艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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はじめまして! の談。

キャラ崩壊含みます。

ちょっと長めです。


艦これSS百七十五話

 

 ○○鎮守府、○九○○ーー

 

 執務室ーー

 

提督「」カリカリ

 

 私は時計を見て時間を気にしながら仕事をしていた。

 何故なら今日は先日のアイオワに続き、新しい艦娘が着任する予定だからだ。

 

 私は机の上に置いてある資料を手に取り、もう一度その内容を確認した。

 

 イタリア艦・重巡洋艦ザラ級、三番艦、ポーラ。

 大まかな詳細の後に記載されている主な性格の欄ーー

『ザラの妹であるが性格は少し抜けている』

『お酒(特にワイン)を好んで飲む』

『飲酒後の行動に注意!』

ーーと書かれている。

 

提督(事前にザラにも聞かされているしザラもプリンツ達に協力してもらって飲酒や飲酒後の行動には目を光らせると言っていたからその点はまぁ、大丈夫だろう)

 

 そしてステータスのところに書いてあるが、改修を行わないと雷装がないと書かれている。

 

提督(明石にまた一仕事頼むことになりそうだ。ポーラ本人が雷装を積みたいか訊く必要もあるが……)

 

 コンコンーー

 

提督(来たかな?)

  「入りなさい」

 

 ガチャーー

 

那智(本日秘書艦)「失礼するぞ」

 

提督「何かあったか那智?」

 

那智「その何かを連れてきた」ニガワライ

提督「?」

 

那智「ほら、中に入って自己紹介を」

「はい〜」

 

 那智の言葉に返事をして姿を現したのはーー

 

ポーラ「Piacere(はじめまして)〜。ザラ級重巡の三番艦~、ポーラです~。何にでも挑戦したいお年頃。頑張ります〜」

 

提督「」

 

ーー今日着任することになっていたポーラだった。

 

提督「……私がこの鎮守府を任されている提督だ。日本の生活はまだ慣れないだろうが、その点はしっかりとサポートすることを約束しよう。これからよろしく頼む」

ポーラ「はい〜、頑張りま〜す♪」ニコニコ

 

提督「時にポーラ、一つ質問してもいいかな?」

ポーラ「なんですか〜?」キョトン

提督「君はどうやってこの鎮守府へ来たのかな?」

ポーラ「最初は〜海から行こうとしたんですけど〜、大本営の人に〜、『君達は心配だからカ号で送ろう』って言われてそれぞれの空路で運ばれて来ました〜。沢山カ号っていう飛行機があってびっくりしました〜」

提督「空路か……だから今朝に元帥殿から『今日そっちに何機かカ号通るけど気にしないでくれ』と連絡があったのか」

那智「流石に軽過ぎないか?」ニガワライ

提督「まぁ、元帥殿的にはイタズラ心が働いた結果だろう」ニガワライ

 

ポーラ「あのぉ〜」ノ

提督「あぁ、すまない。何かな?」

ポーラ「こちらの鎮守府に着任が決まった時に〜、こちらの鎮守府に所属してる艦娘さん達の名簿もあったんですけど〜、ザラ姉様は何処でしょうか〜? 久しぶりに会いたいです〜」

提督「あぁ、ザラは鎮守府の埠頭で待機しているよ。予定通りならポーラは海から来るはずだったからな」ニガワライ

ポーラ「あら〜」

提督「今こちらに呼ぶからそこのソファーに座って待っていなさい。那智、連れてきてくれてありがとう」

那智「これくらい気にするな。では私は艤装開発任務に戻るぞ。ポーラもまた後でな。今度は私の姉妹も連れて、改めて自己紹介しに行くよ」

ポーラ「Ci vediamo(またね)〜♪」ノシ

 

 こうして色々と予定が狂ったものの、ポーラは無事に着任した。

 私は透かさず通信機(スマホ)で埠頭で待たせているザラとプリンツに連絡を入た。

 案の定二人は驚き、執務室へ向うという流れになった。

 

提督「今こちらに向かっているからもう少しだけ待っていてくれ。何か飲むかい?」

ポーラ「頂けるならワインがいいです〜♪」

提督「ほう……話に聞いていた通り、お酒好きみたいだな。だがあいにく執務室にはお酒の類は無いんだ。我慢してくれ」

ポーラ「なら後で飲みま〜す」ニコニコ

提督「飲むのは構わないが節度ある飲み方をしてくれよ? そうでないと私は君に『禁酒命令』を出さなくてはいけなくなってしまう」

ポーラ「えぇ〜! そんなのヤです〜!」ヤンヤン

提督「私もそんなことはしたくないよ。だからそうなることがないよう、程々に飲むことを心掛けてくれ」

ポーラ「は〜い……」

 

