艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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駆逐艦メイン。

キャラ崩壊、他作ネタ含みます。

いつもより少し長めです。


艦これSS百六十一話

 

 ○○鎮守府、一三○○ーー

 

 駆逐艦寮、暁型姉妹部屋ーー

 

雷「みんな居るわね?」

響「あぁ、私も電もちゃんと居る」

電(一体何が始まるのです?)

 

雷「ならこれから暁型妹会議を始めるわ!」ジャーン

響「私もそろそろだと思ってた」ウンウン

電「」ニガワライ

 

 説明しよう! 『暁型妹会議』とは響、雷、電の三人からなる暁の為に開かれる妹達だけの会議なのだ!

 

 因みに暁は今出撃中で留守である。

 

電「……それで今回はどういった内容なのです? また暁お姉ちゃんを困らせるような内容なら電は嫌なのです」

雷「どんな内容か、ですって?」

響「電は気がついてないんだね」ナデナデ

電「?」クビカシゲ

雷「電は最近の暁姉を見て何とも思わないの?」

電「最近の暁お姉ちゃんなのです?」

響「そうだ……最近の姉さんに何か疑問が浮かばないか?」

電「えっと……特にはないのです……」

 

 その電の言葉で響と雷はまるでこの世の終わりを見たかのような表情を浮かべた。

 

電「え、え?」コンワク

雷「ねぇ、電?」

電「はい?」

雷「一昨日の夜は風が凄かったわよね?」

電「なのです。窓がガタガタしてて寝難かったのです」

響「その時姉さんはどうやって寝てたと思う?」

電「暁お姉ちゃんは確か……耳栓をして眠っていたのです」

 

雷「そこよ!」ビシッ

電「はい?」キョトン

響「まだ気づかないのかい? あの姉さんがあんな冷静に対処して眠っていたんだぞ?」

雷「いつもの暁姉ならちゃんとすすり泣きながら私達の誰かのお布団に潜り込んで、『怖くないけど一緒に寝て!』って懇願してくるはずなの!」

響「なのに最近の姉さんはまるでレディのような振る舞いを見せている。これまで苦いと言いながらも珈琲はブラックでしか飲まなかったのに、今は誤魔化すこともなく砂糖(沢山)とミルク(沢山)を入れて飲んでいるんだぞ!?」

雷「それにそれに! 夜中でもちゃんと一人でトイレにまで行けるのよ!? しかも最近じゃ道端で他のみんなに挨拶する時なんて今までと大違いじゃない!」

 

 近頃の暁は挨拶する時は必ず、スカートの左右の裾を両手で少しだけ摘み上げ、それと同時に右足を左足のすぐ後ろまで引いてからゆっくりとお辞儀をする貴婦人の礼をするようになっていたのだ。

 しかしその挨拶は自分よりも目上の者達……提督や軽巡洋艦クラス以上の者達にのみだ。自分と同じ駆逐艦の者達には、両肘を下げそこから両手を胸の前にやり、指を広げるようにおいた後で左足をしなやかに曲げ、かかとを少し上げてからお辞儀をする、某カリスマ吸血鬼のポーズで挨拶をするのだ。

 

響「あんなレディレディしてる姉さんはおかし過ぎるんだよ……」

雷「暁姉が妹離れするなんて……これは死活問題よ!」

電「」ニガワライ

 (要するに響お姉ちゃん達は暁お姉ちゃんがしっかり者になっちゃったのが寂しいのですね……)

 

響「どうしてこうなったんだ……」

雷「理由が全く分からないのよ……」

電「電は心当たりがあるのです」

響・雷『教えて!』クワッ

電「な、なのです……」ビクビク

 

電「コホン……多分、この前に観た映画のせいだと思うのです」

響「この前観た……『紅い月夜のカゴメカゴメ〜そして誰もいなくなるのか?〜』っていうホラーアクション映画のことかい?」

雷「いや、『吸血鬼の住む紅い館』のサスペンスホラーも観たわ」

 

電「その映画はどちらも元々は同じ作品の派生版なのです。なのでどちらも話は違えどキャラクター名や舞台は全部同じなのです」

響「言われてみれば確かにそうだね。どちらも大きな紅い館をメインにしてて、吸血鬼の姉妹とその従者であるメイド長、吸血鬼姉の親友の魔法使いとその使い魔、そして何故か中華風の門番が主要キャラだった」

