艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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軽空母、駆逐艦メイン。

他作ネタ含みます。

今回は少し長めです。


艦これSS百五十六話

 

 ○○鎮守府、一五三○ーー

 

 居酒屋『鳳翔』ーー

 

鳳翔「ふぅ……仕込みは終わり。あとは……」

妖精あ「鳳翔さん」

鳳翔「はい、どうしました?」

妖精い「お店の花瓶で飾っていたお花さんが枯れてしまいましたです」

 

 そう言って妖精達は鳳翔の前にお店に飾っている花瓶を持ってきた。

 妖精達が言った通り、そこにはシオシオになって枯れてしまった春蘭があった。

 

妖精ろ「どうします?」

鳳翔「では綺麗に咲いてくれたことに感謝を捧げつつ、ジップ○ックに入れて日当たりの良いところに置いておきましょう」

妖精あ「おぉ! 良質の肥料になりますですね!」

鳳翔「はい。そうして出来た肥料は鎮守府の花壇に使いましょう」ニッコリ

妖精い「枯れて尚役立つとは……ゴウランガ(素晴しい)!」

鳳翔「ふふ……さて、ではお店に飾るお花を買いに行かなくてはいけませんね」

妖精ろ「ならば我々はお留守番してますね!」

鳳翔「はい、よろしくお願い致します」ニッコリ

妖精ズ『ヨロコンデー!』

 

 鳳翔の言葉に笑顔でそう応えた妖精達を鳳翔は一人ずつ優しく頭を撫で、店を後にした。

 

 鎮守府本館・廊下ーー

 

鳳翔(今日は丁度あの人が来る日でもありますし、お花はあの人の所で買いましょう)

 

「あっ、鳳翔さんだ!」

「これ、先に挨拶をせぬか。愚か者」

「挨拶は大事……古事記にも(ry」

「姉さん……そのセリフ好きですね〜」ニガワライ

 

鳳翔「あら、第二十一駆逐隊の皆さん、こんにちは」ペコリ

 

子日「こんにちは~!」

初春「こんにちはじゃ。今日も良い日和じゃの」ニコッ

若葉「こんにちは、鳳翔さん」キリッ

初霜「こんにちは。執務室に御用ですか?」

 

鳳翔「はい、今日はお店に飾るお花を買いに行こうと思いまして、外出許可を貰いに」

 

子日「わ〜! なら子日もお手伝いした〜い!」

初霜「子日姉さんはお外に行きたいだけですよね?」ニガワライ

初春「無理を言って困らすでない」

若葉「でもお手伝いはしたいぞ!」

 

鳳翔「皆さんの本日のお仕事は?」

 

初春「わらわ達は揃って非番じゃ」

初霜「部屋でじっとしてるのもあれなので、みんなでこうして色々とお散歩してたんです」

鳳翔「ではお手伝いを頼んでもいいですか?」

子日「いいよ〜!」

若葉「任せろ!」キリッ

鳳翔「ではみんなでお花を買いに行きましょう」ニッコリ

初春「妹達がすまんの」ペコリ

初霜「ちゃんとお手伝いしますね!」

鳳翔「はい、よろしくお願い致します」ニッコリ

 

 そして鳳翔は初春達を連れ、提督から外出許可を得てから街へと出向いた。

 

 

 鎮守府付近の街ーー

 

 鳳翔は初春達を連れて鎮守府付近の街へやって来た。しかし鳳翔が向かって歩くのはいつも行く繁華街や商店街ではなく、そこから少し外れた場所だった。

 

初霜「鳳翔さん、繁華街とか過ぎちゃいましたよ?」

子日「こっちにお花屋さんあるの?」

鳳翔「今日は特別な方が露店を開いている日なんです」

初春「露店……その露店に花が売っておるのか?」

若葉「でもなんで繁華街とかじゃなくて外れた場所で開いているんだ?」

鳳翔「なんでも人混みが苦手だそうです。でもその方が売っている物はどれも素晴らしいものばかりなので、知る人ぞ知るお店といった感じですね」ニコッ

 

初春「ほ〜、それは楽しみじゃ」

初霜「鳳翔さんはどうやってその人の露店を知ったんですか?」

鳳翔「先月に偶然この通りを買い物帰りに通りまして、その時にその方の露店と出会ったんです」

子日「どんなお店なのか早く見たいな〜♪」

若葉「鳳翔さんがそこまで絶賛するんだ、とても楽しみだ」ウンウン

 

