艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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重巡洋艦メイン。

キャラ崩壊、独自設定含みます。


艦これSS二百五十話

 

 ○○鎮守府、一四○○ーー

 

 会議室ーー

 

 本日、鎮守府では空き会議室を使って、先日行われた『鎮守府秋祭り』の風景写真などの展覧会を青葉が開いていた。

 青葉自身、写真屋の露店を開いてはいたが、そこだけに留まっていたはずもなく、自分の足でお祭りを回り、その都度色んな場面をカメラで撮影していた。

 ただ青葉が撮影した写真だけでなく、当日に写真を撮っていた艦娘達の中で自分も展示したいと手を挙げた者の写真も飾ってあり、展覧会はなかなか賑わっていた。

 

五月雨「あ〜! これ私が白露とぶつかった時の写真だよ! 涼風撮ってたの〜!?」

涼風「日常的かつ劇的な写真だろ〜?」エッヘン

五月雨「なんでそんなに得意気なの〜!?」プンプン

 

 五月雨と白露が頭をぶつけてしまった瞬間を捉えた写真を展示した涼風。それに猛抗議する五月雨だが、抗議されている涼風は「まぁいいじゃん」と言った具合で笑っていた。

 

時雨「五月雨らしくて、僕はいい写真だと思うな」ニコニコ

村雨「そうよね〜♪ その隣の写真で『あわわ!』ってなって謝ってる五月雨も可愛くて好きよ♪」

五月雨「////」

 

 五月雨としては恥ずかしい写真。しかし他の者達にとっては可愛らしくて微笑ましい一幕の写真なのである。面と向かってそう言われるた五月雨は、嬉しさと恥ずかしさが半々といった複雑な表情だった。

 

青葉「気に入った写真があれば用紙に記入してください♪ データがあるので焼き増し出来ますから♪」

 

 盛り上がっていた時雨達に青葉がそう声をかけると、時雨と村雨は『じゃあ、この写真焼き増し決定♪』と同時に言って用紙に記入した。一方、五月雨は「や〜ん!////」とまたも複雑な表情を浮かべつつ抗議していた。

 

 先程青葉が言った通り、今回の展覧会で気に入った写真があれば用紙に写真下に書かれた番号を記入してその用紙を渡せば、即座に焼き増しして貰えるのだ。

 そのことから提督LOVE勢は提督が写っている写真をこぞって注文し、みんな分厚いアルバムを持って帰っていた。勿論戦友との写真や姉妹の写真も焼き増しした上で。

 

衣笠「青葉〜、ただいま〜」ノシ

古鷹「言われたインクとフォト紙買って来たよ」ニコッ

加古「あとアルバム用の本もな〜」ヨット

青葉「ありがとうございます♪」

 

 それぞれ袋や紙袋を持って会議室へ入って来た衣笠、古鷹、加古の三人。青葉が思っていた以上に写真の焼き増しやアルバムを作る量が多く、手伝いをしていた三人が急遽買い足しに行っていたのだ。

 

古鷹「ねぇ、無料で焼き増しやアルバム配っちゃって大丈夫なの?」

加古「確かにな〜……あたしら貰う側はありがたいが、このインクだなんだって青葉持ちだろ? 風吹いたら青葉の財布飛ぶんじゃね?」

青葉「問題無いです♪ 実はこれ司令官のご厚意なんです♪」

衣笠「え、どういうこと?」

青葉「司令官が思い出はデータだけじゃなく、実物としても残ってる方がいいだろうとのことで、司令官が資金を工面してくれたんです♪」

 

加古「ふぇ〜……流石というか、なんというか……すげぇな〜」ニガワライ

青葉「司令官もそうですが、この企画を許可して頂いた経理部の飛鷹さん達にも感謝ですね〜」ニコニコ

古鷹「提督にも飛鷹さんや隼鷹さん達にも感謝しなきゃいけないね」ニッコリ

衣笠「そうだね、みんなに感謝しなきゃね」フフ

 

 そんな話をしていると、早速焼き増し注文がまた入って来た。青葉は印刷作業に入り、古鷹と衣笠はアルバム作成に入り、加古は三人それぞれのサポートに入った。

 

 

 一五○○ーー

 

日向「この瑞雲の写真……いいな」メモメモ

伊勢「それで瑞雲十枚目なんだけど……ほら、他にも最上達や扶桑達と写ってる写真もあるよ〜?」ニガワライ

日向「伊勢だって提督の写真ばっかりじゃないか……瑞雲か提督かの差だろう?」

伊勢「な、わ、私はみんなとの写真も選んでるわよ、ほら」つ写真

 

 すると伊勢は先に焼き増しして貰ったアルバムを取り出して、その写真を日向に見せた。

 

日向「ん……あ〜、この伊勢が伊勢海老を捕食している写真なんてのはいいかもな」フフフ

伊勢「名前だけで『共食い』呼ばわりされたのよね〜……というか捕食って言わないでくれない?」ニガワライ

日向「俗に言う『いじり愛』だ……いいじゃないか」クスクス

伊勢「はいはい……あ、日向が瑞雲を飛ばして撮った航空写真もちゃんとアルバムに入れてもらったわよ♪」

日向「瑞雲妖精にカメラも持たせた甲斐があるな」ウンウン

 

 伊勢達はその後も談笑しながら写真を選んでいった。そしてその一方では、また違う者達が写真を選んでいた。

 

