艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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重雷装巡洋艦のみ。

キャラ崩壊含みます。


艦これSS百七十二話

 

 ○○鎮守府、一四○○ーー

 

 執務室ーー

 

 コンコンーー

 

提督「入りなさい」

 

 ガチャーー

 

大井(本日秘書艦)「失礼します。提督、頼まれた書類を大淀さんにちゃんと提出してきました」

 

提督「あぁ、ありがとう。ならば大井は少し休むといい。今はこれと言って秘書艦に頼むことがないからな」

大井「分かりました、ではお言葉に甘えて少し席を外します。何かありましたら連絡してください」

提督「あぁ、分かった。ゆっくりするといい」ニカッ

大井「い、いぃ、言われなくても、そそそっ、そうします////」プイッ

 

 大井は提督から向けられた笑顔で自身の顔が熱くなるのが分かり、思わず提督から顔を背けて素っ気なく返した。

 それでも提督は変わらず笑顔で頷き、大井は平静を装いつつ執務室から逃げるように退出した。

 

 

 鎮守府本館・廊下ーー

 

大井(あ〜もう! 私ったら何でいつもこうなの!?)

 

 大井は廊下をズカズカと歩きながら自身の先程の行動を深く後悔していた。

 

大井(せっかく提督が私にだけ笑顔を向けてくれたのに〜!////)

 

大井(何であそこで自分も笑顔を返さなかったのよ〜!////)

 

 自身の情けなさを悔むあまり、大井は頭を抱えた。そしてまるでヘビーメタルの曲を聴いているかのように激しく頭を前後に揺らしていた。

 

大井(ああぁぁぁぁ!)グワングワン

 

「何してるの、大井っち?」

 

大井「( ゚д゚)」ハッ!

 

 その聞き慣れた声が大井を我に返させた。

 

北上「やふ〜♪」ノシ

 

 いつの間にか大井の目の前には北上が立っており、いつものように手を振って微笑んで居た。

 

大井「北上さ〜ん♪」

 

 タッタッタッ……むぎゅっ♪

 

 大井もいつものように北上に駆け寄り、盛大に抱きついた。

 そしてそんな大井を北上もいつものように受け止める。

 

北上「ぅわっ、ととっ……大井っちは相変わらずスキンシップが情熱的だね〜」

大井「北上さんだからです〜!」スリスリ

北上「えぇ〜、アタシだけなの〜?」

大井「そうですとも!」スリスリスリスリ

北上「そういえば、今日は提督との仲は進展した?」

大井「」ウグッ

北上「あはは、してないみたいだね〜♪」ケラケラ

大井「〜////」ウツムキ

北上「提督にもアタシと同じ感じで接すればいいのに〜」

大井「そ、そんなこと出来ませんよ……////」カァー

 

北上「まぁそうなるな(師匠風)」

大井「日向さんのモノマネしないでください」ニガワライ

北上「ありゃ……タイミング的にはばっちりだったと思うんだけどな〜」

大井「まぁ……タイミング的には……」

北上「だよね〜♪ まぁ取り敢えず、話聞いてあげるから中庭行こ〜♪」

大井「ありがとうございます♪」

 

 こうして大井は北上に連れられて鎮守府の中庭へと向かった。

 

 

 中庭ーー

 

 中庭へとやってきた大井と北上は適当なベンチへ腰掛けた。

 

北上「ん〜♪ 日差しがポカポカでいい感じ〜♪」

大井「そうですね♪」

北上「んじゃ、早速話してごらんよ〜。今日は提督に何をしちゃったの?」

大井「えっとーー」

 

 大井は北上に先程の執務室での提督とのやり取りを話した。

 

大井「ーーってな感じで……。後は北上さんが見ていた通りです……」ニガワライ

北上「なるほどね〜」

大井「はぁ……どうして私っていつも提督の前だと態度が悪くなってしまうのかしら……」

北上「それは大井っちがツンデレだからじゃん」

大井「うぐっ……」

 

