艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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みんなでわいわい回。


艦これSS十四話

 

 ○○鎮守府、門前ーー

 

 今日は仕事の関係で街へ行ったが、帰りに沢山の野菜と鶏や豚の肉を商店街の人々から譲り受けてしまった。

 日頃街を守ってくれているお礼と言われたら、受け取らない訳にはいかない。

 

提督「今日はこれをみんなに振る舞うとしよう。食堂で間宮さんと伊良湖さんに相談してみるか……。妖精さん達、野菜を運ぶのは任せた。私はこのブロック肉達を運ぶから」

妖精ズ『おまかせあれ!』

 

 私はその足で食堂へ向かった。

 

 食堂ーー

 

提督「ーーと言う訳で、何か良い案はないか?」

伊良湖「うわぁ、こんなに……」

間宮「うーん、ではお鍋にでもしましょうか」

伊良湖「そうですね。白菜、各種のキノコ、人参、大根、長ネギ等、鍋料理に欠かせない食材が勢揃いですしね♪」

間宮「鶏肉は肉団子にしましょう」ニコニコ

伊良湖「では、しらたきとお豆腐を取ってきます」タタタッ

提督「では、今晩は鍋パーティだな。時間になったら、みんなを召集しよう」

鳳翔「では、私もお手伝いしますね」ヒョコ

提督「おぉ、鳳翔。良いところに来たな」

鳳翔「洗濯を取り込んでいたら、提督と妖精さん達が食材を運んでいるところが目に入ったものですから」ニコ

提督「そうなのか。では、鳳翔も厨房で手伝ってくれ。私は執務室へ戻って書類を片付けてから、みんなを召集するから」

鳳翔「はい。分かりました」ニコ

 

 執務室ーー

 

榛名(本日秘書艦)「提督、お帰りなさいませ」ペコリ

提督「あぁ、留守中は何もなかったか?」

榛名「はい。遠征部隊も演習部隊も問題なく帰還して、皆さんからは報告書も預かっています」

提督「そうか、ありがとう。早速確認しよう……それでな榛名」

榛名「はい、何でしょうか?」

提督「何故、頭をこちらに傾けたままなのだ?」

榛名「留守をしていたご褒美に頭を撫でてもらう為です!」

提督「……ありがとう」ナデナデ

榛名「榛名、感激です!」キラヅケカンリョウ

 

 それから各書類を確認し、それが終わった頃には丁度良い頃合いになった。

 

提督「榛名、鎮守府内放送をするから、各所へ回線を繋いでくれ」

榛名「はい!」

 

榛名「完了しました!」

提督「ありがとう、ではーー」

  『全艦に告ぐ。本日は食堂にて鍋パーティを催す為、準備が出来次第、食堂へ集合するように。繰り返すーー』

 

 その放送を終え、私も榛名と共に食堂へ向かった。

 

 

 食堂ーー

 

提督「みんな集まっているな」

榛名「提督、あちらでお姉さま達が手を振ってますよ!」

金剛「テートクー! ハルナー!」ブンブン

提督「あはは、私も呼ばれているな。では私もあのテーブルにお邪魔するとしよう」

榛名「はい♪ さぁ、行きましょう♪」テヲギュッ

 

\コラコラ ソンナニセカスナ ハルナナイスデース!/

 

大和「出遅れました……」チッ

長門「不覚を取ったな」クッ

陸・武『……めんどくせぇ』ハァ

扶桑「荒れてるわね……」

山城「このテーブルに座ったのが不幸だったわ……」

 

五十鈴「今回は譲りましょうか」ギロリ

阿武隈「五十鈴お姉ちゃん、目が怖いよ」ガクブル

由良「あぁしてられるのも今の内だからね、ね」ギラッ

名取「由良ちゃん、平和にね……」ヨシヨシ

 

加賀「ここは譲れません……!」ゴゴゴゴゴ

赤城「一航戦の誇り、見せてあげましょう」ニヤリ

蒼・飛『提督の動きに期待』グフフ

 

