艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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駆逐艦のみ。

キャラ崩壊、ネタ含みます。


艦これSS百六十六話

 

 ○○鎮守府、一○○○ーー

 

 駆逐艦寮、陽炎・不知火・黒潮部屋ーー

 

 ガラガラーー

 

陽炎「不知火〜、黒潮〜」

 

黒潮「おかえり〜。不知火なら訓練しに行ったで〜」

陽炎「あちゃ〜、遅かったか〜」

黒潮「何か用事だったん?」

陽炎「そんなとこ」

黒潮「どないしたん?」

陽炎「さっき司令に呼ばれた時に親潮の着任が決まったから部屋の整理を頼まれたの」

黒潮「おぉ〜……ん? ちゅうことはうちらの部屋に入るん?」

陽炎「そうよ」

黒潮「ベッドは?」

陽炎「あれ……無かったっけ?」

 

 陽炎と黒潮は自分達の部屋を見渡した。

 綺麗に整理整頓はされている。

 しかし空いているベッドは無く、自分達が使っているベッド一つ分のスペースも無かった。

 

黒潮「ここに入った時に余ったベッドや机は三人で倉庫へ片して、三人均等のスペースにしてしもたからな〜」

陽炎「言われてみればそうね……んじゃ、まずはベッド一つ分のスペースを空けましょうか。黒潮、そっちの端持って」

黒潮「あいあい〜♪」

 

 二人はベッドのスペースを前のあった位置へ移動し、ベッド一つ分のスペースを空けた。

 

陽炎「ん♪ これで倉庫に行ってベッドを持ってくるだけね♪」

黒潮「ベッド持ってくる前に次は机の移動やで〜。机も三人分の配置にしてしもぉとるんやから」

陽炎「あぁ……そうね」ニガワライ

黒潮「こんなことなら最初のままで置いとけば良かったな〜」ニガワライ

陽炎「まぁ今更でしょ……やっちゃいましょ」

黒潮「せやな〜」

 

 今度は机を元通りの位置に戻し、もう一つ机が入るスペースを空けた。

 

陽炎「四人ともなるとやっぱり一人一人のスペースが狭くなるわね〜」

黒潮「しゃぁないやろ〜。今まで四人部屋を三人で使っとったんやから」

陽炎「あ、棚の中も整理しなきゃ!」

黒潮「あぁ〜、せやったな〜」ニガワライ

 

 元々四人部屋だったこの部屋には備え付けの棚が四つあった。

 しかし今まで三人で生活していた為、余った棚は三人で仲良く上の段から陽炎、不知火、黒潮と三等分して使っていたのだ。

 

陽炎「この際だし要るもの要らないものの選別しちゃいましょうか」

黒潮「せやな〜……うちゴミ袋持ってくるわ〜」

陽炎「あら、忍びないわね♪」ニコッ

黒潮「構わんて♪」ニコッ

 

 棚の整理開始!

 

陽炎「う〜ん……」

黒潮「何をそんなに唸っとるん?」

陽炎「ん? 封を切ってない折り紙があるからなんでかな〜って」

黒潮「あ〜、それ去年の終戦記念日にみんなで千羽鶴を織った時の余りとちゃう?」

陽炎「あ〜、そういえば余ったから私が引き取ったんだったわ」

黒潮「今年も織るやろうからその時の為に取っとこ。七夕の飾りを作る時とかにも使うやろうし」

陽炎「そうね♪ じゃあこれは……私の机の引き出しにでもしまっとこ♪」

 

 ーー。

 

黒潮「何やこれ?」

陽炎「? それ黒潮が前に使ってた枕カバーじゃない?」

黒潮「おぉ! ちゃんと取って置いたんやなうち!」

陽炎「」ニガワライ

黒潮「ん〜……この枕カバーも好きなんやけど〜……もう使わんしな〜……ん〜……」

陽炎「そんなに思い入れあるなら中に綿か何か詰めてクッションにすれば? 破れちゃってるとかじゃないんでしょう?」

黒潮「おぉ! ナイスアイデア! 頂きやで!」

陽炎「ん♪」ニコッ

 

 その後も二人は棚の中の整理を続けた。そして自分達が使っていた段の整理を終えた二人は一旦休憩を入れた。

 

 時間は一一○○にーー

 

