艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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正規空母メイン。

キャラ崩壊、独自設定含みます。


艦これSS百八十六話

 

 ○○鎮守府、○九○○ーー

 

 執務室ーー

 

赤城(本日秘書艦)「はぁ……」

提督「大丈夫か、赤城?」

赤城「あ、私ったらつい……お仕事中なのにごめんなさい」

提督「……そういえば赤城は梅雨が苦手だったな」

赤城「……はい。雨で艦載機も飛ばせませんし、雨だと洗濯物も乾きにくいですし、引きこもりがちになってしまいますし……それに過ぎたことですがいい思い出もありません」ニガワライ

提督「…………」

赤城「あ……ごめんなさい。愚痴をもらしてしまって……」

提督「……赤城」

赤城「は、はい」

提督「ちょっとこっちへ来なさい」

赤城「はい……」

 

 赤城は私に怒られると思ったのか、明らかに肩を落とし足取り重く私の側へ来た。

 

提督「」スッ

赤城「」ビクッ

 

 ぽふっ

 

赤城「え」

 

 私は側へ来た赤城の頭を優しく撫でた。

 そして戸惑いの表情を浮かべる赤城に言い聞かせるように私はゆっくりと口を開く。

 

提督「大丈夫……今の赤城はちゃんと私の目の前に居る。過去の事は消せないが未来は変えられる。この時期が苦手なら、これから楽しい思い出を作ればいい」ナデナデ

赤城「提督……」

提督「我々は深海棲艦との戦争中だが、それ以外なら普通の人々と同じくらい楽しい思い出を作れるだろう」

赤城「」

提督「私はお前達を誰一人として沈めたりはしない。皆の笑顔を奪わせはしない。だから笑って過ごしてほしい」ニッコリ

赤城「……はい!」ニパッ

 

 私の言葉に赤城は今日一番の笑顔を見せてくれた。

 

提督「そうだ。やはり笑顔が一番だ」ナデナデ

赤城「はい♡」ニヨニヨ

 

山城「それは『笑顔』じゃなくて『ニヤけ面』ね」ヌッ

加賀「ごめんなさいね、笑顔が出来なくて」ヌッ

 

赤城「きゃっ!? か、加賀さん!? 扶桑さん達まで!?」

提督「おぉ、皆来ていたのだな」

扶桑「一度ノックをしたのですが、お返事がなかったので勝手に入ってしまいました。申し訳ありません」ペコリ

山・加『二人の世界に浸っていた間にお邪魔しました』

 

赤城「まったく気が付かなかったです////」ハゥ

山城「貴女が提督に頭を撫でられて『大丈夫』と優しく声をかけてもらっていたところからずっと居たわよ」

赤城「うぅ〜////」

  (殆ど最初の方じゃないですか////)

加賀「私達の顔に何かついていて?」

赤城「何もありません////」プイッ

加賀「そう……ところで提督」

提督「? 何かな?」

  (いつもより眼力があるな……)

 

加賀「その……私も、梅雨の季節は苦手なのだけれど?////」ソワソワ チラッチラッ

山城「わ、私だって苦手なんですよ?////」オズオズ

 

扶桑「」クスクス

赤城「////」←ずるいと言いたいが言えない

 

提督「勿論、二人も大丈夫だ」ナデナデ

加賀「赤城さんのように甘い言葉はかけてくれないのね。私が笑顔ではないからかしら?」

山城「やっぱり赤城さんだったからですか?」

提督「何を言う。赤城だからとかではない。全員一人一人が私の大切な存在だ」

 

加賀「っ……そう、ならいいのだけれど♡////」キラキラ

赤城(加賀さん、ちょろ過ぎです……)ニガワライ

 

山城「仕方ありませんね♡////」キラキラ

扶桑(乙女の顔ね……)クスクス

 

加賀「ん……良い力加減です……この調子でお願いします♡」トローン

山城「んぁ……気持ちいいです……はぅ♡」ハニャーン

赤城「む……そういえば! 皆さんは何か執務室に用事があったんじゃないんですか?」ニコニコ

 

提督「おぉ、そういえば聞きそびれていたな。皆どうしたんだ?」ナデコナデコ

加賀「はい……んっ、今日の訓練のことで少々ご相談が……ん♡」デレデレ

山城「えぇ……んぁ、同じ理由です……んんっ♡」デレデレ

赤城「提督もいい加減その手を離してください」

扶桑「あらあら」ニガワライ

 

提督「ん、そうだな」パッ

加賀「(もっと撫でていてほしいのだけれど////)」ボソッ

山城「(……余計なことを)」ボソッ

赤城「」ギロリ←一航戦の眼光

 

扶桑「え、え〜とですね……本日も雨が降っていますが空母の方々は荒天時運用の訓練として、私達は荒天時の対空訓練として、合同で野外訓練を行っても良いでしょうか? というご相談に参りました」

 

 山城と加賀が何かつぶやいたがそれに鋭い眼光を向けた赤城。それを見た扶桑が少し早口になりながらそう説明した。

 

提督「ふむ……それは構わないが体を冷やして風邪を引かないよう、十分に気を配ってくれ」

赤城「ちゃんと雨具を装備して行ってくださいね?」

扶桑「はい。お心遣い感謝します」ニコッ

山城「ちゃんとみんなにはカッパを着用させますから」ニコッ

加賀「流石に長時間の訓練という訳ではないので大丈夫かと。皆、優秀な娘達ですから」

提督「無理のないようにな?」

赤城「慢心してはいけませんよ?」

扶・山・加『はい』

 

 私と赤城の言葉に扶桑達が敬礼して返した。そして三人は改めてお辞儀をしてから執務室を後にした。

 

赤城「それでは提督、私が作業を止めておいてなんですが、私達もお仕事再開しましょう」

提督「ははは、赤城は何も気にするな。改めて本日の秘書艦任務をよろしく頼むよ」

赤城「はい♪」ニッコリ

 

 その後、赤城は始めの時とは打って変わってキラキラと輝く笑顔で秘書艦任務をこなしていった。




今回はちょっと真面目回+お砂糖盛りの赤城さんメインのお話にしました!

読んで頂き本当にありがとうございました!

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