雷「確か元々はシューティングゲームだったのよね? それが人気で映画にまでなったって明石さんや夕張さん達から聞いたわ」

 

電「なのです。ではその吸血鬼姉妹のお姉さんは各映画でどうでしたか?」

雷「『吸血鬼の住む紅い館』ではとても良いお姉さんだったわね! 何だかんだ言いながらも当主としてのカリスマ性、そして家族を守る為に奮闘する姿は敵ながらもとても素敵なキャラクターだったわ!」

響「『紅い月夜のカゴメカゴメ〜そして誰もいなくなるのか?〜』でもそのカリスマ性は健在だったね。こっちは妹さんがメインのお話だったけど、血を分けた妹の為に自分の出来ることを精一杯してた。最後はちゃんと誤解も解けて姉妹仲良く過ごせることになったし、あれはいい映画だった」ウンウン

電「暁お姉ちゃんはそのカリスマ吸血鬼さんをお手本にして日々を過ごしているのです」

雷「なん……ですって?」

響「だからどこかで見たようなポーズやら言葉を口走っていたのか……」

電「響お姉ちゃん達の寂しさは分かるのです。でも暁お姉ちゃんは元から電達のお姉ちゃんだったのです」

 

電「姉妹が揃った時、暁お姉ちゃんが一番嬉しくて泣いてました」

雷「私が一番着任が遅かったのよね。泣きながら私を強く抱きしめて『遅いのよ、馬鹿!』って言われたのを今でも覚えてるわ」クスクス

 

電「姉妹の誰かが中破や大破したら自分よりも姉妹を優先して守ってくれました」

響「私が初めて大破した時は暁も中破してたのに『私の妹に何するのよ!』って言いながら敵を倒していたっけ」フフフ

 

電「そしていつも妹の電達が馬鹿にされないように率先して姉として前に向かっていてくれました」

雷「馬鹿にする人なんて居ないのにね」クスッ

響「天龍さんや摩耶さん達が私達をちびっ子呼ばわりしたらいつも噛み付いてたっけ……『私達はレディよ! 訂正しなさい!』って」ハハ

電「なのです……だからあの映画の吸血鬼のお姉さんを見て、今の暁お姉ちゃんがあるのだと思うのです。」

 

電「どんな暁お姉ちゃんでも電達の自慢のお姉ちゃんなのです♪」

雷「そうね……それに全くレディになってない時もあるし」ニコッ

響「そうだね……この前のバーベキューはほっぺにとうもろこしを付けてたからね」ニッコリ

電「だからそんなに寂しがることはないのです!」

響・雷『』コクコク

 

 ガラガラーー

 

暁「ただいま〜」

電「おかえりなのです♪」

雷「おかえり! 出撃はどうだった!?」

響「怪我してないかい? ちゃんとドックに行って診てもらったんだろうね?」

 

暁「だ、大丈夫よ! 心配し過ぎ!」アワワ

響・雷『だって暁姉(さん)なんだよ!?』

暁「私だから何だって言うのよ!?」

 

 /ギャーギャー\

 

電「」ニコニコ

 

電(暁お姉ちゃんが妹離れしたんじゃなくて、響お姉ちゃん達がお姉ちゃん離れ出来てないのです♪)

 

暁「ほら! 次は響の番よ、しっかりね! 雷と電は支援部隊で出撃だって!」

響「ふっ、姉さんでも出来たんだ。その二番艦の私に出来ないことはないね」フッ

雷「そうよね! 電、行くわよ!」

電「みんなの本気を見せるのです♪」

暁「頑張ってね♪」

 

 こうして姉妹は笑顔を交わし、それぞれの役割をこなしていくのであったーー。




今回は暁型四姉妹をメインに書きました♪
暁ちゃんは立派なレディに近付いているのです!
でもそれは響ちゃん達からすれば嬉しいような寂しいよう複雑な感じ。そんなお話にしました!

分かる人にしか分からないネタをぶっ込んだのはご了承を。

此度も読んで頂き本当にありがとうございました!

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