愛宕「残念だったわね、高雄。提督取られちゃって」フフフ

高雄「な、何を言ってるの? 残念なんて思ってないわよ」アセアセ

 

隼鷹「鍋は酒が進むなぁ♪」ヘヘーン

飛鷹「貴女はなんでもいいんじゃない……」ハァ

 

雷「司令官はあそこね……」チラチラ

響「何で確認してるんだい?」クビカシゲ

夕雲「そんなの司令官へ『あーん』ってしに行くからに決まってるじゃない!」キッ

巻雲「夕雲姉さん、落ち着いてよぉ」ビクビク

満潮「全く騒がしいわね」フン

荒潮「そんなこと言いながら、提督からは目を離さないのね~♪」

朝潮「満潮は霞と一緒で素直ではありませんからね」

霞「ちょっと、あたしまで巻き込まないでよ。朝雲だって似たようなものじゃない」

朝雲「悪いけど二人に比べたら私はましだから。私はちゃんと司令の目を見て話せるもの」

山雲「朝雲姉ぇは司令さんの瞳を見詰めるのが好きなんだもんね~♪」

朝雲「ちょ、ちょっと山雲っ!////」カァ

 

 みんなそれぞれ楽しく会話して鍋が出来るのを待っているようだ。

 鋭い視線がいくつも私に寄せられているが、榛名が手を握っているからだろう。

 

提督(後で各テーブルを回るか……)

 

 金剛達の座るテーブルに着くと、金剛達が満面の笑みで私を迎え入れてくれた。

 

 それから間宮さんと伊良湖さんと鳳翔が妖精さん達と共に各テーブルに鍋を置いていく。

 

間宮「それでは提督、皆さんに何か御言葉を」ニコ

提督「そうだな……皆、これは街の人達から我々への感謝の気持ちだ。本日はそれに我々も感謝し、これからも海の平和を守って行こう。乾杯!」

全員『カンパーーーーイ♪』

 

\ワイワイガヤガヤ/

 

金剛「ヘイ、テートクゥ。何を取りマスカ?」

榛名「榛名もお取りしますよ♪」

提督「あぁありがとう。ならお礼に私が二人の分を取ってやろう」

金剛「幸せネー♪」

榛名「榛名、感激です♪」

霧島「比叡お姉さまはどうします?」

比叡「目の前の光景だけでご飯が進むわ……!」b

霧島「そーですかー(棒)」

 

雷「はーい、司令官! お口開けなさい♪ 私特製の味噌ダレよ♪」

夕雲「こっちは夕雲ブレンドのぽん酢ですよ♪」

提督「あぁ、ありがとう、二人共」

 

 わざわざ私の所まで来てくれた二人から食べさせてもらった。

 

提督「うむ、どちらも美味いな」ニコ

雷「えへへ~////」

夕雲「うふふ~////」

金・榛『』クッ

 

 それから私は金剛達のテーブルを後にし、各テーブルを回ることにした。

 去り際に金剛と榛名に『あーん』をするまで行かせないと言われて少し戸惑ってしまった。

 

 長良型姉妹のテーブルーー

 

五十鈴「ここに来るなんて、分かってるじゃない♪」ニコニコギュッ

由良「由良待ってたんだよ?」ピト

阿武隈(あんなあざといお姉ちゃん達見るの初めて……)コンワク

長良「気にしたら負けだよ、阿武隈」ナデナデ

鬼怒「我が姉ながら恐ろしいよね」ヨシヨシ

名取「提督さん、煙草は吸わないんですか?」

提督「あぁ、みんなに悪いからね。吸いたくなったら外に行くさ」

五十鈴「私達のテーブルなら気にしないから吸っても良いわよ?」

由良「そうそう。由良達に遠慮なんてしないでね? ね?」

 

