艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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姉妹ほのぼの回。

キャラ崩壊、独自設定含みます。


艦これSS二百三十一話

 

 ○○鎮守府、一一○○ーー

 

 当鎮守府はつい先日に大本営が発令した大規模作戦を完遂させた。そのため、今はその海域に残る残存勢力の掃討へ移行していた。

 そのことにより鎮守府は大規模作戦中の厳戒態勢から平常時へ戻りつつあった。

 

 そんな中でも、いつも通りの鍛練を終えた木曾は夏という季節を感じながら部屋へ戻った。

 

 

 軽巡洋艦寮、球磨型姉妹の部屋ーー

 

木曾「帰ったぞ……って、寒っ! 何だよこの寒さ!」

 

 木曾は部屋に入ると、外と室内の温度差に思わず叫んでしまった。

 

球磨「クマ〜……」モコモコ

多摩「にゃ〜……」モコモコ

北上「アタシら勝ち組〜♪」モコモコ

大井「こんな過ごし方もありですね、北上さん♪」ギューッ

 

 大井を除く球磨、多摩、北上の姉三人はキンキンに冷えた部屋の中で毛布を被ってのんびりと寝転んでいた。

 因みに大井は寒いことを託つけて北上にこれでもかと抱きついていた。

 

木曾「」アタマカカエ

 

球磨「早く閉めろクマ〜」

多摩「部屋の温度が上がるにゃ……」

 

 不満そうに木曾を急かす球磨と多摩。木曾は頭痛を感じつつ、一先ずドアを閉めてエアコンの設定温度を確認した。

 

木曾(十度って……なんでこんな設定温度が……)

 

木曾(あ〜、夕張や明石に頼めばいくらでも融通はきくか……)

 

 自問自答した木曾は取り敢えずエアコンを切った。

 

球磨「何してるんだクマ〜!」

多摩「早くつけるにゃ!」

 

 当然の如く二匹の姉による猛抗議が来た。

 

木曾「あのな〜、いくら暑いって言ったって限度があるだろ……これじゃ冷蔵庫みたいなもんじゃないか。暑いならこんな極端なことしないで、せめて扇風機をつけたりとかにしろよ」

球磨「暑いから涼しくするのは当然だクマ!」

多摩「省エネなんて愚の骨頂にゃ。つけたり消したりする方が余計にコストが掛かるにゃ!」

木曾「だから限度があるだろって言ってんだよ、俺は……」ハァ

球・多『〜!』シャーッ

木曾「唸るな!」

 

 上の姉二人と末っ子が口論をしていると、起き上がった北上が口を挟んだ。

 

北上「まぁ、確かにちょっと涼しくし過ぎた感はあるよね〜。アタシは毛布と大井っちで心地良かったけど」

大井「やだぁ、北上さんったら〜♪」ニコニコ

 

球磨「むぅ〜……なら何か他で涼しくなる方法を教えろクマ」

多摩「ホラー以外でにゃ」←ホラー大嫌い

木曾「色々あるだろ……さっきも言ったが扇風機もつけるとか……」

球磨「扇風機は髪がバサバサして嫌だクマ」プイッ

木曾「……氷枕を使うとか……」

多摩「濡れるから嫌にゃ」プイッ

木曾「……他を挙げても全部拒否される気しかしないんだが……」

北上「まぁそうなるな」キリッ

大井「似てないですけど、可愛いです、北上さん♪」

北上(似てなかったのか〜……結構自信あったのに〜)

 

木曾「とにかく、扇風機もあるし、氷枕もある。それでも駄目なら水風呂に入るとか、色々あるんだから極端なことはするな」

球・多『ぶ〜、ぶ〜』

木曾「」ハァ

 

 木曾の言葉にブーイングをする球磨と多摩だが、もう一度エアコンをつけようとしないのは、二人がちゃんと木曾の言葉を考えている証拠とも言えるのである。

 

大井「涼しくなるかは分かりませんけど、そろそろお昼ですから涼しくなるお料理でも作りましょうか?」

球・多『それだクマ(にゃ)っ!』

 

