艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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軽巡洋艦メイン。

キャラ崩壊含みます。


艦これSS百六十七話

 

 ○○鎮守府、一二○○ーー

 

 執務室ーー

 

提督「」カリカリ

 

 今日も私は執務に追われていた。

 今の我が艦隊は大規模作戦を一時中断し、資材調達を優先する運用にシフトしている。

 今作戦では私自身も専用の小型ボートで作戦海域に出撃して指揮をしていた。そのため私が確認しなくてはいけない書類が山積みなのだ。

 

提督(だがこれが私の仕事だ)

 

 ここまで大規模作戦を戦ってきた彼女達は、今でも訓練、演習、遠征、各クルージング、更には雑務まで励んでくれている。その長たる私が音をあげていてはいけない。

 

 鎮守府に所属する彼女達のためを思いつつ、私はまた一束の書類の山を確認し終えた。

 

提督「ふむ……あとはーー」

 

 コンコンーー

 

提督「入りなさい」

 

 ガチャーー

 

神通(本日秘書艦)「失礼致します。神通、只今戻りました」

 

提督「おかえり。追加の書類はその山の隣に置いてくれ」

神通「畏まりました」

提督「そしたら神通はお昼休憩を取ってくれ。もう昼食時だからな」

神通「提督がまだお仕事をされるのでしたら私もお手伝いします。提督を置いて休憩時間なんて取れません」

提督「しかし……」

神通「最近の提督は仕事ばかりで……神通は提督のお身体が心配です。私だけではなく、艦隊のみんなが近頃の提督の身を案じています」

提督「……」

神通「提督はいつも私に言ってくださいますよね。『どんなに代わりの神通が居ても私の知る神通は君、一人だけだ』と……私だけでなく他の皆さんにも同じく」

提督「あぁ、言っている……」

神通「そのお言葉を私から提督へお返し致します」

 

神通「代わりの提督が居ても私達の提督は貴方お一人しか居ません」

提督「神通……」

神通「どうかご無理をなさらないでください」

 

 神通の言葉に私は反省した。

 彼女達に常日頃から彼女達個人の代わりはどこにも居ないと言い聞かせているのに、私が自分の言った言葉に無責任な行動をしていたからだ。

 

提督「すまなかった、神通。そして……ありがとう」ニコッ

神通「っ……い、いえ……私こそ身の程を弁えず、申し訳ございませんでした////」フカブカ

提督「謝る必要はない。本当に感謝しているよ、神通」ナデナデ

神通「あ……はい////」トローン

提督「では一緒に食堂へ行こう。川内と那珂も時間が合うなら誘おう」

神通「はい! 神通、参ります!」キラキラ

 

 私の言葉に光り輝く笑顔で答えた神通と共に、私は仕事を中断した。

 幸い川内と那珂の二人とも時間が合い、中庭で待ち合わせをして食堂へ向かった。

 

 

 一二三○ーー

 

 中庭ーー

 

 私と神通が中庭に入ると、既に川内と那珂がベンチに座って待っていた。

 

那珂「あっ、お〜い!」ノシ

 

 私達に気が付いた那珂は元気に手を振って私達の側まで駆け寄ってきた。

 

提督「待たせてすまなかったな」

神通「お待たせ」ニコッ

那珂「ううん! 気にしないで☆」

提督「ありがとう、那珂」ナデナデ

那珂「えへへ、那珂ちゃんごきげ〜ん☆」キラッ☆

神通「」ニコニコ

 

提督「それで……川内は大丈夫なのか?」

神・那『え?』

 

 私の質問に二人は川内に視線を移す。

 

川内「」

 

 私と神通が中庭に来てから、川内はベンチに腰掛けたままピクリとも動かないのだ。

 

神通「……はぁ」

那珂「もぉ〜! せっかく起こしたのに〜!」プンプン

神通「提督、申し訳ありません。今起こして来ますので、少々お待ちください」ペコリ

提督「謝らなくていい。程々にな」ニガワライ

神通「お心遣い感謝します。じゃあ那珂ちゃん」ツー

那珂「了解☆」カー

 

