艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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海外艦メイン。

キャラ崩壊、独自設定含みます。

いつもより長めです。


艦これSS百五十二話

 

 ○○鎮守府、一一○○ーー

 

 戦艦寮、ビスマルク・プリンツ・グラーフ部屋ーー

 

ビスマルク「プリンツ、荷物はこれで全部?」

プリンツ「はい♪ これで全部です♪」

グラーフ「まぁもし忘れ物があったら届けてやれるし、そんなに気にすることでもないだろう」フフ

プリンツ「はい♪ ありがとうございます♪」

 

ビスマルク「でも寂しくなるわね。プリンツが重巡洋艦寮に引っ越しちゃうなんて」

プリンツ「うふふ、ビスマルク姉さまったら」

グラーフ「私も空母寮へ引っ越そうかな……私一人でビスマルクの面倒などみれないからな」チラッ

ビスマルク「ぐ、グラーフも行っちゃうの?」ウルウル

 

 いつもの自信満々なビスマルクは影を潜め、今のビスマルクはまるで捨てられた子犬の様な目をしていた。

 胸の前で両手をそれぞれ強く握りしめ、口はへの字に曲がり、眉尻も下げ、目は『行かないで!』と言わんばかりにグラーフを捉えていた。

 

ビスマルク「う〜……」ウルウル

グラーフ「はぁ……お前が頼もしいのは海の上だけだと確信したよ」ヤレヤレ

ビスマルク「だ、だってシャルンホルスト(シャルン)ティルピッツ(ティル)もここに居ないのよ? グラーフが空母寮に行ったら、ここは私一人になっちゃうじゃない!」

グラーフ「部屋が広々と使えていいじゃないか。私も空母寮に行ったら一人で優雅に過ごせる♪」

ビスマルク「むぅ〜……もう貴女の為に青葉からアトミラールの写真買ってきてあげないから!」プイッ

グラーフ「ははは、ならば他の人に頼むさ。私はお前と違って交友関係は広いからな」

ビスマルク「わ、私だって大和達とかと仲良いわよ!」プンスカ

 

プリンツ「もう、グラーフさん。姉さまをからかっちゃダメですよ? 空母寮に行く気なんてないくせに」フフ

グラーフ「ふふ、ビスマルクと私のじゃれ合いだ。気にするな。それにビスマルク一人にすると、こっちが心配になって落ち着かないからな」

ビスマルク「なっ、何よそれ!? 私はそんなに落ち着きのない女じゃないわよ!」ムキーッ

 

グラーフ「なら今晩、私は赤城達の部屋にでも泊まりに行こうかな。赤城にも遊びに来てほしいと言われているしな」ニヤリ

ビスマルク「え……きゅ、急過ぎない? それは赤城や加賀にも迷惑になるんじゃないの?」アセアセ

グラーフ「……それもそうだな」

ビスマルク「」ホッ

グラーフ「……早速赤城に今晩泊まりに行って良いか確認してみよう」ポチポチ←通信機(スマホ)いじり

ビスマルク「え、ちょ、まっーー」

 

 ポッポポ♪←通知音

 

グラーフ「ふふふ……ほら♪」つ通信機

ビスマルク「……!?」

 

 通信機画面

 

『 急なのだが、今晩赤城達の部屋に

       泊まりに行ってもいいか?>

 

 赤き誇り(赤城)<はい♪ 勿論です♪

       加賀さんと楽しみに待ってますね!』

 

ビスマルク「」チーン

グラーフ「落ち着きのある女なのだろう?」ンー?

ビスマルク「い、いいわよ? 貴女がいない分、レーベやマックス、リベッチオも呼んで楽しく過ごすんだから!」キーッ

プリンツ(結局一人は嫌なんですね)ニガワライ

グラーフ(レーベ達なら大丈夫だろう……三人には悪いがな……)

 

 

 ところ変わりーー

 

レーベ「!?」ビクッ

マックス「!?」ゾクッ

リベッチオ(以降リベ)「ん? 二人共どうしたの?」

レーベ「いや、なんかゾワゾワっとして……」

マックス「背筋が冷たくなった感じ……」

リベ「風邪かな〜? 今日は早めに寝た方がいいね!」

レーベ「そうだね。そうしよう」

マックス「今やってるゲームのせいかもしれないけどね」

リベ「あ〜、それはあるかもね! そういえば、次はレーベの番だよ♪」

レーベ「あっうん、分かった」

マックス「気をつけてね」

リベ「失敗したら噛まれちゃうからね!」

 

