艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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正規空母メイン。

若干のキャラ崩壊含みます。


艦これSS百六十二話

 

 ○○鎮守府、一六○○ーー

 

 空母寮、加賀&赤城の部屋ーー

 

 赤城と加賀は本日の出撃も終わり、身体の修復も済ませ、自室で夕食までの自由時間を過ごしていた。

 

赤城「ねぇ、加賀さん」

加賀「何かしら?」

赤城「このーー」

加賀「駄目です」ピシャッ

赤城「まだ何も言ってないじゃないですか〜!」

加賀「では当ててみせましょうか?」

赤城「でで、出来るなら、ど、どうぞ?」

加賀「では……『このリンゴを食べてもいいですか?』でしょう?」

赤城「ち、違います……『このリンゴを()()()食べてもいいですか?』です!」

加賀「食べることには変わらないでしょう」ヤレヤレ

赤城「だ、だって〜」クゥー

 

 赤城はテーブルの上に乗っている目の前のリンゴを食べたくてか、はたまた夕飯前でお腹が空いているからか、お腹の虫が鳴っていた。

 しかしそのリンゴは先程、加賀が朝潮から貰ったお裾分けなのだ。普段から加賀に良く懐き、加賀も実の妹のように可愛がっている。そんな可愛い可愛い朝潮から貰ったリンゴを加賀はお風呂上がりに大切に食べようと思い、それまでは大切に眺めようとテーブルに置いているのだ。

 

加賀「そもそもこれは私が朝潮から貰ったリンゴです。それをどうして赤城さんが食べようとしているんですか?」

赤城「そこにリンゴがあるからです!」キリッ

加賀「では赤城さんは目の前に提督が居たら食べるんですか?」

赤城「…………」

 

 赤城は考えた。もし目の前に提督が居たら、と……。

 

 赤城の妄想ーー

 

提督『赤城、私を食べたいのか?』

赤城『頂きます♡』ガバッ

 

 \アカギ! テイトクー!!/

 

 妄想終了ーー

 

赤城「食べます!」キリリッ

加賀「私の例えが悪かったわ」アタマカカエ

 

赤城「大体これみよがしにテーブルの上に瑞々しいリンゴを置いているのが間違いです!」

加賀「ならよそを向いてください」

赤城「よそを向いていたら話し難いじゃないですか!」

加賀「テレビの方を向きながら話す時もあるじゃないですか」

赤城「」グヌヌ

加賀「それともあれですか? テレビの方を向いて話している時……あれは私に話し掛けていたのではなく、テレビに向かって話し掛けていたんですか?」

赤城「違いますぅ〜! ちゃんと加賀さんに話し掛けてましたぁ〜! 人を勝手に寂しい人扱いしないでもらえますぅ〜?」

加賀「何をムキになっているのかしら? これくらいいつもの冗談です」シレッ

赤城「」グヌヌー

 

加賀「とにかく、このリンゴはお風呂上がりまで食べてはいけません。せっかく朝潮がわざわざ私の為にくれたのですから」

赤城「朝潮さんは『赤城さんと食べてください!』って言ってましたけど!? それに四個もあるんですから、一個くらい食べたって……」ムゥ

加賀「赤城さんは私と同じでその一個で済まないではないですか」

赤城「うぐっ」

 

加賀「これは紛れもなく美味しいリンゴです。一度食べてしまったら最後、このリンゴが無くなるまで食べてしまいます」

赤城「そ、それはそうですけどぉ〜……」クゥー

加賀「先程から大合唱しているお腹の虫がリンゴ一個で満足すると?」

赤城「はうっ」

 

加賀「はぁ……おやつに食堂でチョコレートパフェの赤城山(エベレスト)盛りを食べていたのに、どうしてそこまでお腹が空くのかしら」ヤレヤレ

赤城「美味しい物があるとこう……お腹がくぅ~っと……ね?」キリッ

加賀「清々しい顔で言わないでください」

赤城「(。ŏ﹏ŏ)」ァゥ

加賀「でも赤城さんはあれだけ食べているのに、本当に体型が変わりませんね」シミジミ

赤城「何でか太らない体質なんですよね、私は」エヘッ

加賀「それ、他の娘の前で言わない方がいいですよ。必ず敵を作ってしまいますから」

赤城「はい……?」クビカシゲ

加賀(ちゃんと分かっているか不安だわ……)

 

赤城「はぅ〜、お腹空きました〜」クゥークゥー

加賀「いつもの即席食品は無いんですか?」

赤城「今は切らしてるんです〜」

加賀「……赤城さん、口を開けてください」

赤城「ん? あ〜……」アーン

加賀「どうぞ」

 

 そう言った加賀は赤城が大きく開けた口に手の平サイズのペロペロキャンディー(イチゴ味)を突っ込んだ。

 

赤城「あむあむ♪ おいひぃでふね〜♪」ペロペロ

加賀「今日明石さんの酒保で買い物をした時におまけでそれを貰ったんです」

赤城「ペロペロっ……加賀さんのなのにごめんなさい」

加賀「私のはありますから気にしなくて大丈夫です」

赤城「それなら良かったです♪ ありがとうございます♪」ペロペロ

加賀「いえ……」ニコッ

 

 そして加賀は自分の分のペロペロキャンディー(サイダー味)を取り出し、赤城と一緒にペロペロキャンディーを仲良く頬張った。

 

赤城「むぐむぐ……そういえば酒保で何を買ったんですか?」

加賀「ペロっ……生クリームとバニラアイスを買いました」

赤城「生クリームとバニラアイス……?」

加賀「リンゴを食べる時にかけようと思いまして」

赤城「(。✧Д✧)」フォー!!

加賀「お風呂上がり後のお楽しみですからね」ネンオシ

赤城「はい! 楽しみですね〜♪」ルンルン

加賀「えぇ、とても」ニコッ

 

 それから赤城と加賀はペロペロキャンディーを食べつつ、お風呂上がりに食べる予定のリンゴを楽しみにしながら、そのリンゴを眺めやるのであった。




今回は大規模作戦中の休息の一幕を書きました!

読んで頂き本当にありがとうございました!

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