艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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妖精、提督メイン。

独自設定含みます。


艦これSS百十七話

 

 ○○鎮守府、二三○○ーー

 

 食堂ーー

 

食堂妖精a「皆さん集まりましたね?」

妖精あ「居酒屋『鳳翔』組は全員いますです」

工廠妖精α「こちらも全員います」

ドック妖精1「こちらも全員集合しております」

食堂妖精b「後は提督さんが来ればオッケーですね」

 

妖精い「外には艤装妖精さん達が見張りでいるので、提督さんが来た場合はすぐにお通し出来ます」

 

 カチャーー

 

提督「すまない。少し遅れてしまった」

工廠妖精β「いえいえ、大丈夫です♪」

ドック妖精2「では早速作業開始です!」

 

全員『応っ!』

 

 明日はホワイトデー。そこで私と妖精さん達は協力してホワイトデーに艦隊の皆に渡すお返しのお菓子を作ることにした。

 

 間宮さん達には妖精さんの会議を食堂で行うと話をし、営業時間が終わった後にこうして集まった。

 

 食堂の外にはそれぞれの艤装妖精さん達が見張りをし、食堂の中に入れないようにしている。

 

 事前に夜間の見回り組には『妖精さん達の会議が食堂で行われている為、食堂には立ち入り禁止』と話は通しておいたが、川内や青葉にはくれぐれも注意が必要のため、夜間偵察機妖精さん達にも協力してもらっている。

 

ドック妖精3「お返しのお菓子は何を作るんです?」

工廠妖精γ「おいおい、昼間に話したろ? クッキーだよ、クッキー!」

妖精ろ「まぁクッキーが一番無難かつ波風立たなそうだからですね」

妖精い「因みにクッキーは『友達でいましょう』と言う意味になるです」

食堂妖精a「マシュマロが『あなたは嫌いです』。キャンディーが『あなたが好きです』。そしてマカロンが『あなたは特別です』と言う意味になりますです」

提督「そんな意味があるとは知らなんだ」ウーン

 

ドック妖精1「去年も同じくクッキーでしたし、気持ちを込めて作ればどれでも大丈夫かと」キリッ

工廠妖精α「それもそうだ。よし! 早速クッキー作り開始〜!」

 

食堂妖精b「先ずは薄力粉ですね」

 

 どっさり

 

食堂妖精a「続いてお砂糖です」

 

 わっさり

 

食堂妖精c「そしてサラダ油と牛乳ですね」

 

 どどーん

 

提督「物凄い量だな……」

工廠妖精α「まぁここに所属する艦娘の数は百を超えてますし、お一人十枚ずつの配分ですから」

ドック妖精3「千五百以上は作らなくてはいけませんからね」

 

食堂妖精a「オーブンを百七十度に設定して、各自ボウルに材料を入れて生地を作るです」

食堂妖精b「分量は我々が調節しますから、各自ボウルを持ってきてくださいです」

食堂妖精c「混ぜる時は必ずゴムベラを使ってくださいです〜!」

 

 ーー。

 

提督「こうして集まって料理をするのも乙なものだな」マゼマゼ

ドック妖精1「なかなか新鮮で楽しいです♪」コネコネ

妖精ろ「そういえば提督さんはどうやって艦娘の皆さんにこのクッキーを配るんです?」

工廠妖精β「くれぐれもまとめて渡すのは避けてくださいね。それは女性からしたら最もNGなのです」

提督「勿論一人一人、手渡しするさ。皆も私に一人一人チョコを食べさせてくれたのだからな」

 

工廠妖精γ「流石は提督さんです」

ドック妖精3「きっと皆さん喜びますよ!」

提督「その為にも、頑張って作らねばな!」

 

 ーー。

 

食堂妖精b「じゃあ次の段階に入りますがーー」

 

 ピー! ピー! ピー!

 

夜間偵察機妖精『赤城、青葉、川内が接近中! 繰り返す、赤城、青葉、川内が接近中! 警戒せよ!』

 

提督「赤城までとはな……」ニガワライ

工廠妖精α「どうします?」

提督「私が行けば済むだろう。少し待っていてくれ」

妖精ズ『了解!』

 

 

 食堂前ーー

 

川内「夜戦〜♪ 夜戦〜♪ や~せ〜ん〜♪」

青葉「スクープの匂いがします〜♪」

赤城「何やら美味しそうな思惑が!」

 

提督「」

 

赤・青・川『』ビクッ

 

提督「ここは立ち入り禁止のはずだが?」

赤城「いえ、あの……寝付けなくて散歩してたらここに……」アセアセ

青葉「夜の鎮守府の風景を撮影していたら、ここに……」タジタジ

川内「夜戦訓練してたらここに来ちゃって……」オドオド

 

提督「本当か?」キッ

 

赤・青・川『』ゾクッ

 

赤城(あ、足が竦んで動けない……!!)

青葉(威圧で動けないです……!!)

川内(睨まれただけなのに……!!)

 

提督「もう一度訊く。本当にたまたまここへ来たのか?」

 

赤・青・川『ご、ごめんなさい!』

 

提督「分かれば良い。ここは立ち入り禁止だ。もう夜も更けている……早く寝なさい」ニコッ

赤・青・川『は、はい! 失礼しました!』

 

 脱兎!

 

提督「」フゥー

夜間偵察機妖精「お疲れ様です、提督さん」

提督「そちらもな。もう来ないだろうが、念の為もう暫くは警戒していてくれ」

夜間偵察機妖精「お任せあれ、です」ケイレイ

提督「うむ」ケイレイ

 

 

 食堂内ーー

 

提督「待たせてすまない」

食堂妖精a「いえいえ、お疲れ様でした」

 

食堂妖精b「では早速、次の段階に行きますです」

 

食堂妖精c「先程作った生地をラップに取り、一センチくらいの厚さにして、正方形になるようにまとめます」

 

提督「」フムフム

 

 ーー。

 

食堂妖精b「生地をまとめたら、ラップを巻いた包丁で生地を切ります。お一人二十五等分で切れるはずです」

 

食堂妖精a「そして切り終わったらお箸でチョンチョンっと目を作って、計量スプーンでお口を作りますです♪」

 

食堂妖精c「後はオーブンで十五分間焼けば終わりです! さぁ、どんどん作りましょう! ひび割れの可能性も考慮して多めに作りますです〜!」

 

全員『応っ!』

 

 

 こうして私と妖精さん達のホワイトデーに向けたクッキー作りは夜中まで行われ、無事に全員分のクッキーが完成した。

 

 後片付け等で寝たのは夜中の三時頃だったが、私を含めた全員が心地よい疲労感に満ちていた。




今回はホワイトデー前日ということで、こんな感じにしました!

読んで頂き本当にありがとうございました!

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