艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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駆逐艦メイン。

若干真面目なシーンも含みます。


艦これSS十九話

 ○○鎮守府、二○○○ーー

 

 駆逐艦寮、一室ーー

 

曙「」ソワソワソワソワ

 

 部屋に備え付けられた鏡台に座り、先程から落ち着きなく自身の顔とにらめっこしている曙。

 

朧「何あれ?」

潮「どうしたのかなぁ?」

漣「~~~~っ」プルプル←笑いを堪えている

 

 先程からの曙の様子を見ているのは、曙の姉妹艦である。

 

 朧:綾波型駆逐艦の七番艦。

   自分に絶対の自信を持ち、姉妹を引っ張る頼れる七女。

 

 漣:綾波型駆逐艦の九番艦。

   いたずらっ子でよく姉妹を振り回すが明るく元気な九女。

 

 潮:綾波型駆逐艦の十番艦。

   柔和で心優しくちょっぴり臆病な十女。

 

朧「漣はなんでさっきから笑いを堪えてるのさ?」

漣「だって……くふふ……」プルプル

潮「曙ちゃんと何か関係あるかな?」クビカシゲ

曙「うざい!」スパーン

漣「あうち!」

曙「何なのよ! あんたはさっきから!」フンス

朧「それは曙にも言えることだよ」

潮「」コクコク

曙「あ、あんた達には関係無いわよ!」

 

漣「明日はボノボノちゃんがご主人様の秘書艦だから、頑張ってスキンケアしてるんだよね?」ニヤニヤ ヌッ

曙「」ドゥフ!

漣「」チーン

朧「無言でノーモーションの腹パンか……」ウンウン

潮「漣ちゃんが……!!」オロオロ

曙「寝かしときなさい。起きたらうるさいだけだからね」フン

 

朧「というか、曙は明日秘書艦だからさっきからソワソワしてたんだね~♪」

潮「曙ちゃんは提督のこと大好きだもんね♪」

曙「う、ううううう、うるさいわね! わざわざ言わなくていいのよ!////」カオマッカ

漣「いつもボノボノちゃんは寝る前にご主人様の写真におやすみを言ってから寝てるもんね~」ボロッ ヌッ

曙「」スパーンスパーンスパーン

漣「」ゴーン

朧「相手を高く蹴り上げてからの空中かかと落とし、からのニー・ドロップか……」シミジミ

潮「漣ちゃ~~~ん!」アワアワ

 

漣「い、良い連撃だったぜ……名前はボノボノちゃんなのにやることがアライグマくんだよ……」オウフ ボロボロ

曙「轟沈したいならさせるけど……?」ゴゴゴゴゴ

朧「まあまあ、落ち着いて」ポンポン

潮「えと……こういうときは……あっ、や、止めて曙ちゃん、漣ちゃんのライフポイントはもう0よ……だっけ?」

漣「ちょ! うっしー!?」ギョッ

曙「HA☆NA☆SE! ってなっても良い流れかしら?」ニヤリ

漣「止めてください。オナシャス」ドゲザ

曙「もう良いわよ」フン

漣「あざーっす!」

 

 艦娘落ち着き中ーー

 

潮「提督ならいつもの曙ちゃんで大丈夫だよ」ニコニコ

朧「クソ提督って言わなければ尚良しだけどね」ニコ

曙「うるさいわね……あたしだってそれは気にしてるんだから言わないでよ……」イジイジ

漣「だったら次こそはちゃんと謝りなよ~」

曙「謝りたいけど……あいつの顔を見るとつい……」

漣「にやけちゃって思わず悪態を晒してしまうんですよね、分かります」キラッ

曙「」カチャ←魚雷発射管用意

漣「……でも、本当のことでしょ? それじゃいつまで経ってもご主人様と仲良くなれないじゃん……」ガクブル

曙「……じゃあ、どうしろって言うのよ~!」ブワッ

 

朧「あ、曙!?」

潮「曙ちゃん!?」

漣「ボノボノちゃん!?」

 

曙「あいつはぁ……ひぐっ……あたしが、どんなに……っ……悪口を……ぐすっ、言っても……いつも、ぐすぐすっ……笑ってて……『いつも私を諌めてくれてありがとう』って……ひっく……言うんだ、もん……」グシグシ

朧「曙……」

潮「曙ちゃん……」

漣「ボノボノちゃん……」

 

 それから少し経って、曙はやっと泣き止んだ。

 

