艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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台風だから! の談。

キャラ崩壊、ネタ含みます。


艦これSS二百三十八話

 

 ○○鎮守府、一五○○ーー

 

 執務室ーー

 

摩耶(本日秘書艦)「なぁ、提督〜」

提督「どうした、摩耶?」

摩耶「雨……強くなって来たな」

提督「そうだな……風も今朝よりかは強くなっている」

 

 本日、我が鎮守府は大型台風の影響により演習、野外訓練、遠征、出撃といったことは中止し、皆には休暇を与えた。

 それでも私は報告書の確認やファイリングなどの執務があるので、いつも通り作業していた。

 

提督「摩耶、今日は秘書艦にこれといった任務は無いから、もう部屋に戻ってもいいんだぞ?」

摩耶「またその話かよ〜。そんなにアタシが邪魔なのか?」ムスッ

提督「いや、そういうことではなくてだな……何度も言ってるように、今日は全体的に休みなんだ。そんな中、摩耶にだけ仕事はさせられない」

摩耶「今朝からアタシは何もしてねぇじゃんか。お茶淹れたくらいだぜ?」

提督「しかし……」

摩耶「提督はアタシと居るのは嫌なのかよ……」

  (アタシは提督と一緒に過ごしたいだけなのに……鈍感野郎め……)

 

提督「そ、そんなことはない」

摩耶「今どもった……」ジトーッ

提督「そんなことはない! こうして私に気を遣って側に居てくれてとても助かっている!」

摩耶「っ……な、ならアタシが執務室に居たっていいよな?////」

  (くぅ〜〜♡ んな真面目に言われると照れる〜♡)キュンキュン

提督「…………分かった。もう何も言うまい。好きにしてくれ」ニガワライ

摩耶「アタシは今日はずっと好きに過ごしてるぜ♡」エッヘヘー

 

 コンコンーー

 

摩耶「ん?」

提督「入りなさい」

 

 ガチャーー

 

高雄「失礼します」ペコリ

愛宕「失礼しま〜す♪」パンパカパーン

鳥海「失礼します」ニコッ

 

提督「お〜、みんなしてどうした?」

摩耶「???」クビカシゲ

 

 執務室へ入ってきた高雄達は妙にニコニコしていて、高雄と鳥海に限っては手を背中の方へ回し、何かを隠している風に見える。

 

高雄「提督、本日の業務は大変でしょうか?」

提督「? 見ての通り簡単な執務くらいでこれといった忙しさはないぞ?」

摩耶「寧ろめっちゃ少ないぜ」ニガワライ

愛宕「じゃ〜、これから少しお時間を頂いてもいいかしら〜?」ニコニコ

提督「あ、あぁ、いいとも」

鳥海「そう警戒しないでください♪」

摩耶「ん〜?」クンクン

 

高雄「ふふふ、実は〜♪」

鳥海「こんなものをご用意しました!」

愛宕「ぱんぱかぱ〜ん♪」

 

 そう言って高雄と鳥海がそれぞれ背後から取り出したのは大きな箱だった。

 

提督「???」

摩耶「っ……もしかして!」キラキラ

高雄「そのもしかしてよ♪」

鳥海「じゃじゃ〜ん♪」

 

 パカッ

 

愛宕「梨と洋梨で作った二種類のパイで〜す♪」

摩耶「(。✧Д✧)」パイダー!

提督「これはこれは……作るのは大変だっただろう?」

高雄「今日は時間がありましたから、ゆっくりと楽しんで作ったので気にしないでください♪」

愛宕「時間あったから敢えて梨と洋梨で別々に作ったのよ♪」

鳥海「今回は五号で作りました♪ それに出来立てですよ♪」

摩耶「提督! 時間もあるんだし、冷める前に食べようぜ!」キラキラ

提督「うむ、せっかく高雄達が作ってくれたんだ。ありがたく頂こう」ニコッ

高・愛『〜♡』キラキラ

 

 こうしておやつの時間を取ることにした。私が机に広げていた書類を整理している間、ソファーテーブルの方で高雄と鳥海がパイを切り分け、その隣で愛宕と摩耶が紅茶を淹れてくれた。

 

 ↓席順

 

 高 提 愛

 テーブル

  摩 鳥

 

