艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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正規空母メイン。

キャラ崩壊、独自設定含みます。


艦これSS二百五十二話

 

 ○○鎮守府、一三○○ーー

 

 空母寮、赤城&加賀部屋ーー

 

赤城「最近は秋めいて来ましたね〜……気温もすっかり秋らしくなって」

加賀「そうですね。過ごしやすくなりました」

赤城「加賀さんは暑がりですからね」クスッ

加賀「夏より冬の方が好きです」

赤城「私はどの季節も好きです♪ それぞれの良さがありますから」ウフフ

 

 赤城と加賀は他愛もない話をしながら部屋でお茶をすすっていた。先日、二人は揃って出撃任務と演習任務をこなしたため、本日は休養日なのだ。

 

赤城「加賀さんはこの後何か予定はありますか?」

加賀「朝潮から釣りに誘われています……赤城さんは何かsーーあ、食っちゃ寝ですね。失礼しました」

赤城「ち、違いましゅ!」

加賀「動揺が見られます」フフリ

赤城「〜////」ウツムキ

 

 加賀の鋭いツッコミに赤城はぐうの音も出せず、ただ顔を真っ赤にして俯くしか対抗策がなかった。

 そんな赤城を見て加賀は小さく笑った後で、赤城に切り出した。

 

加賀「赤城さんもよろしければ一緒にどうですか?」

赤城「いいんですか?」

加賀「朝潮には元々赤城さんもどうかと提案されてましたから」

赤城「ならどうして今まで教えてくれなかったんですか!?」

加賀「言うタイミングがありませんでした」

赤城「沢山ありましたよ!」

加賀「睡眠中に釣りに誘えと?」

赤城「違 い ま す! 昨晩とか今朝とかそれこそさっきのお昼の時とか、沢山あったじゃないですか!」ブンブン

 

 加賀の天然ボケなのか計算的ボケなのか分からないボケに、赤城はそうツッコミを入れながら両手をブンブン振って抗議した。

 

加賀「ほんの冗談です。それに誘われたのは先程の昼食帰りの食堂でなので。確かその時赤城さんはお代わりに行っていました」フフリ

赤城「〜////」スッ

加賀「私の顔に何か付いていて?」

赤城「むぅ〜!」テシテシテシ

 

 得意気に笑って真実を話す加賀に、赤城は加賀の側まで行って加賀の右二の腕ら辺を叩いて抗議した。その抗議に対して加賀はクスクスと笑うだけで、赤城はすっかり機嫌を損ねてしまい、部屋の隅で体育座りをして畳に『の』の字をなぞり始めてしまった。

 

加賀「赤城さんも参加する思って、既に朝潮にはちゃんとその旨を伝えてますよ?」

赤城「」ツーン

 

加賀「…………ふぅ」スッ

赤城「?」

 

 加賀は黙ったまま背を向ける赤城にゆっくり近付いて、赤城のすぐ後ろに座った。

 

加賀「先程のことは謝りますから、無視はしないでください。寂しいです」

赤城「」キュン

加賀「私は赤城が嫌いであのような冗談を言ったんじゃありません。心を許しているからこそなんです」

赤城「」クルッ

加賀「?」

 

 ずっと背を向けたままの赤城だったが先程まで『の』の字を書いていた指は止まり、勢い良く加賀の方へ顔を向けた赤城は加賀に、

 

赤城「私も加賀さんが大好きです」ニパッ

 

 と満面の笑みで言った。

 

加賀「赤城さん……」ニッコリ

 

 加賀も赤城の言葉に思わず微笑み、二人は笑い合った。

 

赤城「それで、釣りの件ですけどいつからですか?」

加賀「準備が出来たら朝潮から連絡が来るはずなんですけど……」

 

 コンコンーー

 

赤城「あ、は〜い」

加賀「どうぞ」

 

 ガチャーー

 

朝潮「失礼します! 海釣りの準備が完了しましたのでお知らせ参りました!」ケイレイ

 

加賀「あら……てっきり通信機(スマホ)に連絡が来るものだとばかり……」

赤城「わざわざありがとう、今日は私もよろしくお願いしますね」ナデナデ

朝潮「は、はい! こちらこそよろしくお願い致します!////」

 