陽炎「はい、お茶♪」つ湯呑

黒潮「おおきに〜♪」ウケトリ

 

黒潮「ずず〜……んは〜。そういや棚の整理だけやのに結構掛かったな〜」

陽炎「結構悩んだからね〜」

黒潮「せやな〜」

陽炎「ベッドと机は午後に持ってきましょう。ベッドに乗せるマットレスは天気のいい日に干さなきゃ」

 

黒潮「着任はいつになるん?」

陽炎「今やってる大規模作戦が終わった後って言う話だったから、六月入ったらじゃないかな?」

黒潮「六月か〜……待ち遠しいな〜」ニコニコ

陽炎「ふふ、そうね♪」

黒潮「着任したらどないする〜? 姉妹でたこパでもする〜?」

陽炎「あんたがしたいだけでしょ……」ニガワライ

黒潮「あ、バレた?」テヘッ

陽炎「見え見えよ、全く」クスッ

 

陽炎「でもせっかく姉妹が着任するんだから何かしてあげたいわね〜」

黒潮「たこパがダメならーー」

陽炎「お好み焼きパーティ? それとも餃子パーティ?」

黒潮「」ウグッ

陽炎「お姉ちゃんを舐めるんじゃないわよ?」ウインク

黒潮「ええやんか〜、姉妹で美味しいもん食べようや〜」ヤンヤン

陽炎「ダメとは言ってないでしょ? 姉妹で祝うんだから他のみんなにも聞いてそれからの方がいいでしょ?」

黒潮「ってことは〜……たこ焼きパーティ、お好み焼きパーティ、餃子パーティのどれかやんな!?」キラキラ

陽炎「はいはい、その中から選んでもらうようにするわよ」ニガワライ

黒潮「っしゃ〜! 燃えてきたで〜!」

陽炎「」クスクス

 

 ガラガラーー

 

不知火「戻ったわ」

 

陽炎「あ、おかえり〜、不知火♪」

黒潮「訓練お疲れさん♪」

 

不知火「ただいま……? 机やベッドの位置が違うわね」

黒潮「今度うちらの部屋に親潮が来んねんて♪ 着任決まったみたいやで♪」

不知火「あら、それは嬉しいわね」

陽炎「だからさっきまで黒潮と部屋の整理してたの」

不知火「二人にやらせてごめんなさい。午後からは不知火も手伝うわ」

黒潮「よろしゅうな〜♪」

陽炎「でもその前にこれまで私達が三人で使ってた棚の整理しちゃって。あの棚はこれから親潮が使うから」

不知火「そうね……その様子だとあとは不知火の使っていた段だけ?」

黒潮「せやで〜」

 

不知火「なら今から整理するわ」

陽炎「なら私達も手伝うわ♪」

黒潮「みんなでやろ〜♪」

不知火「ありがとうございます。でも二人はちゃんと自分の段は自分で整理したのでしょう? ならば不知火も自分でやるわ」

陽炎「分かったわ」クスッ

黒潮「了解やで〜」ニコッ

 

 二人の笑顔に不知火も笑顔を返した。

 それから不知火は自分が使っていた棚の段を開けようとした。

 

不知火「?」グッ

 

陽炎「どうしたの?」

 

不知火「開かない……です」グッグッ

 

黒潮「そんなに何を詰め込んでるん?」

 

不知火「そんなに詰め込んでいたはずは……ふんっ」グイッ

 

 不知火の力により棚は開いた。

 

 ドサッ、バサッ……

 

 それと同時に中の物が床に散乱した。

 

 提督の刺繍入り枕(阿賀野作)

 提督の写真集  (ブルーリーフ作)

 提督の画集   (オータムクラウド作)

 提督の(ryーー

 

 数多くの提督グッズだった。

 

陽・黒『』

 

不知火「不知火に何か落ち度でも?」

 

陽炎「落ち度しかないわよ!」

不知火「ぬ、ぬい……」タジッ

黒潮「ほな、整理しよか。手伝ったるから」カタポンッ

不知火「ぬい……」ショボン

 

 その後、二人の協力を得て不知火は私物の整理を進めた。

 そして不知火の専用の机、棚には提督グッズが溢れていることを陽炎と黒潮は思い知ったーー。




今回は親潮ちゃんをお迎えする陽炎ちゃん達の準備風景を書きました♪

読んで頂き本当にありがとうございました!

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