 アイコンタクトを交わした二人はすぐさま川内の両サイドを固めた。

 そしてーー

 

神・那『秘技・死者の目覚め!』

神通「ああぁぁーーーーーーー!」シャウト

那珂「ああぁぁーーーーーーー!」デスヴォイス

川内「……! み、耳が〜! 耳がぁぁぁ!」ダンマツマ

 

ーー二人の声で目を覚ます川内であった。

 

 こうして私は川内型姉妹と食堂へーー

 

 

 食堂ーー

 

 食堂に入りそれぞれ好きな物を間宮さん達に頼み、それから各自自分の昼食が乗ったお盆を持って四人掛けのテーブルへ座った。

 

 ↓席順

 

 那 川

 テーブル

 神 提

 

神通「今お冷をお持ちしますね」

提督「ありがとう、頼むよ」

神通「」ニコッ

 

那珂「提督〜、お箸取って〜♪」

提督「どうぞ」つお箸二膳

那珂「ありがと〜☆ じゃあ那珂ちゃんからはおしぼりのプレゼントだよ〜☆」つおしぼり

提督「かたじけない」ウケトリ

那珂「いいえ〜♪」ニッコニコ

 

川内「あ〜……まだ耳がキンキンする〜」

提督「大丈夫か?」

神通「大丈夫ですよ。いつものことですから」シレッ

提督「そ、そうか……」

 

 いつの間にか戻ってきていた神通は涼しい顔をして私達にお冷を配った。

 それを受け取りみんなが揃った所で、私達は手を合わせ『頂きます』をした。

 

川内「んあ〜……」ミミオサエ

那珂「自業自得でしょ〜?」

神通「夜更かしはいけないと言っているのに……」ハァ

提督「まあまあ、川内は前からこうだからな。大目に見てやってくれ」

神通「提督は姉さんに甘過ぎます! 提督が甘やかす分、私達がしっかり見ていなくては!」クワッ

提督「お、お〜……」タジッ

川内「」ガクブル

 

提督「それにしても今日は神通に注意されてばかりだな……」ニガワライ

那珂「そうなの?」

提督「あぁ、本当に頼もしくなった。こんな部下を持てて私は幸せだ」

神通「て、提督……////」カァー

川内(お〜お〜、顔真っ赤にしちゃって〜)ニヤニヤ

 

提督「初めて会った時は控えめ過ぎて心配だったが、今では私が引っ張られる方だからな」フフ

神通「そ、そんな〜////」テレリテレリ

那珂「さっすが神通お姉ちゃん♪ 夜戦ばっかりの川内お姉ちゃんとは違うね〜♪」

川内「な、那珂も前に比べたら私に辛辣になったよね〜」ニガワライ

 

神通「だって姉さんは夜戦ばっかりじゃないですか」

那珂「だってお姉ちゃんは夜戦ばっかりだもん」

 

川内「何もハモることないじゃん!」

提督「」ニガワライ

川内「わ〜ん、提督〜! 妹達が厳しいよ〜!」オヨヨ

 

 集中砲火を受けた川内は席を立って私に助けを求めるように私の胸に飛び込んできた。

 

提督「お〜……よしよし……」ナデナデ

神通「て い と く〜?」ニッコリ←二水戦旗艦の笑み

提督「か、勘弁してくれ……」ニガワライ

那珂「あはは♪」

川内「ひぃ〜!」アワワ

 

 そして少ししてから神通は仕方なくと言った感じで諦め、川内はやっと私から離れた。その間那珂はずっとケラケラと笑い声をあげていた。

 

 神通のお陰で私はその後も心に余裕を持って過ごすことが出来た。

 

提督(心から感謝しているぞ、神通)




今回は神通さんを中心に書き上げました!
華の二水戦旗艦は伊達ではない!

今回も読んで頂きありがとうございました!

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