摩耶「いただきま〜す!」

鳥海「まだ中身は熱いから気をつけtーー」

摩耶「はふはふっ!」

鳥海「摩耶ったら……」ニガワライ

 

高雄「お水いる?」つコップ

摩耶「ら、らいじょふ……はふっ、ごくん……ん! うま〜し!」キラキラ

愛宕「うふふ、良かった……提督もどうぞ」ニッコリ

提督「では先ずは梨の方から……いただきます」人

 

 ぱくっ……

 

高・愛『』ハラハラ

 

 もぐもぐ……

 

高・愛『』ドキドキ

 

 ごくん……

 

高・愛『』ゴクッ←固唾を飲む

 

提督「うむ……とても美味しいよ」ニッコリ

高・愛『〜♡』←恍惚ポーズ

 

鳥海「洋梨の方はどうですか?」

提督「いただきます……あむ……うん、これもこれでとても美味しい」ニッコリ

高・愛『〜♡』←昇天

摩耶「」ニガワライ

 

提督「せっかくこんなに美味しい物を作ってくれたのに、気の利いた褒め言葉も出せずに申し訳ないな」ニガワライ

高雄「っ……いえいえ! 私達は提督から『美味しい』と言ってもらえただけで十分です!♡」キラキラ

愛宕「そうよ~♡ そのままの言葉がとても嬉しいわ〜♡」キラキラ

提督「そう言ってくれるとありがたい。しかし本当に美味しいよ。ありがとう♪」パクン

高・愛『はい♡』ニッコニコ

 

鳥海「(姉さん達、すっごく気合い入れて作ってたのよ♪)」ヒソヒソ

摩耶「(あ〜……だからあんなに気合い入ってた目してたのか〜)」アハハ

 

高雄「提督♡ よろしければ私が食べさせて差し上げますわ♡」つ梨パイ

提督「お〜、ありがとう」パクン

愛宕「じゃあ、私はこっちのパイを食べさせてあ・げ・る♡ はい♡」つ洋梨パイ

提督「……ありがとう」パクッ

 

 /イチャイチャ キャッキャッ♪\

 

摩耶(ちぇ〜、高雄姉達ばっかずりぃ……)モグモグ

 

提督「? 摩耶、口元にクリームが付いているぞ」ヒョイペロッ

摩耶「!?♡////」ボンッ

鳥海「」ニヤニヤ

提督「時間はあるんだ。ゆっくり食べよう」ニコッ

摩耶「お、おう♡////」キュンキュン

高雄(摩耶……やるわね)

愛宕(私も後でしてもらお♡)

 

 その後も私は高雄達と台風の中ではあったが、日頃の忙しさを忘れて、ゆったりとした時間を過ごしたーー。




 おまけーー

 一八○○ーー

 重巡洋艦寮、妙高型姉妹部屋ーー

足柄「さぁ、じゃんじゃん揚げるから、じゃんじゃん食べて♪」

那智「コロッケか……まあ酒のつまみになれば何でもいい」モグモグ
妙高「はい、神風ちゃんもどうぞ♪」
神風「あ、ありがとうございます////」
羽黒「春風ちゃんはどれが食べたい?」ニコニコ
春風「ではお言葉に甘えて、そちらの野菜コロッケを」ニコッ
羽黒「は〜い♪」

神風「あの、お夕飯に誘ってもらえてとても嬉しいんですけど、どうして今日はコロッケなんですか?」
那智「確かにな……足柄の揚げ物=トンカツのイメージがあるから、少し気になるな……」

足柄「今日は台風でしょう? 台風の日はコロッケって相場が決まってるのよ♪」フフーン

妙高「台風にコロッケ?」
春風「あ〜、なるほど〜♪」
羽黒「だからコロッケにしたんだ♪」
妙・那・神『???』クビカシゲ

足柄「さぁ、牛肉入りのコロッケが揚がったわよ〜♪」
羽・春『わ〜い♪』

那智「分かる者にしか分からないのだろう。気にせず食べようか」ニガワライ
妙高「そうね……あ、サラダも追加で作ってくるわね」ニコッ
神風「お手伝いします!」キリッ

 その日、鎮守府では妙にコロッケを食べる艦娘が多かったとかーー。

 ーーーーーー

台風が多いので今回はこのような回にしました!
読者の皆様、台風にはくれぐれもご注意を。

それでは此度も読んで頂き本当にありがとうございました!

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