 北上に『ツンデレ』と言われた大井は返す言葉が出てこなかった。

 

北上「まぁ、アタシから見たら大井っちはまだマシなツンデレだけどね〜。前に比べたら提督に対する態度とか柔らかくなったし♪」

大井「そ、そうですか……」

北上「うん♪ だって大井っちが入ってる……え〜っと『提督に素直になれないの会』、だっけ?」

大井「は、はい……」

北上「あのメンバーの中じゃ、結構マシな部類だと思うもん」

大井「ま、まぁ、確かに曙や霞みたいにクソやクズとは言ったことないですね」ニガワライ

 

 北上の言葉に複雑な心境になる大井だったが、北上が言うようにあのメンバーの中ではまだ自分はマシだと思えた。

 

北上「マシってだけで良くはないけどね〜」ニシシ

大井「はぅっ」グサッ

北上「別に金剛さん達みたいに押せ押せになれとは言わないけどさ〜、そんなんじゃ他のみんなに先越されちゃうよ〜?」

大井「で、でも〜////」ァゥ

北上「ただでさえアプローチしてる人多いんだからさ〜、大井っちからもアプローチしなきゃ〜」

大井「だっ、だって〜……////」モジモジ

北上(モジモジしてる大井っちって新鮮だな〜♪)

  「だって何さ?」ニヤニヤ

 

大井「提督の笑顔見ると嬉しくなってつい顔がにやけちゃって……真っ直ぐ見れなくなるんだもの////」ァゥァゥ

北上(乙女だな〜)

大井「さっきだって提督は私に向かって笑ってくれたの! 私だけに向けてくれた笑顔だったんですよ!? 好きな人からあんな笑顔を見せられたら誰だって直視出来なくなるはずなんですよ!////」

北上「ん〜……まぁ大井っちがそう言うなら、そうなんだろうね〜」ニガワライ

 

大井「私だって素直に受け止めることが出来るなら、そうしたいですよ……」

北上「大井っちの今の反応見れば流石の提督も大井っちのこと考えてくれそうなのにな〜」

大井「だ、ダメです!//// 絶対にこんな顔を提督に見せられないです!////」

北上「そうかな〜? 乙女乙女してて可愛いよ〜?」

大井「き、北上さんにそう言われるのは嬉しいですけど、提督には絶対に見せられないです////」アワワ

北上(いつもは基本強気なのに、どうしてこういう時は弱気になっちゃうかな〜?)

 

北上「まぁ提督は鈍感だからね〜♪ 長期戦だろうけど頑張ってね〜。話くらいはいつでも聞いてあげるからさ〜」

大井「は、はい……ありがとうございます////」

北上「んじゃ、取り敢えず執務室に戻って提督をおやつ休憩に誘おうよ。アタシも付き添ってあげるからさ♪」

大井「ほ、本当ですか!?」

北上「だってアタシが居ないと大井っちまともに提督と話せないでしょ?」ニヤニヤ

大井「うぐっ……そ、その通り、です……////」ウツムキ

北上「せっかく今日は秘書艦で提督と過ごす時間が多いんだから、少しでも印象付けなきゃ♪」

大井「は、はい……////」ポッポッ

北上(今からそんな調子じゃ先が思いやられるな〜)

 

 そう思いつつ、北上は大井を連れて執務室へ行き、提督と大井のおやつ休憩の場に同席して大井をフォローした。

 しかし大井は大好きな提督と北上に囲まれ、更に昂ぶってしまった。

 そして終いには二人への鼻血(LOVE)を噴き出して医務室へ直行したとか……。




今回は大井さんメインのお話にしました!
最後のオチはいつものですが、ご了承を。

今日で春イベも終わりですね♪
少し早いですが、提督の皆様、春イベお疲れ様でした!

それでは此度も読んで頂き本当にありがとうございました♪

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