艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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潜水艦メイン。

キャラ崩壊、独自設定含みます。


艦これSS二百四十六話

 

 ○○鎮守府、一○○○ーー

 

 重巡洋艦寮、青葉&衣笠部屋ーー

 

青葉「は〜、なるほど〜」フムフム

 

イク「…………」

ニム「」ニガワライ

 

 青葉と衣笠の部屋にはイクとニムの潜水艦姉妹が訪れていた。なんでも、芸術の秋ということで鎮守府の写真を撮りたいとイクが青葉にカメラを借りに来たのだ。

 

青葉「う〜ん……」

イク「青葉ちゃん、お願いなの〜……撮った写真使ってもいいから〜……」ネ? ネ?

ニム「あの、無理なら無理で大丈夫だから」

青葉「…………分かりました。簡単なデジカメをお貸しします♪」

イク「やった〜! 青葉ちゃん、ありがとうなのね〜♪」ギューッ

ニム「いいの?」

青葉「はい♪ 動機はどうあれ、写真に興味を持ってくれる方が増えてくれるは嬉しいので、お貸しします♪ 今出して来ますね♪」

 

 そう言うと青葉は部屋の戸棚をガサゴソと(まさぐ)り出した。

 すると、これまでの事を見つめていた衣笠が口を開いた。

 

衣笠「素朴な疑問なんだけどさ……どうして写真にしたの?」

イク「見たままが絵になるからなの!」

衣笠「(´・ω・`)」???

 

 イクの答えに首を傾げる衣笠。それを見てニムが苦笑いを浮かべて補足をする。

 

ニム「あのね、最初は秋雲ちゃんに絵を習いに行ったんだけど、お姉ちゃんはその……ずっと一つのことに集中するのは苦手みたいで……」

衣笠「あ〜、青葉みたいな感じね。だからすぐに絵になる写真にしたんだ」ニガワライ

イク「そうなの♪」

 

青葉「青葉みたいな感じとは失礼ですね〜……青葉だってちゃんと集中することくらい出来ますよ〜」

衣笠「写真の編集とか新聞の記事を書いてる時くらいじゃない」

青葉「それの何が悪いんですか!」←開き直り

衣笠「はいはい、悪くない悪くない。で、その手に持ってるのが貸してあげるカメラ?」

 

 衣笠は青葉が手にしているデジカメを指差して訊いた。デザインはシンプルでシルバー。大きさも手のひらサイズでとても使いやすそうなデジカメだった。

 

青葉「はい♪ 新しいSDカードも入れてありますので、ここのメモリーがいっぱいになるまで、好きなだけ撮影出来ますよ♪」つデジカメ

イク「ありがとうなの♪」

青葉「防水ですが、海の中には入れないでくださいね。水中用カメラではないので。後、このストラップで首に掛けて落とさないようにしてください。壊したら泣きます」

イク「分かったの!」フンス

衣笠(実際に壊されたら号泣するんだろうな〜)ニガワライ

 

 それから青葉に使い方と諸注意を叩き込まれたイクは意気揚々と撮影に向かった。心配なのでニムも一緒に行くことにした。

 

衣笠「本当に貸しても良かったの?」

青葉「はい♪」

衣笠「壊されても?」

青葉「こここ、壊されるるるなんてててて、おもおもおも思ってませんんん」

衣笠「そんなに動揺してると説得力ないよ」ニガワライ

青葉「んんっ……まぁ、秋の風景を撮りたいと言うことでしたが、秋の風景を探すのも一つの秋だと思います。だから貸したまでです。イクさんとニムさんにとっていい思い出が出来れば、青葉はそれで構いません」

衣笠「ふふ、そっか♪」

青葉「はい♪ ででですすすかららら、こわこわこわ壊されてもももも、だだだ大丈夫ですすすす」

衣笠(ダメだこりゃ)ニガワライ

 

 

 中庭ーー

 

 寮を出たイクとニムはまず始めに中庭へ来た。中庭には花壇も植木もあるので、秋の風景を撮影するにはピッタリだと思ったからだ。

 

イク「何を撮ろうかな〜♪」

ニム「一番撮りやすいのはお花かな〜?」

イク「それじゃ、花壇の方に行くの♪」

 

 花壇へ向かうと、花壇には既に先客が居た。朝潮、大潮、満潮、荒潮の四人が花壇へ水やりをしていたのだ。

 

イク「なんか秋っぽいの♪」ピピッ

ニム「勝手に撮らない方が……」

 

朝潮「?」クルッ

 

 機械音に反応した朝潮がイク達の方へ振り向いた。

 

イク「ちょっとそのままで居てほしいの」ノシ

ニム「お姉ちゃん……」

 

 もう一度シャッターを押したイク。撮影を終えるとイク達は朝潮達の方へ向かった。

 