 余程お酒が好きなのだろう、私の言葉でポーラからは先程までの笑顔が消えてしまった。

 まるで捨てられた子犬のようなそんな寂しそうな顔をされるのは個人的に避けたいので、私はポーラにゆっくりと近付きポーラの頭を優しく撫でた。

 

提督「そんな寂しい顔をするな。何も飲んでいけないとは言ってないだろう?」ナデナデ

ポーラ「でも〜」

提督「周りに迷惑を掛けずに飲むなら私はとやかく言わないさ」

ポーラ「本当に〜?」ウワメヅカイ

提督「あぁ、本当だとも。流石に任務中とかに飲むのは見過ごせないが、そういったことを守れると約束するなら飲んでいい」ニコッ

ポーラ「約束しま〜す♪」エヘヘ

提督「ん、ポーラはいい子だな」ナデナデ

ポーラ「ポーラは〜元々ぉ、いい子で〜すよ〜♪」ゴロゴロ

提督「あはは、そうだな」ナデナデ

ポーラ「はい〜♪」ゴマンエツ

 

 コンコンーー

 

提督「お、来たようだな。入りーー」

ポーラ「撫で撫で止めちゃヤ〜!」ギューッ

提督「ととっ、ポーラ……」

ポーラ「うぅ〜……」ウルウル

提督「……分かった」ナデナデ

ポーラ「にへへ〜♪」

 

ザラ『提督〜? 大丈夫ですか〜?』

 

提督「あぁ、問題ない。入りなさい」

 

 ガチャーー

 

ザラ「失礼します……っ!?」

プリンツ「? ……!?」

 

ポーラ「Da quanto tempo(久しぶり)〜!」ノシ

 

ザラ「Da quanto tempo……ポーラ、どうして提督から頭を撫でられてるの?」

提督「あぁ、これはだな〜……」

ポーラ「ポーラいい子だから撫で撫でされてるの〜♪」ドヤァ

ザラ「」ハァ

プリンツ(いいなぁ〜……)

 

ザラ「……とにかく、着任早々妹がご迷惑をお掛けしてごめんなさい」ペコリ

提督「いや、気にしないでくれ。元々は元帥殿の茶目っ気が起こしたことだからな」

プリンツ「あはは……」ニガワライ

ザラ「お心遣い感謝します……さぁ、ポーラ。提督はお仕事があるから、後はザラとこちらのドイツ艦、プリンツちゃんと一緒に荷物整理をして、鎮守府を案内するわ」

プリンツ「ここの鎮守府での過ごし方も教えるね♪」

ポーラ「は〜い♪ でも、もう少し撫で撫でされてたいから、あと五分待って〜♪」

提督「」ニガワライ

 

ザラ「ポーラ?」←低音Vo.

ポーラ「!?」ビクッ

プリンツ「」ビクッ

提督「」オォー

 

ザラ「提督はお仕事で忙しいの……だからザラ達と行きましょう、ね"?」←絶対零度の眼差し

ポーラ「わ、わ〜い……ザラ姉様と行く〜」スタッ

プリンツ(ザラちゃんって怒ると怖いんだぁ……)

提督(普段温厚なザラが……流石は重巡洋艦だな)

 

ザラ「Vieni(おいで)♪」ニッコリ

ポーラ「わ〜い、ウレシイナウレシイナー」ガクブル

プリンツ「」ニガワライ

提督「ザラ」

ザラ「あ、はい。どうしました?」

提督「ポーラはまだ日本に来て日が浅い。二人任せで悪いがポーラをよろしく頼むよ」ナデナデ

 

ザラ「っ……はい! ザラ、ポーラの為、そして提督の為に頑張ります!」キラキラ

プリンツ「えへへ、任されました♪」ニコニコ

ポーラ「あんまり気合い入れて頑張らなくても〜……」

ザラ「え、ポーラ何か言った?」←絶対零度の眼差し

ポーラ「ナニモイッテマセンデスハイ」

提督「」ニガワライ

 

 こうしてまた新たな仲間ポーラを加え、我が鎮守府は更に賑やかになりそうだーー。




ポーラさん着任の回終わりです!
ザラさんのキャラ崩壊にはご了承を。

読んで頂き本当にありがとうございました!

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