艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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戦艦メイン。

独自設定、独自解釈含みます。

いつもより少し長めです。


艦これSS二百三十二話

 

 ○○鎮守府、一五○○ーー

 

 食堂ーー

 

鈴谷「それじゃあ、お疲れちゃ〜ん♪」

熊野「お疲れ様でした」ニコッ

最上「お疲れ様♪」

三隈「皆さん、お疲れ様でした」ニコッ

日向「お疲れ」フフッ

伊勢「お疲れ〜♪」

 

阿賀野「お疲れ様〜♪」

能代「お疲れ様でした♪」

アイオワ「お疲れ様〜!」イェア!

金剛「お疲れサマネ〜」ニッコリ

吹雪「お疲れ様です♪」

叢雲「お疲れ」ニコニコ

 

 本日も彼女達は攻略した大規模作戦海域へ出撃し、無事に任務を終えたことを祝して簡単なお疲れ様会をしていた。

 

 攻略しても尚、同じ海域へ赴くのは当然である。提督曰く『現状維持は後退の始まりである』。故に攻略した海域であっても毎回出撃し、残存勢力の脅威を消し去ることを目的にしているのだ。

 

鈴谷「いやぁ、連合艦隊で行くと結構楽だよね〜♪」

熊野「ちょっと、不謹慎ですわよ」

最上「まあまあ熊野……」ニガワライ

三隈「皆さんと力を合わせるから被害も少ないのは当然のこと。唯一怖いのは己の慢心ですわ」

鈴谷「分かってるって♪」

熊野「」ハァ

 

伊勢「でも空母の人達が一緒じゃなくても案外行けるものよね」

日向「それは一度攻略しているからというのもあるが、吹雪や叢雲の対空射撃も大きな勝因だと思う。後は我々の瑞雲の力、これだ」キリリッ

伊勢「また日向の瑞雲推しが始まった」ニガワライ

日向「だって瑞雲はなーー」ペラペラ

伊勢(スイッチ入っちゃった〜……)

 

 伊勢がもう通算で何度目になるか分からない日向師匠による『瑞雲の素晴らしさ講座』を聞かされながら居る隣で、何かを思い出したように阿賀野が口を開いた。

 

阿賀野「そう言えば、今度着任するイギリス艦のうぉーずぱんださん? だっけ? どんな艦娘なのか楽しみだよね♪」

能代「ウォースパイトさんでしょ、阿賀野姉ぇ……物騒なんだか可愛いんだか分からない名前にしないであげて」ニガワライ

 

 今回の大規模作戦の成功に伴い、当鎮守府ではイギリスの艦娘であるクイーンエリザベス級戦艦の二番艦であるウォースパイトの着任が決まった。それは今の鎮守府で一番ホットな話題であり、阿賀野の言葉にその場の全員が反応した。

 

金剛「クイーンエリザベス級戦艦の二番艦、ウォースパイト♪ 会うのが楽しみネ♪」

アイオワ「確か起工から就役までが金剛sistersの榛名(ハルーナ)霧島(キリスィーマ)と同じ年なのよね?」

金剛「イエ〜ス♪ それでもワタシの方が少し早いからワタシの方がお姉さんデ〜ス♪」

 

 イギリスで生まれた金剛にとってもイギリス艦のウォースパイトの着任はとても楽しみなようで、金剛の声はいつもよりも何処か弾んでいた。

 

吹雪「やっぱりイギリス出身ってことで金剛さんとしては着任が楽しみなんだね」クスッ

叢雲「イギリス生まれの金剛さんだから、生粋のイギリス艦であるウォースパイトさんが着任するのは嬉しいんでしょうね」フフ

 

 そう話す吹雪に笑顔でそう返した叢雲。そんな二人の会話を聞いていると、今度は伊勢が思い出したように口を開いた。

 

伊勢「まぁ考えてみれば、当時の金剛型って性能がずば抜けてたわよね〜。金剛型があってこそ日本の海軍は天城や赤城の計画に至った訳だし、大和なんかも超金剛型として計画されたんだもんね」

アイオワ「それを言うならミー自身は、当時の金剛クラスに対抗するために建造されたのよね〜。レキシントンもそうよ」

叢雲「天城さんや赤城さん、そしてレキシントンは軍縮条約で空母になっちゃったけど、そんな話があったのね」

吹雪「凄いお話〜……」ゴクリ

 

 当時の話を改めて聞くと金剛型がどれだけ凄かったが分かり、吹雪や叢雲は思わず息を吐いた。

 

