艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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空母メイン。

キャラ崩壊含みます。

今回はいつもより長めです。


艦これSS百話

 

 ○○鎮守府、一○○○ーー

 

 執務室ーー

 

 コンコンーー

 

提督「入りなさい」

 

 ガチャーー

 

ビスマルク「提督、連れてきたわよ」

プリンツ「どうぞ、お入りください♪」

 

 スッーー

 

グラーフ「Guten Morgen(おはようございます)! 私が航空母艦、グラーフ・ツェッペリンだ。貴方がこの艦隊を預かる提督なのだな?」

提督「いかにも私がここの艦隊を預かる提督だ。君の着任を心から歓迎する。以後よろしく頼む」

 

 彼女はドイツから遥々着任したグラーフ・ツェッペリン級正規空母の一番。

 一言で言えば冷静沈着な武人。しかし、そのグレーの瞳は好奇心と不安が見え隠れしている。

 

グラーフ「そうか……了解だ」

    (凄く強い心を持ってる良い瞳だ……)

提督「君には期待しているよ」ニカッ

グラーフ「」ドキッ

    (期待している、か……嬉しいものだ)フフ

 

提督「ではビスマルクにプリンツ。グラーフに鎮守府の案内を頼む」

ビスマルク「分かったわ。早速行きましょうか」グイッ

プリンツ「責任をもってご案内しますね♪」グイッ

グラーフ「う、うむ、よろしく」ズルズル

 

 パタンーー

 

提督「後は三名の着任を待つのみか……」ウンウン

 

 本来なら今作戦が終わった後に着任すると思っていたが、向こう(ドイツ)の事情もある為、他の三名より少し早くの着任になった。

 

提督「早く慣れてもらえるといいな」

 

 窓から空を見上げ、空にそう言うと「大丈夫」と言わんばかりに窓から潮風が私の頬を撫でた。

 

 

 戦艦寮、ビスマルク・プリンツ部屋ーー

 

ビスマルク「ここが私達の部屋よ」

プリンツ「グラーフさんは空母ですが、私達と同じこちらのお部屋になります♪」

ビスマルク「空母寮が良いなら提督にそう申請すると良いわ」

グラーフ「いや、ここで構わない」

ビスマルク「あなたの荷物はもう部屋の中へ入れておいたから、案内が終わったら荷物整理を手伝うわね」

グラーフ「Danke」

プリンツ「では改めて、鎮守府のご案内をしますね♪」

グラーフ「Danke」ニコッ

 

ビスマルク「今任務でいないけどレーベやマックス、ユー……じゃなくて、ろーが帰ってきたら、ちゃんと紹介するわね」

プリンツ「みんなグラーフさんに会いたがってましたよ〜♪」

グラーフ「それは楽しみだ」ニコニコ

 

 

 弓道場ーー

 

グラーフ「ここが日本の空母達の訓練施設……」キョロキョロ

ビスマルク「丁度赤城が射るところね」

プリンツ「静かに、ですね」コソコソ

 

赤城「…………」

 

 眼光だけで的を貫くかのような眼差し、しかし決して力み過ぎていない出で立ち。

 それは正しく大和撫子と言う言葉しか浮かばない光景だった。

 

赤城「……ふっ」

 

 シュパッ……ターーン!

 

 射ると小さく気持ちの良い音が鳴る。そして直ぐに矢は的の真ん中へと吸い込まれ、射った時とは違う豪快な音を立てた。

 

赤城「ふぅ……」

加賀「見事です、赤城さん」

赤城「ありがとうございます。でも、少しズレちゃいました」

 

 赤城が放った矢は、確かに中心から少しズレていた。

 

加賀「先日の入渠は長くなりましたし、多少は仕方ないでしょう」

赤城「まだまだね……」フム

加賀「?」

 

加賀「あら、ビスマルクさんにプリンツさんと……そちらは?」

赤城「? あら、こんにちは」ニコッ

 

ビスマルク「こんにちは、邪魔してるわ」

プリンツ「こんにちは♪ こちらは本日着任されたグラーフさんです!」

グラーフ「Gutーーこんにちは……私はグラーフ・ツェッペリン。貴女達と同じ正規空母だ、よろしく」ペコリ

 