 そして赤城と加賀は軽く外へ行く準備をした。朝潮以外の者達は先に浜辺へ向かっているそうなので、二人は朝潮と共に浜辺へ向かった。

 浜辺に着く間、赤城と加賀は朝潮と手を繋いでほのぼのとした雰囲気で向かったそうな。

 

 

 浜辺ーー

 

荒潮「こっちよ〜♪」ノシ

朝雲「お〜い♪」ノシ

山雲「こっちこっち〜♪」ノシ

霰「ん〜」ノシ

 

 浜辺へ着くと、先に到着していた荒潮、朝雲、山雲、霰の四人が手を振って三人を迎えた。そんな四人に三人は手を振り返しつつ、四人の元へ向かった。

 

赤城「お誘いありがとうございます♪」

加賀「すみません、準備までしてもらって」ペコリ

 

荒潮「うふふ〜、お気になさらず〜♪」

朝雲「そうですよ。酒保で釣りのセットを借りるだけですから」ニコッ

山雲「ボートまで頼んじゃうと有料だけど〜、釣りするだけのセットならタダだもんね〜♪」

霰「秋なら釣りが一番」キラキラ

朝潮「今日はゆっくり過ごしましょう♪」

 

 赤城と加賀は五人に微笑みを返し、改めてお礼を述べてから一緒に釣りをする準備に取り掛かった。

 

 実際にはみんな海上へ移動出来るのだが、海上移動は艤装を展開し燃料を使ってしまうので、基本的には陸から釣り糸を垂れるのが一番経済的なのだ。

 

 

 釣り開始ーー

 

 赤城&朝雲、山雲の場合ーー

 

赤城「投げ釣りは久し振りだわ♪」ヒュンッ

朝雲「赤城さんは引き釣りですか? 置き釣りですか?」

赤城「基本的には置き釣り派ね。その方がゆっくり出来るし」ニコッ

山雲「天龍さんとかは引き釣りなんですよ〜♪」

赤城「天龍さんらしいわね」クスッ

朝雲「引くのが早過ぎて隣で釣ってる龍田さんの方にお魚が行っちゃうんですけどね」ニガワライ

赤城「流石龍田さんね」ニガワライ

 

 

 加賀&朝潮の場合ーー

 

加賀「ここが一番山になってますね。ここで少し様子を見ましょう」

朝潮「ここのポイントでこの前球磨さんが大きなスズキを釣り上げたみたいです」

加賀「スズキですか……確かにこの前大騒ぎしていたわね」

朝潮「多摩さんによれば、カレイやアイナメも狙えるとのことです。時期的には微妙ですが……」

加賀「釣れても釣れなくても楽しめればいいと思うわ」ニコッ

朝潮「そうですよね! でも釣りたいので頑張ります!」フンス

加賀「ふふ、そうね」ナデナデ

朝潮「〜♪」

 

 

 荒潮&霰の場合ーー

 

荒潮「ここ、怪しいわね……」フフフ

霰「狙うはクロダイかマダイ……」シンケン

荒潮「大きいの釣れるかしら〜♪」

霰「大きそうな魚影は見えてる……スズキかもしれないけど」

荒潮「その都度重りとか調節して様子を見ましょうか」ニコッ

霰「うん……あ、早速」ググッ

荒潮「あら♪ 何かしら〜?」ニコニコ

 

 ザパァッ!

 

霰「カサゴ……」ンチャ

荒潮「ふふ、ざ〜んねん♪」

霰「美味しいから好き」ニコッ

荒潮「あらあら」クスクス

 

 こうしてそれぞれの釣りは夕方まで続いた。

 

 赤城、朝雲、山雲の三人は大から小までのカサゴを二十尾。

 加賀は大物のカレイニ尾、朝潮はスズキを三尾。

 荒潮、霰のコンビは大から小までのカサゴを十尾とクロダイ、マダイをそれぞれ大と小の二尾ずつを釣り上げるという大漁という結果だった。

 

 その後、釣り上げた魚は鳳翔のお店で美味しく頂いたそうなーー。




今回はまったり系なお話にしました!
秋空の下で釣りをするのもまたいいものかと思いまして!

読んで頂き本当にありがとうございました☆

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