金剛「イギリスのフッド級、イタリア、ローマのヴェネト級の皆さんもワタシ達を参考にしたんデスヨ〜♪」

鈴谷「へぇ〜……金剛さんって凄いんだね〜♪」

熊野「熊野達の大先輩ですから当然ですわね」ニコッ

 

 にこやかにそう話す金剛に、鈴谷や熊野を始めとしたみんなは改めて金剛に尊敬の念を抱いた。

 

三隈「そう言えば、青葉さんの新聞に書いてあったことなのですけど、もう既にウォースパイトさんは大本営に何名か到着しているそうですわ」

最上「あ〜、その記事読んだよ♪ なんでも練習航海中に鹿島さんとぶつかったとか書いてあったよね♪」

三隈「何だか親近感が湧きますわ♪」

鈴谷「変なとこに親近感覚えないでよ」ニガワライ

熊野「衝突事故は懲り懲りですわ〜」フゥ

 

日向「あちらの海とこちらの海とでは勝手が違うのだろう。慣れてくれば衝突なんてことは無くなるはずだ」

伊勢「そうそう。そのために今練習航海してる訳だし」

三隈「ガッカリですわ〜」ガクリンコ

 

 そんな話をしていると、吹雪が少し言い難そうに口を開く。

 

吹雪「あの……ウォースパイトさんってイギリスの方ですよね? ドイツの艦娘の方々と仲良く出来るでしょうか?」

 

 吹雪の疑問は(もっと)もな疑問だった。

 イギリスは第一次、第二次と過去の世界大戦においてドイツと戦い、ウォースパイトからしてみれば敵国であった。更にはウォースパイト自身が廃艦となる原因になったのはドイツ空軍の誘導爆弾であり、妹艦のバーラム(クイーンエリザベス級戦艦の三番艦)をドイツ潜水艦に沈められたという経験もある。艦娘として生まれ変わっても過去の大戦の記憶が残っている艦娘は多い。吹雪はそのことを考えるとどうしても既に着任しているドイツ艦の艦娘達とウォースパイトが仲良く出来るかが心配なのだ。

 すると戦艦のみんなが「心配ない」と言いうように笑みを見せてから口を開いた。

 

アイオワ「それは大丈夫じゃないかしら? ミーが言える立場じゃないかもしれないけど、もし過去の大戦のことを引きずっているならミーはここでみんなから迫害を受けていてもおかしくないはずよ?」

 

金剛「過去のことは消せマセン。しかし、今のワタシ達は国同士の争いをしているのではなく、団結して深海棲艦と戦っているのデス。当時の思いを忘れることは無理デス……ガ、それに縛られていては何も解決しない。みんなが理解していることネ」

 

伊勢「私達はそうしたことを乗り越えて今を戦ってる……ウォースパイトだってそれは同じ思いだと思うわ」ニコッ

 

日向「現に我々がこうしてアイオワと協力し、友好関係も築けている。それに過去のことを持ち出しているなら、イタリアやローマもビスマルク達とは険悪な関係のはずだ。更に言えば、ザラやポーラはウォースパイトを見ただけで卒倒するだろう」

 

 戦艦達の意見を聞くと阿賀野がいつものように明るく切り出した。

 

阿賀野「過去は過去、今は今……みんなで協力するのが大切なんだもんね♪ だからきっと大丈夫だよ☆」キラリーン

能代「阿賀野姉ぇったら……」ニガワライ

叢雲「でも阿賀野さんが言ったことが全てだと思うわ。私達は同じ目的があるんだもの」ニコッ

吹雪「そうですよね……私、もう心配しません♪」

 

三隈「いい笑顔ですわ」ニコッ

熊野「わたくし達も吹雪さんのような笑顔で新しく着任する方々をお迎えしましょう」フフッ

鈴谷「みんなが仲良しなのが一番だよね♪」

最上「そうだね、せっかく艦娘として生まれ変わったんだから、今度は仲良く過ごしたいもんね」アハハ

 

 平和を愛する思いはみんなが同じ。だからこそ今度は手を取り合うことが重要だと改めて強く感じた金剛達だった。

 それからみんなは、時間が許す限り新しく着任する艦娘達の話題で盛り上がりったーー。




今回は金剛さんやウォースパイトさんについて語る艦娘達の一幕を書きました☆
私としては金剛さん、アイオワさんの英語力に対してウォースパイトさんの圧倒的な英語力を前にお二人の胃がとても心配ですが、そこはやはり私なりに平和で和気藹々とした関係を書きたいと思ってます♪
私個人的な考えですが、せっかくの二次創作なのでやはりみんなが笑顔で過ごすお話を書きたいので!

それでは此度も読んで頂き本当にありがとうございました!

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