提督「では、御言葉に甘えて……実は吸いたかったんだ」スチャつ煙草

名取「はい、どうぞ」スチャつライター

提督「おぉ、用意が良いな。ありがとう……ふぅ~」

五・由『(やるわね、名取(姉さん))』

名取「ふふふ////」ニンマリ

阿武隈(名取お姉ちゃんも凄いなぁ……)モグモグ

提督「阿武隈、口元にご飯粒が付いてるぞ」ヒョイパク

阿武隈「っ!? ……あ、ありがとう////」ニヘラ

五・由・名『(末っ子パワー恐るべし……!)』

長・鬼『(阿武隈、恐ろしい娘……!)』

 

 高雄型姉妹ーー

 

 長良型姉妹のテーブルを立ち、今は高雄型姉妹のテーブルにやって来た。

 

高雄「愛宕が無理矢理すみません」フカブカ

提督「大丈夫だ。寧ろお前達の誘いなら大歓迎さ」ニコ

高雄「っ!?//// あ、ありがとうございます……////」ウツムキ

愛宕「もう、提督。高雄姉さんばっかり見ちゃだーめ!」メッ

 

\コラアタゴ! パンパカパーン! アマリオスナアタゴ/

 

鳥海「摩耶は行かなくて良いの?」

摩耶「い、いやぁ、あ、あたしは……」モジモジ

鳥海(普段は勇ましいのに、色恋になるとしおらしくなるのよね……)ハァ

 

鳥海「司令官さん、摩耶が食べさせてあげたいみたいですよ~」

摩耶「ちょ、おい! 鳥海!」

提督「それはありがたい。では、その白菜をくれないか?」

摩耶「し、仕方ねぇなぁ……ほらよ////」ニコニコ

提督「……うん。美味いな」ニコ

摩耶「そ、そうだな……えへへ////」ニヨニヨ

高雄「すっごいデレデレね」コソ

愛宕「なんか負けた気がするわぁ」コソ

鳥海(みんな仲良くて嬉しいなぁ)ニコニコ

 

 朝潮型姉妹ーー

 

 高雄型姉妹の所に駆逐艦の娘達が集まって来たので、私は高雄達に一言言ってからそのテーブルを後にした。

 すると荒潮に手を引かれて朝潮型姉妹のテーブルに座った。

 

満潮「ここに来るなんて、どういう風の吹き回しかしら」ニヘラ

霞「女に囲まれて調子乗ってんじゃないわよ、このクズ!」ニンマリ

荒潮(顔と言動が違いすぎるわ……)ニヤニヤ

朝潮(あんなこと言いつつ、司令官の両サイドはしっかり埋めてますね……)ニコニコ

 

大潮「司令官、大潮達のテーブルは豆乳鍋ですよ! とっても美味しいですよ!」ブンブン

朝雲「大潮姉さん、もう少し声のトーン落として……」キーン

山雲「レタス美味しい~♪」ハフハフ

霰「んちゃ……ラー油付けるとご飯が進む……」ムグムグ

 

満潮「ほ、ほら、司令官。口開けなさいよ!////」

霞「食べなかったら魚雷ぶちこむからね!////」

提督「ありがとう……うん! 初めて食べたが胡麻ダレと良く合って美味いな」ニコ

満・霞『えへへ~~////』ニヨニヨ

朝・荒『見てるこっちが恥ずかしくなるレベルね……////』ボソ

 

 それから暫く満潮と霞は腕を離してくれなかったが、どちらも良い笑顔をしていた。

 

 大鍋テーブルーー

 

 朝潮型姉妹の所を後にした私は、食堂の中心に設置した大鍋テーブルに来た。

 

加賀「提督、こちらへどうぞ」スッ

大和「提督、どうぞこちらへ」スッ

加・大『』ギラッ

提督「では、間を取って私はここに座ろう」

 

    陸 長 大 山

通  武       扶

路     大 鍋   提←

   飛       瑞

    蒼 赤 加 翔

 

扶桑「ようこそ、提督」ニコ

瑞鶴「どうぞ、提督さん♪」ニコ

提督「あぁ、お邪魔するよ」ニコ

大・長・加・赤『(解せぬ……)』キッ

山城(姉様が幸せそうで、幸せだわ♪)

