艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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戦艦のみ。

キャラ崩壊含みます。



艦これSS二十話

 ○○鎮守府、朝ーー

 

 中庭ーー

 

金剛「では皆サーン、準備は良いデスカー? ここだけの一発勝負デスヨー?」

大和「戦艦大和。推して参ります!」

長門「ビッグセブンの力、侮るなよ!」

扶桑「いけるかしら」

伊勢「航空戦艦伊勢、出撃します!」

ビスマルク「ビスマルクの戦い、見せてあげるわ!」

 

 やる気満々でそう言うのは少し前に着任したビスマルク型戦艦のネームシップ、ビスマルクである。

 ドイツ出身でドイツ人らしい凛々しさと強さを持つ戦艦である。

 

リットリオ「これが主力艦同士の艦隊戦……そうなのね、これが……」シミジミ

 

 ビスマルクとは違い興味深く状況を見詰めるのは、つい最近着任したヴィットリオ・ヴェネト級戦艦二番艦、リットリオだ。

 イタリア出身でイタリア人らしく、陽気で明るいその性格故、すでに艦隊に馴染んでいる戦艦だ。

 

 今日彼女達は大規模作戦前並みに思考を巡らせている。

 その理由とはーー

 

ビスマルク「これに勝てばアトミラール……提督の部屋が一番ハッキリと見える寮室へ移れるわ!」

リットリオ「気合い十分なとこ悪いけど、これは譲れないなぁ♪」

 

 そう彼女達は来月の戦艦寮の部屋決めの真っ最中。

 

 戦艦寮は他の艦娘寮と比べると、鎮守府本館にある提督の自室と向かい合わせになっている。

 その為、提督の自室と綺麗に向かい合わせの部屋になると、その部屋の窓から提督の部屋を一望出来るのだ。(双眼鏡で見ると)

 

 そこで戦艦寮に住む者達はそれぞれの部屋長がその部屋を賭けて、月末になるとこうして激しい争いを繰り広げるのだ。(ビスマルクは重巡洋艦のプリンツと生活している)

 

 最初は演習のバトルロワイヤルで決めていたが、戦艦が総当たり戦をするのはあまりにも危険なの為、彼女達はゲームで勝敗を決めるように定めた。

 

 ルール

 勝敗がハッキリと分かるもの。

 ゲームは先月の勝負でビリだった者が決める。

 

 という規約のもと、彼女達は来月の部屋を賭けてポーカーで壮絶なバトルを繰り広げる!

 

金剛「それはワタシ達も同じネー!」

大和「ポッと出なんかに提督は渡しません!」

長門「そうだそうだ! ポッと出!」

伊勢「気持ちは分かるけど二人共落ち着いて……」ニガワライ

扶桑「そうよ。もう少し気楽にいかないと……」ニガワライ

 

長門「なら、お前達はこの勝負を降りて良いんだぞ?」

大和「そうですね。そこまで冷静に対処出来るなら、我慢も出来ますよね?」

金剛「どーするデース?」

伊・扶『やります……!』

 

金剛「では公平にジャンケンで決めた順に捨て札を決めてドローしていきまショウ! 交換は一人一回ずつとしマース!」

ビスマルク「じゃあ私からね!」

     (私の手札は五のスリーカード……ここは一枚を交換してフルハウスを狙うのが一番ね)

 

 カード交換中ーー

 

ビスマルク(揃わなかったけどスリーカードならまずまずね)

金剛(流石はドイツ艦ネー……全く表情に出まセーン)

大和(少しホッとした眼差しになりましたね)

長門(ポーカーフェイスが様になってるな)

 

伊勢「次は私ね……えーっと……」

  (七のワンペアか……提督のお部屋を一望出来ないのは残念だなぁ。ワンペア残して二枚交換しよ)

 

 カード交換中ーー

 

伊勢(あ、七が来たからスリーカード! やったぁ!)ニコ

扶桑(何か揃ったみたいね……)

リットリオ(可愛い笑顔♪)

ビスマルク(勝ったわね……)ドヤァ

 

長門「では、私だな……」

  (クイーンとエースのツーペアか……ならばツーペア残しで一枚を交換だな)