イク「こんにちはなの♪」

朝潮「こんにちは、イクさん」ペコリ

大潮「こんにちは〜!」

満潮「カメラなんて持って何してるのよ?」

荒潮「青葉さん以外がカメラを持ってるなんて珍しいわね〜」ニコニコ

ニム「芸術の秋だから写真を撮りたくなったんだって」

 

 ニムがそう説明すると朝潮達は「なるほど」と言ったような反応をした。その間もイクは次々と花壇のコスモスやサルビア、キキョウといった花々を撮影していた。

 

満潮「あなたも大変ね〜、こんなことに付き合わされて」

ニム「あはは……まぁでも、ハイキング気分で楽しいよ」

満潮「とんだお人好しね」

ニム「えへへ……」

 

朝潮「あまり気にしないでくださいね。満潮なりの気遣いなので」ニガワライ

荒潮「翻訳すると〜、『こういう姉妹仲は大切にね』ってことよ〜♪」

満潮「うるさい! 余計なこと言わないでよ!////」

大潮「まあまあ、ミッチー♪」ドォドォ

ニム「ありがとね♪」ナデナデ

満潮「ふんっ////」プイッ←撫でられて嬉しい。

 

イク「撮れたの〜♪ 見て見て〜♪」つデジカメ

 

 そう言ってデジカメの画面を見せたイク。

 そこには花だけではなく、花と共に朝潮達も写っていた。

 

朝潮「わぁ……綺麗に撮れてますね〜」

満潮「私達まで撮られてるのが納得いかないけど……ま、いいんじゃない?」ニコニコ

大・荒『(素直じゃないな(わね)〜)』クスクス

ニム「このコスモスいいね♪」

イク「でしょでしょ♪」キラキラ

 

朝潮「もしまだ撮影をされるのでしたら、本館側の花壇にキンモクセイとギンモクセイが植えられてますので、良かったら撮影して来てはどうですか?」

大潮「確かに♪ その二つも秋と言えばの花ですからね!」

満潮「後、今日なんかは空もいいんじゃない? ほら、丁度あそこにうろこ雲が出てるし」

イク「ホントなの〜!」ピピッ

荒潮「あのうろこ雲と秋の海も合わせて撮れば、私達らしい風景にもなるわよね〜」ニコニコ

イク「確かにそうなの! 浜辺に早速行ってくるの!」

ニム「あ、ちょっと、お姉ちゃ〜ん!? みんな色々とありがとう! またね!」

 

 こうしてイクは秋の台風のように次々と秋の景色を撮影するために、鎮守府内を走り回るのだったーー。




 おまけーー

 その日の二○○○ーー

 重巡洋艦寮、青葉&衣笠部屋ーー

青葉「」アタマカカエ

 青葉は頭を抱えていた。
 今日はイクにデジカメを貸し、夕方にはちゃんと何の問題も無く返って来た。
 イクが撮った写真は後日、青葉が現像して渡す手筈だったのだが、そこで問題が起きた。

衣笠「青葉! これ! この写真現像して!」
古鷹「これも! これも現像して!」
青葉「分かりましたから落ち着いてください……」アタマキーン
加古「良く撮れてるな〜」オォー

 イクが撮影して来た写真。最初の方はそれこそ秋の花や秋の雲といった秋景色が広がっていたが、後半は全てと言っていいほど提督の写真ばかりだったのだ。
 イクもLOVE勢の一員。しかも金剛等と同じようにアグレッシブ勢である。更には提督も基本的に写真を撮られるのは構わないタイプなので好きに撮影させていたのだと分かる写真ばかりだった。

 カメラ目線でピースしている物、書類に目を通している時の物、窓辺で煙草を吸っている時の物、艦隊が無事に帰って来てホッとしている時の物、艦娘と談笑している時の物等など、まさに提督尽くしだった。

 それを見た青葉は苦笑いを浮かべただけだったが、一緒に見ていた衣笠は違った。目の色を変え、隣の部屋に居る古鷹や加古も連れて写真の選定に入ったのだ。
 衣笠も古鷹も提督LOVE勢である。よって彼女達からすればイクが撮影した後半の写真は超が付くお宝写真なのだ。

衣笠「あ〜! これ! この提督も素敵〜♡」
古鷹「この微笑んでるのも素敵だよ〜♡」
衣・古『青葉! この写真集出して!』
青葉「分かりましたから! もう落ち着いてくださ〜い!」ウワーン
加古「頑張れ編集長〜」ケラケラ

 後日、『伊19撮影✕青葉監修《秋の鎮守府》』を発行(提督の許可有り)。特別付録に別冊で《秋の提督》も発行(提督の許可無し)。
 この写真集はたちまちLOVE勢が一人四冊買うのが当然と言われるくらいの人気を博したーー。

 ーーーーーー

ということで、今回は芸術の秋に因んでイクちゃんをメインに書き上げした♪
今日は伊19の進水日でもあるので♪
おめでとう、イクちゃん!

では、今回も読んで頂き本当にありがとうございました!

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