若干のキャラ崩壊含みます。
○○鎮守府、一五○○ーー
世間ではゴールデンウィーク。しかし鎮守府にとってはゴールデンウィークなど関係なく、本日も平常運転。各任務、艤装整備、遠征、演習、雑務と毎日のように仕事は山積みである。
埠頭ーー
利根「ふぅ……やっとこ帰ってこれたな〜」ノビー
筑摩「ふふ、そうですね♪」
鈴谷「テレビとか雑誌ではゴールデンウィーク一色なのにね〜」
熊野「敵さんにゴールデンウィークなんて概念はありませんのも、仕方ありませんわ」
最上「それに僕らがこうして出撃することで、一般の人達が平和に過ごせるんならいいんじゃないかな♪」
三隈「それに近々大本営から新たな作戦が発令されるらしいですし、今のうちに出来るだけ練度を上げておかなくてはいけませんからね」ニコッ
鈴谷「分かってるけどさ〜……なんかゴールデンウィークらしいことしたいよ〜」
利根「そうゴネるでない鈴谷。これは吾輩らにしか出来ぬことじゃ。音をあげている暇なぞないぞ?」
鈴谷「ブーブー」
「無理を強いてすまないな、鈴谷。それに皆にもな」
艦隊『あ』
鈴谷(やっば〜……マズイこと聞かれちゃった……)
提督「皆、出撃ご苦労だったな」ニガワライ
鈴谷「ご、ごめんね、提督! 鈴谷は別に不満があるとかじゃないから! ただ単に独り言でーー」
提督「分かってる、みなまで言うな。それに鈴谷の気持ちも分かるからな」ナデナデ
鈴谷「あ、うぅ……ありがと////」モジモジ
提督「では各自ドックで身体を癒した後、補給を行ってくれ。報告書はその後で頼む」
艦隊『はっ!』ケイレイ
提督「うむ……」ケイレイ
提督「それとこれを皆に……間宮さん達の引換券だ。もうおやつ時だし、これで甘い物を食べて気分転換してほしい」
利根「お〜♪ これは有り難いぞ!」
筑摩「お心遣い感謝します」ペコリ
最上「ありがと、提督♪」
三隈「ありがとうございます」ペコリ
鈴谷「ありがと……////」テレリ
熊野「有り難く頂きますわ♪」
そして提督は艦隊にもう一度笑顔を見せ、その場を後にした。
熊野「提督にちゃんと感謝しますのよ、鈴谷?」
鈴谷「わ、分かってるよ〜」
最上「提督も僕達と同じでお休みじゃないからね」
三隈「三隈達以上の仕事をこなしてますし、その上で三隈達のケアもちゃんと考えてくださってるんですからね」
鈴谷「うん……」
利根「まぁもう過ぎたことじゃて♪ せっかくの提督の気遣いじゃ、早く修復と補給を済ませて甘味を楽しもうぞ♪」
筑摩「そうですよ、そうした方が提督も喜んでくれますから」ニコッ
鈴谷「ん……そうする♪」ニコッ
それから利根達は修復と補給を済ませ、仲良く食堂へと向かった。
食堂ーー
カランカランーー
間宮「いらっしゃいませ〜」ニコッ
伊良湖「いらっしゃいませ!」ニコッ
提督「おぉ、皆……また会ったな」
利根「お、提督もおやつか?」
提督「いやーー」
間宮「提督は明日のことで私達に相談しにきてくれたんですよ」ニコッ
筑摩「明日ですか? ……特に何も予定は無かったと思いますけど……」
伊良湖「明日は提督が艦隊の皆さんに少しでもゴールデンウィークらしいことをしてもらいたいとのことで、ちょっとした催し物をするんですよ♪」
三隈「まあ……楽しみですわ♪」
最上「ありがとう、提督♪」
鈴谷「ねぇ、提督」
提督「どうした?」
鈴谷「鈴谷があんな話をしてたからこうなったの?」
提督「鈴谷……」
そう聞いてきた鈴谷の目は今にも涙が出そうな程に潤んでいた。
つい数十分前の話だ、鈴谷が自分の言ったことに責任を感じてしまっているのだろう。
提督(これはタイミングが悪かったな……)
鈴谷「もしそうだったら私……」
そう悲しそうに俯く鈴谷を私は笑顔で叩くように鈴谷の頭をポンポンと優しさしく撫でた。
鈴谷「……提督?」
一瞬安堵した目になったが、まだ不安そうに私に声をかける鈴谷。そんな彼女に私はゆっくりと語りかけた。
提督「これは私が前から考えていたことなんだ。鈴谷がああ言っていたからしたんじゃない……そこは分かってほしい。だから鈴谷が責任を感じることではない」ポンポン
鈴谷「うん……」
提督「私達は軍人で今は深海棲艦と戦っている。でもいくら軍人だろうと休息は必要だろう?」
鈴谷「提督……」
提督「それに何より、鈴谷達は軍人や艦娘である前に年頃の女性だ……ただ敵を破壊するだけの兵器ではなく、ちゃんと一人一人が心を持った人なんだ。ならばそんな鈴谷達に休息を取らせてやるのも私の仕事だ」
鈴谷「提督」トクン
提督「だからこれは私が勝手に実行に移しただけだ。鈴谷が気にする必要はないんだ」ニコッ
鈴谷「うん! ありがと、提督!」ギューッ
私の言葉で鈴谷は元気を取り戻したようで、いつも通りの明るい笑顔で私に抱きついてきた。
それはまるで娘が父親に甘えているような、そんな感じがした。
熊野「んんっ」セキバライ
利根「公衆の面前で抱きつくのは如何なものかと思うが?」
鈴谷「あ……〜////」カァー
最上(照れるくらいならやらなきゃいいのに……)ニガワライ
三隈(思わず抱きついてしまった。という具合ですわね)ニコニコ
筑摩「」クスクス
提督「はは、それもそうだな……では、私は今度こそ執務室に戻る。皆は甘い物を堪能してくれ」
みんな『はい♪』
提督「それでは間宮さん、伊良湖さん、明日はよろしく頼む」ペコリ
間・伊『はい』ニッコリ
こうして提督は食堂を後にし、利根達は提督から貰った引換券でそれぞれが食べたい甘味を注文し同じテーブルへ座った。
利根「しかし提督も粋な計らいをしてくれたの〜」
最上「そうだね♪ 明日、何があるのかとても楽しみだよ♪」
三隈「それに提督のお言葉がとても嬉しかったですわ」
熊野「えぇ……とても。今思い出しただけでも提督の優しさで胸がいっぱいになりますわ」ポッ
筑摩「間近でそれを聞いた鈴谷さんはまだ夢見心地みたいですしね」クスッ
鈴谷「〜////」デヘヘ
利根「こりゃ暫く戻らんじゃろ……気持ちは分からんでもないがな」ニガワライ
熊野「羨ましいですわ〜」
その後も鈴谷は夢見心地で呆け、そんな鈴谷をよそに利根達は明日の催し物について話つつ甘味を味わったー。
今回は日常風的な話にしました!
読者の皆様、ゴールデンウィークはゆっくりとお過ごしくださいませ!
今回も読んで頂き本当にありがとうございました!