赤城「ふふ、無理にこちらの言葉で挨拶をしなくても大丈夫ですよ♪ 私は正規空母、赤城です。そしてこちらが同じ正規空母の加賀さんです。よろしくお願いしますね♪」

加賀「加賀です。以後お見知り置きを」ペコリ

 

グラーフ「貴女が私の設計に関わった赤城、なのか?」

赤城「みたいですね♪ と言っても大戦時代の艦の時ですけど」ニコッ

グラーフ「貴女の艦載機用昇降エレベーターはとても活用性があった。これからは艦娘として、良きお手本とさせてもらう」ニコリ

赤城「はい♪ 良きお手本となれるよう頑張ります」ニコッ

 

加賀「くれぐれも無駄に大食いな所はお手本にしないようにしてくださいね」フフリ

赤城「か、加賀さん! そんなこと今はいいでしょ〜!?////」カァー

加賀「いえ、先に言わないと、取り返しのつかないことの無いようにしたいので」クスクス

赤城「むぅ〜!!」プンプン

 

グラーフ「良いコンビだ……共にお手本とさせてもらう」クスクス

赤城「加賀さんみたいに意地悪にはならないでくださいね!」

加賀「酷い言われようね」クスクス

グラーフ「そうだな……相方は大切にすべきだぞ、赤城よ」クスクス

赤城「むぅ〜〜、二人して〜!////」カオマッカ

 

ビスマルク「早速意気投合してるわね。これなら問題無さそうね」ニコッ

プリンツ「はい♪」

 

 そしてその後もビスマルク達はグラーフを連れて、他の設備を案内していった。

 

 

 食堂ーー

 

ビスマルク「最後にここがみんなの食堂よ」

プリンツ「ここでお菓子も食べられますよ♪」

グラーフ「ここが……」キョロキョロ

 

間宮「いらっしゃいませ〜」ニコッ

伊良湖「いらっしゃいませ! あなたがグラーフさんですね?」

グラーフ「あ、あぁ、今日着任したグラーフ・ツェッペリンだ」

間宮「はい♪ 提督から事前に教えてもらっていたので存じていますよ♪」

伊良湖「では、お近付きの印にスペシャルパフェをどうぞ!」ドンッ

 

グラーフ「これは……!!」

 

間宮「提督から、皆さんが食堂にお越し頂いた際にお出しするよう言われましたので♪」

伊良湖「ビスマルクさんとプリンツさんの分もちゃんとありますからね♪」ウインク

ビ・プ『Danke!』キラヅケカンリョウ

 

グラーフ「Danke schön(ありがとうございます)」ニコッ

間・伊『いえいえ♪』ニコニコ

 

 

 テーブルに座ってスペシャルパフェを堪能中ーー

 

グラーフ「Schmeckt gut(美味しい)!」パクパク

ビスマルク「ふふ、スペシャルパフェを食べられるなんて、アトミラールに感謝しなきゃいけないわね♪」モグモグ

プリンツ「間宮さん達にも感謝ですね♪」パクン

 

グラーフ「ここのアトミラールのことはプリンツからの手紙や着任前の資料で拝見したが、実際に会うと素晴らしい武人だとはっきり分かった」モグモグ

ビスマルク「執務室でアトミラールの眼に釘付けだったものね、貴女」ニヤリ

グラーフ「し、仕方ないだろう? ずっとプリンツから優しい人だとか艦娘思いの良い人だとか言われ続けていたのだから////」

プリンツ「だってグラーフさんが知りたいって言うから」ニヤリ

グラーフ「くぅ……と、とにかきゅだ! アトミラールの力になれるよう頑張りゅから、これから色々頼むじょ////」カミカミ

 

ビ・プ『Natuerlich will ich(勿論)♪』ニヤニヤ

グラーフ「くぅ……もう知らにゃい!////」ガツガツ

ビスマルク「えぇ、知らにゃい知らにゃい」ニヤニヤ

プリンツ「知らにゃいですよ〜♪」ニヤニヤ

グラーフ「〜////」ガツガツ

 

 こうしてまた心強い(?)仲間を迎え、鎮守府はより賑やかさが増すのであったーー。




グラーフさん着任しました! 的な回にしました!

後々他の新艦娘も出していくので、どうかお楽しみに!

読んで頂き本当にありがとうございました!

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