艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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戦艦メイン。

キャラ崩壊含みます。


艦これSS百三十六話

 

 ○○鎮守府、一一○○ーー

 

 戦艦寮、扶桑姉妹部屋ーー

 

山城「はぁ……」

扶桑「ため息なんてして、どうしたの?」

山城「さっき朝雲と山雲に嘘をつかれたんです」ハァ

扶桑「あら……まぁ、今日はエイプリルフールだから、仕方ないわね」ニガワライ

 

扶桑「どんな嘘だったの?」

山城「梨を剥いたからどうぞって渡されて、食べたら梨に似せて切ったカブでした」フフフ...

扶桑「手が込んでるわね」ニガワライ

山城「まぁ、謝ってくれたので笑って許しましたけど」フフフフフフ...

扶桑「ヨシヨシ」ナデナデ

山城「ありがとうございます……」

 

扶桑「でも羨ましいわ」クスクス

山城「何がですか?」

扶桑「私はそんな冗談をされていないもの」ニコッ

山城「されない方がいいですよ〜」

扶桑「そうかしら?」

山城「そうですよ……姉様はどうしてされたいんですか?」

扶桑「だって冗談を言い合える仲っていいじゃない? だからされたいなって思うの」ニコッ

山城「姉様らしい考えですね」クスッ

 

扶桑「でも、今日はよくみんなから声を掛けてもらったり、物を貰ったりしたわね〜」

山城「そうなんですか? 良かったですね♪」

 

扶桑「えぇ♪ 卯月ちゃんから紅しょうがの残り汁をゼラチンで固めたゼリーを貰ったり……」

山城「ん?」

扶桑「漣ちゃんから不思議な手紙を貰ったり……」

山城「え」

扶桑「清霜ちゃんからは大和さんと間違えられたり、午前中だけでとても楽しかったわ」クスクス

山城「それ全部冗談ですよ! 気付いて、扶桑姉様!」ユサユサ

扶桑「そ、そんなに揺らさないで〜」グワングワン

 

 ーー。

 

扶桑「あら〜……なら、全部嘘だったのね〜。気が付かなかったわ〜」クスクス

山城「いやいや、気付きましょうよ……」

扶桑「だって〜」

山城「そもそも、何で気が付かなかったんですか?」

扶桑「みんな間違えたり、失敗することはあるでしょう?」

山城「少しは疑ってくださいよ〜」

 

扶桑「だって卯月ちゃんからは『これイチゴのゼリーだぴょん。あげるぴょん』って言ってすぐに行っちゃったから……」

山城「いや、でも食べたらすぐに分かりますよね?」

扶桑「イチゴのゼリーじゃないのは分かったわ。だから『あ〜、色が似てたから間違えちゃったのかな〜?』って。それに結構美味しかったわ♪」

山城「姉様は紅しょうが好きですからね……」ニガワライ

扶桑「えぇ♪ 次は自分でも作ってみようと思うわ♪」

 

山城「なら漣のは何故気が付かなかったんです?」

扶桑「『これ扶桑さん宛ての手紙です!』って渡されて、中を読んだら「私は貴女が好きです」ってだけ書かれてたから、俗に言うファンレターかなって……」

山城「確かに扶桑姉様は素敵ですけど、いきなり過ぎますよ〜」ニガワライ

扶桑「そう言われてみればそうよね〜。そもそも私なんて他の鎮守府にもいるものね〜」クスッ

山城「姉様ったら……」

 

山城「あとは……清霜に大和と間違えられたんでしたっけ?」

扶桑「そうなのよ〜。ふふっ、『大和姉様、今日は髪を下ろしt……あ、扶桑さん! ごめんなさい!』って」クスクス

山城「あはは……」ニガワライ

  (これはどっちなのかしら……清霜の頭なら本気で見間違いも有り得るわ……う~ん)

扶桑「そもそも大和さんは髪を下ろしたら私より断然長いし、靴下も左右非対称のを履いているからなかなか見間違えないわよね」フフフ

山城「そ、それもそうですね……」カワイタエミ

  (清霜アウト決定ね)

 

山城(山城は姉様の将来が不安です……変な男に騙されたりしないかしら……)ハァ

扶桑「なら、今朝のも冗談だったのかしら?」

山城「今度は何ですか?」

扶桑「金剛さんに『今日はエイプリルフールで嘘をついても良い日デスが、明日は真実しか言ってはいけない日だから、ヨーロッパではプロポーズする人が多いネ』って言われたのよ」

山城「それも嘘ですね……外国ならそんな文化もありそうですが、そんな話をイタリアやローマ、ビスマルク達から聞きませんでしたから」

扶桑「あら、残念。素敵な日だと思ってたのに〜」

山城「まぁ、素敵な嘘ではありますね」フフ

 

 コンコンーー

 

扶桑「は〜い?」

 

 ガラガラーー

 

満潮「失礼するわ」

 

山城「あら、満潮じゃない。どうしたの?」

満潮「午後の訓練の事で司令官が相談があるそうよ」

扶桑「あらあら、なら今行くわ」

山城「念の為聞いていい?」

満潮「何?」

山城「それ、エイプリルフールの嘘じゃないわよね?」

扶桑「山城ったら……」ニガワライ

 

満潮「あぁ、確かに嘘を言ってる馬鹿共もいるわね……安心して、私は今日秘書艦だし、嘘じゃないわよ」

山城「ほっ……良かった」

満潮「どんだけ嘘つかれたのよ」ニガワライ

扶桑「ふふ、みんな冗談が言い合える仲って事でいいじゃない」ニコッ

満潮「こっちはどんだけお人好しなのよ」ヤレヤレ

 

山城「そう言えば、満潮は誰かに何かしら嘘ついたの?」

満潮「え……まぁ、うん」プイッ

扶桑「満潮ちゃんにしては珍しいわね〜。どんな嘘をついたの?」

満潮「……今の////」

扶・山『え?』

 

満潮「今の『満潮は誰かに何かしら嘘をついたの』ってやつの答え////」

山城「もっと分かりやすい嘘をつきなさいよ」ニガワライ

扶桑「騙されたわ〜」クスクス

満潮「だって……冗談を言い合える仲っていいって言うから……私もって思って……////」ウツムキ

山城「わざわざ無理して言わなくてもいいのよ」ナデナデ

扶桑「そんなことしなくても、満潮ちゃんは私達の大切な仲間よ」ナデナデ

満潮「な、撫でないでよ!////」

山城「それも嘘だから、撫でてほしいのよね? 分かってるわよ♪」ナデナデ

扶桑「満潮ちゃんは素直じゃないからね♪」ナデナデ

満潮「本当なの〜!////」カオマッカ

扶・山『あはは』

 

 そして扶桑と山城は満潮をうんと可愛がり、満潮は下手な嘘をついた自分を恨んだーー。




今日はエイプリルフールということで、扶桑さんと山城さんをメインにエイプリルフール回にしました!
こんな微笑ましいエイプリルフールなら平和で良いですよね♪

読んで頂き本当にありがとうございました!

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