 

 カード交換中ーー

 

長門(ハートのエース!! これでフルハウスだ!!)グッ

ビス・リオ『(分かりやすい……)』

金剛(揃ったみたいネー……)

扶桑(良い笑顔だわ……)

 

リットリオ「じゃあ次はリットリオの番~♪」

     (うーん……ジョーカーはあるけど他が揃って無いなぁ……じゃ、ジョーカー残して全部交換♪)

 

 カード交換中ーー

 

リットリオ(うん♪ キングのスリーカードでジョーカー入れてフォーカード……上出来ね♪)

大和(常に笑顔だから、全く読めませんね)

ビスマルク(分からないわ……)

伊勢(楽しそうだなぁ……)

 

扶桑「では、私が……これは……」

  (三と四のツーペア……ここは交換で三のワンペアと残り一枚を交換しましょうか)

 

 カード交換中ーー

 

扶桑(また三のワンペアが……)フフ

 

金剛(ワッツ!? 扶桑が笑ったデス!)

大和(あの扶桑さんが……!?)

長門(揃ったと言うのか!)

伊勢(どっちなのその笑みは!)

ビスマルク(わざとという手もあるわ……でも……)

リットリオ(なかなかやりますね、スィニョリーナ扶桑)フフ

 

大和「推して参ります!」

  (八から十揃いのジャックのワンペア……ジャック一枚を切ってストレート狙い!)

 

 カード交換中ーー

 

大和「」チーン

長門(大和、お前のことは忘れないぞ!)

伊勢(最高の戦艦だったよ……)

扶桑(私達の誇りよ……)

ビス・リオ『南無三』人

 

金剛「最後はワタシデース!」

  (と言っても、見事に数が揃ってないデス……スペードだけ三枚ありマスから、フラッシュ狙いネー!)

 

 カード交換中ーー

 

金剛「イエスッイエスッ!」グッ

全員『(何っ!?)』カッ

 

金剛「では勝負デース!」キラキラ

 

金剛→スペードのフラッシュ

大和→ブタ

長門→フルハウス

扶桑→ツーペア

伊勢→七のスリーカード

ビスマルク→五のスリーカード

リットリオ→キングのフォーカード

 

リットリオ「え、リットリオが一番ですか? やだ、ありがとうございます。少し照れますね」ピース

 

金・大・長・ビス『』ガクッ

 

扶桑「あらあら」オロオロ

伊勢「気にしなくて良いと思うよ」ニガワライ

 

 

 

 斯くして、此度の戦は新参のリットリオが制したのであった。

 

 中庭の端ーー

 

提督「みんな仲が良いなぁ」ニコニコ

陸奥「内容は幼稚だけどね……」

武蔵「身内の恥さらしめ……」

比叡「金剛お姉さま~!」タタタタッ

 

提督「そう言えばみんなは行かなくて良いのか?」

陸奥「良いわよ。それにこうして提督とお話してる方が良いわ♪」

武蔵「同感だな」ニッ

榛名「榛名は大丈夫です♪」

霧島「比叡お姉さまが行きましたから大丈夫かと」ニコ

ローマ「行かなくても結構よ。どうせあちらから来ますから」

 

 リットリオの妹でヴィットリオ・ヴェネト級戦艦四番艦、ローマ。

 姉のリットリオとは違い、人見知りが激しくクールな物言いだが、霧島や鳥海とは既に意気投合している。

 

リットリオ「提督~♪ リットリオ、勝ちました♪」ガバッ

ローマ「なら双眼鏡を買わなければいけないわ」

リットリオ「そうね♪ 良いの買いましょ♪」

提督「何の話だ?」

リットリオ「それはヒ・ミ・ツ……です」ニコニコ

ローマ「それより姉さん、そろそろ提督から離れたらどう?」

リットリオ「もう少し~♪」

提督「……これは参ったな」アハハ

 

 こうして鎮守府の面々は、平和な時を過ごすのであったーー。




な~んか微妙な落ちでしたがご勘弁を!
頭脳戦は難しいですね!

しかし、どうして艦これの眼鏡女子は武闘派揃いなのか……。

読んでいただき本当にありがとうございました!

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