えへへ、分かってるわ♪」

不知火「司令の期待に応えてみせます!」

黒潮「了解や~♪」

 

 

 それから全員で朝食を済ませ、私と陽炎型姉妹と島風はバスへ乗り込み遠足地へと出発した。

 

 

 動物園前ーー

 

提督「全員居るな?」

全員『はーい♪』

提督「では改めて予定を確認する。ちゃんと聞くように!」

全員『はーい!』

提督「午前中は全員で園内を見学。お昼は広場で昼食。午後は動物とのふれあい体験と動物達との記念撮影。団体行動なので好き勝手にどこかに行って迷子センターのお世話になった場合、明日から一ヶ月の鎮守府の資材庫の見張りをしてもらうから心して行動するように」

全員『了解!』ケイレイ

提督「よし、それでは抜錨!」

全員『はーい♪』

 

 

 鳥類ゾーンーー

 

陽炎「あれがキジ? 綺麗ね~♪」

野分「ほら、舞風。ツルも居ますよ!」キラキラ

舞風「うわ~! 素敵~♪」キラキラ

嵐「ワシって格好いいな~」キラキラ

萩風「嵐らしいね」ニコニコ

秋雲「スケッチブック持ってきて正解だなこりゃ」サラサラ

 

野分「司令、フクロウです~!」クイクイ

提督「うむ、綺麗な瞳をしているな」ニコ

舞風「提督、あっちはクジャクだよ~♪」クイクイ

提督「おぉ~、見事な羽根だなぁ」シミジミ

 

嵐「なぁなぁ司令、今あのワシが肉を捕っていったぜ!?」コウフン

提督「見事なハンティングだったな」ニコ

萩風「あそこにはタカが留まってます~♪」キャッキャッ

提督「ワシとはまた別に凛々しい佇まいだな」ニコ

 

陽炎「ねぇ、秋雲。それは司令の絵よね?」

秋雲「違うぞ陽炎。鳥と戯れる司令の絵だ」キリッ

陽炎「はいはい……」ニガワライ

 

 

 水辺の動物ゾーンーー

 

時津風「雪風、さっきから何見てるの?」

雪風「あのビーバーさんです♪ 先程から雪風と見詰め合ってくれてます♪」キラキラ

天津風「カワウソだ~可愛い~♪」

島風「あっちはアライグマだよ~!」キラキラ

初風「カモノハシって可愛い顔してるのね……」マジマジ

黒潮「ペリカンも味のある顔しとるわ~……」シミジミ

 

時津風「司令、あのカバ親子だって!」キラキラ

提督「あぁ、仲良く泳いでいるな」ホホエマー

雪風「コビトカバってあんなに小さいんですね!」キラキラ

提督「隣の普通のカバの子供と同じくらいだな」シミジミ

 

天津風「あなた、何見てるの?」

提督「あのフラミンゴだ」

島風「勝者だけが正義だ!!」ドヤァ

提督「それはドが付くフラミンゴの台詞だ」ニガワライ

 

初風「ねぇ、あのペンギンつがいなのかしら?」

提督「かもしれないな……寄り添っているし」

初風「なら今の私と提督もつがいね」ニコ

黒潮「それは初風が引っ付き過ぎてるだけやわ」ニガワライ

 

 

 森に住む動物ゾーンーー

 

磯風「あれがクマか……磯風達の知っているクマとは大違いだな」

浦風「それは球磨さんのことか?」

谷風「阿武隈さんのことじゃないの?」

浜風「熊野さんのことでは?」

不知火「いや、ここは三隈さんかと……」

磯風「みんな何を言っているんだ? 筑摩さんのことに決まってるだろう?」ドヤァ

不・浦・浜・谷『(解せぬ……)』イラッ

 

浦風「提督さん、あのキツネの親子ぶち可愛い~!」ミギウデギュッ

磯風「あのタヌキの親子も可愛いと思うぞ♪」ヒダリウデギュッ

提督「あぁ、どちらも可愛いげのある顔だな」ニコ

 

谷風「シマリスだ~!」キラキラ

浜風「エゾリスも居ますね……」キラキラ

不知火「モモンガやムササビも居ますね」キラキラ

提督「どれも愛くるしいな」ニコ

 

 

 こうして私達は様々な動物を見て回り、時間はすぐに過ぎていったーー。




ここまで読んでくれて本当にありがとうございました!

陽炎型姉妹は人数が多いですね~。
さらにそこへ島風ちゃんも入れちゃいましたから……。

因みに秋雲ちゃんが陽炎型なのに夕雲型の制服を着ているのは、元々夕雲型は秋雲型で建造する予定でありました。なので秋雲ちゃん自体の当初の命名予定は『島風』でした。しかしそこへ高速駆逐艦の建造が成功し『島風』の名をその高速駆逐艦に命名、そこで予定の名前を繰り上げて『秋雲』と命名したそうです。

秋雲ちゃん本人も自分は夕雲型だと思っていたと話すのも、頷けますね。

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