 そんな話をしながら歩いていると、遠目からでも分かるくらいに様々な花で埋め尽くされた小さな屋台が見えてきた。

 

鳳翔「ごめんくださ〜い」

 

 鳳翔が声を掛けると屋台の裏から薄い桃色の日傘を差した一人の女性が屋台の外へ出て来た。

 

 癖のある緑色のショートヘアに真紅の瞳。白のカッターシャツに黄色いリボンタイをし、シャツの上からチェック柄の赤いベストを羽織り、下はベストとお揃いでチェックが入った赤のロングスカートを着用している。

 

女性「あら、いらっしゃい」

鳳翔「こんにちは、フラワーマスターさん」ニッコリ

女性「ふふ、こんにちは。女将さん」ニッコリ

鳳・女『うふふ』

駆逐艦ズ『』

 

 初春達は言葉が出なかった。何故なら鳳翔と話しているフラワーマスターと言われた女性は、背が高く、同性から見てもとても美しい女性だったからだ。

 

女性「あら、今日は可愛らしいお伴連れなのね。こんにちは」ニッコリ

 

初春「おぉ、わらわとしたことが……わらわは初春と申す。以後お見知り置きを」ペコリ

子日「こ、こんにちは、子日は子日だよ!」

若葉「若葉だ……よろしく」ペコ

初霜「こんにちは! 私は初霜と言います!」フカブカ

 

女性「あらあら、ご丁寧に。私は……フラワーマスターって呼ばれてるわ。よろしくね」ニコッ

 

 互いに自己紹介を済ませた後、鳳翔はフラワーマスターと名乗る女性に尋ねた。

 

鳳翔「お店にまた貴女の育てたお花を飾りたいのですが、何かお薦めはありますか?」

女性「そうね……どの子も綺麗でみんなお薦めだけど、この子なんてどうかしら?」

鳳翔「まぁ……素敵なお花ですね」シミジミ

初春「まだ蕾みじゃがこれはこれで良いのう」

子日「お姉さん、これは何ていうお花なの?」

女性「これはポピーって言うのよ。因みに花言葉は『思いやり』よ」

若葉「思いやり……鳳翔さんのお店に飾るにはぴったりだな」

初霜「色合いもどれも素敵で癒されますね〜」

女性「ふふ、気に入ってもらえたようで嬉しいわ」

 

 そして鳳翔はポピーの花束を頼んだ。花を女性が束ねている間、初春達は花以外の品物を見ていた。

 

初春「お香に香水、押し花……どれも見事じゃのう」

若葉「花のジャムなんてものもあるのか……」オォー

子日「お花のお茶もあるね〜……」ワー

初霜「お花ってすごいですね〜」シミジミ

 

鳳翔「ふふ、みんな夢中ね」クスクス

女性「花を見て美しいと思える人の心は花と同じくらい美しいものよ。みんないい花を咲かせているわね」ニコッ

鳳翔「そうですね……因みに次はいつ頃来られますか?」

女性「何も無ければ貴女達の世界で言う来月の頭かしら」

鳳翔「ではもし行けたらその時にまたお邪魔しますね」ニコッ

女性「えぇ、会えるのを楽しみにしてるわ」ニッコリ

 

 こうして鳳翔はお店に飾るポピーの花束、初春は花のお香、子日と若葉は花のジャム、初霜は押し花の栞をそれぞれ購入し、笑顔で別れを告げて露店を後にした。

 

女性「頑張りなさい。海に咲く美しいお花さん」フフフ

「何似合わないこと言ってるのよ」

女性「いつの間に来たのよ、スキマ」

「少し前からね。そろそろ時間よ」

女性「分かったわ」

 

 ーー。

 

子日「お買い物出来て楽しかったな〜」

初春「そうじゃの。鳳翔さんに感謝せねばな」

鳳翔「ふふ、良かったわ」

若葉「早くこのジャムを食べたいぞ」

初霜「また行きたいですね〜。今度は部屋に飾るお花を買いたいです♪」

鳳翔「今度は来月の頭に露店を出すみたいですから、その時はまた一緒に行きましょうね」

駆逐艦ズ『はい(うむ)!』

 

 その後も鳳翔達は笑顔の花を咲かせて鎮守府へ戻っていったーー。




今回はお買い物回にしました♪
分かる人にしか分からないネタで申し訳ないです。

読んで頂き本当にありがとうございました!

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