アイオワ「ん〜……この写真も欲しいわ」メモメモ

ビスマルク「写真に写ってるあなたって絶対に何かしら食べてるわね」

ウォスパ「確かに……」ニガワライ

アイオワ「せっかくのAutumn Festivalよ!? 食べなきゃ損じゃない! 赤城は分かってくれたわよ!?」

ビスマルク「同意を求める相手が違うと思うわ。加賀には何か言われなかったの?」

アイオワ「…………無言で睨まれて舌打ちされたわ」シクシク

ウォスパ「自業自得ね」ヤレヤレ

 

アイオワ「でも! 私と赤城はめげずに食べ続けたわ!」ドヤァ

ビ・ウ『はいはい』ニガワライ

 

 そんなこんなで賑わった展覧会は無事に終わり、青葉達は片付けの作業に移った。

 

 

 一八○○ーー

 

衣笠「昨日のお祭りといい、今日の展覧会といい、イベント盛りだくさんだったわね〜」クスクス 

古鷹「そうだね♪ でも楽しかった♪」

加古「今日もぐっすり寝れるな〜♪」

青葉「加古さんらしいですね〜」ニガワライ

 

提督「邪魔するよ」

 

 片付けをしていると提督が姿を現した。その瞬間、衣笠と古鷹は目にも止まらなぬ早さで髪や服を整えた。

 

青葉「司令官、どうされました?」

提督「片付けをしている時間帯だと思ってね。手伝いに来たんだ」ニコッ

青葉「わぁ、恐縮です!」

衣笠「ありがとう、提督♡」ニコニコ

古鷹「ありがとうございます♡」ニッコリ

加古「サンキュ、提督♪」

 

 それから提督も加わり、片付けは順調に進んで行った。

 すると提督の手が突然止まった。

 

提督「…………」

青葉「? ……あ〜、皆さんで撮った集合写真ですね♪」

提督「あぁ、みんないい顔をしている」フフ

 

 提督はお祭りが始まる前に全員で撮った集合写真を手に取り、優しい笑顔を浮かべてその写真を眺めていた。

 

衣笠「その写真、焼き増しの注文多かったんだよ♪」

加古「みんな絶対この写真だけは頼んで来たもんな〜」

古鷹「私も頼んじゃいました♪」

  (提督の写真もだけど♡////)

提督「そうなのか……それだけ良い写真ということだな」ニッコリ

青葉「司令官、よろしければその写真お譲りしますよ?」

提督「いいのか?」

 

 青葉の突然の提案に少し戸惑った表情を浮かべる提督。そんな提督に青葉は満面の笑みで返した。

 

青葉「今日の展覧会は司令官や飛鷹さん達のお陰で出来たことです♪ そのお礼として受け取ってください♪ 飛鷹さん達にはお昼に来られた時に、お渡ししましたので♪」

提督「そうか……ありがとう、青葉」ナデナデ

青葉「きょ、恐縮です////」

古・衣『(いいなぁ〜)』ジーッ

加古「」ニヤニヤ

 

 その後、展覧会の後片付けを終えた提督と青葉達は青葉と衣笠の部屋へ荷物を運び込み、その流れで揃って食堂へ行って夕飯を食べたーー。




 おまけーー

 二一三○ーー

 重巡洋艦寮、青葉&衣笠部屋ーー

衣笠「う〜ん……よし! ここに飾ろう♪」
青葉「また司令官の写真を飾るんですか〜?」
衣笠「違うよ〜……提督の写真はまた別な所に飾るの♡」
青葉「さいですか……」ニガワライ

衣笠「このコルクボードに追加するのはこれよ、これ♪」ジャーン
青葉「? ……な! これ、青葉も写ってる写真じゃないでふか!?////」カミカミ
衣笠「第六戦隊のみんなで撮った写真だもん♪」
青葉「ダメダメダメ!//// 飾らないでください!////」
衣笠「え〜……青葉って撮るばっかで写ってる写真少ないんだもん……いいじゃん。やっとこれだけ集まったのに〜」ムゥ
青葉「青葉はそもそも写らなくていいの!//// だから他の写真にしてくださいよ!////」
衣笠「じゃあ、ケーキ作ってあげるから♪」
青葉「…………何ケーキですか?」

衣笠「青葉が食べたいケーキ作ってあげる♪」
青葉「三種類あるんですけど……」
衣笠「バルジが増えてもいいなら作ってあげる♪」
青葉「うぐっ……じゃ、じゃあ二種類で……」
衣笠「いいわよ♪ じゃあ、この写真はコルクボードに飾るからね♪」
青葉「…………いいでしょう////」
衣笠「えへへ〜♪」

 衣笠はいつもこの手段でコルクボードに第六戦隊の写真や青葉と撮った写真を飾っているのだ!

青葉(またケーキの誘惑に負けました……だって仕方ないじゃないですか! この子の作るケーキやお菓子って美味しんだもん!)

 青葉は自分にそう言い訳しつつ、後日には衣笠特製ショートケーキとチョコレートケーキをルンルン気分で食べるのだが、衣笠の手中に自分の胃袋を収められていることには気付かない青葉だったーー。

 ーーーーーー

今日は青葉さんの竣工日ということで青葉さんメインで書きました!
青葉さんおめでとう!

今回も読んで頂き本当にありがとうございました♪

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