朧「落ち着いた?」ヨシヨシ

曙「……うん」グスッ

潮「一人でずっと悩んでたんだね」ヨシヨシ

曙「…………」

漣「本当は分かってるんでしょ?」

曙「」コクリ

 

漣「なら、早くその泣き腫らした目を治さなきゃね!」ニコ

曙「……うん」

朧「じゃあ、少し早いけどもう寝よっか」ニコ

潮「頑張ってね、曙ちゃん」ニコニコ

曙「ありがと……」

朧・漣・潮『』ニコ

 

 翌朝ーー

 

 執務室へ繋がる廊下ーー

 

曙「だ、大丈夫かな……?」

朧「曙なら大丈夫だよ!」ニコ

潮「目も腫れてないし、いつもの曙ちゃんだよ」ニコニコ

漣「朝イチで謝ればおk!」キリッ

曙「分かった……あたし、頑張rーー」

 

 ポスーー何かにぶつかった。

 

朧・漣・潮『あっ』

提督「おぉ、すまないな曙」

曙「スゥー…………ハァー…………こ、ここ、こんのぉ! クソ提督~~!////」パシ

 (なんで男のクセにこんな良い匂いしてるのよぉ~~!////)

朧(匂い嗅いだね……)ニヤニヤ

潮(クンクンってした……)ドキドキ

漣(匂いで識別した……)ニシシ

 

提督「ととっ……! 謝ったじゃないか……」ウケトメ

曙「受け止めるな!//// 良いから一発殴られなさい!////」

 (提督に手握られてる~!////)

朧(喜んでる顔だね……)ニヤニヤ

潮(見詰め合ってる……)ドキドキ

漣(ktkw!!)ニシシ

 

提督「……分かった。私の至らぬ行いが招いた結果だ。潔く受けよう」グッ

曙「え、ちょ……まっ……!!!?////」

 (顔近付けすぎよ……よく見ると二重なのね……じゃなくて////!)

朧(見てる見てる……)ニヤニヤ

潮(このまま見てて良いのかな……?)ドキドキ

漣(今でしょ!)ニシシ

 

提督「どうした?」

曙「…………も、もういい! さっさと仕事するわよ! 今日はあたしが秘書艦なんだから、他のみんなみたいに甘やかさないだからね、クソ提督!////」

 (やっぱ面と向かって謝るなんて無理!////)

朧(誤魔化した……)

潮(曙ちゃん……)

漣(ガッカリだよ……)

 

提督「曙はいつも私の悪い点を補ってくれるからな……いつも感謝しているよ。本日もよろしく頼むよ」ニコ

 

曙「…………こっちこそ、いつもあたし達の為に頑張ってくれて、ありがと……」プイッ

朧・漣・潮『おぉ~』カンドウ

 

提督「……曙からそう言われるのは嬉しいな。よし、一層やる気が湧いたよ。その評価に恥じない働きをしよう!」ニッ

曙「ふ、ふん! せ、精々頑張りなさい、このクソ提督!」ニヘヘ

朧(良い笑顔だ)ウンウン

潮(曙ちゃん、可愛い)ニコニコ

漣(萌え死ぬ……)b

 

曙「じゃああんた達、あたしは仕事に行くわね!」ニカッ

朧・漣・潮『いってらっしゃい♪』

 

\ホラ イクワヨ クソテイトク! アァ ソウダナ/

 

朧「謝るってのは出来なかったけど……」

潮「素直にお礼言えたね♪」

漣「何も言えねぇ……」グッ

 

 

曙「ほら、キリキリ歩きなさい!」

提督「あぁ、分かったよ」ニコ

曙(謝るのは今のあたしじゃ、もう少し時間をもらわないと出来ないみたい……だから……)

 

曙「」ジー

提督「ん? どうした?」

曙「なんでもないわよ!」プイッ

提督「???」クビカシゲ

 

 

 

曙(今は『ごめんね』の代わりに『ありがとう』って言うわね! あたしの大好きな……クソ提督!)ニコニコ

 

 

 

 その日、曙はいつも以上に気合いを入れて仕事に励んだという。

 

 

 

 その翌日、提督にご褒美として膝にの上に座り頭を撫でることを要求し、それを満面の笑みでされている写真が『アオバタイムズ』の一面を飾り、青葉が謎の大破をしたのはまた別の御話ーー。




曙ちゃんメインなお話になってしまいましたがご了承を。

いつか満潮ちゃんや霞ちゃんメインのお話もあげたいと思ってます!
こういったツンデレキャラが筆者は大好きなんです! はい!←落ち着け

読んでくれて本当にありがとうございました!

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