木曾「俺の頑張りは一体……」ガックシ

北上「まあまあ、気にしなぁい気にしない♪」ナデナデ

 

 大井の言葉に大賛成した球磨と多摩。それを見てガックリとうなだれる木曾を慰める北上だった。

 

 

 共同厨房ーー

 

 そんなこんなでお昼御飯の準備をするため、大井は寮の共同厨房へやってきた。北上と木曾も大井のお手伝いとして一緒にきた。

 

北上「いやぁ、外は温かいね〜♪ 毛布いらないもん♪」

大井「あの部屋が異常だったのが良く分かりますね」ニガワライ

木曾「涼しいじゃなくて寒いだったからな……」トオイメ

 

北上「んでさ〜、お昼は何にするの〜? 冷たい料理っぽいのはなんとなく理解してるんだけど……」

木曾「俺も知りたいな」

大井「これです♪」

 

 そう言って大井が取り出したのはそうめんだった。

 

北上「おぉ〜、そうめん……」

木曾「確かに涼しい料理だな」

大井「それだけじゃありませんよ♪」

 

球磨「酒保から流しそうめんの機械、借りて来たクマ〜……」

多摩「暑かったにゃ……今も暑いけど……」

 

 酒保から戻って来た球磨と多摩は汗だくだった。そしてその手には何も持っていなかった。

 

北・木『???』

大井「姉さん?」ニッコリ

球磨「ちょ、ちょっと待つクマ!」

多摩「もうすぐ来るのにゃ!」

 

「球磨、多摩、運んで来たぞ。私だけで勝手にみんなの部屋に入ることは出来ないから、二人も一緒に来てくれ」

 

 流しそうめんの機械が入っている箱を持って球磨達にそう声をかけたのは提督だった。

 

北上「わぁ、提督じゃん♪」

木曾「提督に運ばせるなよ……すまねぇな、提督」

提督「気にしないでくれ」ニカッ

球磨「球磨達は悪くないクマ! 提督のぜ・ん・いで運んでもらったんだクマ!」

多摩「お昼に誘ったら運んでくれたにゃ」ピース

 

大井「」←フリーズ中

 

提督「せっかくのお誘いだからな。すまないが私もご馳走になるよ」ニカッ

大井「しししし仕方ないでですすねっ!////」

 

北上(まだ再起動から抜けてないな〜)ニヤニヤ

球磨(いつものことクマ)フッフッフー

多摩(提督が居る間はずっとああなってるにゃ)ニシシ

木曾「」ニガワライ

 

大井「こほん……提督もご一緒と言うことでプランが変わりました。天ぷらも作ります。麺つゆだけではあれなので他にもそうめんに合う物もご用意します。提督のせいですからね……提督が来てくれたのが嬉しいからこんなに用意するんじゃないんですからね!?////」←テンプレ

提督「いつも何かと気を遣わせて悪な。ありがとう、大井」ナデナデ

大井「なな、撫でないでくれませんかありがとうございます!♡////」←混乱

 

北上「(提督が居るといつも豪華な食卓になるね♪)」ヒソ

球磨「(大井も喜び、球磨達も喜び、提督も喜ぶ。全員がWin-Winだクマ)」ヒソヒソ

多摩「(提督があれでも気付かないのが不思議だにゃ〜)」ヒソヒソヒソ

木曾「内緒話はいいから姉貴達も早く手伝ってくれ」キソー

 

 こうして提督も加えた球磨型姉妹のお昼御飯は流しそうめんだけでなく、シイタケ、マイタケ、サツマイモ、カボチャ、エビ、カニ、かまぼこと言った各種の天ぷら盛りが加わり、更には麺つゆだけでなく、カレー、ごま味噌ダレとバリエーション豊かなタレも揃った豪華な食卓になった。

 

 そして提督が美味しそうに食べる姿を大井は恍惚とした表情を浮かべて自分で食べるのも忘れて見つめていたというーー。




今回は球磨型姉妹で日常的なお話を書きました!
大規模作戦成功をさらっと書いたのはご了承ください。

そして本編には出せませんでしたが、今日は弥生ちゃんの竣工日です♪ おめでとう!

ではでは、読んで頂き本当にありがとうございました!

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