翔鶴(流石幸運艦、貴女は私の誇りよ、瑞鶴)

武蔵(長門と姉さんは食べる量が増したな……)

陸奥(やけ食いね……)

飛龍「面白くなりそう」キラキラ

蒼龍「目が離せないね」ワクワク

 

提督「これは何鍋なんだ?」

瑞鶴「水炊きよ」

扶桑「みんな好きなタレで食べてるわ」

提督「なら、定番のぽん酢で頂こう」

翔鶴「今お取りしますね」

山城「ぽん酢はこちらです」

提督「ありがとう……うん、美味い」

 

瑞鶴「そういえば私、ぽん酢で食べたことないなぁ」

扶桑「あぁ、私も食べたことないわね」

提督「そうなのか? なら、食べてみなさい。ほら」

瑞鶴「えぇ!?//// あ、ありがと……あーん……あ、おいひぃ」ニコニコ

提督「そうだろう。ほら、扶桑にも」

扶桑「あら、ありがとうございます。では……あむ……美味しいですねぇ////」ニヘラ

提督「そうだろうそうだろう」ウンウン

 

翔鶴(瑞鶴……貴女が幸せなら私はそれで……)

瑞鶴「翔鶴姉も食べさせてもらいなよ、すっごく美味しいわよ♪」

翔鶴「ファッ!?////」

提督「良いぞ、ほら口を開けなさい」

翔鶴「は、はひ……あむ……お、おいひぃでふ……////」

  (味なんて分からないけど、幸せ……!! 瑞鶴、ありがとう……!!)

 

扶桑「では、次は山城にお願いします」

山城「ね、姉様っ!?」

提督「よしきた。ほら、山城」

山城「……むぐむぐ……美味しいですね////」ニンマリ

  (姉様、ありがとうございます。山城は幸せです)

 

大・長・加・赤『ぽん酢は美味しい、ぽん酢は至高、ぽん酢万歳!』

陸・武『(本当に分かりやすいな)』ハァ

飛・蒼『(すっごく面白いwwwwww)』

 

 鍋パーティもいよいよシメに入り、ご飯を入れる所、麺を入れる所と様々なシメになった。

 私は煙草を吸うため、一旦外へ出てきた。

 すると外には隼鷹と飛鷹が居た。

 

提督「どうした、二人共? もうシメに入ってるいぞ?」

飛鷹「あぁ、提督……隼鷹が、ちょっとね……」ニガワライ

隼鷹「おぉ~♪ て~ろくじゃないかぁ~♪」ヒック

提督「そういうことか」ニガワライ

隼鷹「なんらよ~! あたしゃ、ろってないろ~!」フラフラ

飛鷹「十分酔ってるじゃない……」

提督「では、酔いを覚まさせてやろう」スッ

隼鷹「ん~? ろ~した?」

 

 私は隼鷹に近寄り、抱き寄せる。

 

隼鷹「だいた~ん♪」

提督「たんと飲め」ニコ

隼鷹「あ~~い♪」ニコニコ

 

 ガボッーー

 バケツ一杯の水を隼鷹の口へと注ぐ。

 

隼鷹「がぼがぼ~~~~!?」ゴクゴク

飛鷹「豪快……」ポカーン

 

提督「酔いは覚めたか?」

隼鷹「おぉ~、バッチリ~!」

飛鷹「お手数かけさせてすみません」フカブカ

提督「気にするな。さ、シメを食べてきなさい」ニコ

飛・隼『はい♪』ニコニコ

 

 沢山食べて、沢山笑い、沢山の思い出を作った鍋パーティは幕を閉じたーー。

 

 あれだけ食べてもデザートもちゃんと食べるみんなを見て『甘いものは別腹』とは本当なのだと実感した。




冬はやっぱり鍋ですよね♪
読んでくれて真にありがとうございました!

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