 三人は仲良く『ス○パーイタイワニ(ワニの歯を押していく玩具)』で遊んでいたーー。

 

 

 元の場所ーー

 

 コンコンーー

 

グラーフ「開いているぞ、入って来い」

 

 ガチャーー

 

ザラ「失礼しま〜す……」ヒョコ

 

グラーフ「あぁ、ザラか。プリンツに用事か?」

ザラ「はい、先ほど提督からお部屋の準備が出来たと連絡が入ったので、一緒にお部屋を見に行こうかなって……」

プリンツ「わぁ♪ 行く行く〜!」キラキラ

ザラ「じゃあ行こ♪ お部屋を見たら荷物持って行こうね♪」

プリンツ「うん♪ それではビスマルク姉さま、グラーフさん! お部屋を見てきますね!」

グラーフ「あぁ、行ってこい。荷物運びなら私達も手伝うからな」

ビスマルク「い、行ってらっしゃい!」

プリンツ「行ってきます♪」

ザラ「失礼しました〜!」

 

<どんなお部屋かな〜?

 タカオシスターズが隣の部屋らしいよ?>

<そうなんだ! じゃあ利根さん達の部屋も近いね!

 楽しみだね〜♪>

 

 /ワイワイキャッキャッ\

 

グラーフ「ふふ、楽しそうで何よりだな」

ビスマルク「そ、そうね……」

グラーフ「おいおい……まだ夜でもないのに震え過ぎだろう?」

ビスマルク「だ、だって……」

グラーフ「レーベ達に連絡しておけ……」ニガワライ

ビスマルク「い、今連絡する!」ポチポチポチポチ

グラーフ(まぁダメだった時は、私から扶桑や山城にお願いしておくか……私も少し意地悪が過ぎたからな)

 

 そしてその後、プリンツとザラは無事に重巡洋艦寮への引っ越しを終え、楽しい重巡洋艦寮ライフの一歩を踏み出した。

 

 その夜ーー

 

 空母寮、赤城・加賀部屋ーー

 

グラーフ「日本酒は美味いな」グビッ

赤城「それは甘口ですけど、お口に合って良かったです♪」

グラーフ「しかし面白い名前の酒だ……『加賀美人』か……」チラッ

加賀「それはお酒の名前。私とは関係ないわ」ゴクッ

グラーフ「でも私は加賀を美人だと思うぞ? 大和や長門達とはまた別の凛々しい美しさがある」シミジミ

加賀「それはどうも……」ゴクッ

赤城「提督にも美人だとはっきり言われましたもんね♪」ニヤニヤ

 

 ※十一話参照

 

加賀「や、やめてください……////」ポッポッ

グラーフ「はは、加賀もそんな顔をするのだな……流石はアトミラールだ」クスクス

加賀「し、知りません////」ゴクゴク

赤城「そんなに急いで飲んだら体に毒ですよ?」クスクス

加賀「〜////」ウツムキ

 

 \ヨルハナガイゾ? ゴヨウシャクダサイ ウフフフ/

 

 

 ところ変わり戦艦寮、ビスマルク達の部屋ーー

 

ビスマルク「さぁ、どんどん食べなさい♪ 今日の為に私が作ったローテ・グリュッツェよ♪」

レーベ「いきなり泊まりに来いなんて言うか何かと思ったら……」ニガワライ

マックス「一人で過ごすのが嫌だったのね」ヤレヤレ

リベ「でもみんな一緒の方がいいよね♪」ムグムグ

ビスマルク「そうよね!」ウンウン

レーベ「今日のビスマルクは素直だね」クスクス

マックス「毎回そうならこれからも泊まりに来てあげるわ」フフフ

リベ「リベもまたお泊りした〜い!」

ビスマルク「えぇ、勿論よ」ドヤァ

 

 こうしてそれぞれの夜は更けていったーー。




今回はビスマルクをメインに書きました!

因みに作中に出したローテ・グリュッツェはドイツのデザートで主に北部でよく食べられるさっぱり系のデザートです♪ 気になる方は検索してみてください☆

今回も読んで頂き本当にありがとうございました!

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